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浮気・不倫された際の誓約書の書き方や注意点【無料テンプレート付】

浮気や不倫が発覚したとき、誓約書を書かせることでその事実を証拠化し、再発防止を図ることが大切です。浮気や不倫の誓約書は、「不貞行為」をきっかけに離婚する場合はもちろん、「すぐには離婚したくない」「夫婦関係を修復したい」といった場合にも有効な手段です。

いずれの方針でも、浮気や不倫の事実を裏付ける「証拠」となる誓約書を作れば、慰謝料請求をはじめ、交渉で優位に立つことができます。また、将来の離婚に備え、誓約書には「離婚条件はこちらの要望に従う」という内容を盛り込むとよいでしょう。

今回は、浮気や不倫が発覚した際に作成させるべき誓約書について、書式や例文を挙げながら弁護士がわかりやすく解説します。

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解説の執筆者

弁護士 浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所 代表弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

「迅速対応、確かな解決」を理念として、依頼者が正しいサポートを選ぶための知識を与えることを心がけています。

豊富な知識・経験に基づき、戦略的なリーガルサービスを提供するため、専門分野の異なる弁護士がチームを組んで対応できるのが当事務所の強みです。

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浮気・不倫されたら誓約書を書かせるべき理由

浮気・不倫されたら誓約書を書かせるべき理由

浮気・不倫が発覚した際、「誓約書を書かせる」という対応は実務でもよくある手法ですが、「なぜ誓約書を書かせるべきか」という理由を理解しましょう。誓約書を書かせる理由は、離婚・復縁のいずれの方針であるかにより若干異なりますが、有効な方法であることは変わりません。

【ケース別】誓約書作成の理由
  • 浮気・不倫を理由に離婚したい方
    離婚時にもらえる慰謝料の増額をはじめ、有利な離婚条件を勝ち取るため、浮気・不倫の誓約書が有効です(詳しくは【理由1】【理由2】【理由3】参照)。
  • すぐには離婚に踏み切れない方
    将来離婚せざるを得ない場合に備え、相手の浮気・不倫を離婚理由として主張するため、誓約書を活用できます(詳しくは【理由4】参照)。
  • 夫婦関係を円満に保ちたい、復縁したい方
    相手が、これ以上浮気や不倫をしないよう釘を刺し、不倫相手との関係を切ってもらう役に立ちます(詳しくは【理由5】参照)。

浮気・不倫の問題を解決するにあたって、誓約書が有効な理由を知っておけば、より効果的な書面を準備することができます。

浮気・不倫の重大性を理解させる

芸能人の浮気・不倫が報道されるように、身近な話題となっています。そのため、軽い気持ちで浮気した配偶者は、深刻さを理解していないおそれがあります。浮気・不倫は、「した側」にとっては一時の気の迷いでも、「された側」の心には深い傷を負わせる重大な問題です。

そのため、配偶者に事の重大さを認識させることが、誓約書を作成する大きな目的の一つです。誓約書を作成させることで、浮気・不倫であなたがどれほど傷ついたか相手に伝えられます。そして、「慰謝料請求などの金銭トラブルに発展し得る」と理解させる効果が期待できます。

復縁したい人が理解すべき全知識」の解説

浮気・不倫の証拠を残す

浮気や不倫は隠れて行われるので、証拠の確保が難しい性質があります。誓約書を作り、浮気や不倫の事実を配偶者に認めさせれば、その事実を記録して証拠に残すことができます。

誓約書があれば、離婚調停や訴訟の際にも、「証拠がない」という理由で不利な判断をされるリスクを回避できます。確固たる証拠があれば、慰謝料請求で有利に働くのはもちろん、相手を「有責配偶者」(婚姻関係の破綻に責任のある側)とすることで離婚の要求を認められづらくし、離婚条件の交渉を有利に進めることもできます。

有責配偶者に該当する相手は、あなたが同意しない限り離婚が難しくなるため、結果として親権や財産分与といった条件面でも優位な状況を作り出せます。

離婚裁判で証拠がないときの対処法」の解説

慰謝料請求の準備を整える

浮気や不倫が許せないとき、その怒りや悲しみを解消する方法の一つが、慰謝料請求です。相手が浮気や不倫を認めて反省しているうちに誓約書を書かせることで、慰謝料を確実に受け取る準備を整えることができます。

誓約書によって浮気・不倫が証拠化されれば、後から言い逃れや言い訳はできません。浮気・不倫の誓約書に、慰謝料の金額や支払い方法を明記し、相手に署名させることで法的効力を持たせることができます。更に、公正証書の形式にしておけば、誓約書に違反して相手が支払いを拒否した場合にも、裁判を経ずに強制執行し、財産を差し押さえることができます。

不倫相手に慰謝料を請求する方法」の解説

将来の離婚に備えられる

浮気や不倫を知っても、経済的な事情や子供のことを考え、すぐには離婚を決断できない夫婦もいます。この場合も、誓約書を作成しておけば、不倫問題が風化するのを防ぐことができます。

将来、離婚に至った際に納得のいく条件を勝ち取るためにも、誓約書は重要な交渉材料です。特に、信頼関係が完全に崩れてしまう事態に備えて、「離婚原因が浮気・不倫である」という証拠を確保しておきましょう。相手からの「許されていたはず」「離婚原因は他のことにある」といった反論を回避し、慰謝料やその他の離婚条件(親権、財産分与など)で不利な立場に立たされないよう準備しておいてください。

離婚までの流れ」の解説

浮気・不倫の再発を防止できる

誓約書は、離婚を前提に作成するばかりではありません。「一度の過ちを許し、信頼関係を回復したい」と考えるケースほど、不倫関係を清算させ、再発防止を約束させる必要があります。

一度の浮気や不倫なら「気の迷い」でも、繰り返されると、信頼関係の再構築は不可能でしょう。そのため、再発時の慰謝料額を明記するなど、厳しい条件を盛り込んだ誓約書を作成し、「二度と繰り返さない」「必ず約束を守る」というプレッシャーを与えなければなりません。

同じ相手はもちろん、別の相手との浮気・不倫についても慰謝料請求が可能である旨を誓約書に記載することで、効果を高めることができます。同じ相手との浮気や不倫を辞めさせるには、あわせて不倫相手にも誓約書を書かせるのが効果的です。

浮気・不倫の誓約書の内容と書き方【無料テンプレート付】

浮気や不倫の誓約書を書かせるとき、盛り込むべき具体的な内容や書き方について、書式例を示して解説します。

夫や妻の浮気・不倫が発覚した時は、あなたが交渉において最も有利なタイミングです。この好機を活かして過去の問題を清算し、不満を伝え、将来の不安を取り除くきっかけにしてください。以下のテンプレートは弁護士作成のものなので、漏れや不足のないよう確認しながら活用してください。

【第1条】浮気・不倫を認めること

第1条(不貞行為の確認)

乙は、20XX年X月頃から20XX年X月頃にかけて、丙との間で、少なくとも◯回の性交渉を伴う不貞行為を行ったことを認める。

まずは、「浮気・不倫があった」という事実を配偶者に認めさせる条項が最重要です。

浮気・不倫があった事実を誓約書に明記することで、「浮気・不倫をした」ことの証拠を確保し、後からの言い逃れや弁解を防ぐことができます。

この条項のポイントは、可能な限り具体的に、詳細な事実を記載することです。「5W1H」を意識して「いつ」「どこで」「誰と」「どのような不倫・浮気をしたか」を書いてください。

相手が浮気・不倫を認めているときは、詳細に事情をヒアリングし、全ての事実を書き留めます。相手が否定しても、言い逃れのできない客観的な証拠を提示して、事実を認めさせましょう。

浮気や不倫は、法律用語で「不貞行為」と呼びます。

不貞行為は、婚姻関係のある夫婦の一方が、他の異性と肉体関係(性交渉)を持つことで、未婚のカップルの浮気よりも責任重大です。裁判手続きでも、「不貞行為」があると認められれば、民法770条1項1号に定める「法定離婚事由」に該当することとなり、慰謝料請求ができるほか、相手の同意なく一方的に離婚が認められる理由ともなります。

したがって、肉体関係(性交渉)が存在していることが確認できたら、誓約書にも「不貞行為」があったという事実をしっかりと記載してください。

【第2条】反省と謝罪

第2条(反省と謝罪)

乙は、前条の事実を認め、反省し、甲に対して真摯に謝罪する。

浮気・不倫の事実を確認したら、それが「悪い行為だった」と夫や妻自身が認めていることを示すため、反省と謝罪について誓約書に明文化します。不貞慰謝料を請求するには、配偶者以外との性交渉により夫婦関係を破綻させたことが必要です。そのため、「悪い行為だった」と当事者が自覚しているという条項を盛り込むことは、後の慰謝料請求や離婚協議で有利な材料となります。

浮気や不倫の事実が、慰謝料を請求されたり、不利な離婚をされたりしても仕方ない、責任のあることだと明確するためにも、謝罪文言は必須です。

【第3条】不倫相手との接触禁止

第3条(接触禁止)

乙は、今後一切、丙とは接触せず、電話、メール、LINEその他のいかなる方法でも連絡を取らないことを誓約する。

不倫関係を完全に解消し、今後二度としないと誓わせるために、不倫相手との接触を禁止する条項を定めておく必要があります。

誓約書では、今後の浮気や不倫、「不貞行為」に該当する肉体関係(性交渉)だけでなく、疑わしいあらゆる接触行為(2人で会うこと、電話・メール・LINEで連絡すること、SNSので繋がることなど)を全て禁止しておくのが大切です。

なお、不倫相手が職場の人であるなど、接触が完全に避けられない場合も、「業務上必要のある場合は除く」といった条件を付け、少なくともプライベートな接触は禁止しておくことがポイントです。

【第4条】浮気・不倫の再発防止策

第4条(再発防止策)

乙は、今後、丙はもちろん、その他の異性とも一切の不貞行為を行わないことを誓約する。乙は、丙の連絡先を、本日甲の目の前で削除した。

浮気・不倫の再発防止という誓約書の効果を最大限に発揮するため、具体的な対策を記載してください。今回の相手との接触だけでなく、その他の異性関係についても厳しい監督が必要です。

「連絡先を削除させる」方法を定めるのが通例ですが、その他にも次のような再発防止策が考えられます。家庭の事情や不倫の原因に合わせ、適宜盛り込むようにしてください。

  • 出会い系やマッチングアプリをアンインストールする。
  • 異性と会う場合は、事前連絡し、配偶者の許可を得る。
  • 会食や飲み会のメンバーを事前に報告する。
  • 門限を設定する。
  • キャバクラや風俗店への出入りを禁止する。
  • 配偶者が求めるときは、スマートフォンやLINEの内容を見せる義務を負う。
  • PCやスマートフォンにパスワードをかけない。

【第5条】慰謝料の支払い

第5条(慰謝料)

乙は甲に対し、不貞行為の慰謝料◯◯万円を、甲が指定する方法で速やかに支払う。

誓約書を作成する際、最も重要なのが不貞慰謝料についての条項です。慰謝料を明確に定めておけば、浮気や不倫の証拠として活用でき、将来の離婚に備えた有効な手段となります。

「不貞行為」は、配偶者のある者が、他の異性と性行為、肉体関係を結ぶことと定義され、民法709条に定める不法行為に該当します。そのため、これによって配偶者が精神的苦痛を受けたなら、慰謝料を請求することができます。

慰謝料の条項では、慰謝料の金額、支払先(支払い方法)、支払い時期を定めましょう。なお、不貞慰謝料の相場は、裁判例では100万円〜300万円が目安とされています。あまりに高額な定めとすると、後から無効と判断されるリスクがあるので、現実的な金額を設定してください。

【第6条】浮気・不倫の再発時の制裁

第6条(再発時の制裁)

本誓約書に違反し、乙が再度不貞行為をした場合、乙は甲に対し、不貞行為の慰謝料◯◯円を支払うものとする。なお、この場合の不貞行為は、今回の相手丙以外との行為も含む。

再発防止のため、浮気や不倫が繰り返された際のペナルティ(制裁)を設けることも重要です。浮気や不倫が発覚した後では、再発時にはより高額の慰謝料を支払うと約束させる例が多いです。今回の相手とは違う人との不貞行為も、慰謝料請求の対象とすることを明記してください。

ただし、前章と同じく、制裁の額は現実的な範囲で設定すべきで、裁判例の相場を踏まえた金額にしましょう。なお、再発時の慰謝料は、二度目の浮気や不倫の内容や回数、悪質性の程度などによっても増減するので、「精神的苦痛に相当する金額の慰謝料を支払う」などと幅を持たせた書き方にすることもできます。

【第7条】将来の離婚条件

第7条(将来の離婚条件)

乙が本誓約書の内容に違反し、再度の不貞行為を行った場合、甲が離婚を求めたときには乙は異議を述べず、離婚条件は以下の通りとする。

1. 子供の親権は甲が取得するものとする。
2. 乙は甲に対し、養育費として月◯万円を、子供が20歳になるまで支払う。
3. 甲乙が同居していた自宅は、財産分与により乙が取得する。

浮気や不倫が発覚してすぐに離婚を選択しないときでも、将来の離婚時に備えて、誓約書にあらかじめ条件を定めておくことは有効です。過去に浮気・不倫をされたことを踏まえ、有利な条件で離婚するためにも、求める条件が明確なら誓約書に具体化しておくのがお勧めです。

よく定められる条件には、次のものがあります。

  • 離婚請求には異議なく応じること
  • 親権は不貞の被害者側が取得すること
  • 養育費や財産分与、年金分割を行うこと
  • その他、離婚時の配偶者の要求に全て従うこと

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【第8条】その他の誓約事項

第8条(その他の誓約事項)

乙は、以下の事項についても誓約するものとする。

1. 今後一切キャバクラ通いや風俗店の利用をしない。
2. 門限を午後9時とし、遅れる場合は甲に速やかに連絡すること。
3. 毎月の給与明細を甲に見せ、全額を夫婦の生活費用の口座に振り込むこと。

誓約書を作成するタイミングは、あなたにとって交渉上最も有利な状況です。浮気や不倫に直接関係する事項だけでなく、日常生活における約束や夫婦関係の改善に向けた決めておきたかったことについて、誓約書に盛り込むのがお勧めです。

不倫や浮気の原因は様々ですが、日頃の生活態度から夫婦の金銭に関連することまで、厳しい監督が必要となるでしょう。

誓約事項の例には、次のようなものがあります。

  • 夫婦の性生活
    キャバクラ通いや風俗店利用の禁止、夫婦の性交渉への配慮など
  • 夫婦の金銭管理
    給与明細の開示、小遣い制の導入、一定額の貯蓄義務、給与管理を妻に任せるなど
  • 浪費の禁止
    パチンコ・競馬やギャンブルの禁止、趣味の支出の制限など
  • DV・モラハラ防止
    暴力や暴言の禁止、高圧的な態度を取らないなど
  • 円満な夫婦関係の維持
    定期的なデートや旅行、外食の義務、感謝を示す行動など

ただし、誓約書の内容が一方的過ぎたり、相手の不利益が大きすぎたりすると、公序良俗違反(民法90条)となり、誓約書の記載が無効となるおそれがあります。法的に有効な内容とするには、過度に高額な慰謝料や違法な条件は避け、現実的に守れる内容を心がけましょう。

不倫相手にも誓約書を書かせるべき

不倫相手にも誓約書を書かせる

浮気や不倫が発覚したとき、誓約書は、配偶者(夫や妻)だけでなく不倫相手にも書かせるべきです。不倫相手にも一筆書かせることで、不倫の再発防止を徹底し、配偶者との接触を完全に断つ効果が期待できるからです。

誓約書と示談書の違い

不倫相手に書かせる書類には、「誓約書」のほかに「示談書」があります。それぞれの違いを理解して、適切に使い分けることが大切です。

  • 誓約書
    作成者の一方的な約束を記した書面。不倫の再発防止や、配偶者との接触を断つことなどを目的とする場合に適しています。
  • 示談書
    双方(自分と配偶者、不倫相手など)の合意内容を記した書面。不倫問題を最終的に解決し、慰謝料や示談金の支払いなどを合意する場合に用います。

まずは浮気や不倫を止めさせることを主な目的とし、慰謝料を請求するか、離婚するかどうかといった点は後で検討したい場合、誓約書を書かせるに留めておきます。この場合、配偶者に誓約書を書かせて不貞行為の証拠を入手した上で、不倫相手と交渉をすることも可能です。

これに対して、慰謝料や示談金などを支払わせ、不倫問題の最終解決を目指す場合には、交渉でまとまった内容について示談書を締結します。

示談書が必要なケース

不倫相手に慰謝料を請求をする場合には、解決した際に示談書を作成するのが効果的です。

特に、不倫相手が職場の関係者や元彼などだと、情が残り、浮気や不倫が再発する例も多いので、厳格な対処が必要となります。

示談書には、不倫行為の事実を認める条項と共に、示談金や慰謝料の支払い金額、方法や期限、今後一切の接触を断つことの約束などを記載します。

ダブル不倫(W不倫)の場合は注意が必要

ダブル不倫(W不倫)では、特に慎重な配慮が必要です。

W不倫では、不倫相手にも配偶者がいるため、あなたが不倫相手に慰謝料を請求できる一方で、不倫相手の配偶者もまた、あなたの配偶者に慰謝料を請求することができます。互いに慰謝料を請求する事態となると、双方の家庭のトラブルが拡大し、泥沼化するおそれがあります。

したがって、W不倫が発覚し、離婚を考えていないなら、不倫相手ではなく、まず自分の配偶者に誓約書を書かせることを優先すべきです。相手に対して慰謝料を請求するにしても、冷静に進めるため、弁護士を通じて行うのがお勧めです。

浮気・不倫で誓約書を書かせるときの注意点

案内する女性

次に、浮気や不倫が発覚し、誓約書を作成する際の注意点を貸越します。

誓約書の内容が適切であっても、作成時の手順やポイントを守らないと、法的に十分な効力を発揮できないおそれがあります。

手書きの誓約書でも法的効力がある

誓約書は、手書きで作成しても法的効力が認められます。可能なら、事前にパソコンで作成・印刷したものを用意して交渉に臨むのが理想ですが、浮気や不倫の交渉は思いがけないタイミングで突然スタートすることもあり、準備が整っていなくても対応しなければなりません。

準備が十分でなくても、夫や妻が浮気・不倫を認めて謝罪してきた場合、絶好のタイミングを逃さず、誓約書の作成を試みてください。この際、手近な紙で構わないので、内容を手書きで記載してもらうようにします。印鑑がないとき、押印は、指印(拇印)でも代用可能です。

口約束は証拠が残らないので、必ず書面化することを心がけましょう。

誓約書の内容をよく理解させる

誓約書を作成する際は、浮気・不倫をした配偶者にその内容を十分に理解させるのが大切なポイントです。事前にしっかり話し合い、相手も内容に納得した上で署名させなければ、誓約書の意義が薄れるだけでなく、再発防止の効果も期待できません。

誓約書の理解が不足していると、将来にも問題を残してしまいます。例えば、「どこからが浮気・不倫とみなされるか」などの基準を、夫婦の共通理解としておいてください。法律の専門的な解釈が必要となるときは、弁護士に同席してもらい、詳しく説明してもらうのが有効です。

署名・押印を適切に行う

誓約書を有効なものとするには、署名や押印を適切に行うことが必要です。一般の方は、契約手続きに慣れていない人も多いので、以下の注意点を守るようにしてください。

  • 氏名と住所を読みやすく正確に記載させる。
  • 氏名の末尾に押印する(実印でなく三文判でも可、シャチハタは避ける)。
  • 作成日を必ず明記する。
  • 本文を印刷した場合も、必ず署名は手書きする。

署名・押印した誓約書の原本は非常に重要なので、失くさないよう厳重に保管してください。あわせて、相手にも内容を理解させるため、コピーを取って写しを渡しましょう。

公正証書にしておく

浮気・不倫の誓約書に、より確実に法的効力を持たせたい場合、公正証書の形式で作成するのがお勧めです。公正証書は、公証役場で作成する公的な書面であり、次の2つのメリットがあります。

  1. 強力な証拠能力を持つ公的文書となる。
  2. 公正証書に記載された金銭請求について、裁判なしに強制執行(財産の差押え)が可能になる。

浮気・不倫の誓約書の中で、慰謝料などの金銭の支払いを約束するならば、公正証書にするメリットは大きいです。

ただし、離婚する際の条件や将来の慰謝料などの内容は、直ちに執行できないので、公正証書には適しません。この場合、「私署証書」として公証役場で認証を受けておく方法が有効です。

拒否されたら強制はできない

浮気や不倫があっても、配偶者が誓約書の作成を拒否してきたなら、残念ながら強制はできません。無理やり書かせた誓約書は無効となるほか、次のような法的リスクが生じるおそれがあります。

  • 無理やり書かせると強迫(民法96条)、騙して書かせれば詐欺(民法96条)、中身を確認させずに署名させたときは錯誤(民法95条)により誓約書が無効となる。
  • 脅迫罪(刑法222条)や強要罪(刑法223条)に該当するおそれがある。
  • 不当に高額な慰謝料は、公序良俗違反(民法90条)で無効となるおそれがある。

弁護士に依頼して、誓約書の意味や重要性をきちんと説明してもらうことで、相手にも納得してもらいやすくなります。また、誓約書の作成に応じなかった場合には法的手段を講じるというプレッシャーをかけて、嫌がる相手にも、浮気・不倫の誓約書を書かせやすくなります。

浮気・不倫の誓約書に違反があったときの対処法

浮気・不倫で書かせた誓約書に違反があったときの対処法

浮気や不倫をした相手に誓約書を書かせても、残念ながら守られないこともあります。違反に対して速やかに対処しないと、相手に甘く見られ、誓約書を作成した効果が薄れてしまいます。

誓約書を作ったことで夫や妻の負うべき義務は明確化されており、違反があった際の証拠も十分です。以下の手順に沿って厳格に対応し、問題解決を図るようにしてください。

STEP

直接交渉で違約金を請求する

誓約書に、違反時のペナルティとして違約金の定めがあるなら、その条項を根拠に、相手に違約金を請求できます。

誓約書を提示し、違約金の支払いを求めることで、誓約書に基づく義務を相手に再認識させることができます。今後も夫婦関係を継続する予定であるときは、弁護士に依頼する前に、自分達で話し合って解決できないか試みるのも有効です。

STEP

内容証明で慰謝料を請求する

話し合いで解決が難しいとき、内容証明を送付し、誓約書に定めた違約金や慰謝料の支払いを求めます。内容証明は、その送付日時や送付内容を記録に残す効果があり、後の法的手続きでも証拠として活用することができます。

あわせて、誠実に対応しないときは法的措置を視野に入れていることを伝え、相手にプレッシャーを与えましょう。

弁護士名義の通知書であれば、更に強い心理的圧力をかけ、支払いを促せます。違約金の定めがない場合でも、再び浮気や不倫をしたことが発覚したら、それを理由に慰謝料を請求できます。

STEP

弁護士に依頼して訴訟を起こす

最後に、交渉では違約金や慰謝料が支払われないとき、弁護士に依頼し、訴訟を起こす方法に進んでください。

一度目の浮気や不倫の際に誓約書を作っていれば、これに違反する二度目の浮気や不倫は、相当悪質なものと評価してもらうことができます。再度の違反行為を見過ごさず、厳格に対応しなければなりません。放置すれば、相手に誓約書を軽視されかねず、離婚するにせよしないにせよ、あなた自身の立場が弱くなりかねません。

浮気・不倫の誓約書を弁護士に依頼するメリット

最後に、浮気・不倫の誓約書作成を弁護士に依頼することのメリットを説明します。

「離婚が避けられなくなったら弁護士に相談しよう」という方は多いでしょうが、浮気や不倫の発覚直後から将来のトラブルに備えておけば、より有利な解決を目指すことができます。

法的に有効な誓約書を作成できる

浮気・不倫の誓約書を正しく作成するには、離婚問題についての十分な法律知識が必要です。特に、「不貞慰謝料」「親権・監護権」「財産分与」といった離婚条件について、裁判例を踏まえた専門知識がなければ、誓約書の内容が有利かどうか、正しく判断できません。

弁護士が作成する誓約書は、将来、離婚調停や離婚裁判(離婚訴訟)などの法的手続きでも、確実な証拠となり、有利な立場を築く役に立ちます。

ケースに応じた柔軟な修正が可能

誓約書に盛り込むべき内容は、浮気・不倫の状況や希望する条件によって異なります。書式やテンプレートをそのまま使用するのでは、適した内容とならないことも多いです。

弁護士は、あなたの状況や経緯をしっかりヒアリングし、それを反映したオーダーメイドの誓約書を作成します。いざというとき、不十分な誓約書で逆にトラブルを招いたり、不正確な法律知識で不利な内容としてしまったりすることのないよう、弁護士に依頼するのがお勧めです。

相手にプレッシャーをかけられる

弁護士に誓約書の作成を任せることで、相手に「重大な問題」として受け止めてもらえる効果が期待できます。特に、弁護士から誓約書を送りつけてもらったり、法律事務所に出向いて面談を通じて作成したりすることで、相手に強いプレッシャーを与えることができます。

「弁護士が作成した誓約書に署名した」という事実が、誓約書に従った慰謝料や養育費の支払いを確実なものとさせるのに有効です。

作成後のアフターフォローを受けられる

浮気・不倫の誓約書を書かせても、その後相手が約束を守らず、浮気や不倫を繰り返したり、決められた金銭を支払わなかったりしたとき、弁護士に依頼していればスムーズに対応できます。

具体的には、弁護士は、以下のアフターフォローを行います。

  • 慰謝料や養育費の請求手続き
  • 離婚協議の代行
  • 離婚調停の申立てや裁判手続きの代行

「行政書士」も、書類作成を代行できますが、法律問題に関する代理交渉はできません。そのため、トラブルが大きくなりそうなケースでは、行政書士ではなく弁護士に依頼するのが適切です。

弁護士に誓約書作成を依頼することで、トラブル発生時にも確実な法的サポートを受けられるため、安心して対応できます。

離婚に強い弁護士とは?」の解説

まとめ

弁護士法人浅野総合法律事務所

今回は、浮気や不倫が発覚した際、作成すべき誓約書について、書式例を交えて解説しました。

実際に、すぐに誓約書を書かせたい事態が発生したら、本解説の内容を参考にして文案を作成し、相手に書かせるようにしてください。不貞行為に関する相手の責任について話し合うなら、事前に誓約書を準備しておくことで問題の再発防止やトラブル回避に役立てることができます。

浮気や不倫の誓約書を法的に有効なものとするには、弁護士に作成を代行してもらうのがお勧めです。漏れや不足があると、将来に不貞が再発した際に、十分な責任を追及できず、悔しい思いをすることになるでしょう。弁護士なら、法律や裁判例の知識をもとに、ポイントを押さえて速やかに書面作成を進めることができます。

将来的に離婚調停や訴訟に発展した場合に、有利な証拠として活用するために、専門家である弁護士のサポートをご検討ください。

参考解説

不貞慰謝料は、配偶者の不貞(不倫や浮気)による精神的苦痛に対して請求すべき賠償金です。離婚する場合はもちろん、離婚を回避する場合も、配偶者や不倫相手に対して請求することができます。

請求方法や法的な注意点、相場などを適切に理解するため、「不貞慰謝料」に関する解説を参考にしてください。

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