離婚・男女問題

離婚の相手が依頼した弁護士から連絡が来たときの5つの対応方法

2021年6月12日

解説の執筆者:弁護士 浅野 英之

こちらの解説は、動画でもご覧いただけます。

「離婚の相手が依頼した弁護士から連絡が来たときの対応方法」について、知っておいていただきたい5つのポイントを解説します。

離婚問題について夫婦間で争いが起こると、夫婦が既に別居を開始しているときには、突然手紙や電話が相手から来ることとなります。

特に、相手方配偶者が弁護士に依頼しているときには、突然弁護士から連絡が来ることとなり、驚くことでしょう。弁護士からの連絡は、一般の方には見慣れない「内容証明郵便」という特殊な郵便形式で届くため、不安を感じてご相談に来られる方も多くいます。

しかし、突然の連絡に焦ってしまったり、パニックになったりして適切な対応ができないと、離婚をめぐるトラブルが更に拡大し、こちら側にとって不利になってしまうこともあります。

内容証明郵便とは?

離婚相手から連絡

離婚問題で、相手方配偶者が弁護士に依頼したときには、弁護士からの連絡が「内容証明郵便」という形式で送られてくることが一般的です。そこで、はじめに、この「内容証明郵便」とはどのようなものなのかについて解説しておきます。

内容証明郵便は、郵便形式の1つです。一般の方になじみのある郵便形式としては、普通郵便や書留、速達などが典型です。

内容証明郵便は、「郵便を配達した」とともに、「どのような内容の郵便物であったのか」ということについて、郵便局が証拠に残しておいてくれる郵便の方法です。

弁護士は、裁判の専門家であり、「裁判では証拠が重視される」ということを理解しています。そのため、離婚問題においても、郵送物を送るときには、証拠としての価値の非常高い内容証明郵便の方法を用いることによってできるだけ証拠化して進めるわけです。

「証拠に残す」という重要な効果とともに、「弁護士から内容証明郵便を送ってもらう」ことの付随的な効果として、「離婚に向けた強い覚悟を示し、プレッシャーを与える」という意味もあります。

相手の依頼した弁護士から送られてきた内容証明には「XX日以内に回答をしなければ、調停、裁判などの法的手続きに進まざるを得ない」などといった記載があるのではないでしょうか。このようなプレッシャーに動揺してしまっては、内容証明郵便を送った弁護士の思うつぼですので、冷静に対応することが大切です。

相手方弁護士から電話連絡が来たら?

離婚相手からの連絡への対応

前章で解説したとおり、相手が弁護士を依頼した場合には、まずは内容証明郵便が届くことが多いです。内容証明郵便を送った後で電話連絡をすることで、「本当に弁護士かどうかがわからない」といった反論を防ぐ効果もあるからです。

しかし、次のような例外的なケースでは、先に電話連絡が来ることもあります。

  • 同意を得ずに別居をして、すぐに安否を伝える必要がある場合
  • DV・モラハラ・虐待が離婚理由であり、危険性が高いと主張されている場合
  • あなたの別居先の住所を伝えていない場合
  • あなたが相手の電話番号を着信拒否していたり、メールアドレスやLINEをブロックしていたりする場合

内容証明郵便ならまだ考える時間的余裕もありますが、電話だとその場で対応しなければなりません。突然弁護士から電話がくると焦ってしまうでしょうが、冷静に、ポイントを押さえて対応しなければなりません。

どうしても不安な方は、知らない番号からの電話には応答せず、着信のあった電話番号をインターネットで検索してみれば、法律事務所からの電話であればたいていの場合には検索に引っかかります。

また、万が一弁護士の電話に出てしまった場合にも、「その電話でなにかしらの結論を出さなければならないわけではないこと」、「相手の言うことにすぐに同意してしまわないこと」という2点を意識して対応してください。

あわせて、念のため、電話口の相手が本当に相手の依頼した弁護士なのかを確認するため、弁護士の氏名、法律事務所名、登録番号を確認してください。

かかってきた電話が弁護士であることが確認できたら、今後のやりとりは、電話で済ませるよりも、書面できちんと証拠に残しながら進めることがおすすめです。

さきほど解説したとおり、郵便ではなく電話で連絡が来ることには、あなた側の事情があることもあります。特に差し支える事情がなければ、自分の所在を伝え、主張をきちんと書面で送付してもらうよう求めることがおすすめです。

なお、悪質なDVが存在する場合など、住所を教えることに大きな危険が存在するようなケースでは、こちらも弁護士を窓口とすることが有効です。

離婚の相手方・弁護士からの連絡への5つの対応方法

離婚相手からの連絡への対応

次に、離婚問題の相手方が依頼した弁護士から、内容証明郵便で「受任通知」を受け取ったときの対応のポイントについて解説します。

弁護士から最初に送られてくる受任通知には、次のような項目が記載されています。

  • 相手方の依頼した弁護士の情報(氏名、法律事務所の住所、連絡先など)
  • 相手方から離婚問題について交渉の代理権を与えられたこと
  • 相手方の離婚問題についての方針(離婚したいか、したくないかなど)
  • 相手方の求める離婚条件(解決金、慰謝料などの金銭支払、財産分与、親権・養育費など)
  • 離婚問題の交渉をする際に求めるルール(直接の連絡・接触の禁止、不倫相手と別れてほしいことなど)

今回解説する対応方法の全体に共通することとして一番大切なことは、焦らず冷静に判断することです。

①連絡を無視しない

離婚相手の弁護士からの連絡への対応方法のポイントの1つ目は 「弁護士からの連絡を無視してはいけない」ということです。

弁護士からの連絡ともなると強い恐怖を感じたり、回答するのが面倒で放置してしまったりしがちです。しかし、連絡を放置したり無視したりすることは、離婚問題の解決が遠のくだけでなく、離婚問題の可決にとって不利になってしまうおそれがあります。

離婚問題を争う相手方にが「弁護士に依頼した」ということは、すなわち、「無視したり、希望する解決にならなかったりする場合には、調停、裁判などの法的解決を求める意思がある」ということを意味します。

そのため、相手方弁護士から届いた受任通知を無視していると、直接弁護士から電話が来て回答を求められたり、場合によっては、離婚調停、離婚訴訟などの法的手続きに発展して泥沼化してしまいます。

離婚問題は、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の順番で進行しますが、先の段階に進めば進むほど長期化し、弁護士費用や訴訟費用などの経済的負担も大きくなってしまいます。

まずは話し合いでの早期解決が可能かどうか試すためにも、弁護士からの最初の連絡には、決められた期限までに回答しておくべきです。

②相手方配偶者(パートナー)に直接連絡しない

相手方配偶者の弁護士から連絡が来たときの対応方法のポイントの2つ目は「相手方配偶者(パートナー)に直接連絡しない」ということです。

弁護士名義で自分にとって不利な内容の書面が届いた方から、法律相談において「弁護士が言わせているのではないか」、「本人に直接話せばわかってくれるはずだ」という質問を受けることがあります。

しかし、相手が弁護士を代理人として選任し、交渉の窓口に指定してきたときには、これに従って誠意ある対応をすべきです。相手からの受任通知にも「今後の交渉は弁護士が担当し、直接の連絡は控えて頂きたい」と記載があることが通常です。

このような交渉の窓口の指定があるにもかかわらず相手方本人と直接連絡をとろうとすることには、次のようなリスクがあります。

相手方本人に直接連絡するリスク

  • 自分に対する心証が悪化し、感情的対立から離婚協議がうまく進まない。
  • 「しつこい」、「自己中心的」、「非常識」といったイメージを与える。
  • 同居中にDV・モラハラがあったのではないか(DV・モラハラ気質なのではないか)と推認させる事情となる。

相手方が離婚をせざるをえなくなった理由として、DV(家庭内暴力)やモラハラの存在を主張する場合には、特に注意が必要です。

「DV・モラハラの危険性がある」と主張されると、反論したくなることは当然ですが、このように主張されて弁護士がついたにもかかかわらず直接連絡をとろうとする行為は、「実際にDVやモラハラをしていたのではないか」という悪い印象を強くしてしまいます。

この点は、離婚協議がうまくいかずに離婚調停、離婚訴訟へと進んだとき、家庭裁判所の調停委員や裁判官から不利な指摘を受けることにつながります。

参考解説

③主張を正確に伝える回答書を準備する

対応方法のポイントの3つ目は自分の主張を正確に伝える回答書を用意することです。

まず、相手方から来た通知の内容を冷静に確認してください。通知書には、離婚問題について相手方が希望する解決の内容や、その理由が記載されています。

「相手方から何を請求されているか」によって、適切な回答内容は異なります。そのため、まずは相手の主張を理解することが大切です。

一般的に、回答書に記載しておくべきことは次のような内容です。

  • 請求内容への反論
    (例)慰謝料が高額すぎる。親権がほしい。
  • 請求理由への反論
    (例)記載された内容が事実ではない。
  • 回答期限・回答方法への反論
    (例)回答期限を延長してほしい。支払方法を分割にしてほしい。

相手方の受任通知に記載された主張や理由が、到底受け入れられない要求や、事実でない記載がある場合であっても、感情的になってしまわず、冷静に否定するようにしてください。

④弁護士との対面交渉には用心する

対応方法のポイントの4つ目は弁護士と対面交渉をする際には、十分に用心して進めることです。

相手方の受任通知に対して回答をすると、相手方の弁護士が、面談での交渉を申し出てくるときがあります。

しかし、相手方が弁護士に依頼して連絡をしてきたときに、あなた自身だけで弁護士と対面交渉することはおすすめではありません。

弁護士は交渉のプロであり、相手のペースに飲まれてしまうおそれがあります。万が一、対面交渉をしたとしても、納得できない内容の合意書には絶対にサインをせず、弁護士に法律相談するようにしてください。

⑤離婚問題に強い弁護士に相談する

離婚問題の相手方配偶者から突然の連絡を受けたとき、対応方法のポイントの5つ目は回答を弁護士に相談し、対応を依頼することです。

相手方の弁護士と直接交渉して、有利な条件を勝ち取れるか、不安が大きいのではないでしょうか。

この場合、こちら側も弁護士に依頼して弁護士同士で交渉してもらうと良いでしょう。法律知識と裁判例の知識を生かして交渉をしてもらうことにより、より有利な解決を勝ち取ることが期待できます。

今回の解説は、離婚を求める相手から連絡が来た方に向けて記載しています。

そのため、今回の解説は「より有利な条件で離婚したい」という方だけではなく、「離婚には応じたくない(復縁したい)」という方にもあてはまります。

「離婚に応じたくないのだから、弁護士からの連絡は無視して、相手に連絡を取り続ければよい」という考え方は、相手の感情を逆なでし、問題を拡大させ、泥沼化させる原因ともなります。少なくとも、このような誠意のない交渉態度では、信頼関係を回復して円満解決することは困難です。

離婚の相手方への回答書【書式例・ひな形】

離婚相手からの連絡への対応

離婚の相手が、交渉を弁護士に依頼し、弁護士から書面により連絡がきたときには、こちらからも書面で回答をすることがおすすめです。「言った言わない」の問題を避け、あなたの反論をきちんと証拠化しておくことができるからです。

そこで最後に、相手方配偶者の依頼した弁護士から内容証明で突然連絡を受けてしまったとき、離婚の相手方へ送っておくべき回答書の文例をご紹介します。

回答書

XXXX年XX月XX日

〒○○○ー○○○○
○○○○
XX法律事務所
弁護士XXXX先生

〒○○○ー○○○○
東京都中央区銀座XX-XX-XX
弁護 太郎

拝復 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、XXXX年XX月XX日付で貴職より送付いただきました「受任通知」と題する書面について、当方の回答は以下の通りです。

まず、当方としましても、夫婦関係関係をこれ以上円満に継続していくことは困難であると考えており、近々離婚をするということに異存はありません。
しかしながら、「受任通知」によれば、離婚理由について当方の不倫、DV及び度重なるモラハラ発言にあると主張するようですが、当方としては事実の認識が大きく異なり、到底承服しかねます。
したがって、貴職の提案する条件を前提とする離婚には応じかねますし、当然ながら、同様の理由による慰謝料請求にも応じかねます。

とはいえ、当方としましても、離婚調停に進む前に話し合いの機会を持ち、早期に離婚を成立させたいという気持ちがあります。
つきましては、希望する離婚条件について、当方の弁護士と相談の上、改めてXXXX年XX月XX日までに連絡致しますので、しばらくお待ちください。

敬具

上記の回答書の文例は、あくまでも例であり、実際に送るときには、個別のケースに応じた追記・修正が必要となります。

なお、上記の回答書の文例では、具体的な反論は記載していません。具体的な反論を行うためには、法律の専門知識が必要であり、かつ、最初の回答書の段階ですべてを完璧に記載することは難しいですから、一度弁護士に相談した上で対応することがおすすめです。

離婚問題は浅野総合法律事務所にお任せください!

離婚相手から連絡

今回は、別居後に、離婚の相手方が依頼した弁護士から突然連絡がきたケースを想定して、適切な対応方法について解説しました。

弁護士から直接連絡が来ること自体、人生であまりないことですが、その上、内容証明郵便という特殊な郵便形式で送られてくると、焦って冷静な対応ができない方も少なくありません。

通常、弁護士から連絡が来るときには、1週間~10日程度の回答期限を設けられていることが多いですが、当事務所では最短で即日の相談予約も可能ですので、法律相談をする時間的余裕は十分にあります。

離婚の相手方配偶者が依頼した弁護士から突然連絡が来てしまったときには、不用意な対応をしてしまわないよう、ぜひ一度当事務所へご相談ください。

解説の執筆者

弁護士 浅野英之
弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士。
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院終了。

豊富な知識・経験に基づいた戦略的リーガルサービスを提供します。
専門分野の異なる複数の弁護士がタッグを組むことで、お客様にとって最も有利なサービスを、総合的に提供できることが当事務所の強みです。

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