離婚・男女問題

離婚の話し合いに第三者(両親・友人など)を同席させるときの注意点

解説の執筆者:弁護士 浅野 英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士の浅野英之(第一東京弁護士会所属)です。当事務所は「離婚問題」に注力し、豊富な実績を有しています。離婚は身近な問題ですが、実は多くの法的リスクを内在しています。

自身での解決が難しいとき、法律の専門知識を活用することで速やかに解決できることがあります。ぜひ一度当事務所へご相談ください。

夫婦で離婚についての話し合いをまとめることに自信がなかったり、不安が大きかったりするとき、両親・友人などの第三者を同席させようとすることがあります。

離婚の多くは、話し合いで解決していますが、実際には、夫婦で話し合いをまとめるのがとても難しいことがよくあるからです。両親や友人などに同席してもらい、後押ししてもらえば離婚ができるように感じることがあるかもしれません。

しかし、離婚の話し合いに、第三者を同席させることはおすすめできません。

今回の解説では、

  • 離婚の話し合いに第三者を同席させるべきではない理由
  • 同席を検討する第三者(両親・友人・弁護士など)
  • 第三者を同席させるときの注意点

といった法律知識について、離婚問題を多く取り扱う弁護士が解説します。

離婚の話し合いは、夫婦2人でするのが原則

離婚の話し合いは、夫婦2人でするのが原則です。離婚問題は、夫婦で解決すべき問題だからです。

「結婚は家同士の結びつきだから、離婚の話し合いは両家の問題だ」という意見を持っている方もいるようです。それでもなお、離婚の話し合いに、両親や親族などを同席させる理由にはなりません。

はじめに、離婚の話し合いを夫婦2人ですべき理由(逆にいえば、第三者を同席させることのデメリット)と、同席させておいたほうがよいケースについて弁護士が解説します。

離婚は夫婦の問題

離婚は夫婦2人で決めるべき問題です。他人の意見は参考にはしても、密接に関与してもらうべきではありません。

離婚の話し合いに、第三者を同席させることは、たとえその同席者が両親や義両親、親友などであっても、次のような多くのデメリットがあります。

  • 感情的にヒートアップして、離婚の話し合いがうまくまとまらなくなる
  • 同席者がこちらの味方ばかりすると、相手が話し合いに応じてくれなくなる
  • 夫婦のプライバシーが外に漏れるおそれがある

離婚協議は夫婦2人の問題であるとともに、あくまでも話し合いであるため、相手が応じてくれなければ話し合い自体が進みません。

話し合いができなくなってしまうと、離婚調停の申立をすることになりますが、ますます時間と手間がかかることとなります。

相談・意見は事前に聞いておく

百歩譲って両家にも話を通す義理があったとしても、それは夫婦の協議より前にやるべきことで、話し合いに同席までしてもらう必要はありません。

離婚問題について自分で考えることが難しく、意見やアドバイスが必要なときには、話し合いに同席してもらうのではなく、話し合いをするよりも前に聞いておくようにしましょう。

事前に聞いておくのであれば、両親はもちろん、離婚を経験したことのある友人の意見などを参考にすることはおすすめです。

離婚の話し合いに第三者を同席すべきケース

原則は夫婦2人だけで行うべき離婚の話し合いですが、第三者に同席してもらったほうがよいケースもあります。例えば、次のような場合です。

  • 夫婦で話し合うと、感情的になって話し合いがうまく進まないケース
  • 中立的な第三者が同席し、話を聞くことで整理ができそうなケース
  • DVがあり、離婚の話し合い中に暴力を受けるおそれのあるケース
  • モラハラがあり、威圧的な態度をとられると話し合いが困難なケース

特に、DVやモラハラがひどいときには、夫婦間に主従関係がうまれてしまってまともな話し合いができず、被害者側ですら、自分がDV・モラハラの被害にあっていることに気づいていないこともあります。

このようなとき、危険を回避し、離婚についてのまともな話し合いを実現するためにも、適切な第三者に同席してもらうことが有効です。

離婚の話し合いに同席を検討すべき第三者とは

離婚の話し合いに同席させてもよいか、よく相談がある人たちについて、その種類ごとに解説していきます。

離婚の話し合いに同席をさせたり、離婚の事前相談をしたりすることを検討する第三者には、次のような人がいます。

双方の両親

離婚の話し合いで、両親に同席してもらおうと考える人は多くいます。

両親に同席してもらいたいという不安な気持ちは理解できますが、離婚の話し合いは夫婦の問題であり、両親が同席すると話し合いがこじれてしまい、うまく進まなくなるおそれがあります。

親にとっては自分の子が一番かわいく、それは、自分の子がどれだけ責任があっても、どれほど非があっても同じことです。互いに自分の子を擁護することで、夫婦間の話し合いのはずが、いつの間にか両親同士の喧嘩に発展してしまいエスカレートすると、ますます収集がつかなくなってしまいます。

同様の理由で、親族の同席もやめておいたほうがよいでしょう。

離婚の話し合いに両親が介入して話し合いが進まなくなってしまうことを避けるため、それぞれの両親に対する対応は、次のようにしておくことがおすすめです。

【自分の両親に対して】

  • 「同席は必要ない」、「夫婦の問題だから任せておいてほしい」と伝える
  • 子どもの味方ばかりすると、逆に相手から誠意がないとみられ、うまくいかないことを理解してもらう
  • やむを得ず両親に同席してもらうときには、下手な口出しや感情的な反論を控えるよう、釘をさしておく

【相手の両親に対して】

  • 義両親が、離婚の話し合いへ同席することは、断固として拒否する
  • やむを得ず義両親が同席した場合、義両親から不当なプレッシャーを受けるときは、その日の話し合いは打ち切るようにする

友人

友人に同席してもらうとき、夫婦の一方の友人であったり、一方ととても仲の良い人であったりするとき、結局そちらの味方をしてしまうおそれがあるため、両親・親族と同じ理由で、同席してもらうべきではありません。

これに対して、夫婦共通の友人であり、お互いにとって信頼できる友人や先輩、上司などがいるときには、同席してもらうことでお互いの意見を聞いてもらい、気持ちが整理されてうまく話し合いが進むことがあります。

他方で、人選を誤ると、職場や友人間に夫婦のプライバシーが広まってしまうリスクがあります。

仲人

お見合い結婚など、仲人さんをたてて結婚したとき、残念ながら離婚問題となってしまったときにも仲人さんに相談しにいくことがあります。

しかし、仲人さんと夫婦の間の人間関係もさまざまであり、2人のキューピットだからといって、離婚の話し合いのときに同席させる人物として適しているかどうかは、慎重に判断しなければなりません。

あくまでも、離婚の話し合いは夫婦2人で行うのを原則とすべきであり、仲人さんに同席してもらっても好転することはあまり期待できない場合が多いでしょう。

弁護士

離婚の話し合いに、弁護士が同席することがあります。弁護士が同席したほうがよいケースは、例えば、相手がモラハラ気質で、二人だけで話し合いをすると一方的にまくしたてられ、こちらの気持ちが十分に伝えられない場合です。

相手に不貞行為やDVがあり、あなたの側に十分な証拠がある場合のように、相手に対して責任追及を伝えるときにも、弁護士に同席してもらうことが大きなプレッシャーとなります。

このようなとき、弁護士という法律の専門家である第三者を交えることにより、相手にも一定の遠慮が生まれ、冷静に、話し合いが進むことが期待できます。

第三者に同席してもらうときの注意点

ここまで解説してきたとおり、離婚の話し合いはまずは夫婦で行うようにし、第三者を同席してもらうことには慎重であるべきです。

最後に、第三者に同席してもらうこととなったときに注意しておきたいポイントについて弁護士が解説します。

口出しさせない

適切な第三者に、離婚の話し合いに同席してもらうとしても、中心は夫婦の話し合いとすべきであり、口出しはさせないようにしましょう。

自分側で同席をお願いした人には、できるだけ口出しをしないように、事前に伝えておくことが、離婚協議をうまく進めるためには大切です。

もし、相手側が同席をお願いした人が口出しばかりしてきて、あなたのことを感情的に否定したり、罵倒したり、理不尽に相手の味方ばかりするときには、その場でヒートアップしてやりあうのではなく、話し合いを打ち切ることがおすすめです。

客観的な意見にとどめる

離婚の話し合いに同席してもらう第三者に、発言してもらうときには、客観的な意見にとどめるようにしてもらいます。

あくまでも夫婦の問題である離婚の話し合いに同席するのであれば、中立の立場を貫いてもらう必要があります。どちらかに味方したり、他方を強く否定したりするような人であれば、話し合いをスムーズに進めるためにも、同席してもらうべきではありません。

客観的な意見について、夫婦の双方が求めたときに限って発言してもらうようにすることで、同席してもらうメリットを最大限に活かすことができます。

実家での話し合いは避ける

第三者として互いの両親に同席してもらおうとして、実家での話し合いを計画するケースがあります。「相手が実家に押しかけてきて、話し合いを強要された」という相談を受けることもあります。

実家で離婚の話し合いをすると、話し合いの間子どもの面倒を見てもらえるというメリットがありますが、実家で、両親の立ち会いのもので離婚の話し合いをすることは、やはりおすすめできません。

前章でも解説したとおり、両親は自分の子どもの味方をします。そのため、どちらの実家で行うかによって、離婚の有利不利に大きく影響してしまうからです。「自分の実家で話し合って有利に進めたい」という気持ちが適切でないのはもちろん、「相手の実家に乗り込んで、早急に話をつけてやろう」という態度もまた、誠実とはいえません。

冷静な話し合いが難しそうなときは、ファミリーレストランやホテルのロビーラウンジなど、第三者の目のある公共の場所で話し合いを行うことがおすすめです。

離婚に両親・親族が関わる場合はある

離婚の話し合いに、両親や親族などが同席すると、話し合いがヒートアップしてうまく進みづらくなることを解説しました。

とはいえ、話し合いに同席すべきではないというだけで、実際には、離婚の話し合いに両親や親族などが関わることはよくあります。重要なことは、話し合いに同席するなどの密接な関与ではなく、一定の距離を置いてもらうことにあります。

離婚の話し合いに両親や親族が関わる例には、次のようなものがあります。

  • 離婚届の証人となるケース
    離婚届には、成人の証人2名が必要となり、両親に証人となるよう依頼することが多いです。
  • 離婚にともなう債務の連帯保証人となるケース
    離婚の話し合いでは、慰謝料、財産分与、養育費など金銭支払を取り決めますが、このとき、夫婦が若年の場合など、資力が十分でないとき、両親が連帯保証人となることがあります。
  • 離婚の話し合い中に子どもの面倒を見てもらうケース
    離婚の話し合いは夫婦2人で行うべきであり、子どもに聞かせることは健全な発育にとってよいことではありません。
  • 離婚後の子どもの監護者になってもらうケース
    夫婦の事情(病気、DV、薬物中毒など)により、夫婦のいずれも子どもを監護していくことが難しいとき、話し合いの上、両親に子どもの監護者になってもらうことがあります。

このように、離婚の話し合いに両親・親族が関わることはよくあるため、話し合い自体に同席すべきでないケースであっても、事前に離婚についての話をし、相談をしておくことがおすすめです。

離婚理由によってケースバイケースの対応が必要

「離婚の話し合いに第三者を同席させるべきかどうか」という判断は、離婚を決断した理由によってもケースバイケースの検討が必要です。

例えば、相手のDV・モラハラが理由となっているとき、危険を回避し、自分の気持ちをきちんと伝えるためには、第三者に同席してもらったほうがよいケースがあります。

これに対して、性格の不一致、価値観の相違、性生活の不満など、必ずしもどちらのせいとも言いづらいような離婚理由のとき、第三者に同席してもらっても解決できません。むしろ、夫婦のプライバシーをさらけだし、相手にも嫌な思いをさせ、話し合いが進みづらくなってしまいます。

夫婦2人だけで話し合うことに不安が強く、話し合いを開始してしまうと不当なプレッシャー、ストレスを受けてしまうことが予想されるとき、「そもそも、話し合いで解決が困難なのではないか」という点も検討しておかなければなりません。

相手が誠意をもって話し合いに応じないとき、もはや誰を同席させても話し合いで解決することは困難であり、離婚調停の申立てに進むべきケースであると考えられます。

離婚問題は浅野総合法律事務所にお任せください!

今回は、離婚の話し合いを行うときに、第三者を同席させてもよいかどうかと、第三者を同席させるときの注意点について解説しました。

離婚をするとき、その話し合いはストレスのとても強いものであり、1人では不安な気持ちはよくわかります。しかし、手助けは、事前や事後に得ておくことができますが、離婚協議をスムーズに進めたいのであれば話し合いに同席してもらうことはおすすめできません。

特に、両親を同席させることは、トラブルのもとです。信頼できる友人など、適切な第三者に同席してもらえるときにも、できるだけ口出しさせず、客観的な意見だけを中立的に伝えてもらうようにしましょう。

離婚問題にお悩みの方は、ぜひ一度、当事務所へご相談ください。

解説の執筆者:弁護士 浅野 英之

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自身での解決が難しいとき、法律の専門知識を活用することで速やかに解決できることがあります。ぜひ一度当事務所へご相談ください。

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