離婚・男女問題

離婚問題を弁護士に法律相談するとき、考えること一覧と5つのポイント

2021年6月18日

解説の執筆者:弁護士 浅野 英之

こちらの解説は、動画でもご覧いただけます。

夫婦として長年生活をしていると、日常的な小さなことでも、さまざまな不満がたくさん出てきて、悩みはつきないものです。

  • 「旦那は、外面は仲良し夫婦なのに、家の中では私にあたりちらしてばっかりのDV夫」
  • 「小さなことで小言をいわれ、価値観、正確が根本的に合わない」
  • 「結婚したときの気持ちを忘れてしまった」
  • 「やさしさ、気遣いがなくなってしまった」

しかし、離婚問題について弁護士に法律相談するとき、思うがままにパートナーに対する不満、悪口を弁護士にぶちまけていると、結果的に自分の思った方向に進まないおそれがあります。

弁護士に法律相談する目的は「離婚問題を解決すること」であるべきですが、感情的な相談ですと、弁護士が方針を見誤ってしまうおそれもあります。

そこで今回は、

  • 離婚問題を弁護士に法律相談するときに考えておくべきこと
  • 法律相談の際に準備しておくこと

といった点について離婚問題を多く取り扱う弁護士が解説します。弁護士への相談時の整理のため、チェックしておいてください。

離婚する?離婚しない?

離婚弁護士法律相談

離婚したい方へ

  • 離婚したい理由は何ですか?
  • それは、いつ頃からのことですか?
  • 何をきっかけに起こりましたか?

離婚の3つの方法(協議離婚・調停離婚・裁判離婚)のいずれの方法で離婚を求める場合でも、何も理由なく離婚を認めてもらうことはできず、離婚には理由が必要となります。

特に相手が離婚に反対し、復縁を求めている場合には、離婚の理由についての上記チェックリストについて整理しておいてください。

離婚訴訟では、民法に定められた5つの離婚理由のいずれかにあてはまらなければ家庭裁判所で離婚を認めてもらうことはできません。そのため、離婚訴訟の前段階である離婚協議、離婚調停でも、反対する相手を離婚に向けて説得するためには、「裁判になったら離婚が認められてしまう」という危機感を相手に抱かせるような離婚理由が必要となるのです。

離婚訴訟で離婚を認めてもらうことのできる理由を、法律の専門用語で「法定離婚原因」といいます。法定離婚原因は、民法770条1項に定められた次の5つです。

民法770条1項

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

そして、これらの法定離婚原因について家庭裁判所で認めてもらうためには、これを証明するための証拠が必要となります。

「離婚したい」という法律相談を弁護士にするときには、離婚理由を明確にして、客観的な証拠によってわかりやすく示せるよう準備しておくことがおすすめです。

離婚したくない方へ

  • 離婚をお迷いの理由は何ですか?
  • パートナーは離婚を強く求めていますか?(焦っていますか?)
  • 自分側に離婚原因はありませんか?

当事務所では、「相手が離婚を求めてきているけど、自分は離婚をしたくない」という方の法律相談もよくお受けしています。

離婚を拒絶したい側でも、離婚問題についての法律相談をしておくことには大きなメリットがあります。相手が離婚を強く求めていたり、離婚を焦っていたりする場合には、あなたが拒否し続けたとしても離婚訴訟に発展する可能性が高いケースです。

この場合、「離婚訴訟になったら、家庭裁判所ではどのように判断されるか」という法律の専門的な判断を考慮しながら、解決策を考える必要があるからです。

まとめ解説
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離婚に関する「お金」の問題

離婚弁護士法律相談

「離婚をするかどうか」という点について方針が決まったら、次に、離婚条件をできるだけ有利に進めるための準備をする必要があります。当初は離婚を拒否して復縁を目指す方針であったとしても、将来的に離婚せざるを得なくなったときのために、あらかじめ離婚条件については検討しておく必要があります。

離婚をするかどうかを決定するにあたって、まず重要となるのが離婚に関する「お金」の問題です。

離婚時に争点となる「お金」の問題には、次のものがあります。

なかでも「財産分与」の問題は、結婚後に夫婦の協力によって作り上げた財産を分け与える手続きであることから、婚姻期間が長ければ長いほど、分与額はより高額となり、激しい離婚争いの火種となるケースも珍しくありません。

このほかに、離婚調停、離婚訴訟を進めていくためには裁判費用、弁護士費用などのお金もかかることとなるため、法律相談時に確認しておきましょう。

参考解説

慰謝料

  • 離婚理由(不貞・DVなど)について慰謝料を求めますか?
  • 離婚理由(不貞・DVなど)を証明する証拠はありますか?
  • 離婚理由(不貞・DVなど)は、いつからいつまで続きましたか?
  • 慰謝料としていくらくらいを希望しますか?

離婚理由が、相手の不貞(不倫)、暴行、DVなどによるものだという主張をする場合には、その具体的行為によって負った精神的ダメージについて慰謝料請求ができます。

ただし、裁判所で慰謝料請求を認めてもらうためには、法律、裁判例についての正しい理解と、具体的な行為を証明するための証拠の収集が必要となります。

財産分与

  • 現在、夫婦の財産となるものの種類と金額(例:不動産、預貯金、生命保険、株式、投資信託など)
  • そのうち、結婚をする時点で夫婦の片方が所有していたものがありますか?
  • 財産分与において、優先的に取得しておきたい財産がありますか?

夫婦として共同生活をしていると、夫婦それぞれの財産の境目はあいまいになります。

そのため、夫婦が離婚するときには、夫婦の財産をどのように分けるかが問題となります。これが「財産分与」の問題です。

財産分与は、原則として、夫婦が共同生活をしていた期間に増加した財産の半分を分与するのが一般的ではありますが、話し合いを有利に進めていくために、事前準備が欠かせません。

また、総額は同じであっても、預貯金をもらいたいのか、住んでいる家をもらいたいのかなど、優先的に確保しておきたい財産は、人によってさまざまですので、ケースバイケースの対応が必要となります。

まとめ解説
財産分与について離婚時に知っておきたい全知識【弁護士解説】

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婚姻費用・養育費

  • 別居を開始したのはいつですか?
  • 子どもの年齢、人数
  • 夫婦の収入はそれぞれいくらですか?

別居をしていたとしても、夫婦である限り相互扶助義務があるため、別居中の生活費である「婚姻費用」を払うことによって、収入の高い側が収入の低い側の生活を補助しなければなりません。

特に、離婚についての話し合いが難航し、調停離婚、裁判離婚など、離婚についての争いが長期化することが予想される場合には、離婚の話し合い中の生活設計のため、婚姻費用を求めるようにしましょう。

離婚に関する「子ども」の問題

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離婚をするときに、夫婦間に未成年の子どもがいるときには、離婚に関する「子ども」の問題についても法律相談しておきましょう。離婚時に争点となる「子ども」の問題には、次のものがあります。

離婚に関する「子ども」の問題は、「お金」だけでは割り切ることのできない重大な問題であり、互いにどうしても譲ることのできないことから、離婚の話し合いの中でも最重要課題となることが予想されます。

親権をとること、養育費を支払ってもらうことを希望するときは、事前に養育環境を整えておくようにしましょう。

参考解説

親権・監護権

  • 夫婦のいずれが親権・監護権をもつことを希望しますか?
  • これまで、どちらが中心的に子育てをしてきましたか?
  • 今後、親権を希望する場合、養育環境が整備されていますか?

離婚をしたあと、夫婦のどちらが子どもを育てていくのか、というのが親権・監護権の問題です。

離婚をしたとしても、自分の子どもであることには変わりはないものの、離婚をするときには親権をどうするかについて決定しておかなければならないものとされているからです。

養育費

  • 子どもの年齢、人数
  • 夫婦の収入はそれぞれいくらですか?
  • 子どもについての特別な出費が予想されますか?

離婚をしたとしても、夫婦の子どもであることは変わらないことから、夫婦のいずれもが、子どもに対して養育をする義務を有し続けます。

そのため、親権を取得したものは、相手に対して、その養育にかかる費用を分担するように請求することができます。

面会交流

  • 面会交流の回数・頻度
  • 面会交流の場所
  • 面会交流の方法、子どもの受け渡し方法
  • 面会交流時の禁止事項

親権を取得しなかった親も、親子関係がなくなるわけではないことから、親としての責任を果たす必要があります。

子どもの成長を見守り、健全な発育のための協力として大切なのが、面会交流です。

離婚問題を弁護士に法律相談するポイント

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次に、離婚問題を弁護士に法律相談するときのポイントについて解説します。

弁護士に法律相談をするとき、時間がある程度限られていることが多いです。特に、有料相談の場合には、無駄に時間を経過してしまうと、法律相談料が高くなってしまいます。

離婚問題を弁護士に法律相談するときの事前準備、心構えをしっかりしておくために、下記の解説を参考にしてみてください。

参考解説

事前準備としてメモを作成する

まず、弁護士に法律相談するときは、事実関係を簡潔に話すことが重要です。そのため、事前に相談内容をまとめたメモを用意しましょう。

メモを作成するときには、次のことを意識してください。

  • まずは目的・方針を記載する
    :離婚問題の法律相談では、「離婚したい」、「離婚をしたくない」、「親権が最優先」、「慰謝料請求したい」など、相談者によって解決したい悩みはさまざまです。そのため、まずは目的・方針を書くようにしてください。この際、「その目的が法的に実現可能か」といったことは考えず、率直なお気持ちで記載してOKです。
  • 事実を中心に記載する
    :弁護士への法律相談の前にメモを記載する目的は、弁護士に事実を正しく伝えるためです。そのため、離婚問題となると感情が先行してしまいがちですが、できるだけ事実を中心に記載するようにします。

長年続けてきた夫婦生活に別れを告げるタイミングで、「辛い」「悲しい」という気持ちは理解できますが、弁護士はカウンセラーではなく、問題解決の専門家です。法律の専門家の助けを借りて、離婚問題の解決を目指すには、「事実関係」が決定的に重要です。

事前に相談予約をする

法律相談するときの2つ目のポイントは、事前に相談予約をすることです。

法律事務所は、個室で、プライバシーを守って相談しますので、一度に対応できる人数には限界があるからです。

最近は電話だけでなく、お問合せフォームなどで予約できる法律事務所も増えています。

離婚問題の当事者が相談する

3つ目のポイントは、依頼者本人が相談に行くことです。 離婚問題の場合、依頼者本人とは、すなわち、離婚問題を抱えている当事者のことです。

基本的なことですが、離婚に至った理由や経緯は、本人にしかわからないことも多いです。また、解決策が複数ある場合、どれを選択するかは本人が決めなければなりません。

やむを得ない事情がある場合を除いて、適切なアドバイスを受けるためにも依頼者本人が相談に行きましょう。

関連する資料を全て持参する

離婚問題を弁護士に相談する4つ目のポイントは、関連する資料をすべて持参することです。

弁護士に適切なアドバイスをもらうためには、抱えている離婚問題の詳細を、正確に把握してもらう必要があります。そして、相談時間内に、記憶から思い出してすべて語りつくすには、離婚問題は複雑すぎます。

そのため、相談内容と関連する資料はすべて持参してください。相談時に持参したほうがよい資料は、例えば次のものです。

法律相談時に持参をおすすめする資料

  • 相手方弁護士からの通知書
  • 給与明細や預金通帳など財産を証明するもの
  • 不倫、浮気の証拠
  • DV被害の証拠(録音・録画、診断書など)

なお、書類や資料は裁判所に証拠提出する可能性があるので、直接書き込んだり、手を加えたりしてはいけません。

重要なことから優先的に話す

最後のポイントは、重要な事実から優先順位をつけて話すことです。離婚問題を弁護士に相談するときには、一番解決したいことや重要なことから順番に話すことが大切です。

離婚問題で悩んでいる人のご相談では、過去のことや恨みごとを延々と話す方も少なくありません。話を聞いてもらいたい気持ちがわかりますが、弁護士に求める一番重要なことは、「法的に有利な解決」ではないでしょうか。

また、弁護士に相談するときは、自分にとって不都合なことも、包み隠さず正直に話しましょう。

相談者が、都合の良いことだけを話し、都合の悪いことを隠してしまうと、どれほど離婚問題に強く経験豊富な弁護士であっても、有効なアドバイスができません。

弁護士は守秘義務を負っており、相談内容を言いふらすことはありません。すべて正直に話すことで弁護士も最適な解決策を提案しやすくなります。

離婚の相談は浅野総合法律事務所にお任せください!

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離婚問題は、あなたの人生にかかわる重要な決断ですから、考えなければならないことが多くあります。そして、法律問題として考えるときには、それぞれの争点が複雑に関連し、からみあっています。

弁護士による法律相談は、あなたのお気持ちに基づいた主張を法的に構成しなおすことが重要です。そのためには、今回の解説に記載したポイントを参考にしながら、弁護士にわかりやすく相談することが有効です。

離婚問題についてお悩みの方、離婚に関する各問題についてあなたの納得のいく解決を実現するため、ぜひ一度当事務所へご相談ください。

解説の執筆者

弁護士 浅野英之
弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士。
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院終了。

豊富な知識・経験に基づいた戦略的リーガルサービスを提供します。
専門分野の異なる複数の弁護士がタッグを組むことで、お客様にとって最も有利なサービスを、総合的に提供できることが当事務所の強みです。

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