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離婚調停を突然申し立てられ、裁判所から書類が届いた時の対応

解説の執筆者:弁護士 浅野 英之

妻(または夫)が別居して、離婚に向けた流れがスタートするとき、ある日突然、裁判所から書類が届き、離婚調停が開始されてしまうケースがあります。

離婚問題の多くは、相手に弁護士がつくと、弁護士から手紙がきたり電話がきたりして、話し合いからスタートすることが多いですが、そのような段取りが一切なく、突然離婚調停が申し立てられてしまうことも少なくはありません。

このようなケースの多くは、あなたがモラハラ・DVを疑われているなど、相手から「話し合いをしてもうまくいかない」と思われている可能性が高いです。そのため、感情的にヒートアップせず、冷静な対応が大切です。

今回の解説では、

  • 離婚調停が突然申し立てられてしまったときの対応
  • 家庭裁判所から届いた書類への対応方法
  • 初動対応を弁護士にまかせるメリット

といった法律知識について、離婚問題を多く取り扱う弁護士が解説します。

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解説の執筆者

弁護士 浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士。

弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

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話し合いなく、突然離婚調停を申し立てられるケースとは

離婚に向けた流れは、離婚協議(話し合い)、離婚調停、離婚訴訟の順に進むことが通常です。離婚調停には平均4〜6ヶ月の期間がかかるため、まずは話し合いをし、合意で解決できないか模索するほうが、離婚調停をするよりも早く解決できる場合が多いからです。

しかし、離婚調停を申し立てることに、相手の同意や承諾は不要です。

そのため、冒頭でも説明したとおり、次のようなケースでは、相手が突然、話し合いをすることなく離婚調停を申し立ててくることがあります。このとき、あなたは裁判所から書類が送られてきて初めて気づくこととなります。

  • あなたがDV・モラハラを疑われているとき
  • 夫婦の同居中、あなたが話し合いを強く拒否していたとき
  • お互いの居場所や連絡先がわからないとき
  • 求める離婚条件に大きな差があり、妥協が難しいことが明らかなとき

あなたとしても、挨拶も一言もなく突然離婚調停を申し立てられれば、戸惑い、怒りを覚えることでしょう。上記のようにあなたにDV・モラハラなどの問題があると疑われたことが理由となっているとき、特に感情的にたかぶってしまうと思います。

しかし、「離婚調停を申し立てるかどうか」といった方法の選択は、離婚を求める側に任されていますから、離婚調停には冷静になって対処しなければなりません。

なお、別居した妻(または夫)が、話し合いをせずに離婚調停を申し立てるときでも、弁護士を依頼しているときには、弁護士から通知書などで一報あることが通例です。一報送ったほうが感情的な対立を回避でき、離婚調停をスムーズに進められることを弁護士は知っているからです。

このとき、弁護士から届く手紙には次のようなことが書かれます。

・弁護士を窓口とし、直接の連絡は控えてほしい
・離婚調停を申し立てたので、求める離婚条件は調停で伝えてほしい

参考解説

裁判所から突然書類が届いたときの対応

裁判所から突然書類が届くと、焦ってしまう方も多いでしょうが、冷静に対応するようにしてください。ここでは、裁判所から突然届いた書類について、確認すべきことや対応すべきポイントについて弁護士が解説します。

対応は、重要な順に、次のステップで進めてください。

調停期日・書面提出期限を確認する

裁判所から届いた封書をあけると、「期日通知書」と記載された書面が入っています。この書面には、離婚調停が行われる日時が記載されていますので、まずは期日の確認してください。あわせて、期日の1週間前程度に、答弁書の提出期限が設けられていることが通常です。

期日は、東京地裁の実務では午前10時〜正午、午後1時〜3時、午後3時〜5時を目安に指定されています。

第1回期日にどうしても参加できないときは、早めに裁判所に連絡をすることで、変更してもらえるよう依頼することができます。

弁護士を依頼することで代わりにいってもらう方法もありますが、離婚調停は、その場で当事者が発言する内容を重視する手続きなので、弁護士を依頼したときにもできるだけ同席することがおすすめです。

調停申立書の内容を確認する

次に、同封されている調停申立書の内容を確認します。

調停申立書は、相手(夫または妻)が離婚を求めて家庭裁判所に提出した書類であり、相手の言い分が記載されている重要なものなので、しっかり分析、検討しておく必要があります。

ただし、離婚調停の申立書には定形の書式があり簡易なものです。そのため、申立書の記載だけでは相手の真意をつかみとることが難しいこともあるため、あわせて陳述書や証拠が同封されているときは、そちらの内容も確認しておくようにしてください。

申立書や証拠は、あくまでも相手(夫または妻)の言い分を記載したものですので、あなたに一方的に不利な内容が記載されていても腹を立ててはいけません。最初の段階で一喜一憂するのではなく、ここからきちんと反論することで、有利な流れで離婚調停を進めていく努力が大切です。

答弁書を作成する

家庭裁判所から届いた封書には、答弁書の書式・ひな型が同封されています。答弁書は、簡易な書式となっており、申立書を見ながら順番にあなたの言い分をチェックしていくことができる内容になっています。

答弁書に言い分を書ききれないときには、別途で主張書面を添付したり、陳述書を作成して提出したりする方法で、調停委員にわかりやすく伝えていくことができます。

ただし、初期の段階から自分の言い分を強く伝えすぎることが、DV・モラハラの問題がある人物だというイメージを抱かせたり、話し合いの難しい、性格に難のある方だと思われてしまったりするおそれがあるため、やりすぎは禁物です。

なお、調停の第1回期日に参加できないときも、必ず提出期限までに答弁書を提出するようにしてください。

離婚調停の初動対応を弁護士に依頼するメリット

以上のような裁判所の書類への対応は、自分で行うこともできますが、相手が弁護士を依頼して離婚調停をしてきたとき、あなたも弁護士に相談、依頼することがおすすめです。

相手から突然離婚調停を起こされてしまったとき、第1回期日の調整にこちらの意見が考慮されていないため、もし弁護士を依頼するときには、弁護士の予定調整も必要となることから早めに相談しておくことが大切です。

特に、話し合いもなく離婚調停を申し立ててきたケースでは、弁護士を依頼することに次のようなメリットがあります。

誠実に話し合うことをアピールできる

1つ目のメリットは、誠実に話し合うことをアピールできることです。

話し合いをせず突然離婚調停を申し立ててくるとき、相手は、調停委員に対して、申立書や陳述書などで、「あなたが誠意をもって対応しないから話し合いができなかった」とアピールしている可能性があります。

誠実に対応する姿勢があり、相手の主張が間違っていることを示すことで、離婚調停で調停委員を味方につけ、有利な話し合いを進めることができます。

DV・モラハラ気質でないことを示す

2つ目のメリットは、DV・モラハラ気質でないことを示せることです。

突然離婚調停がはじまってしまったとき、あなたの側にも伝えたい主張が多くあるはずです。しかし、感情に任せてその主張をまくしたてては、ますますDV・モラハラ気質だというイメージを抱かれてしまうおそれがあります。

弁護士に依頼し、調停の初動対応を任せることで、第1回期日の対応の指導を受け、適切な話し方を教えてもらっておくことが有効です。

法的に正しく反論できる

3つ目のメリットは、法的に正しい反論をして、相手の請求を拒否できることです。

相手が弁護士に依頼して離婚調停を申し立ててくるとき、離婚要求や離婚条件について、既に法的な検討が十分に行われていると考えられます。

そのため、あなたが反論するときにも、法律知識、裁判例の知識を踏まえた正しい反論を行う必要があり、弁護士の助けを借りることが有益です。

離婚調停に対応しないとどうなるか

一言の挨拶もなく突然離婚調停を申し立てられると、そのような離婚調停には対応したくないと思う気持ちもよく理解できます。しかし、あなたの意に反するものでも、離婚調停に対応しないことにはリスクがあります。

裁判所から送られた書類を無視するとか、答弁書を提出せず期日にも出席しないといった対応をすると、ますます話し合いでの解決の余地はないとみられ、相手が離婚訴訟を申し立てる可能性が上がります。

日本では、離婚について「調停前置主義」がとられており、調停をしないと訴訟ができないことから、この条件をクリアするために離婚調停を申し立ててきたのかもしれません。このような相手に対し、離婚調停に出なければ、次は離婚訴訟を起こされるだけであり、有利な解決にはなりません。

ただでさえ、話し合いせずに離婚調停をされていることについて、あなたが話し合いに応じないせいにされている可能性が高く、そのような悪いイメージを上書きすることにもつながります。当然ながら相手の納得行かない主張には反論がおありでしょうから、離婚調停の期日に参加し、しっかり伝えていくべきです。

参考解説

離婚問題は浅野総合法律事務所にお任せください!

今回は、妻(または夫)が突然離婚調停を申し立て、話し合いもなく家庭裁判所から郵送物が届いたときの適切な対応方法について弁護士が解説しました。

一報あってから調停に進むことが実務では多いですが、断りなく離婚調停を申し立てることもできます。そのような事例の多くは、あなたに何か問題点があると思われているおそれがあり、感情的にならず、冷静に対応することがポイントです。

突然の連絡に怒り、本人に直接問いただしたり、行方を突き止めて会いに行ったりといった対応は、ますますDV・モラハラといった問題があるというイメージを強めることとなります。裁判所からの書類の確認事項にきちんと対応し、あなたの側でも弁護士に相談することがおすすめです。

突然離婚調停を申し立てられて対応にお悩みの方は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。

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