
弁護士法人浅野総合法律事務所
代表弁護士
浅野英之
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。第一東京弁護士会所属(登録番号44844)。
「迅速対応、確かな解決」を理念とし、依頼者が正しいサポートを選ぶための知識を与えることを心がけています。

弁護士法人浅野総合法律事務所
代表弁護士
浅野英之
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。第一東京弁護士会所属(登録番号44844)。
「迅速対応、確かな解決」を理念とし、依頼者が正しいサポートを選ぶための知識を与えることを心がけています。
離婚調停を考え始めたとき、多くの方が気になるのが費用の問題でしょう。
離婚調停では、裁判所に納める申立手数料(収入印紙代)、郵便切手代(郵券)に加え、弁護士へ依頼する場合は弁護士費用が発生します。ただし、調停自体にかかる費用はさほど高額ではなく、弁護士費用も、事案の内容によりますが、訴訟よりは低く抑えられます。
離婚調停では、裁判所に納める実費と弁護士費用は各自の負担が原則ですが、例外的に相手に負担させられることがあります。調停委員が双方の意見を整理しながら解決を目指しますが、出廷日当が発生する契約だと、解決までの期間に応じて弁護士費用が嵩むおそれがあります。
今回は、離婚調停にかかる費用の内訳や相場、弁護士費用の目安、費用は誰が支払うのかといった基本的なルールについて、弁護士が解説します。

はじめに、離婚調停にかかる費用について、その内訳を解説します。
離婚調停にかかる費用は、裁判所へ支払う費用、弁護士費用、必要書類の取得費用や交通費などの実費に分けられます。あらかじめどのような費用が発生するかを把握しておけば、安心して離婚調停の計画を立てることができます。
離婚調停を申し立てる際には、家庭裁判所へ納める費用が必要です。主な内訳は、申立手数料(収入印紙代)、郵便切手代(郵券)です。
なお、離婚調停が不成立となり、その後2週間以内に離婚訴訟を提起した場合には、申立手数料の1,200円は訴訟の手数料に充当されます。
離婚調停を弁護士へ依頼する場合は、弁護士費用が発生します。
法律事務所によって料金体系が異なり、事案の内容や難易度、想定される業務量などをもとに見積もるのが通常ですが、離婚調停の弁護士費用であれば、相場は80万円〜100万円程度が目安となります。一般に、次のような費用で構成されています。
離婚調停にかかる弁護士費用に不安がある場合は、事前に法律相談を実施し、見通しを立てておくことが安心です。ぜひ、初回の無料相談をご活用ください。
「離婚の弁護士費用の相場」の解説

離婚調停では、裁判所や弁護士に支払う費用のほか、様々な実費が生じます。
例えば、調停期日に出席するための交通費や、戸籍・住民票・不動産の登記簿謄本・課税証明書など、調停で必要となる様々な書類を取得するための費用が挙げられます。いずれも少額なことが多いですが、総額としてどれくらいになるか、弁護士に目安を確認しておきましょう。
次に、離婚調停にかかる弁護士費用の相場を解説します。
離婚調停を弁護士へ依頼する際にかかる弁護士費用は、法律事務所ごとの料金体系に従うため、一律の金額はありません。ただし、多くの法律事務所では、相談料・着手金・報酬金が基本となっており、事案の種類や難易度、経済的利益などによって一定の相場があります。

離婚調停の弁護士費用の相場は、総額でおおむね80万円~100万円程度が多いですが、争点が少なく短期間で解決できる場合は低く抑えられます。一方で、親権争いなどの複雑な争点があったり、財産分与や慰謝料を獲得できた場合には、費用が高くなることもあります。
相談料の相場は、「30分5,000円」「1時間1万円」程度です。
ただし、離婚調停を控えた状況においては、初回相談を無料としている法律事務所が多いです。無料相談を活用すれば、事件の見通しや弁護士費用の見積もりを事前に確認し、依頼するかどうかを検討することができます。なお、法律相談では、費用だけでなく、離婚調停を申し立てるべきか、どのような証拠を準備すべきかといった方針も合わせて確認してください。
離婚調停の着手金の相場は、40万円程度です。
着手金とは、弁護士が事件に着手する際に支払う費用であり、離婚調停の結果にかかわらず原則として返還されません。その金額は、争点の多さや事件の難易度によって異なります。例えば、離婚そのものに争いがなく、養育費や財産分与の金額を調整するケースよりも、激しい親権争いがあったり、高額な財産分与が争点となったりするケースの方が高めに設定されるのが通常です。
「婚姻費用の分担請求調停を同時に申し立てるとき」に、弁護士費用が追加で必要かどうかについても確認しておいてください。
なお、協議からの継続依頼の場合には着手金を半額程度とすることがあります。一方で、調停から訴訟に移行する場合には、追加の着手金が必要となります。
離婚調停の報酬金の相場は、40万円程度の固定報酬に加え、財産分与や慰謝料などで獲得した経済的利益の10%程度の変動報酬を加算するのが通常です。
報酬金は、離婚の成立、財産分与・慰謝料・養育費の獲得といった成果に応じて支払います。経済的利益の場合には、約束された割合を乗じて計算しますが、それ以外に、親権の獲得など、金銭以外の目標に応じて報酬金を設定することがあります。
高額な財産分与や慰謝料を獲得できた場合、それに応じて報酬金が増えることとなります。一方、経済的利益の発生が予想されない事案では、固定報酬を定めることもあります。
料金体系は法律事務所ごとに異なり、「どのような場合に報酬金が発生するか」という疑問が生じやすいため、契約前に計算方法を十分確認しておくことが大切です。特に、「離婚を回避したい」「親権を得たい」といった金銭以外の条件を目標とする場合、報酬金の確認は必須となります。
弁護士費用は、事件の内容や対応に要する時間・労力によって変動します。
予想外の費用がかかって不利益を被らないよう、方針や見通しを弁護士に確認し、調停で達成できた結果ごとに、どのような費用がかかるかをシミュレーションしてもらいましょう。
例えば、親権や養育費、財産分与、慰謝料など多くの争点があるケースや、相手が強硬に争って調停が長期化するケースなどでは、弁護士の業務量が増え、期日の回数が多くなる傾向にあるため、弁護士費用も高くなりがちです。また、調停不成立となって離婚裁判(離婚訴訟)へ移行すれば、さらに追加の費用が必要となります。
一方で、離婚そのものには合意しており、争点が限られるケース、十分な証拠がそろっていて早期に調停が成立したケースでは、比較的費用を抑えられる可能性があります。したがって、早期解決のためには、離婚調停前の証拠の準備が欠かせません。
もっとも、「費用」だけで依頼するかどうかや弁護士選びを決断するのはおすすめできません。経験豊富な弁護士が介入することで、有利な条件で離婚が成立したり、財産分与や養育費が適正に確保できたりすれば、結果として費用以上のメリットを得られます。そのため、費用だけでなく、得られる利益や将来の紛争予防まで含めて総合的に検討することが重要です。
「離婚調停の流れ」の解説


次に、離婚調停にかかる費用について「誰が払うのか」を解説します。
実際に、調停を申し立てる方から、「費用は相手に負担してもらえるのか」「勝った場合は弁護士費用を請求できるか」といった質問を受けることがあります。しかし、離婚調停では、裁判所へ支払う費用や弁護士費用について、各自が負担するのが原則とされています。
離婚調停で裁判所に支払う手続費用は、各自の負担が原則です。
したがって、離婚調停を申し立てる側(申立人)は、申立手数料(収入印紙代)、郵便切手代(郵券)、必要書類の取得費用などを負担します。調停が成立した際にも、費用の負担について特別の定めをしなかった場合、各自が負担することとなります(家事事件手続法29条3項)。もっとも、裁判所へ納める費用は数千円程度であり、比較的少額に抑えることができます。
ただし、例外的に、裁判所は事情により、特定の当事者に費用の全部または一部を負担させることができます(家事事件手続法28条2項)。
離婚調停で弁護士へ依頼した場合、その弁護士費用は依頼者が負担するのが原則です。
これは、離婚調停だけでなく、民事事件全般に共通した考え方であり、有利な調停が成立しても、離婚について相手に責任がある場合でも、弁護士費用を相手に請求することはできません。そのため、弁護士へ依頼する際には、相談料や着手金、報酬金などの費用を事前に確認し、総額の見通しを把握した上で契約することが重要です。
離婚調停では、弁護士費用を相手に請求することはできないのが原則です。
調停はあくまで話し合いを前提とした手続きであり、夫婦双方の合意によって調停成立となります。そのため、「どちらが悪いか」を決めるものというよりは、話し合いによる譲歩や妥協、調整を目的とします。一方が、自身の弁護士費用まで相手が支払うことを強硬に求めれば、話し合いは平行線となり、調停不成立となる可能性が高まります。
訴訟の場合は、不法行為に基づく損害賠償を行う際、弁護士費用の一部(通常は損害の1割程度)を「損害」とし、相手に請求することを認める例があります。そのため、不貞行為やDVなどの離婚原因が証拠で明らかにされ、離婚裁判(離婚訴訟)に移行すれば慰謝料請求が認められる場合、弁護士費用の一部を相手が負担するという内容で調停が成立することがあります。ただし、実際に支払った弁護士費用の全額が認められるわけではなく、かつ、調停成立には相手の同意が必要です。
したがって、離婚調停では、「相手(夫や妻)が悪いから弁護士費用を支払ってもらえる」と考えるのは誤りです。なお、弁護士に依頼することで適正な財産分与や慰謝料、養育費などを確保できれば、結果として費用を上回る利益を得られるケースも少なくありません。そのため、費用負担だけでなく、依頼によって得られるメリットも踏まえて検討することが大切です。
「離婚調停を申し立てられたら?」の解説

離婚調停にかかる費用の負担を抑えたいと考える方は少なくないでしょう。
離婚調停で裁判所へ支払う費用は比較的少額であり、弁護士費用の割合が多くなります。そのため、弁護士費用をできる限り抑えてサポートを受けることが重要となります。ただし、弁護士費用の節約のみを優先すると、十分な主張立証ができなかったり、経験や実績といった弁護士選びの重要なポイントを見逃したりして、かえって不利な解決となるおそれがあります。
最も費用を節約できるのは、弁護士を依頼せず、自分で離婚調停に対応することです。
訴訟に至らず、協議や調停で離婚できたケースでは、弁護士を付けずに自分で進める方も少なくありません。特に、相手も弁護士を付けない場合、夫婦間の話し合いで譲歩できるなら、協議離婚を成立させられます。ただし、相手が弁護士を依頼した場合や、DV・モラハラがあって対等に話し合うことが難しい場合、費用をかけてでも依頼するメリットがあります。
実際に当事務所でも、相談の結果、弁護士の立てた方針やアドバイスをもとに自分で調停に対応することを選択される方も一定数います。
「協議離婚の進め方」の解説

弁護士費用を抑えたい場合には、依頼する業務の範囲を限定する方法があります。
例えば、離婚調停の代理人を依頼するのではなく、法律相談だけを利用したり、申立書や主張書面の作成、後方支援などを依頼したりできる法律事務所もあります。その上で、調停が難航した段階で代理人として依頼するなど、必要なタイミングを見計らう方法も考えられます。この場合、業務量が少なくなれば、弁護士費用も低く抑えることができます。
ただし、どこまでの対応を任せられるかは事案や弁護士によっても異なります。当事務所でも、費用を抑えるために依頼範囲を限定した結果、かえって十分なサポートができなくなってしまうことが懸念されるケースでは、全体の依頼以外は受けられないこともあります。
経済的な理由がある場合、法テラス(日本司法支援センター)の利用を検討してください。
法テラスでは、一定の資力要件を満たす方を対象に、無料の法律相談や弁護士費用の立替制度(民事法律扶助制度)が利用できます。立て替えられた費用は、原則として毎月分割で返済することになりますが、一度にまとまった費用を準備しなくてもよい点がメリットです。
弁護士へ相談する前に、必要な資料や経緯を整理しておくことが重要です。
例えば、メールやLINEのやり取りで相手の有責性を明らかに示せれば、慰謝料を請求する側であることを弁護士に理解してもらえます。相手の財産や収入に関する資料を用意しておけば、財産分与や婚姻費用、養育費といった経済的利益の獲得が予想されることを弁護士に伝えられます。これらの資料は、離婚調停の方針に影響し、結果的に費用を抑えることにつながります。
また、これらの資料をあらかじめ入手しておけば、相談における弁護士の事案把握に役立ち、見通しが立てやすくなるため、相談や依頼をスムーズに進めることができます。
「離婚を弁護士に相談する前の準備」の解説

費用を抑えるには、トラブルが深刻化する前に弁護士へ相談することが重要です。
今回は離婚調停にかかる費用を解説しましたが、感情的な対立が激化したり、不利な発言をしたりする前に弁護士に依頼すれば、結果として調停前に解決できることも少なくありません。逆に、自身で対応したことで状況が悪化し、解決までの期間や弁護士の業務量が増える場合、弁護士費用が高くなるおそれがあります。
「まだ弁護士へ相談するほどではない」と考えている段階でも、一度見通しを確認しておくことで、時間的にも経済的にも、負担を軽減できます。
費用がかかるとしても、離婚調停を通じてそれ以上のプラスがあれば採算が合います。
そのため、財産分与や慰謝料、養育費といった金銭面の離婚条件について有利な解決を実現することが、結果的に、離婚調停における経済的な負担を抑える役に立ちます。特に、子供が幼く、将来の養育費を長期間支払ってもらう必要のあるケース、相手に高額な資産があり、財産分与での争いが予想されるケースなどでは、費用をかけてでも弁護士に依頼すべきです。
なお、検討すべき離婚条件は、「離婚に伴うお金の問題」の解説を参照してください。

「弁護士費用がかかるから」と依頼をためらっている方は、ぜひ弁護士に相談してください。
離婚調停に弁護士費用がかかるとしても、財産分与や慰謝料、養育費、親権など、将来に大きく影響する問題を解決するためには必要なケースも少なくありません。弁護士へ依頼すれば、法的な観点から事案を分析し、調停で主張すべき内容や必要な証拠を整理することができます。また、期日当日も、感情を排除し、こちらに有利な事情を調停委員に的確に伝えられます。
さらに、弁護士が同席することで法的な根拠に基づいた話し合いを行うことができ、調停が不成立となった場合でも、離婚裁判(離婚訴訟)まで一貫してサポートできます。
当事務所では、離婚問題を重点的に扱い、離婚調停も豊富な解決実績があります。特に、弁護士費用については、依頼者一人ひとりの状況に応じた最適な提案を徹底しています。離婚調停で弁護士に依頼するとき、費用はもちろん大切ですが、それだけでなく、自身のケースでどのような解決が見込めるかとともに検討することが不可欠です。早い段階で相談すれば、紛争の長期化を防ぎ、結果として経済的な負担も軽減することができます。
「離婚調停で勝つには?」の解説

最後に、離婚調停の費用に関するよくある質問に回答しておきます。
離婚調停の弁護士費用は、それぞれが負担するのが原則です。
したがって、離婚調停でどのような結果となっても、原則として弁護士費用は請求できません。そもそも、調停は勝敗を決める手続きではなく、話し合いを主とします。
離婚裁判(離婚訴訟)では、不貞行為やDVなどを理由とする慰謝料請求について、弁護士費用相当額として損害の1割程度を請求することを認めるケースが多いです。そのため、調停であっても、証拠によって相手の有責行為が明らかであり、訴訟に移行すれば弁護士費用の一部の支払いが命じられることが明らかなケースでは、調停で相手が弁護士費用の一部の支払いに応じることがあります。
通常は、調停不成立でも弁護士費用は発生します。
まず、着手金は、事件の結果にかかわらず、着手することによって生じる費用です。そのため、調停が不成立となった場合でも返還されません。一方、報酬金については、どのような場合に発生することが定められているかによって異なります。「離婚成立」という成果に対して報酬金が発生するという費用体系であれば、不成立の場合は生じません。
ただし、料金体系は法律事務所ごとに異なり、離婚調停が不成立でも報酬金が生じる定めとなっていることもあるため、事前に確認しておきましょう。
調停から訴訟に移行した場合、追加費用を要することが多いです。
法律事務所の料金体系によっても異なりますが、一般に、離婚裁判(離婚訴訟)の弁護士費用は、着手金が50万円程度、報酬金が50万円程度の固定報酬と経済的利益の10%程度の変動報酬、総額で100万円〜120万円程度が相場となっています。
なお、協議や調停といった前段階からの継続依頼の場合、着手金は半額程度に割引するのが通例です。離婚調停を不成立にさせるかどうかは、離婚裁判(離婚訴訟)に移行した場合の見通しとともに、費用も加味して判断するのが賢明です。
「離婚調停の不成立とその後の流れ」「離婚裁判の費用」の解説


今回は、離婚調停にかかる費用について詳しく解説しました。
離婚調停には、裁判所へ納める申立手数料(収入印紙代)と郵便切手代(郵券)に加え、弁護士に依頼する場合は弁護士費用がかかります。弁護士費用は、事案の内容や難易度、業務量などによって異なるため、依頼前に必ず見積もりを取得しましょう。
ただし、離婚調停では、財産分与や慰謝料、養育費といった将来に大きく影響する金銭問題を話し合うため、「かかる費用」だけで判断すべきではありません。十分な準備をしないまま調停に臨めば、不利な条件で合意してしまうおそれもあります。
弁護士のアドバイスを受けながら進めることで、見通しを踏まえた戦略の立案、資料の準備、期日への同席など、一貫したサポートを受け、調停を有利に進めることができます。離婚調停の費用や進め方に不安がある場合、一人で悩まず、早めに弁護士に相談してください。