
弁護士法人浅野総合法律事務所
代表弁護士
浅野英之
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。第一東京弁護士会所属(登録番号44844)。
「迅速対応、確かな解決」を理念とし、依頼者が正しいサポートを選ぶための知識を与えることを心がけています。

弁護士法人浅野総合法律事務所
代表弁護士
浅野英之
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。第一東京弁護士会所属(登録番号44844)。
「迅速対応、確かな解決」を理念とし、依頼者が正しいサポートを選ぶための知識を与えることを心がけています。
別居後に離婚の争いが起こると、相手の弁護士から手紙や電話で連絡が来て、交渉がスタートすることがあります。突然、弁護士から連絡されると、驚いてしまうことでしょう。弁護士の連絡は、「内容証明」という特殊な郵便形式が使われるのが通常で、不安を感じて相談される方も多くいます。
しかし、適切に対処しなければ、思わぬ不利益を受けてしまいます。突然の連絡に焦り、パニックになって対応を怠ると、離婚をめぐるトラブルが拡大し、不利になるおそれもあります。少なくとも、弁護士からの連絡を無視するのはおすすめできません。
今回は、離婚の相手が依頼した弁護士から連絡が来たときの対応方法について解説します。
\ 「今すぐ」相談予約はコチラ/
\ 動画解説(約4分) /

離婚する相手の弁護士から連絡を受けるときは、内容証明が送られてくるか、もしくは、突然電話が来るか、どちらかのパターンが通常です。それぞれの連絡のパターンごとに、どのように対応すべきかについて解説します。
離婚問題で、配偶者(夫や妻)が弁護士を依頼することがあります。
弁護士からの連絡は、「内容証明」という特殊な郵便形式で送られてくるのが通常です。内容証明は、郵便形式の一つであり、「いつ郵便を配達したか」という事実とともに、「どのような内容の郵便物か」という点について、郵便局が証拠を残してくれる郵便の方法です。

弁護士は、法律と裁判の専門家であり、「裁判では証拠が重視される」ことを理解しています。そのため、離婚問題においても、郵送物を送るときは、証拠としての価値が高い「内容証明」の方法を利用することで、証拠化して進めようとするわけです。
弁護士が内容証明を送ることには、「証拠に残す」という重要な効果とともに、「離婚に向けた強い覚悟を示し、プレッシャーを与える」という意味もあります。
弁護士から送られてきた内容証明には「1週間以内に回答をしなければ、調停に進む」といった記載がある場合もあります。このような強い表現に動揺しては相手の思惑通りなので、冷静に対応することが大切です。
前章の通り、相手が弁護士を依頼したとき、まずは内容証明が届くケースが多いです。ただし、次のような例外的なケースでは、先に電話で連絡が来ることもあります。
内容証明なら考える余裕もありますが、電話だとその場で対応しなければなりません。突然弁護士から電話が来ると焦るでしょうが、冷静に、ポイントを押さえて対応すべきです。
弁護士から電話が来た際の対応方法は、次のように進めてください。
法律事務所の電話番号なら、インターネット上で検索して調査できます。
不安な方は、知らない番号には応答せず、着信のあった電話番号を検索して調査してください。ただし、無視するとかえって不利な流れになるおそれがあるので、法律事務所の電話番号であることが確認できたら、早めに折り返しましょう。
そのまま対応する場合は、念のため、電話口が本当に弁護士かを調べるため、氏名、法律事務所名、登録番号を確認してください。また、弁護士であることが分かったら、相手が依頼していることを確認してください。
次に、配偶者や子供の安否を確認しましょう。
ただし、相手からDVやモラハラがあったと主張されているケースでは、所在を突き止めようとすると「問題のある配偶者」というイメージを強めてしまいます。弁護士は守秘義務を負っており、執拗に聞いても、相手の居所を聞き出すことはできません。
弁護士との電話では、次の2点を意識し、相手の主張を聞くことに徹してください。
弁護士の発言は、高圧的だったり、相手の一方的な主張ばかりだと感じたりすることも多いですが、その場で議論して打ち負かしても、思い通りの解決にはなりません。しっかり言い分を聞き、入念に準備してから反論するのが適切です。
弁護士から一通りの主張を聞いたら、その後のやり取りは電話で済ませるよりも、書面で証拠に残しながら進めるのが適切です。特に支障がなければ、自分の所在を伝え、主張を書面で送ってもらえるよう求めましょう。
相手に悪質なDVやモラハラがあった場合や、住所を教えると危険があるケースなどでは、こちらも弁護士を窓口にする手が有効です。弁護士に対応を任せれば、法律知識に基づいて有利な主張をしたり、直接の対応をなくすことでストレスを減らしたりといったメリットがあります。
「離婚に強い弁護士とは?」の解説


次に、離婚の相手が依頼した弁護士から、連絡を受けたときの対処法と注意点を解説します。
最も重要なのは「焦らず冷静に判断すること」です。受領後すぐに行動すれば、時間的な余裕は十分にあります。対応に迷うときは、先に弁護士のアドバイスを聞いてください。
相手の主張を理解するため、送られてきた内容証明をよく読む必要があります。
送られてきた書面を精査すれば、多くの情報を読み取り、有利な対応につなげられます。最初に送られる書面は「受任通知」「通知書」といった題名で、次のような項目が記載されます。
次のポイントは、「弁護士からの連絡を無視してはいけない」ということです。
弁護士からの連絡に強い恐怖を感じたり、回答が面倒で放置したりする人がいます。しかし、連絡を無視すると、離婚問題の解決が遠のくだけでなく、不利な立場になるおそれがあります。
離婚の相手が「弁護士に依頼した」ということは、つまり、「無視されたり、希望する解決が実現できなかったりすれば、調停・裁判といった法的解決を求める意思がある」ということを意味します。内容証明を無視したとしてもあきらめてくれることはなく、直接弁護士から電話が来たり、場合によってはすぐに離婚調停を申し立てられて法的手続きに発展してしまったりします。
離婚までの流れは、まずは交渉を試みますが、決裂する場合には調停、そして訴訟へと進みます。先の段階に進むほど長期化し、弁護士費用や訴訟費用などの経済的負担も大きくなります。まずは話し合いで早期に解決できないかを試すためにも、弁護士からの最初の連絡には、決められた期限までに回答しておくべきです。
「離婚までの流れ」の解説

弁護士から突然連絡がきても、配偶者(パートナー)本人に直接連絡してはいけません。
弁護士名義で一方的な書面が届いた方から、「弁護士が言わせているのではないか」「本人に直接話せば理解してもらえるはず」といった相談を受けることがあります。しかし、相手が弁護士を代理人に選任し、交渉の窓口に指定したときは、これに従って誠意ある対応をすべきです。受任通知にも「今後の交渉は弁護士が担当し、直接の連絡は控えてほしい」と記載されるのが通常です。交渉窓口の指定があるのに、相手方本人と直接連絡をとることは、次のリスクがあります。
相手方が、離婚理由としてDVやモラハラの存在を主張するときは、特に注意を要します。「DV・モラハラの危険がある」と主張されると、反論したくなるのは当然です。しかし、このように主張されて弁護士が付いたにもかかわらず直接連絡を取ろうとする行為は、「実際にDVやモラハラをしていたのではないか」という悪い印象を強めてしまいます。
その結果、離婚協議が決裂して調停や訴訟に進んだとき、調停委員や裁判官から不利な指摘を受けることにもつながりかねません。
「相手が弁護士に依頼したら直接交渉は禁止?」の解説

送られてきた文書の検討が済んだら、自身の主張を正確に伝える回答書を用意しましょう。
相手方から来た通知書には、相手が希望する解決の内容や、その理由が記載されます。「相手がどのような請求をするか」によって適切な回答は異なるため、相手の主張を理解することが大切です。そして、こちらから送る回答書に書いておくべき内容は、次のようなものです。
相手方の受任通知が、到底受け入れられない要求や、事実でない記載であったとしても、決して感情的にならず、冷静に否定するのが適切です。なお、回答書の文例については「離婚の相手方への回答書【書式】」で後述します。
交渉の過程で、弁護士と対面で話す機会があるときは、十分に用心してください。
受任通知に回答すると、相手方の弁護士が、面談を申し入れられることがあります。しかし、相手が弁護士に依頼しているのに、自身だけで弁護士と対面交渉するのはおすすめできません。弁護士は交渉のプロなので、そのペースに飲まれるおそれがあります。対面交渉に臨む場合にも、納得できない内容の合意書にはサインをせず、こちらも弁護士に相談してから決めるようにしてください。
「協議離婚の進め方」の解説

離婚問題において、相手方配偶者(夫または妻)から突然の連絡を受けたとき、回答を弁護士に相談したり、対応を依頼したりするのが賢明です。
相手方の弁護士と直接交渉しても、有利な条件を勝ち取ることはできないのではないかと不安を感じる人も多いのではないでしょうか。こちら側も弁護士に依頼し、弁護士同士で交渉してもらえば、法律知識と経験を活かし、有利な解決を勝ち取ることが期待できます。
本解説は、離婚を求める相手から連絡が来た方に向けたものであり、有利な条件で離婚したい方だけではなく、離婚に応じたくない(復縁したい)方にもあてはまります。
「離婚に応じたくないなら、弁護士の連絡は無視すればよい」という考え方は、相手の感情を逆撫でし、問題を拡大させ、泥沼化させる原因になります。少なくとも、このような誠意のない交渉態度では、信頼関係を回復して復縁するのは難しいでしょう。
「離婚相談の準備とメモ」の解説


離婚の相手が、交渉を弁護士に依頼し、弁護士から内容証明で連絡がきたときには、こちらからも書面で回答するのがおすすめです。「言った・言わない」の水掛け論になることを避け、あなたの反論を証拠に残しておくことができるからです。
弁護士から内容証明で突然の連絡を受けたとき、相手方へ送付しておくべき回答書の文例を紹介しておきます。
回答書
20XX年XX月XX日
弁護士◯◯◯◯先生
【住所・氏名】
拝復 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、20XX年XX月XX日付で貴職より送付いただきました「受任通知」と題する書面について、当方の回答は以下の通りです。
まず、当方としても、夫婦関係をこれ以上円満に継続していくことは困難であると考えており、近々離婚をすることに異存はありません。
しかし、貴職の通知書では、離婚理由は当方の不倫、DV及び度重なるモラハラ発言にあると主張されていますが、私の認識とは大きく異なり、到底承服しかねます。したがって、貴職の提案する条件での離婚には応じかねますし、同様の理由で慰謝料はお支払いできません。
とはいえ、当方としても離婚調停に進む前に話し合いの機会を持ち、早期に離婚を成立させたいという気持ちがあります。つきましては、希望する離婚条件について、当方の弁護士と相談の上、改めてご連絡いたしますので、しばらくお待ちください。
敬具
上記の回答書はあくまでサンプルであり、実際に送るときは、個別のケースに応じた追記・修正が必要です。上記の例では、具体的な反論は書いていません。具体的な反論には専門的な法律知識が必要であり、かつ、最初の回答書の段階で手の内を全て見せるべきでもありません。
交渉事は、先に情報を全て開示してしまえば不利になりかねません。一回で終わろうとはせず、粘り強く交渉するためにも、先に弁護士に相談してから対応するのがおすすめです。

今回は、離婚の相手が依頼した弁護士から連絡が来たときの対応について解説しました。
弁護士から直接連絡が来ることは、人生でもそうあることではないでしょう。その上に、内容証明という特殊な郵便形式で送られてくると、動揺してしまう方も少なくありません。しかし、離婚問題は、最終的に裁判に発展する可能性もあるため、冷静に対応すべきです。
対応が不適切だと、かえって相手の離婚意思を固めてしまったり、DVやモラハラがあったと指摘されたりして、不利な状況に陥る危険もあります。
相手の弁護士から連絡が来たら、こちらも弁護士に相談するのがよいでしょう。離婚問題に精通し、スピーディに対応してくれる弁護士を選び、まずは初回相談を受けてみてください。
\ 「今すぐ」相談予約はコチラ/