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不倫からの再構築を成功させる方法は?夫婦関係をやり直す5つのステップ

不倫(不貞行為)は、夫婦関係にとって深刻な裏切りですが、再構築を望む人もいます。

「信じていたのに裏切られた」「元には戻れない」と感じるのも当然でしょうが、それでもなお「できることならやり直したい」「家庭を壊したくない」など、再構築を望む夫婦は少なくありません。不倫からの再構築は、決して容易ではありませんが、正しいステップを踏めば、壊れた信頼を少しずつ取り戻し、新しい形のパートナーシップを築くことは可能なケースもあります。

今回は、不倫後に夫婦関係を再構築するための心構えと、具体的なステップについて、離婚問題に強い弁護士が解説します。「本当に再構築すべきなのか」と悩む人や、再構築の方法を模索している人は、参考にしてみてください。

この解説のポイント
  • 不倫は離婚の原因になりやすいが、再構築に成功している夫婦もいる
  • 不倫を許せない気持ちは無理せず認め、自分の幸せを優先する
  • 不倫をした側に誠意や再発防止の態度が見られない場合、離婚を検討する

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解説の執筆者

弁護士 浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所 代表弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

「迅速対応、確かな解決」を理念として、依頼者が正しいサポートを選ぶための知識を与えることを心がけています。

豊富な知識・経験に基づき、戦略的なリーガルサービスを提供するため、専門分野の異なる弁護士がチームを組んで対応できるのが当事務所の強みです。

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不倫からの再構築は可能?

はじめに、再構築を目指す前に知っておきたい現実と、メリット・デメリットを解説します。

結論から言うと、不倫からの再構築は可能であり、実際に成功例も一定数あります。

不倫は、夫婦関係を根底から揺るがし、離婚に至る夫婦も多いのが実情です。そのため、関係の再構築は決して容易ではありません。一方で、全ての夫婦が離婚を選ぶわけではなく、再出発を目指すケースもあります。

やり直す前に知っておきたい現実

結婚生活は「信頼」が大切で、不倫は、その信頼を根本から揺るがす重大な問題です。

「配偶者に裏切られた」という事実は、深い怒りや悲しみとなり、トラウマや自己否定、人間不信などに繋がります。「不貞」は、民法770条1項の定める「法定離婚事由」の1つであり、不倫が原因で別れる夫婦は数多くいます。信頼が完全に壊れてしまった場合や、加害者に誠意が見られない場合、離婚は賢明な判断です。

しかし一方で、離婚は決して唯一の選択肢ではなく、不倫が発覚しても修復し、再構築を目指す夫婦もいます。

重要なのは、「再構築」と「離婚」のどちらを選ぶかは、感情だけでなく、将来設計や経済面など、現実的な問題を踏まえて決めるべきだということです。被害者、加害者の双方が心の整理をした上で冷静に選択すべきであり、一時の感情に流されれば、後悔を招くおそれがあります。

復縁の全知識」の解説

離婚せず夫婦関係を再構築するメリット

不倫(浮気・不倫)されてもなお、あえて離婚しないという選択をする夫婦がいます。

未練や情、葛藤など、感情面が理由となっている人もいますが、再構築を選ぶ背景には、以下のような現実的なメリットも存在します。

子供のいる生活環境を守れる

夫婦関係の修復を目指す理由で最も多いのが、「子供のため」というものです。

離婚せずに一緒に暮らし続けることには、子供のいる生活環境を守れるメリットがあります。子供にとって、両親が揃った家庭環境は情緒的な安定に寄与します。逆に、浮気・不倫を理由に別居し、離婚に至れば、悪影響ともなりかねません。

両親の不仲が続くようでは逆効果ですが、協力的な子育てが可能なら、互いにフォローし合い、子供のために良い家庭環境を維持できます。

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生活水準を維持しやすい

再構築を選び、同居を続けた方が、生活水準を維持できるメリットがあります。

家計が別れると、生活費は二重になりますし、別居すれば住居費も余分にかかります。専業主婦(主夫)のように夫婦の収入差が大きい場合や、子育て中でフルタイム勤務が難しい場合、離婚に向けて進むには生活水準を下げざるを得ないことも多いです。

法律上、別居していても夫婦である限り、収入の多い方は少ない方に婚姻費用として生活費を支払う義務がありますが、支払いを拒否して争いになるケースも少なくありません。「お金があれば幸せ」とは限りませんが、現実問題として、収入の少ない側が経済面を理由に再構築を望むケースは一定数あります。

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離婚による経済的な負担を避けられる

離婚には、以下のような多くの費用が伴います。

  • 引越し費用・新居の初期費用
  • 弁護士費用
  • 財産分与・養育費・慰謝料
  • 生活環境の再構築

再構築をすれば離婚による経済的な負担は避けられます。経済的な負担だけでなく、住居を探したり、子供の転園・転校を手配したりといった手間もあります。これらの負担を考慮して「離婚しない」という選択をする夫婦は少なくありません。

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新しい関係を築ける可能性がある

不倫が発覚しても離婚せず、再構築に成功すれば、新たな関係を築ける可能性があります。危機を乗り越えるため真摯に向き合い、対処法を考えながら改善を繰り返す作業は、深い信頼関係や絆を生むからです。

再構築に成功した夫婦に共通する姿勢には、以下のものが見られます。

  • 加害者が誠心誠意の謝罪をする。
  • 不倫の事実を蒸し返さない。
  • 関係がこじれた原因に目を向け、解決する意欲がある。
  • 互いに本音で話し合っている。
  • 二人の間に共通の目標がある(育児など)。
  • 改善を続ける工夫を取り入れ、実践している。
  • 感謝や労いの言葉を欠かさない。
  • 専門家に相談している。

不倫からの再構築を成功に導く5つのステップ

次に、不倫からの再構築を成功に導くための5つのステップを解説します。

不倫からの再構築には、信頼を取り戻すための「時間」と「行動」が必須となります。闇雲に取り組んでも容易ではないので、以下のステップを実践してみてください。

STEP

感情的にならず不倫の事実と向き合う

まず、感情的にならずに不倫の事実に向き合いましょう。

「現実から目を背けないこと」が大切です。不倫をした・された事実を確認し、冷静に現実を受け止めてください。不倫の有無や期間、関係の深さ、不倫相手との関係など、事実を明確にすることが出発点となります。

不倫をされた側は、怒りや悲しみ、不安などの強い感情を抱えるでしょう。その感情を我慢したり抑圧したりせず、しっかり整理しなければなりません。見て見ぬふりや先送りは根本的な解決を遠ざけ、再構築には逆効果です。

感情が高ぶった状態では建設的な話し合いができません。互いに落ち着くことが、率直な対話への第一歩であり、夫婦カウンセラーに相談するのも有効な方策です。

STEP

なぜ不倫に至ったのか原因を探る

次に、なぜ不倫に至ったのか原因を探りましょう。

不倫をした側・された側それぞれ言い分があるでしょう。離婚するなら不倫した側の責任を追及するのみですが、再構築を目指すなら、互いに原因に向き合うべきです。不倫に至った背景には、次のような家庭内の問題が潜んでいることもあります。

  • 家庭環境(家族の不倫がきっかけで離婚したなど)
  • コミュニケーション不足
  • セックスレス
  • 精神的な孤独感
  • 仕事のストレス
  • 家事や育児の不平等感

再構築を目指すなら、不倫の再発を防ぐために、根本的な原因に目を向け、断ち切る努力が必要です。問題の根本を消さなければ、同じことを繰り返してしまいます。

法定離婚事由」の解説

STEP

二度と裏切らないためのルール作り

原因が特定できたら、二度と裏切らないためのルールを作りましょう。

浮気・不倫から再構築した後に過去の不安を引きずらないよう、夫婦間のルールを明確にして、信頼関係を再び築くことを目指してください。例えば、以下のようなルールが考えられます。

  • スケジュールを共有する。
  • GPSで位置情報を共有する。
  • 外出時の連絡頻度を増やす。
  • 交友範囲を開示する。
  • いつでもスマートフォンを見られるようにする。
  • 行動の報告をマメに行う。

不倫問題が起きた後のルールは、「監視」ではなく、信頼回復のための「透明性」です。また、継続的な不倫の場合、不倫相手との関係を断つのは当然です。

  • 不倫相手の連絡先を削除。
  • マッチングアプリをアンインストールする。
  • 不倫相手がいる職場に異動願いを出す。
  • キャバクラや風俗通いを止めさせる。

重要なのは、再発防止策を具体的に定め、書面化することです。

「再構築できるかは相手次第」という考えは危険です。たとえ被害者側でも、相手にだけ責任を押し付ければ再構築はうまくいかず、離婚に向けて進むことになるでしょう。不倫からの再構築を目指すなら、関係性は二人で築くものだと考えるべきです。

浮気・不倫された際の誓約書」の解説

STEP

失った信頼を取り戻すための時間と努力を重ねる

信頼が壊れるのは一瞬ですが、回復には時間と努力の積み重ねが必要です。

誠実に謝罪し、反省し、約束を守り続けることで信頼を取り戻すしかありません。不倫された側は「あなたが裏切ったからだ」と責め、不倫した側は「何度も謝ったのに」と開き直っているのでは、再構築は不可能です。

どれほど謝罪の言葉を重ねても、行動が伴わなければ信頼は戻りません。日常のスキンシップや会話で絆を深めることも重要です。

不倫からの再構築には、男女の感情の差にも配慮を要します。一般に男性は「努力を認めてほしい」、女性は「不安を理解してほしい」という感情を抱きがちです。この感情の差を埋め合わせるために浮気に走る人もいる以上、特に加害者側ほど、相手の感情に理解を示さなければなりません。

STEP

過去に固執せず新しい夫婦の形を築く

再構築を目指す際は、過去に固執せず新しい形を目指す視点が重要です。

多くの人は「元に戻りたい」と願いますが、完全に元通りになるのは難しいのが現実です。むしろ、新しい関係性を作るために、どんな関係になりたいか、夫婦でイメージをあわせることが重要です。

例えば、次の点について関係性をゼロから見直しみてください。 

  • 毎月1回は二人でデートする。
  • 毎日感謝の言葉を伝える。
  • 家事や育児を分担する。
  • 金銭感覚や働き方を見直す。
  • 休日の過ごし方を話し合う。
  • 将来の夢や目標を定期的に語り合う。

夫婦は、愛し合う存在であると共に、子育てや老後のパートナーでもあります。価値観や考え方を再び共有することが、関係を再構築する支えになります。

再構築が難しいケースと判断基準

次に、再構築が難しいケースと判断基準について解説します。

再構築を目指しても、結局はうまくいかない夫婦もいます。そもそも浮気自体を許せるか、許すのに何年かかるかは個人の価値観によります。信頼を取り戻すことが現実的に困難なケースでは、再構築をあきらめざるを得ません。

どうしても相手を許せない

不倫は、配偶者を裏切る行為であり、深い心の傷を負うのは当然です。

どれほど時間をかけても、「相手を許せない」「存在自体に嫌悪感を感じる」という人もいて、日常生活が苦痛に感じるケースもあります。この感情が薄れない限り、再構築は難しいです。再構築は夫婦が協力して取り組むものである以上、一方が後ろ向きな気持ちでは、到底実現しません。

復縁を切り出すタイミング」の解説

疑いが消えない、不倫の記憶がフラッシュバックする

不倫をされた側の疑いが消えなかったり、不倫の記憶がフラッシュバックしたりするケースでは、再構築は難しいでしょう。「突然涙が出る」「相手の帰りが遅いと不安で眠れない」「何度もスマホを確認してしまう」といったPTSDやトラウマに近い反応が続くケースもあります。

加害者がどれほど誠意を見せても、被害者の心の整理が付かないケースもあります。

「信じたいけど信じられない」「裏切られた映像が頭を離れない」といった苦しみを抱えている場合、信頼関係の回復は困難です。精神科や心療内科、カウンセラーなどの専門家のサポートを受けることも検討しましょう。

誠意のない態度や二度目の不倫

配偶者が誠意のない態度であったり、再び不倫をしたりする場合も、再構築は諦めた方がよいでしょう。別れた方がいい旦那(妻)の特徴は、例えば次の通りです。

  • 謝罪は口先だけで、反省が見られない。
  • 嘘や隠し事を続けている。
  • 不倫の証拠を突きつけても開き直る。
  • 「浮気をしたのはお前のせいだ」と責任転嫁してくる。
  • 同じ過ちを繰り返す(二度目の不倫)
  • 「バレなければOK」と軽く考えている。

これらの行動は、信頼関係の再構築を拒むものと言わざるを得ません。一方が再構築を目指していても、相手が非協力的な態度では頓挫するリスクが高く、努力が報われません。その結果、不貞行為を理由に離婚する場合、被害者は慰謝料を請求することができます。

離婚に強い弁護士とは?」の解説

不倫からの再構築には覚悟と継続が必要

最後に、不倫からの再構築で意識しておくべきポイントを解説します。

ここまで解説した通り、不倫からの再構築は決して不可能ではないものの、相当な覚悟と努力を継続していかなければなりません。

夫婦カウンセリングで関係修復のサポートを受ける

不倫からの再構築には、夫婦カウンセリングのサポートを受けるのが効果的です。

夫婦だけで話し合っても、不倫という事実がある手前、特に被害者にとって冷静な対話は難しいでしょう。夫婦カウンセリングなら、心理の専門家が、第三者視点から冷静にアドバイスしてくれます。再構築を目指す場合、夫婦双方が受けることで、良い関係性について学べます。

ただし、非協力的な相手にカウンセリングを強要するのは不適切です。自分の意見を正当化するためにカウンセリングを受けさせたり、相手の言い分に耳を貸さなかったりすれば、再構築にとってかえって逆効果です。

慰謝料や誓約書について弁護士に相談する

離婚する場合だけでなく、再構築を目指す場合にも、弁護士に相談すべきです。

離婚問題を多く取り扱う弁護士は、離婚や不貞の知識が豊富であり、再構築に向かうためのアドバイスも可能です。実際、復縁問題の得意な弁護士は、不倫からの再構築を成功させた解決実績も有しています。

例えば、弁護士がサポートすることで、浮気・不倫を再発させないための誓約書を作成すれば、安心して再構築に向けた努力ができます。また、離婚しなくても、不貞の慰謝料を請求することが可能です。悪質性や浮気の内容・回数にもよりますが、離婚しない場合、慰謝料の相場は50万円〜150万円程度が目安です。

「離婚すべきか、再構築を目指すべきか」に迷っている方も、その選択肢を選んだ場合に将来どのような可能性があるのか、弁護士に聞いて判断材料とするのがよいでしょう。初回相談は無料の法律事務所もあるので、依頼時の参考に話を聞いてみてください。

弁護士に相談する前の準備」の解説

まとめ

弁護士法人浅野総合法律事務所
弁護士法人浅野総合法律事務所

今回は、不倫後の夫婦関係の再構築について解説しました。

不倫という大きな裏切りを経験した後、夫婦関係を再構築するのは並大抵のことではありません。信頼を取り戻すには時間がかかり、時には心が折れそうになることもあるでしょう。それでもなお、双方が「やり直したい」と強く願うなら、誠実に向き合い、感情を整理し、継続的な努力をすることで実現するケースもあります。

一度壊れた関係だからこそ、乗り越えた先にこれまで以上に深い絆が生まれることもあります。大切なのは「元に戻ること」でなく、「新しい夫婦関係を築くこと」、そして、夫婦で話し合ってルールを決め、信頼を少しずつ取り戻すために段階を踏んで進めることです。

もし悩みが大きいときは、一人で抱え込まず、夫婦カウンセラーや弁護士など、専門家に相談することが前進するための第一歩となります。

この解説のポイント
  • 不倫は離婚の原因になりやすいが、再構築に成功している夫婦もいる
  • 不倫を許せない気持ちは無理せず認め、自分の幸せを優先する
  • 不倫をした側に誠意や再発防止の態度が見られない場合、離婚を検討する

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参考解説

復縁を目指す際は、適切なタイミングと正しいアプローチが成功の鍵を握ります。感情面が先行してしまいがちですが、法的な視点を理解して、弁護士の助言を受けながら進めるのがお勧めです。

具体的な進め方を知りたい方は、「復縁」に関する解説をご覧ください。

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