労働問題

新型コロナを理由とする労働問題と、法的な解決策【弁護士解説】

2020年10月5日

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新型コロナウイルス労働問題解決

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、現在もなお、日本で生活する人達の生活に大きな影響を与えています。

なかでも、人はその人生のうち多くの時間を仕事に費やしており、多くの人は労働によって賃金を得る労働者として生活していることから、新型コロナウイルスを理由とする労働問題が、特に多く発生しています。新型コロナウイルスの感染拡大によって生じた労働問題は、とても深刻な問題です。

現在進行形で続く感染症禍の中で、社会状況が変化しており、以前には問題とならなかったような新しい労働問題も発生しています。法律や裁判例で結論が出ておらず、ケースバイケースで柔軟な対応をせざるを得ないことも多くあります。

そこで今回は、新型コロナウイルスを理由とする労働問題と、弁護士に相談、依頼することによってこれらの重大な問題をどのように解決すべきかについて、弁護士が解説します。

本解説は、新型コロナウイルス禍の影響を受け、「法律面」において企業や個人がどのようなリスクを負うか、また、どのように事前のリスク回避、事後対処をしたらよいかについて、「法律」の専門家である弁護士の立場から解説したものです。

そのため、医療情報を提供するものではなく、新型コロナウイルスに関する医学的な側面の知識を提供するものではありません。

新型コロナウイルスに関する「法律面」以外の情報については、内閣官房ホームページの最新情報などをご参照ください。

浅野総合法律事務所のアドバイス

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が社会問題化しています。企業として、適切な対応が必要なことは言うまでもありません。

危機的事態に対して、適切な準備、対処を怠ると、従業員の健康安全を危機にさらしたり、取引先を失ってしまったり、企業の名誉、信用を毀損してしまったりといった重大なリスクにつながるおそれがあります。

「新型コロナウイルスに関する法律問題」弁護士解説まとめ

新型コロナウイルスと賃金問題・残業代請求

新型コロナウイルス労働問題解決

新型コロナウイルス下、緊急事態宣言は解除されましたが、経済は停滞しており、賃金に関する問題は労使いずれの立場からもとても深刻な悩みとなっています。

会社の業績悪化や感染症防止の観点などから会社が休業するとき、その間の労働者に対する補償に関する相談が増加しています。特に、特に、新型コロナウイルスを理由とした「客離れ」が深刻となっている飲食店、観光業、宿泊業、イベント業といった業種では、法律上のルールをきちんと理解しておかなければなりません。

あわせて、働き方改革と新型コロナウイルスの感染拡大によって急速に普及の進んでいる在宅勤務、リモートワーク中の賃金、残業代の問題についても解説します。

休業中の賃金補償

コロナ禍によって会社の業績が悪化したことで一方的に給与を引き下げられたり、休業補償を支払われなかったりといった相談が増加しています。特に、緊急事態宣言期間中は、多くの企業が休業を余儀なくされたため、給与が支払われないことによるトラブルが相次ぎました。

法律上は、民法536条2項が適用される使用者の故意または過失が認められる場合には、通常の賃金を請求することができ、不可抗力とはいないものの使用者の故意または過失までは認められないケースでは休業手当(通常の賃金の6割)を請求でき、不可抗力の場合には賃金を請求できないということになります。

ただし、新型コロナウイルスという感染症を理由とする場合に、具体的にどのような判断となるのかは、その会社の業種、労働者の業務内容、休業となった具体的な理由によって判断する必要があります。

決して、「新型コロナウイルスを理由とするから」という理由だけで、賃金を支払わなくてもよくなったり、休業手当(通常の賃金の6割)で足りるというわけではありません。

在宅勤務中の賃金・残業代

在宅勤務、リモートワークであったとしても、労働した時間に相当する対価として給与が生じることは当然のことです。あわせて、「1日8時間、1週40時間」の法定労働時間を超えて働いた場合には残業代も請求できますし、休日労働、深夜労働に対する割増賃金も請求できます。

一方で、在宅勤務では、会社による時間管理が困難となる場合があり、労働者側においても、どの時間が労働時間なのかを正確に判別することが困難な場合も多くあります。そのため、労働時間が適正に把握、管理されなかったり、残業代が十分に支払われなかったりするという法律問題が発生しています。

在宅勤務中の賃金・残業代を適切に請求し、受領するためには、労働者側で、労働時間についての証拠を収集し、正確に記録しておくことが重要となります。

具体的には、業務に利用しているパソコンのログの記録や、業務時間外に送受信したメールやチャットの記録、業務日誌などが、残業代請求のときの証拠として役立ちます。

新型コロナ下の賃金請求、残業代請求について

新型コロナウイルスの影響が社会全体を支配するにつれ、「このご時世だから仕方ない」「会社も厳しい状況だから我慢するしかない」と考える労働者も少なくありません。

しかし、労働の対価として賃金を受領し、これによって生計を立てている人にとって、一家の大黒柱の給与が6割に削減されてしまうことはとてもダメージの大きいことです。ましてや、自宅待機を命じられ、その間の給与が生じないこととなれば、まさに死活問題です。

一方で、雇用調整助成金の特例措置や持続化給付金など、可能な限り企業経営を持続させるための公的扶助制度の拡充も図られています。

そのため、労働者側においては、企業側の状況に忖度しすぎることなく、また、社会の空気を読み過ぎることなく、法律上許される範囲の賃金請求、残業代請求は、積極的に行うべきであると考えます。なお、残業代の正しい計算方法については、次の解説も参考にしてください。

参 考
残業代(割増賃金)の正しい計算方法について、弁護士が解説!

残業代請求をするとき、残業代を正しい計算方法に基づいて正確に算出しなければ、本来支払ってもらうべき残業代を取り逃がしてしまうおそれがあります。残業代は、専門用語で「割増賃金」ともいいます。 そのため、 ...

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新型コロナウイルスと労災・安全配慮義務違反

新型コロナウイルス労働問題解決

新型コロナウイルス禍の影響で、働き方の態様、通勤の態様が大きく変化しています。また、労働者間のコミュニケーション方法も大きく代わり、十分な配慮がなければこの変化がストレスとなることもあります。

そのため、会社が労働者に対して、どのように安全配慮義務を果たすかについても、コロナ禍前とは異なった配慮が必要となります。

会社は、労働者が健康で、安全に働けるよう、職場環境に配慮する義務を負っています。これを「安全配慮義務」といいます。安全配慮義務に違反する場合には、労働者は会社に対して慰謝料請求、損害賠償請求を行うことができます。また、あわせて、労災申請をすることができます。

新型コロナウイルスの感染が拡大し、職場で感染する可能性も低くはない状況となりました。このような中で、会社のマスクや咳のマナー、アルコール消毒などの衛生用品の準備など、新型コロナウイルスへの対策が十分でなかった結果、労働者が感染してしまった場合、安全配慮義務違反となる可能性があります。

特に、医療従事者や店舗スタッフなどの接客業では、顧客と接触する機会が多いため、業種にあった十分なコロナ対策が必須となります。

新型コロナウイルスを理由とする解雇・雇止め

新型コロナウイルス労働問題解決

新型コロナウイルスに起因する経済の停滞から、経営状況の悪化している会社が増加しています。経営危機に直面して、延命のため、多くの労働者が、解雇、雇止めや、退職勧奨の対象となっています。

しかし、職を失ってしまうことは、労働者にとって決定的に大きな不利益となることから、解雇には一定の制限が課されており、経営が危機的な状況であるからといって直ちに正当化されるわけではありません。また、現在は雇用調整助成金の特例措置によって生き延びている会社も、特例措置が終了すると人件費削減に走る可能性があります。

そこで最後に、新型コロナウイルスを理由として増加している労働問題として、解雇、雇止めの問題を解説します。

整理解雇・雇止め

新型コロナウイルスの影響により売上が大きく低下し、経営が立ち行かない場合、人件費の削減のために労働者を解雇することを検討することとなります。このように、会社側の経営上の都合で行う解雇のことを「整理解雇」といいます。一般的には、リストラと呼ばれることもあります。

新型コロナウイルスの影響による解雇は、「コロナ解雇」としてニュースなどでも話題になっています。

しかし、業績悪化が原因で整理解雇を行う場合にも、解雇を回避する方法がないかを十分に検討し、慎重に判断をする必要があります。整理解雇の有効性は、「整理解雇の4要件」と呼ばれる以下の要件を総合的に考慮して決められます。

整理解雇の4要件

  • 人員削減の必要性
    :整理解雇が経営上の十分な必要性に基づいて行われるものであること
  • 解雇回避の努力義務
    :解雇を回避するための合理的な経営努力を尽くしていること
  • 人員選定の合理性
    :整理解雇の対象者の選定について、客観的で合理的な基準に基づいて選定していること
  • 手続きの妥当性
    :整理解雇の理由、選定基準、方法などについて十分な説明、協議を行っていること

この点で、新型コロナウイルスを理由とする経営悪化によって行う整理解雇の場合、経費削減、役員報酬カット、新規採用の見送り、配置転換、一時帰休、残業規制、賃金カット、希望退職の募集といった一般的に行われる解雇回避措置だけでなく、国の支援策(雇用維持の政策、資金繰りの支援)なども踏まえて検討する必要があります。

期間の定めのある社員(アルバイト社員、契約社員、派遣社員など)を期間満了で更新をしないことを「雇止め」といいます。雇止めについても、更新継続の期待が生じているような場合には、整理解雇と同様の制限を受けることとなります。

以上のような制限に違反して、会社から不当解雇をされてしまったときには、労働者としての地位があることの確認を求め、交渉や労働審判、訴訟によって争うことができます。

法人の解散に伴う解雇

会社の経営上の理由による、いわゆる整理解雇であっても制限を受けることを解説しました。

ただし、法人を解散し、全労働者を解雇する場合には、事業を廃止することに伴う解雇であるため、基本的には客観的な合理性があり、社会通念上相当であるものと考えられます。そのため、解雇権濫用法理に基づいて検討しても、解雇は有効と判断されることとなります。

実際、新型コロナウイルスを理由とする会社解散、倒産は増加しており「コロナ倒産」と話題になっています。

もっとも、解散や倒産を理由とする解雇であっても、解散や倒産に至る経緯や理由、解雇せざるを得ない事情、解雇回避の努力をどのように尽くしたかについて、十分な説明がなされるべきです。

内定取り消し

新型コロナウイルス感染拡大を防止するための緊急事態宣言が発出された2020年4月、新卒社会人となるはずだったのに内定を取り消されてしまった人は少なくありません。

経営状況の悪化を理由とした採用内定の取消もまた、整理解雇の場合に準じた取扱いとなるため、一定の制限が加えられており、新型コロナウイルスを理由とするからといって認められるとは限りません。

「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」(厚生労働省)においても、新卒の採用内定者について労働契約が成立したと認められる場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定の取消しは無効になると解説されています。

具体的には、内定取り消し回避のための努力が十分ではないといえる場合や、内定取り消しの対象者に対する誠意ある説明がないといえる場合には、内定取り消しが無効と判断される可能性があります。

参 考
内定取り消しは違法?不当な内定取り消しの慰謝料を請求するポイント

採用選考に合格をすると、「採用内定」を受けることができます。通常は、会社から採用内定通知書が交付され、これを受けて労働者側が入社承諾書、誓約書などの所定の書式を差し入れることによって内定が成立します。 ...

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退職勧奨をされた場合の対応について

労働契約を解消する場合に、会社側から一方的に「解雇」してしまうと無効となる可能性が高いという場合に、話し合いによって合意退職をするよう会社が迫ってくる場合があります。

このように、会社が労働者に対して、自主的に退職するよう促して話し合いを行うことを「退職勧奨」といいます。退職勧奨は、任意の話し合い、説明に留まる限りは違法ではありませんが、強制的に辞めさせようとする「退職強要」にまで至る場合には違法性があります。

新型コロナウイルスの影響で店舗が閉鎖したり、再開の目途が立たなかったりと言った場合でも、労働者は、会社からの退職勧奨に応じなければならないわけではありません。また、空気を読んで自主的に退職を申し出る必要もありません。

解雇を回避する努力を会社が十分に尽くしており、それでもなお、退職をせざるを得ないような場合には、今後の生活保障が得られるかなど、退職条件について十分に会社と交渉し、納得の上ではじめて退職の意思表示をするように心がけてください。なお、「再雇用を必ずする」という約束は、会社の経営状況の悪化によって守られないリスクもあるため、慎重な検討が必要です。

参 考
執拗な退職勧奨は違法!違法な退職強要への対処法は?【弁護士解説】

退職勧奨とは、退職を勧奨するという文字どおり、会社が労働者に対して、退職をするよう勧める行為のことをいいます。 退職勧奨は、あくまでも、会社が労働者に対して、任意に退職をする意思がないかどうかを確認す ...

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新型コロナウイルス労働問題解決

新型コロナウイルス禍にともなう法律問題は、今後も発生し続けるものと予想されます。今回はその中でも、特に人々の生活に密接にかかわる、新型コロナウイルス禍に関連する労働問題について解説しました。

新型コロナウイルスは、人の働き方を大きく変革しています。労働問題について対処していかなければ、十分な賃金、残業代を得られなかったり、健康と安全が確保されなくなったりといった悪影響により、労働者が生活を守れなくなってしまいます。

新型コロナウイルスの感染拡大を起因して生じる法律問題にお悩みの方は、ぜひ一度、当事務所へ法律相談をご依頼ください。

「新型コロナウイルスに関する法律問題」弁護士解説まとめ

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