離婚・男女問題

セックスレスを理由に離婚するために理解しておきたい全知識まとめ

2020年10月28日

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セックスレス離婚慰謝料

夫婦生活において「夜の営み」の重要度は人それぞれですが、セックスレスとなってしまったとき、大きな離婚理由となることがあります。また、セックスレスとまではいかなくても、性生活の不一致や性癖の不一致、異性としての魅力を感じなくなってしまったといった「性」に関する事情は、離婚理由としてとても重大です。

実際、外向きは円満な夫婦に見えても、実際にはセックスレスなことがあります。「長く交際していたので、異性として見れなくなってしまった」「子どもが生まれてから、なんとなくセックスをしなくなった」という夫婦は多く存在します。

夫婦生活を続けていく上で、必ずしもセックスはいらないという人もいますが、愛情の確かめ合いとして重要で、ないと満足できないという人もいます。セックスレスには、夫婦によって多種多様な原因がありますが、セックスレスをきっかけに夫婦の溝が深くなれば、離婚につながっていきます。

一方、法律的な面からみれば、セックスレスと離婚問題には、次のような問題があります。

  • 相手が離婚に同意してくれなくても、セックスレスを理由に離婚できる?
  • セックスレスを理由に離婚するとき、慰謝料請求できる?
  • セックスレスを理由に有利な条件で離婚するのに必要な証拠は?

そこで今回は、セックスレスや性生活の不一致など、「性」に関することを理由として離婚をしたいと考える人に向けて、理解しておいてほしいことを弁護士が解説します。

「離婚・男女問題」弁護士解説まとめ

セックスレスと離婚に関する法律問題

セックスレス離婚慰謝料

「草食系男子」という言葉が流行ったように、現代人は淡泊な人が増加しているようです。夫婦間で、性交渉のない状態がある程度の期間続くことをセックスレスといいます。

セックスレスになる理由には、「家族となって異性としてみることができない」「加齢により異性としての魅力が薄れてしまった」「子どもがいて性交渉をする意欲がわかない」「相手の性癖が受け入れられない」など様々な理由があります。一方で、夫婦間はセックスレスだけれども、不倫、浮気はお盛んという人もいます。

夫婦の双方が性交渉を望んでおらず、肉体関係はなくても夫婦が円満であれば特に法律問題はありません。しかし、一方は性交渉を望んでいるにもかかわらず配偶者(パートナー)が受け入れてくれないという場合、セックスレスは、離婚も含めた複雑な法律問題の要因となります。

セックスレスを理由に離婚できる?

夫婦であるにもかかわらず性交渉を拒否されてしまうと、「相手が不倫、浮気をしているのではないか」「嫌われてしまったのではないか」という疑いが生まれ、夫婦生活を円満に続けていけないことがあります。そのため、セックスレスは、離婚を思い立つ大きな理由となることがあります。

夫婦間の話し合いによって離婚についてお互い合意ができる場合には、セックスレス以外には離婚する理由がなかったとしても、協議離婚の方法によって離婚をすることができます。

しかし、離婚条件について合意ができなかったり、そもそも片方が離婚を望んでいなかったりする場合、離婚調停を経て離婚訴訟となります。離婚訴訟では、民法770条1項に定める法定離婚原因が存在しなければ離婚ができないため、セックスレスが法定離婚原因にあたるかどうかを検討しなければなりません。

民法770条1項に定められた法定離婚原因は、次のとおりです。

法定離婚原因(民法770条1項)

  • 配偶者に不貞行為があったとき
  • 配偶者に悪意で遺棄されたとき
  • 配偶者の生死が3年以上明らかではないとき
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • その他、婚姻を継続しがたい重大な事由

そこで以下では、相手が離婚(とその離婚条件)に合意している場合、合意していない場合に分けて、「セックスレスを理由に離婚できるのか」という質問について解説します。

なお、「お互いに愛情はないから、離婚については合意できるはず」という法律相談をされる方がいます。しかし、離婚は、愛情の終了だけでなく、財産関係、子どもの関係を含めた家族関係を清算しなければなりません。

そのため、お金についての離婚条件(財産分与、慰謝料、年金分割など)、子どもについての離婚条件(親権、監護権、面会交流、養育費)といった重要な項目について合意ができなければ、結局離婚の合意は容易ではないことが予想されます。

相手が離婚に同意する場合

相手が離婚(とその離婚条件)に同意している場合には、セックスレス以外に離婚理由がなくても、離婚をすることができます。この場合、夫婦が当事者間の話し合いで離婚をする「協議離婚」、もしくは、裁判所において行われる話し合いの手続きである離婚調停で離婚をする「調停離婚」のいずれかの方法によることとなります。

協議離婚を成立させる際には、将来にもめごとを残さないためにも、離婚協議書を作成し、合意できた離婚条件について夫婦間で書面に残しておくことがお勧めです。

特に、セックスレスの理由が、配偶者(パートナー)の不貞行為にあるなど夫婦の一方に責任があるようなケースでは、セックスレスで離婚をする際に、一定額の慰謝料支払いを合意しておくことが少なくありません。

相手が離婚に同意しない場合

話し合いによって離婚がまとまらない場合には、離婚協議、離婚調停を経て、離婚訴訟を提起することとなります。この点、「調停前置主義」といって、離婚訴訟を起こす前には離婚調停を必ず行わなければならないので、最初から訴訟で争うことはできないこととなっています。

離婚訴訟では、先ほど解説した民法770条1項に定められている法定離婚原因にあたる場合には、裁判で離婚を命じてもらうことができます。他方で、法定離婚原因が存在しない場合には、裁判でも離婚することができません。

セックスレスは、法定離婚原因のうち「不貞(民法770条1項1号)」「悪意の遺棄(同2号)」「生死不明(同3号)」「強度の精神病(同4号)」のいずれにも該当しないことが明らかですから、「その他、婚姻を継続し難い重大な事由(同5号)」にあたるかどうかが問題となります(なお、セックスレスの原因が不貞や悪意の遺棄、精神病などにある場合には、それぞれの法定離婚原因にしたがって離婚をすることができます。)。

「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、夫婦の片方が「これ以上夫婦生活を続けていくことができない」と思っている程度では足らず、夫婦生活が破綻し、回復困難な程度でなければなりません。1号から5号まで並列されている通り、5号もまた、1号から4号の事情と同程度に重大な事由が存在しなければならないということです。

そのため、一言で「セックスレス」といっても、その期間や程度、誘いを拒否された回数、理由、経緯、当事者の責任の度合いなどによって、「婚姻を継続し難い重大な事由」と認められるかどうかの判断は分かれてきます。

セックスレスで離婚できるケース

では、セックスレスで離婚できるケースについて紹介します。つまり、セックスレスが重度であり、「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたって裁判離婚を成立させることができる場合です。

セックスレスで離婚できる典型例は、「妻が子どもを望んでいるにもかかわらず、夫が性交渉をしてくれない」というものです。結婚をする大きな理由の1つに「子どもを産んで家族を作りたい」というものがあります。それほど、妊娠、出産は人生の一大イベントです。また、女性は高齢出産のリスクがあることから、適齢期に結婚をし、子どもをつくることを強く望むことが少なくありません。

結婚当初からお互いに納得の上で「子どもをつくらない」と決めているのでもない限り、妊娠、出産を望む女性の気持ちを無視して性交渉を断り続けることによるセックスレスは、離婚を決定づける原因となります。

また、セックスレスに他の原因があり、その原因によって相手の責任を追及できるようなケースでも、離婚が可能です。例えば、浮気相手にのめりこみ家に帰ってこず生活費も入れてくれない、という事情がある場合、セックスレスが追加されることにより、これらの事情での離婚が更に成立しやすくなります。

セックスレスで離婚できないケース

次に、セックスレスで離婚できないケースについて解説します。つまり、セックスレスではあるけれども、様々な理由により「婚姻を継続し難い重大な事由」にはあたらず、裁判離婚を成立させることができない場合です。

セックスレスを理由にした離婚が難しい典型例は、セックスレスの原因が自分側にあるケースです。例えば、「他に好きな異性がいるため、妻に性的魅力を感じない」という場合、セックスレスであっても「婚姻を継続し難い重大な事由」とはいえず、裁判離婚は困難です。

また、セックスレスではあるけれども、それが配偶者(パートナー)の拒絶によるものではないという場合にも、セックスレスを理由とした離婚はハードルが高いです。例えば、仕事が忙しくて性交渉をもつ時間がない、出張や単身赴任により頻繁な性交渉をすることができない、といったケースです。

セックスレスを理由に離婚するとき、慰謝料請求できる?

セックスレス離婚慰謝料

セックスレスになり、大きな精神的苦痛を被ったとき、相手に対して慰謝料を請求したいと思う方は多くいます。

民法に定められた不法行為(民法709条)によって精神的苦痛を負った場合には、その行為をした人に対して慰謝料請求をすることができます(民法709条)。

民法709条(不法行為による損害賠償)

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

民法710条(財産以外の損害の賠償)

他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

ただし、セックスレスによって慰謝料請求が認められるためには、そのセックスレスが不法行為といえる必要があります。すなわち、相手の故意または過失によって、権利を侵害されたといえる必要があるということです。この点で、単にセックスレスの状態が続いているというだけでなく、相手に責任があったり、その態様が悪質かつ重大なものであることが、慰謝料請求の際には必要となります。

セックスレスの悪質性、重大性が必要となる点では、セックスレスを理由に離婚を求める際に「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかどうかの判断要素と同様のことがいえます。

慰謝料額の相場

セックスレスの慰謝料額の相場は、10万円から300万円程度と様々です。

このように、裁判例でセックスレスと夫婦関係について争われた場合の解決に幅があるのは、ひとことで「セックスレス」といっても、その程度が多種多様であるためです。

慰謝料額の算定で考慮される事情

セックスレスで求められる慰謝料の金額には、次のような事情が考慮されています。

  • セックスレスに至る経緯
  • セックスレスの期間
  • セックスレスとなった理由、当事者のいずれに責任があるか
  • 性交渉を求められたときの対応、態度
  • 性交渉の誘いを拒否された回数
  • 婚姻期間、子どもの有無

また、セックスレスで慰謝料支払いを認めてもらうためには、セックスレスで大きな精神的苦痛を被ったことを立証する証拠が必要となります。証拠が十分にないと、実際にあった事実を正しく裁判所に理解してもらうことができず、慰謝料が低額にとどまってしまうおそれがあります。

セックスレスで離婚するために収集すべき証拠

セックスレス離婚慰謝料

セックスレスを巡る夫婦間の法律問題について、有利な解決を得ようとするのであれば、証拠の収集が重要となります。

証拠収集は、1つには、セックスレスを理由に離婚を求め、「婚姻を継続し難い重大な事由」があると認めてもらうために、そして、2つ目に、セックスレスを理由に慰謝料請求をするために、いずれの目的においても重要なことです。というのも、離婚訴訟においても、慰謝料請求訴訟においても、裁判所は証拠を重視して審理を進めるからです。

そこで、セックスレスで離婚するときに集めておいてほしい重要な証拠について弁護士が解説します。

日記

セックスレスは、夫婦生活の日常的なことですが、客観的な証拠を残しづらいとても難しい問題です。というのも、「性交渉があること」の証明は比較的容易ですが、「性交渉がないこと」の証明はなかなか難しいからです。「ないこと」の証明は、証拠が残らないため「悪魔の証明」といわれることがあります。つまり、誰も証明ができない、ということです。

とはいえ、証明が難しいとしても、離婚理由としてセックスレスを主張するのであれば、セックスレスを理由に離婚を求める側がその証明をしなければなりません。

そこで、セックスレスの証明のために活用できるのが、自分のつけている日記です。日記に、日常生活に関する記録をつけながら、あわせて、性交渉があったかどうかを記録しておくのです。これにより、性交渉が存在しなかったことを証明することができます。

あなたが性交渉をできるよう努力をしたけれども、相手の努力や気持ちが足りずにセックスレスとなっていることを、具体的かつ継続的に記録しておくことが、日記を作成する際には重要です。

あなたの側から性交渉を求めた言動と、それに対する相手の反応、言動を記録することで、「自分は性交渉を求めたが、相手が誠意をもって向き合ってくれなかった」という主張を基礎づける証拠を残すことができます。例えば、「忙しい」「魅力を感じない」などの理由で拒否されたり、性交渉の要求を無視され続けたりといった事情は、「婚姻を継続し難い重大な事由」と認めてもらうための重要な事情となります。

日記をセックスレスの証拠として、離婚裁判や慰謝料請求訴訟で使おうと考えているときには、毎日欠かさず日記を書き続けるようにしてください。性交渉の有無しか書いていなかったり、日にちが飛んでいたりする場合、「性交渉のない日だけ日記をつけていたのではないか」「後からさかのぼって改ざんしたのではないか」と疑われてしまい、日記の信用性が薄れるおそれがあるからです。

当事者間のメール、LINEのやりとり

当事者間のやりとりが、メールやLINE、SNSなどで残っている場合には、これらも重要な証拠となりますので、必ず保存しておいてください。

特に、セックスレスとなった理由や経緯、責任がわかるようにしておくことが重要となりますので、話の流れがわかるよう全体を保存しておくことが重要です。

会話の録音

当事者間のやりとりを口頭でしか行っていない場合には、ボイスレコーダーやスマホで録音する方法によって証拠に残すことを検討してください。この場合にも、会話の一連の流れがわかるよう、会話全体を録音しておくことが重要です。

裁判所に提出するための証拠を準備するために会話を録音する際には、相手の同意をとる必要はありません。ただし、有利な発言を引き出そうとして煽ったり挑発したりすることは、証拠としての価値を台無しにすることとなりますので、慎むべきです。

セックスレスの原因が不倫、浮気であった場合

セックスレス離婚慰謝料

セックスレスは、それ自体が離婚や慰謝料請求の原因となるのはもちろんですが、そればかりでなく、夫婦関係を冷え切らせてしまった結果、不倫や浮気に走らせてしまう原因となり、夫婦関係をますます悪化させることにもつながります。仮面夫婦となり円満な家庭が築けず、日常的にストレスを感じていると、DVやモラハラ、子どもの虐待など、他の家庭問題にも発展しかねません。

性交渉を拒否されてしまったことによって、夫婦の愛情を疑うこととなり、「安心したい」「愛情が欲しい」と求めた結果、他の異性との性交渉をもってしまうというケースです。

セックスレスの原因が、相手の不倫、浮気にあるのではないか疑わしい場合には、探偵、興信所を利用した証拠収集をすることがお勧めです。

少々費用がかかってはしまいますが、不倫、浮気の客観的な証拠をつかめば、セックスレスはもちろんのこと、不倫の事実をも理由として、早期かつ有利な条件での離婚を成立する助けとなります。また、あわせて請求する慰謝料額も増額することができます。

「離婚問題」は浅野総合法律事務所にお任せください!

セックスレス離婚慰謝料

今回は、セックスレスで離婚や慰謝料請求を検討されている方に向けて、セックスレスと夫婦関係に関する法律問題について弁護士が解説しました。

性交渉が夫婦関係においてどの程度の重要性を持つかは、人によって様々な考え方があり、夫婦の気持ちが同じでないと、セックスレスは離婚を覚悟する大きな現認になります。それでもなお、裁判で離婚を成立させるためには、そのセックスレスが「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかどうかによって変わってきます。

セックスレスでお悩みの方においては、有利な条件で、早期に離婚を成立させたり、高額の慰謝料請求を認めてもらったりするためには、お早めに弁護士に相談いただき、専門的なアドバイスを受けることが有益です。

セックスレスで離婚を検討されている方をはじめ、離婚問題、男女トラブルでお悩みの方は、ぜひ一度当事務所の法律相談をご依頼ください。

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