離婚調停は、家庭裁判所で行われる話し合いの場で、夫婦間の問題を冷静に解決するための手続きです。
感情的になって当事者間の話し合いが困難なとき、離婚調停は有用な手段です。しかし、手続きの進め方や当日の流れを知らないと、不利な状況に陥る危険もあります。
相談者調停の具体的な流れがわからない
相談者当日どう対応すればよいか不安だ
このような離婚調停についての疑問や不安は、調停の流れや手続きの進め方を知ることで解消できます。
離婚調停は、話し合いで納得のいく解決が難しいほど、夫婦間の隔たりが大きいときに利用されます。裁判所の手続きなので、慎重に進めないと更に問題を拡大させてしまいます。
今回は、離婚調停をスムーズに進め、有利な離婚を実現するために、知っておくべき手続きの進め方について弁護士が解説します。
- 離婚調停の流れを知れば、主張や証拠の準備を有利に進めることができる
- 離婚調停の当日は、感情的にならず理性的に話し合うことが重要
- 離婚調停を有利に進めるには、弁護士のサポートを受けるのがお勧め
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離婚調停とは

離婚調停とは、夫婦間の離婚問題について、裁判所における話し合いで解決するために、家庭裁判所で行われる調停手続きであり、正式名称を「夫婦関係調整調停(離婚)」と呼びます。
そして、離婚調停によって離婚することを「調停離婚」と呼びます。
離婚調停の基本
離婚の問題は、感情的な対立が大きく、夫婦だけでは冷静な話し合いが難しいケースもあります。
離婚調停では、男女1名ずつの調停委員が間に入り、双方の意見を調整します。また、必要に応じて、裁判官も加わり、法的な視点からの見解を聞くこともできます。
調停委員2名と裁判官1名の合計3名が「調停委員会」を構成し、中立的な立場で話し合いに関わりながら、解決の方針を一緒に検討していきます。これにより、夫婦が直接話し合うよりも、落ち着いて離婚問題の解決に取り組める仕組みとなっています。
離婚調停は、家庭裁判所において非公開で進められるので、プライバシーが保たれた環境で行うことができます。調停で合意すると調停調書が作成され、裁判所の判決と同じ効力を持つため、法的な強制力を持たせることができます。
ただし、調停はあくまでも話し合いを重視した手続きなので、双方の調整が困難な場合は決裂し、不成立で終了してしまいます。
「離婚までの流れと離婚の種類」の解説

離婚調停が必要となるケース
離婚調停は、次のようなケースで特に有効な解決手段となります。
- 夫婦間で話し合いが進まない場合
感情的な対立や不信感が大きく、夫婦での直接交渉が難しいとき、調停委員が間に入ることで建設的な話し合いを進めることができます。 - 離婚の条件に争いがある場合
離婚時に取り決めが必要な事項について夫婦の意見が相違するケースも、調停での解決に適しています。離婚調停では、調停委員が当事者の気持ちを汲み取って相手に伝えるほか、裁判官が法的な意見を示し、妥当な解決についてアドバイスします。 - 親権に争いがある場合
離婚の条件の中でも「子供に関すること」は大きな対立を生みます。離婚後の親権をどちらが持つかについて争いがある場合、いずれも譲歩しないことが予想されるため、当事者間で決めるのは困難です。
離婚の流れは、離婚協議・離婚調停・離婚裁判(離婚訴訟)の順に進みます。
調停や裁判は、時間と費用がかかり、精神的な負担も大きいため、まずは協議(話し合い)で解決を試みるべきです。多少の調整でまとまるなら協議で解決できますが、夫婦の求める条件に大きな開きがある場合や、配偶者がDV・モラハラ気質で話を聞いてくれない、既に別居して連絡が取れないといったケースは、法的な手続きが適しています。
離婚調停は裁判所で行うので「戦い」というイメージを抱く人も多く、「調停は避けたい」と相談されるケースもあります。
しかし、離婚調停は、冷静かつ平和的に、裁判所で話し合って解決するための手段であり、訴訟のような対立とは異なります。離婚裁判に発展させないためにも、離婚調停を積極的に活用すべきです。
以上のことから、離婚調停は「協議が難しいが、いきなり裁判に進むほどではない場合」に用いるべき手続きといえます。当事者同士で合意を目指す協議と、裁判所が結論を下す裁判の中間に位置づけられ、第三者の関与のもとで話し合いによる解決を図れる点が、離婚調停の大きな特徴です。
「離婚調停で勝つには?」の解説

調停前置主義について
日本では、離婚裁判(離婚訴訟)の前に調停を経る必要があるという「調停前置主義」のルールが採用されています。
離婚問題のように本人の気持ちが重要な事案は、訴訟で徹底して争う前に話し合いの機会を設け、合意による解決を優先すべきとする考え方に基づくものです。
裁判は時間と費用がかかる上、精神的な負担も大きいため、先に調停を通じて解決を試みるメリットがあります。そのため、直ちに離婚裁判を起こすことはできず、家庭裁判所での調停を先に行う仕組みになっているのです。なお、例外的に、配偶者からの暴力(DV)があるなど、緊急性の高いケースは、調停を経ずに訴訟に進むことも可能です。

「離婚調停を弁護士に依頼するメリット」の解説

離婚調停の流れは?申立てから成立まで

次に、離婚調停の流れについて具体的に解説します。
離婚調停を申し立ててから、調停期日当日の対応、そして、調停成立(離婚)に至るまでの流れを知れば、手続きをスムーズに進め、冷静に対応することができます。疑問や不安があるときは、弁護士に相談したり、同行を依頼したりするのがお勧めです。
離婚調停を申し立てる
離婚調停を申し立てることが第一歩となります。
離婚調停の申し立ては、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に、申立書と必要書類を提出することで行います。
申立時の必要書類や費用の目安は、次の通りです。
離婚調停の必要書類
- 夫婦関係調整申立書
調停を開始するための基本的な書類です。夫婦の基本情報や、争点などを記載し、正本と写し1通ずつを提出します。 - 事情説明書
事情説明書は、申立書よりも詳細に、家庭の状況、夫婦生活の経緯や離婚を求める理由などを記載して、調停委員にわかりやすく境遇を伝えます。 - 戸籍謄本
夫婦関係を証明するのに必要です。発行から3ヶ月以内のものを提出します。 - 連絡先等の届出書
裁判所が当事者と確実に連絡を取るために提出を求める書類です。非開示を希望する部分がある場合、非開示の希望に関する申出書をあわせて提出します。
※ 申立書・事情説明書などの書式は、家庭裁判所のサイトからダウンロードすることができます(裁判所HP「家事調停で使う書式」)。
離婚調停の費用(申立時)
- 収入印紙
申立て時に裁判所に納付する手数料として、収入印紙1,200円分を貼付します。 - 郵便切手
裁判所が連絡や通知を送るのに必要となる費用を負担します。金額は裁判所により異なりますが、離婚調停の場合は1,000円~2,000円程度が目安です。
調停期日の通知と答弁書の提出
申立てが受理されると、調停期日が決定され、申立人と相手方の双方に期日呼出状によって通知されます。
初回の期日は、申立てから約1ヶ月程度で指定されることが多いですが、家庭裁判所の混雑状況によって異なります。どうしても都合がつかないときは、無断欠席するのではなく、早めに事前連絡をして再調整を依頼してください。
調停期日まで時間がある場合、次の準備をしておきましょう。
- 証拠となる資料の収集
婚姻費用や財産分与、養育費といったお金の問題を解決するには、証拠となる資料が必要となります。 - 主張の整理
自分の希望を整理し、妥協できる点、譲れない点などを整理することで、調停をスムーズに進められます。相手方は、期日の通知を受け取ったら、その1週間前までに答弁書を提出して反論するのが通例です。
「離婚調停の答弁書」の解説

第1回目の調停期日当日の流れ
第1回目の期日として指定された日時に家庭裁判所に出廷し、調停委員との話し合いを行います。
離婚調停は、調停委員が、申立人と相手方から個別に話を聞いて、調整しながら合意できる点を探るという進め方になります。
第1回目の期日は、申立人と相手方が同席の場で手続きの説明をしますが、その後は直接対面することはなく、待合室も別室です。相手方と顔を合わせたくない場合、その旨を申立時に裁判所に伝えることで、できる限りの配慮をしてもらうことができます。
調停は非公開なので、落ち着いた雰囲気で進行します。調停委員が中立の立場で進行をリードするので、率直な意見や考えを伝え、通常の会話で進めるのがよいでしょう。
離婚調停では、1回の話し合いで約30分ずつ、調停委員と対面して話を聞いてもらい、これを2回ずつ、申立人・相手方で交互に行うのが通例です。つまり、「申立人(30分)→相手方(30分)→申立人(30分)→相手方(30分)」といった流れで進み、1回の期日で合計約2時間程度かかることが多いです。

初回の期日では、主に次のような点について確認・質問されます。
- 離婚を希望する理由や経緯
- 現在の夫婦関係の状況(同居の有無、別居開始日など)
- 夫婦間で行った話し合いの内容と、その結果
- 離婚自体についての意思(離婚に合意しているか、争っているか)
- 親権・養育費・面会交流に関する希望(未成年の子がいる場合)
- 財産分与や年金分割についての考え
- 相手方に特に伝えたい要望や条件
第1回期日は、その場で結論を出すというより、争点を整理し、今後の話し合いの方向性を確認する場である点が特徴です。
「調停委員を味方につけるには」の解説

第2回目以降の調停期日での話し合い
初回の期日では解決に至らないことが多く、その場合は、期日の最後に次回期日の日時を調整し、第3回目、第4回目と回数を重ねていきます。
離婚調停の期日は、1ヶ月に1回程度のペースで設定するのが通常で、離婚の合意が成立するか、不成立となることが明らかになるまで継続します。
離婚調停の終了(成立または不成立)
離婚調停は、合意が成立するか、もしくは、不成立であることが明らかになった場合に終了します。また、申立人の取下げによって終了することもあります。
その後の流れについては、以下の通りです。
成立した場合
双方が合意に至ると調停成立となり離婚が成立し、調停調書が作成されます。
調停調書は、裁判所の判決と同じ効力があり、法的な強制力を有します。例えば、調停で決めた養育費が未払いとなった場合に、強制執行が可能です。

調停成立後は、離婚届を提出する必要があります。調停成立日から10日以内に、調停調書の謄本、夫婦の戸籍謄本と共に市区町村役場に提出することで、離婚を戸籍に反映させることができます(離婚届の提出は原則として申立人が行い、相手方や証人の署名は不要です)。
「離婚調停の成立後にすべき手続き」の解説

不成立の場合
合意に至らないときは、離婚調停は不成立となって終了します。不成立となった場合、離婚を求める側が、離婚訴訟を提起して更に争うかどうかを選択します。
離婚訴訟は、離婚協議や離婚調停と異なり、法定離婚事由が存在するときは、判決で強制的に離婚することができます。
一方で、法定離婚事由がない場合や、自身に不貞行為があって有責配偶者である場合など、裁判でも即座に離婚は難しいと考えるときは、法的な手続きを一旦打ち切り、再度の話し合いを試みるケースもあります。
なお、例外的ですが、おおよその条件は合意に至っている場合や、夫婦双方の参加が困難な場合は、審判離婚が選択され、裁判官が職権で離婚を成立させるケースもあります。
「調停不成立とその後の流れ」「法定離婚事由」の解説


取下げの場合
離婚調停は、申立人が途中で手続きをやめる「取下げ」により終了する場合もあります。
取下げとは、調停の途中で申立人が「調停を続けない」という意思を表示することで、相手方の同意や裁判所の許可は不要です。取り下げられると調停は終了し、離婚は成立しません。状況が変われば、再度調停を申し立てたり、協議・訴訟といった別の手続きに進んだりすることも可能です(調停前置主義の関係から、訴訟に進むには調停を実質的に遂行したことが必要となります)。
離婚調停を有利に進めるための準備

次に、離婚調停の流れを有利に進めるために、すべき準備について解説します。
調停での希望や条件を整理する
離婚調停の流れを有利に進めるには、説得的な主張が重要であり、事前に伝えるべき内容を準備しておくのが有益です。
主張を整理するには、自分が離婚したい理由、希望する条件を明確にし、次に、相手の反論を予想して対策を立てる、という順序で進めるのがよいでしょう。
自分の希望を明確にする
伝えるべき希望のうち重要なのは、「離婚したいかどうか」と「求める離婚条件」の2点です。
そもそも夫婦の一方が「離婚したくない」という場合、離婚条件より前に「離婚するかどうか」についても話し合わなければなりません。
調停で話し合われる離婚条件には、親権や養育費、財産分与といったテーマがあります。婚姻費用分担調停が合わせて申し立てられたときは、婚姻費用も争点となります。
相手の主張を予想して対策を立てる
自身の要望が明確になったら、次に、相手の反論を予想して、再反論や代替案を準備しましょう。
「離婚するかどうか」についての意見が真っ向から対立したり、求める離婚条件に大きな開きがあったりする場合、妥協できない点と譲歩できる点を整理しておかなければ離婚調停が長期化し、離婚訴訟に発展するおそれがあります。
「離婚調停を申し立てられたら?」の解説

主張の根拠となる証拠を準備する
調停を有利に進めるために、証拠の整理を進めましょう。証拠や資料が十分でないと、説得力を欠き、調停委員会に理解してもらえないおそれがあります。
離婚調停では、自身の主張に説得力を持たせるために、根拠となる証拠や資料を示しながら話す必要があります。
例えば、養育費を話し合うときは、双方の収入状況が重要な判断材料となるため、給与明細や確定申告書、源泉徴収票などの収入を示す書類が大切です。財産分与について話し合うケースでは、分割の対象となる共有財産の有無や金額を示す資料を集めなければなりません。
調停委員に好印象を与える話し方や態度を心がける
離婚調停では、調停委員が当事者の話を聞いて、相手方や裁判官に伝える重要な役割を担います。そのため、調停委員の印象が、調停の進み方を大きく左右します。
一方的に相手を非難するのではなく、事実関係を簡潔に伝え、委員の質問に素直に答えるという姿勢は印象が良いです。落ち着いた口調で丁寧に話すことで、「話し合いが可能な当事者」という評価につながり、要望も正確に汲み取ってもらいやすくなります。
感情的に反論することは避ける
離婚調停では、夫婦間の過去の争いが話題となるため、気持ちが高ぶる場面も少なくありません。しかし、感情的な発言や態度は、自身の主張の説得力を弱めるおそれがあります。
感情が高ぶっていると主張がわかりやすく伝わらず、強い語調で伝えるほどに調停委員の心証が悪くなり、逆に不利な状況を招くこともあります。
調停委員から伝え聞いた相手の主張が納得できなくても、委員に感情的に反論することには意味がなく、むしろ逆効果です。冷静に対応すれば、調停委員や裁判官からの信頼が得られ、結果として調停も良い流れになります。
有利に進めるために弁護士に相談する
離婚調停の流れを有利に進めるには、弁護士のサポートが非常に有効です。
離婚調停は自分で行うこともできますが、弁護士に任せることで、申立書を書いてもらったり証拠を集めたりと、手続きを代理してもらえます。調停の進行を熟知しているため、調停当日の同席を依頼すれば、争点の理解が進み、主張の伝え方について適切なアドバイスを受けながら対応できます。期日前に入念に準備し、弁護士にリハーサルをしてもらえるのも、依頼するメリットの一つです。
弁護士は、調停だけでなく、その後に裁判に進む場合にも対応できるため、早期の段階で相談しておくことで一貫したサポートを受けることができます。
「離婚に強い弁護士とは」の解説

離婚調停当日の流れと進め方の注意点

次に、離婚調停当日の進め方と、期日での振る舞いの注意点を解説します。
離婚調停は、人生に何度もあることではなく、緊張するのも仕方ありません。しかし、調停当日は、冷静な態度で臨むのが成功のポイントです。そのためには徹底して準備し、不安な場合は弁護士の助けを借りることが重要です。
冷静な態度を心がける
調停当日は、発言内容だけでなく、態度や振る舞いも含めて全体がみられているという意識を持つことが大切です。
調停委員は、当事者がどの程度冷静に話し合いに臨めるかを判断しながら、今後の進行方法を検討しています。そのため、相手の主張に違和感を覚えた場合でも、その場で感情的に反応せず、「事実と異なる点」「補足したい点」を整理して伝えることが求められます。必要であれば一度持ち帰る姿勢を示すことも、調停を円滑に進めるために有効です。
調停は勝ち負けを争う場ではなく、合意点を探る手続きであることを理解して、落ち着いた対応を心がけてください。
自分の意思を明確に伝える
次に、離婚調停の場では、自分の意思を明確に伝えることが必要です。この点は、たとえイメージが悪くなることが懸念されても、正直に話さなければなりません。準備段階から自分の意思を明確にしておけば、その場の雰囲気に流されて不利な条件を受け入れずに済みます。
一方で、調停をスムーズに進めるには、どこまで妥協できるかを曖昧にしてはいけません。例えば「養育費は◯万円以上」「親権を得る代わりに財産分与は一部でよい」など、交渉の基準については具体的に伝えるべきです。
なお、調停はあくまで合意による解決を目指す場なので、納得できないのに無理に同意する必要はありません。その場合、調停を継続するか、最終的に離婚訴訟に移行するかは、状況に応じてメリット・デメリットを比較して判断する必要があります。
「離婚調停・離婚協議中の手紙」の解説

不利になる発言は避ける
離婚調停では、行うと不利になる発言や行動もあります。調停は、離婚やその条件について話し合う場であり、相手に嫌がらせしたり、恨みを晴らしたりする場ではありません。
そのため、相手に対する悪口や誹謗中傷、過去の不満を感情的に繰り返す発言は、争点と無関係な話題として扱われ、主張がうまく伝わらなくなる原因となります。相手の非を強調しようとしても、具体的な事実や根拠を伴わなければ説得力がなく、かえって自身の評価を下げることにもなりかねません。
また、「絶対に譲らない」「相手が全面的に悪い」といった断定的な発言や、一方的な要求を繰り返す態度も、話し合いによる解決を困難にします。
特に、DVやモラハラの有無が争点となっている場合には注意が必要です。強い言葉遣いや威圧的な態度、相手の発言を遮る行為などは、調停の場で不利に評価されるリスクがあるため、終始落ち着いた対応を心がけることが重要です。
離婚調停に関するよくある質問
最後に、離婚調停についてのよくある質問に回答しておきます。
離婚調停にかかる期間は?
離婚調停の期間は、案件の複雑さや争点の数によって異なりますが、平均して半年程度が目安です。
司法統計によれば、離婚調停は2〜3回の期日で終了し、6ヶ月から1年以内に終結するケースが多数を占めています。もっとも、争点が多い場合や対立が激しい場合には、1年以上かかることもあります。(裁判所「令和6年司法統計年報」)。
離婚調停は、通常1ヶ月に1回のペースで期日が設けられ、夫婦の言い分を聞きながら調整を繰り返します。期日の回数に法律上の制限はなく、離婚が成立するか、または、合意が困難なことが明らかになるまで続きます。
そのため、1回で完全に合意が成立することは少なく、数回の期日で終了する単純なケースなら2ヶ月〜3ヶ月、長引く場合は半年〜1年程度の時間がかかります。親権のように譲歩できない争点があったり、双方の要求額に差があったりすると長期化する傾向にあります。一方、争点が明確で夫婦の意思が近いと、短期間で解決に至ることもあります。
なお、2年〜3年もかかるケースは、それ以上調停を続けても成立せず、打ち切って裁判に移行する方が、結果的に早く解決できる可能性が高いです。
離婚調停にかかる費用は?
離婚調停の費用は、裁判所に払う「手続費用」と「弁護士費用」の2つです。
離婚調停の手続費用は、収入印紙代1,200円と、郵便切手代1,000円程度であり、自分で進めるなら、これ以外の費用は生じません。一方で、離婚調停を弁護士に依頼するときの弁護士費用は、着手金として40万円、報酬金として40万円と、経済的利益の10%程度が相場の目安です。
なお、離婚調停では、手続費用も弁護士費用も、各自負担が原則です。費用負担をできるだけ抑えるには、婚姻費用や慰謝料を請求するなどの方法を取るのがお勧めです。
「離婚調停にかかる費用」「離婚・男女問題の弁護士費用」の解説


調停中に相手と直接顔を合わせる必要はある?
原則として、調停中に相手と直接顔を合わせることはありません。
離婚調停では、当事者は別々の待合室で待機し、調停委員が双方の間を行き来して話を聞く形で進められます。そのため、相手と同席したり、直接やり取りしたりすることは通常ありません。
ただし、初回期日における手続きの説明、調停成立時などは、双方が同席するケースがあります(対面が困難であることを事前に伝えれば、配慮してもらえることが多いです)。
離婚調停は自分で進めることができる?
離婚調停は、自分で進めることが可能です。弁護士を依頼しなければ弁護士費用は不要であり、経済的な負担を軽減できます。
ただし、家庭裁判所の申立書類を作ったり、必要な書類を揃えたりするのは大きな手間です。また、相手方の考えを一人で聞かなければならず、精神的な負担が大きく感じる人もいるでしょう。法律知識が必要な問題があったとき、相手にだけ弁護士が付いていると、必要な知識が不足し、不利な条件を受け入れかねない危険もあります。
自分で進めるべきか、弁護士を依頼すべきか、迷ったときは初回の相談でアドバイスを聞くのが有益です。
離婚調停を弁護士に依頼するタイミングは?
弁護士に依頼するタイミングは、離婚調停の前後いずれでもよく、できるだけ早く依頼する方が、多くの対策を講じることができます。
特に、弁護士への依頼をするメリットが大きいのは、次のタイミングです。
- 離婚調停の申立を決断した時点
離婚協議は、当事者間で進める人も多いですが、離婚調停は家庭裁判所で行う法的な手続きなので、スムーズに進めるには弁護士を依頼するのがよいでしょう。調停前に依頼すれば、申立書の作成や必要な証拠の収集についてもサポートしてもらえます。 - 離婚調停中に法律知識が必要となったとき
離婚調停で争点を整理する中で、法律知識を要する複雑な問題が明らかになることがあります。特に、相手が資料開示に非協力的だったり、弁護士を付けて法的な反論をしてきたりするとき、弁護士の助けが不可欠です。 - 離婚調停が不成立になる可能性が高いとき
調停不成立で終了すると、裁判に進むか、再び話し合いをするか、いずれにせよ調停で解決するより時間がかかります。離婚調停が不成立になりそうなとき、最後にもう一歩解決に向けて動けないか検討したり、訴訟を見据えた準備をしたりするため、弁護士に相談すべきです。
まとめ

今回は、離婚調停の流れと、有利に進めるための注意点について解説しました。
離婚調停は、夫婦だけでは解決が難しい争点を話し合うための大切な場です。有効活用すれば、スムーズかつ有利に進められる一方で、進め方を誤ると、不利な離婚を受け入れざるを得なくなったり、最悪の場合、離婚成立が遠のく危険もあります。
離婚調停を有利に進めるには、手続きの流れをよく理解し、自身の主張を整理して必要な証拠を揃えることが大切です。調停委員との当日のやり取りでは、感情的にならず、理性的に、簡潔に自分の意見を伝える姿勢が望ましいです。不利な条件を受け入れ過ぎないためにも、事前に妥協点を決めておくと安心です。
離婚調停は、長期にわたる場合も多く、精神的負担が大きいため、弁護士のサポートを受けるのが有効です。専門家の助けを借りれば、離婚問題について法的な観点からアドバイスを受け、有利な解決とすることが期待できます。
- 離婚調停の流れを知れば、主張や証拠の準備を有利に進めることができる
- 離婚調停の当日は、感情的にならず理性的に話し合うことが重要
- 離婚調停を有利に進めるには、弁護士のサポートを受けるのがおすすめ
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離婚調停を有利に進めるには、財産分与や親権、養育費、不貞行為の慰謝料請求など、状況に応じた法律知識が必要です。お悩みの状況にあわせて、下記の解説もぜひ参考にしてください。
複数の解説を読むことで、幅広い視点から問題を整理し、適切な解決策を見つける一助となります。

