離婚調停を申し立てられると、「もう復縁は無理なのではないか」と感じる人もいるでしょう。
しかし、復縁したいと強く希望するなら、相手に離婚調停を申し立てられたとしても、まだ諦めるのは早いです。離婚調停は裁判所で行われますが、あくまで話し合いが中心であり、離婚裁判(離婚訴訟)のように一方的に離婚を成立させる手続きではありません。調停への向き合い方次第では、適切に対応すれば、まだ復縁に成功できる可能性は残っています。
今回は、離婚調停で復縁を目指す際の注意点や具体的な方法を解説します。実際に当事務所で、離婚調停を申し立てられた後で復縁を果たした事例も紹介するので、参考にしてください。
- 復縁を目指す場合、離婚調停を「誠意を示す場所」として活用する
- 誠実な態度で調停委員の共感を得ることが、調停からの復縁で特に重要
- 調停で本音を引き出し、相手の不満を受け入れて改善する姿勢を示す
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離婚調停で復縁が可能なケースと成功事例

はじめに、離婚調停で復縁できるケースがどのようなものかを解説します。
離婚調停に進むケースは、夫婦間の協議では解決できず、相手の離婚の意思は相当強いと考えられます。それでもなお復縁できたケースの中には、夫婦間の話し合いでは折り合えなかった問題が、むしろ調停を経たからこそ解消されたものもあります。
離婚調停を経て復縁に至ったケースの実態
離婚調停から復縁した人の統計は公表されていませんが、「令和6年司法統計年報」によれば、同年に終局した婚姻関係事件58,429件のうち、調停が取り下げられた件数は2,977件(約5.1%)、調停成立のケースのうち、婚姻継続(円満同居)という結論に至った件数は82件存在します。
当事務所には復縁に関する相談が数多く寄せられていますが、その中には、離婚調停まで進んだ段階から復縁に成功した事例も複数あります。
このように、離婚調停を経て復縁に至る割合は決して高くないものの、途中で方針が見直されたり、最終的に離婚を回避したりするケースは実際に一定数存在します。
離婚調停で復縁できた成功例とその特徴
実際に、離婚調停で復縁できた成功例には、次のような特徴があります。
離婚調停で本音がわかった事例
離婚調停では、夫婦生活の中では直接伝えづらかった本音や不満が引き出されます。復縁を求める側も改善すべき点を把握し、将来に向けた建設的な提案をしやすくなります。復縁を目指すには、過去の行いを反省し、改善を図ることが大切ですが、そのためには「相手がどの部分に不満を抱いているのか」を正確に理解しなければなりません。
例えば、必死に復縁の意思を伝えても相手の意思が変わらず、「なぜ離婚したいのかわからない」「自分は円満なつもりだった」という状況なら、離婚調停で相手の本音をしっかりと聞いて、誠意をもって対応することが解決につながります。
「離婚調停・離婚協議中の手紙」の解説

離婚調停で現実を直視した事例
離婚調停では、離婚に伴う様々な条件について話し合いを行います。具体的には、以下の離婚条件が争点となることが多いです。
調停前の話し合いで離婚条件を整理していなかったなら、離婚調停が、初めて法的な観点から考え、現実と向き合う機会となる家庭もあります。
例えば、漠然と調停まで進めてきた相手が、調停委員の説明を通じて法律の考え方に直面し、「思ったほど離婚後の生活は楽ではない」「期待したほどお金が得られず不安だ」などと気付くことがあります。これらの疑問や不安から、感情にまかせて離婚を求めていた相手が冷静になってくれれば、離婚の意思が揺らいで復縁のチャンスが広がります。
「離婚調停を申し立てられたら?」の解説

感情的な衝突が収まった事例
夫婦間で感情的な衝突が続き、相手が離婚を強く望んでいたケースでも、中立的な第三者が間に入ることで復縁が実現することがあります。
離婚調停では、調停委員が双方の意見を冷静に整理し、感情的な要素を排除した状態で、夫婦の将来について再考することができます。
調停の過程で感情をクールダウンさせることが、復縁のきっかけになる場合も少なくありません。また、調停委員からの適切な助言や提案が、相手に新たな気付きを与え、結果として離婚の意思を撤回することに成功したケースもあります。
「離婚に強い弁護士とは」の解説

離婚調停で復縁を成功させるためのポイント

次に、どうしても復縁したい方に向けて、復縁するための離婚調停のポイントを解説します。なお、復縁を目指す方が、調停をうまく進めるには、「離婚調停の流れ」を知っておく必要があります。
調停に必ず出席して離婚したくない意思を伝える
離婚調停は、夫婦の本音をぶつけ合う大切な機会です。
「離婚を前提とした手続き」なので気が進まないでしょうが、離婚を拒否して復縁を望むなら、調停の欠席は避けるべきです。調停を申し立てた側は、欠席されたからといって諦めることはありません。むしろ、調停の欠席が原因で離婚裁判(離婚訴訟)に進むのが早まる危険もあります。また、欠席したことで「不誠実だ」という印象を抱かれ、不信感が高まるデメリットもあります。
むしろ、調停に参加して誠意を見せれば、見直してもらえる可能性があります。離婚調停は、相手の気持ちを知る貴重な機会です。「離婚したくない」「復縁したい」という意思を強く伝えると共に、相手の言い分を受け入れ、譲歩する姿勢を見せることが、復縁を成功させる鍵となります。
調停は、本人の言い分を重視する手続きなので、弁護士を依頼しても、当事者も出席するのが基本です。この点は、書面審理が中心で、弁護士のみが出席することの多い訴訟との違いです。
「離婚調停の流れと進め方」「離婚調停の欠席」の解説


調停委員を味方につける
離婚調停では、調停委員が双方の考えを代わりに伝える役割を担うため、直接会話できる機会はありません。そのため、離婚調停で復縁を成功させるには、調停委員の信頼を得ることが非常に重要です。
調停委員は中立の立場であり、夫婦どちらの味方でもないのが原則です。しかし、調停委員も人間なので、悪い印象を与えたり、敵に回したりすれば、相手に対して、あなたに不利な発言をされるおそれがあります。
調停委員に好意を持ってもらえるよう、たとえ不利な状況だとしても、暴言を吐いたり失礼な態度を取ったりしてはいけません。場合によっては、法的な主張だけでなく、離婚したくない理由を熱心に伝え、情に訴えかける方法が功を奏することもあります。
「調停委員を味方につけるには」の解説

陳述書を活用して反省と誠意を伝える
離婚調停では、夫婦が面と向かって直接話し合うことはなく、調停委員を介した間接的なやり取りが基本です。そのため、口頭だけでは誤解が生じ、真意が十分に伝わらないおそれがあります。この際、復縁に向けた強い思いを正確に伝えるには、陳述書を活用する方法が有効です。
陳述書には、あなたの意見や考え、復縁への強い思いを率直に記載してください。陳述書を調停委員に提出することで、自分の気持ちを素直に伝えることができます。
陳述書を効果的なものにするため、以下の内容を記載しておくとよいでしょう。
- 復縁に向けた強い思い
- 家族に対する愛情
- 過去に楽しかった思い出、幸せを感じた出来事
- 自分の非についての反省と改善の意思
「離婚調停の陳述書の書き方」の解説

相手の言い分を受け止めて自分が変わるしかない
復縁したいのであれば、自分が変わるしかありません。
復縁を目指す側でも、相手に不満がある人は多いものです。しかし、相手は離婚を求めている状況なので、問題点を指摘したり、改善を求めたりしても、もはや変わることは期待できません。むしろ、強く指摘するほど反発を招き、離婚への思いを強めてしまいます。モラハラ的な印象を与え、離婚意思を固めてしまうデメリットもあります。
一方で、相手から問題点を指摘された場合は、冷静さを保ちながら、受け入れて速やかに対応することが重要です。次のポイントを押さえ、「自分から」改善の努力をすることが、離婚調停を通じて復縁につなげるために有効です。
- すぐに取り組める小さな改善点から着手する
- 言葉だけでなく行動で示して信頼を勝ち取る
- 改善に向けた誓約書を作成して相手に渡す
- 陳述書に改善計画を記載して調停委員に伝える
「復縁を切り出すタイミング」の解説

弁護士への依頼はマイナスではない
「離婚調停を弁護士に依頼すると、復縁を妨げるのではないか」と不安を抱く方もいます。確かに、弁護士への依頼が相手を刺激し、離婚への態度をより強固にし、復縁を遠ざけてしまうケースもあります。
しかし、そのような例の多くは、弁護士が復縁を前提とした対応に不慣れで、適切な対応をしていない可能性があります。
復縁の事例に精通し、当事者間の関係改善に向けてサポートできる弁護士なら、依頼することは復縁にとってもマイナスではありません。適切に対処すれば、弁護士を付けることのデメリットを最小限に抑え、離婚を求める相手の心情を理解し、復縁の可能性を高めるサポートが可能です。
「復縁を求めるときの弁護士の選び方」の解説

離婚を勧めてくる調停委員への対応方法

最後に、離婚を勧めてくる調停委員の真意と対応方法について解説します。
復縁を求めて離婚調停に参加したのに、調停委員から「相手の離婚の意思は固いようです。あなたも離婚を前向きに考えてみては?」「もし離婚する場合には、どのような条件が良いですか?」などと離婚を勧められることがあります。
調停委員の発言には法的な拘束力や強制力はないので、復縁を断念する理由にはなりませんが、このような発言には適切に対応する必要があります。
調停委員の役割を理解する
調停委員からしきりに離婚を勧められると、「相手の味方をしている」「自分の意見は聞いてもらえないのか」と疑問を持つ人も少なくありません。
しかし、調停委員に敵意を持ったり反発したりすると、あなたの印象は悪化し、調停を有利に進めることが難しくなります。
調停委員の役割はあくまでも中立的な立場から、夫婦それぞれの意見を双方に伝える「メッセンジャー」に過ぎません。調停委員は、原則男女1名ずつ配置されますが、同性の味方(異性の敵)というわけでもありません。
調停委員の目的は、調停を成立させることにあります。そのため、離婚を求める相手の意見を伝える際は、あなたに厳しい指摘をするのも当然であり、このような発言を冷静に受け止めて、理解しなければなりません。
相手を否定しない
調停委員から「相手の離婚意思は固い」と伝えられても、復縁をあきらめる必要はありません。ただし、相手や調停委員を強く否定する態度は避けましょう。そもそも調停委員の発言に拘束力はないため、落ち着いて対応することが重要です。
動揺してすぐに回答できない場合、無理に即答せず、「持ち帰って次回の調停期日までに回答する」と伝えるのが適切です。むしろ、相手の指摘や不満を真摯に受け止め、改善する態度を示すことで、調停委員の共感を得られる場合もあるからです。
あなたが受け入れ、「問題点を明らかにしたい」という姿勢を示せば、調停委員も相手を説得し、不満を聞き出してくれます。調停委員の協力を得て相手の本音を聞き出し、それに合わせた改善を積み重ねていくことが、離婚調停からの復縁を成功させるためのポイントです。
円満調停を申し立てる
調停委員が、離婚を求める相手の意見ばかり尊重し、あなたの復縁の意思を十分に汲み取ってくれないとき、円満調停を申し立てる方法が有効です。
円満調停は、夫婦の円満な同居や関係修復に向けた話し合いの場です。これを申し立てることで、復縁の意思を明確に示すことができます。
家庭裁判所で行われる調停の多くは、離婚を求める側から申し立てられます。そのため、調停委員も「離婚に向けた話し合いをする場」と考えている人が多いのも実情です。円満調停を追加で申し立てることで、復縁の話し合いに転じるきっかけを作ることができます。
円満調停は原則として、離婚調停と同じ期日で、同じ調停委員に審理されます。
「円満調停」の解説

調停を不成立にすべきか判断する
調停委員が復縁の意向を理解してくれず、このまま続けても復縁は難しいと思われるときは、調停を不成立で終わらせる選択肢も検討すべきです。
離婚調停は話し合いが中心なので、解決が難しいときは不成立で終了となります。不成立となった場合、離婚を求める相手が、離婚裁判(離婚訴訟)を行うか、それとも復縁を考え直すかの選択を迫られます。「訴訟に進んでも勝ち目が薄い」と相手が思いとどまれば、復縁に向けた努力をする時間を確保できます。実際、離婚調停中の復縁は難しくても、離婚調停後になって相手が歩み寄りを見せるケースも決して少なくありません。
最終的には、離婚裁判では「法定離婚事由」がある場合に離婚が成立しますが、相手側に不貞行為やDVなどの有責性があるケースでは、訴訟でもあなたが有利になる可能性が高いです。そのため、調停を不成立にして復縁の機会を狙うのも一つの戦略です。
裁判実務では、有責配偶者が離婚を認めてもらうには、少なくとも8年~10年以上の別居期間を要するので、相手は訴訟を躊躇する可能性があり、この期間を利用して関係改善を目指すことができます。

「調停不成立とその後の流れ」の解説

離婚調停での復縁を弁護士に依頼するメリット

最後に、離婚調停に至ったケースで復縁を希望する人が、弁護士に依頼するメリットについて解説します。「弁護士への依頼はマイナスではない」の通り、復縁を求める方針でも、弁護士を付けることには大きな意味があります。
「離婚前提」に話が流れるのを防げる
復縁を望んでいることが正確に伝わらないと、離婚前提で話が流れる可能性があります。
特に、調停委員に正しく理解してもらえなかったり、相手の離婚意思が強固であったりすると、速やかに調停不成立となるのを防ぐため、復縁希望を伝えても「離婚を検討することはできないか」などと説得を受けることもあります。
弁護士に離婚調停の対応を依頼すれば、本人の意図と違って離婚前提の条件整理が進まないように食い止め、復縁の余地を残した調停対応をすることができます。離婚を即断しない姿勢を適切に伝え、関係修復を希望することを、調停の仕組みに沿って説明するサポートをし、復縁の可能性を完全に閉ざさない形で調停を進めることが可能になります。
感情的な発言で関係修復を困難にするリスクを避けられる
復縁を望む人ほど、調停の場では気持ちが先行しやすいものです。
復縁を希望すると言葉では言いながら、一方で相手を責める発言をしたり、過去の不満を強調してしまったりする人も少なくありません。弁護士が間に入ることで、調停ではどこまで話すべきか、何を言ってはいけないかを事前に整理して、致命的な失言をなくすことができます。
感情的な発言によって関係修復の可能性を自ら損なってしまわないように予防できるのも、復縁を目指す離婚調停を弁護士に依頼するメリットの一つです。
取下げや不成立も見据えた着地点を検討できる
復縁を目指す場合、調停のゴールは必ずしも「離婚するかどうか」ではありません。
仮に、調停が円滑に進行しなかったとしても、結果的に即座に離婚するという結論にならないのであれば、ひとまずは成功といえるケースも多いものです。弁護士に依頼すれば、調停を続けるのか、途中で取下げるのか、といった複数の選択肢を想定して、戦略的に対応することが可能です。
離婚調停で復縁を目指す人にとって、強硬に自分の価値観を押し付けるのではなく、相手の考えを受け入れ、柔軟に調整していく姿勢が大切です。
「離婚調停の不成立」の解説

まとめ

今回は、離婚調停から復縁する方法と注意点について解説しました。
どうしても復縁したいと考えるなら、離婚調停を申し立てられたからといってあきらめてはいけません。むしろ調停は、夫婦が冷静に話し合う貴重な機会であり、復縁を希望している人にとっても有効に活用できます。調停を通じてお互いの本音や問題点を整理し、改善策を提案すれば、関係を修復できる可能性は大いにあります。
離婚調停まで発展した段階では、調停の場では相手の強い離婚意思を聞かされることが多いため、動揺してしまうでしょう。重要なことは、調停委員を味方につけ、相手の意見を受け入れる姿勢を見せながら、自分の改善点を具体的に示すことです。
冷静に対応し、復縁の可能性を高めるために、復縁を希望する場合でも、離婚調停について弁護士に相談するのが有益です。
- 復縁を目指す場合、離婚調停を「誠意を示す場所」として活用する
- 誠実な態度で調停委員の共感を得ることが、調停からの復縁で特に重要
- 調停で本音を引き出し、相手の不満を受け入れて改善する姿勢を示す
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