離婚・男女問題

貞操権侵害とは?慰謝料額の相場、慰謝料請求の方法、必要な証拠は?

2020年10月13日

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貞操権侵害慰謝料額相場証拠

「貞操権侵害」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。貞操権とは、「貞操」を守る権利であり、性交渉をはじめとした性的な自由を守る権利です。

よく男女の性交渉が法的トラブルにつながるのが「不倫」「浮気」の問題ですが、貞操権は、結婚をしている夫婦でなくても有する権利です。そのため、既婚男性が、未婚であるといつわって女性と肉体関係をもったといったケースで、よく貞操権侵害が問題となります。

嘘をついて性交渉をすることは、被害者となった女性側の自由な判断を奪うことになるからです。性的自由が争点となる男女トラブルの典型例といえるでしょう。

そして、貞操権侵害の問題が起きたとき、被害者側から加害者側に慰謝料を請求することとなります。より高額な慰謝料を獲得するためには、裁判例などを参考として相場にしたがった適切な額を、適切な方法で請求していき、交渉を優位に進めることが重要です。

そこで今回は、貞操権の基本的な知識と、慰謝料を請求する場合に、その方法、相場、必要となる証拠など、貞操権侵害の基礎知識について弁護士が解説します。

「離婚・男女問題」弁護士解説まとめ

貞操権侵害とは

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貞操権とは、性的な自己決定をする自由のことです。言い換えると、誰と性的な関係をもつか、もしくは、もたないかを、完全に自由な意思で決めることができる権利です。人は、誰とどのように性行為をするかについて、誰からも強要されることなく決める権利があります。

このようにいうと「自分の意思に反して性交渉を強要されてしまうのは、強姦ではないか」という疑問がわきます。この場合には強制わいせつ罪(刑法176条)、強制性交等罪(刑法177条)という犯罪です。しかし、暴力的に、無理やり性交渉をされてしまう場合だけでなくとも、冒頭の例のように、だまされて、気付かないうちに性的な自己決定の自由を奪われていることがあります。

貞操権を侵害された場合には、その交際相手など侵害者に対して慰謝料請求をすることができます。貞操権を侵害されてしまうと、精神的苦痛を負うからです。貞操権はとても重要な権利ですから、無理やりでなくてもだまされたのであれば権利侵害となるわけです。

民法710条に次のとおり、財産以外の損害を与えたときに慰謝料請求が可能であることが定められています。

民法710条(財産以外の損害の賠償

他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

「独身だといわれたから真剣交際していたはずが、実は既婚者だった上に子どももいた」「妻とはうまくいっていないし離婚予定だと聞いていたから体を許したのに」といった法律相談があります。このような法律相談で問題となるのが、貞操権侵害です。理論的には、男性から女性に対して貞操権侵害の慰謝料請求をすることもできます。

貞操権侵害にあたる2つのケース

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貞操権侵害という難しい用語を、わかりやすく理解していただくために、貞操権侵害が問題となる典型的な2つのケースについて解説します。

貞操権を侵害されたといえるためには、「だまされて、自由な判断を阻害されたこと」と「肉体関係を有したこと」という要件が必要となります。嘘をついていなかったり、嘘をつかれてしなかったとしても肉体関係を持つことにかわりはなかったという場合には、貞操権侵害で慰謝料を請求することは難しいといえるでしょう。

交際相手が既婚者であることを隠していた場合

貞操権侵害の1つ目のケースが、交際相手が既婚者であることを隠していたケースです。

この場合、だまされた側としては、既婚者ではなく独身者だと思って性交渉をもったわけです。そのため「実際には既婚だったのであれば、性交渉をもつことはなかった」といえる場合には、貞操権を侵害されたことになります。

このように「実際には既婚だったなら性交渉をもたなかった」といえるためには、性交渉をするにあたって「既婚者であるかどうか」ということがとても重要な判断材料となっている必要があります。そのため、このような悩みを抱える方の大多数は、「真剣交際」「結婚前提」という強い気持ちがあることがほとんどです。

「隠していた場合」には、単に「既婚者であることを言わないでいた」場合だけでなく、あえて結婚指輪を外しておいたり、セカンドハウスを借りて独身者のふりをしたり、独身者限定のお見合いパーティに参加したりといった、誤解を生むような行為も含まれます。

なお、交際相手が既婚者であることが発覚したときの対応については、次の解説も参考にしてください。

参 考
「交際相手が既婚者だった!」慰謝料請求に成功する4つの方法

既婚者でありながら、「結婚したい」という独身女性を騙し、肉体関係(性交渉)をもつ不届きな男性がいます。「結婚しようとして長く交際していたが、既婚者であることが判明した」という方から、「慰謝料請求したい ...

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交際相手が離婚予定だと嘘をついた場合

貞操権侵害の2つ目のケースが、交際相手が既婚者であることは知っていたけれども、その交際相手が「妻とは離婚予定だ」という嘘をついていたというケースです。

この場合には、1つ目のケースとは異なり、交際相手が既婚者であることは知っていたわけですから、だまされた側にも一定の非があります。だまされたとはいえ、既婚者と肉体関係を有していることは「不貞」にあたるからです。また、既婚者であることを知っていたのであれば、交際相手の夫婦関係がどのような状況であるか、注意深く調査をすべきでした。

とはいえ、だまされて不倫をしていた側にも一定の非があるとしても、「離婚予定だ」と嘘をつく側が責められるべきであることに変わりはありませんから、貞操権侵害となります。このような場合、被害者が勝手に独身だと信じていたわけではなく、交際相手による嘘をつく行為があったことが重要なポイントです。

この点は、裁判例(最高裁昭和44年9月26日判決)においても、次のように述べ、交際相手が嘘をついていた場合には、貞操権侵害として慰謝料請求が可能であることが示されています。

最高裁昭和44年9月26日判決

女性が、その情交関係を結んだ動機が主として男性の詐言を信じたことに原因している場合において、男性側の情交関係を結んだ動機その詐言の内容程度及びその内容についての女性の認識等諸般の事情を斟酌し、右情交関係を有起した責任が主として男性にあり、女性の側におけるその動機に内在する不法の程度に比し、男性の側における違法性が著しく大きいものと評価できる時には、女性の男性に対する貞操等の侵害を理由とする慰謝料請求は許容されるべきである。

貞操権侵害の慰謝料額の相場

貞操権の侵害について慰謝料請求をするとき、その慰謝料額の相場は100万円~300万円です。ただし、後ほどご紹介する裁判例でもわかるとおり、裁判所においてこの相場より高額な慰謝料請求が認容されていたり、低額な慰謝料にとどまったりするケースもあります。

したがって、あくまでも相場は目安となりますが、慰謝料額を判断するにあたっては、次のような事情が総合考慮されます。

  • 当事者双方の年齢
  • 貞操権侵害の被害者の判断能力
  • だまされて交際していた期間
  • 貞操権侵害の態様の悪質性
  • 性交渉の期間、回数、頻度、強要の有無
  • 性交渉以外の不適切な行為(暴言、暴力、モラハラなど)
  • 妊娠、出産及び流産の事実
  • 交際終了時の誠意、謝罪、反省の態度

より高額な慰謝料請求を可能にする6つの事情

貞操権侵害慰謝料額相場証拠

貞操権を侵害されてしまったとき、より高額な慰謝料請求を可能にするために主張立証しておくべき事情について解説します。

なお、貞操権侵害の慰謝料請求を、訴訟で行う場合、裁判所での審理は証拠がとても重視されるため、これらの事情を証明するのに適した証拠をあらかじめ収集しておくことが必要です。

だまされて交際した期間が長い

だまされて交際していた期間が長ければ長いほど、貞操権侵害についてより高額な慰謝料請求をすることが可能です。だまされて交際していた期間が長いほど、嘘が明らかになったときの精神的苦痛が大きいと考えられるからです。

その期間中におこなった性交渉の回数、頻度が多ければ多いほど、高額な慰謝料請求をすることができます。

あわせて、貞操権侵害の被害者が年齢が若く判断能力が低かったり、加害者側のほうが年齢が上であったり社会的地位があったりなどといった事情もまた、悪質性を底上げし、慰謝料を増額する重要な事情となります。

結婚前提の交際であった

結婚を前提としたお付き合いであったにもかかわらずだまされたという事情があるほど、貞操権侵害についてより高額な慰謝料請求をすることができます。

結婚前提であれば、少なくとも、相手が既婚者であってすぐに離婚するわけでもない場合に、性交渉をすることはありえません。さらには、妊娠して出産していたり、流産してしまっていたりすることも、結婚が前提であることを強く推認させますので、慰謝料を増額する重要な事情となります。

単に遊びの関係であれば、たとえ肉体関係をもっていたとしても、貞操権侵害の慰謝料請求は難しいケースもあります。これは「たとえ相手が既婚者であることを知っていたとしても、遊びの関係であれば肉体関係を持った可能性はある」といえ、だまされた結果とは必ずしもいえないからです。

結婚前提の場所で出会った

結婚を前提とした出会いの場所、例えば、結婚相談所、婚活サイト、婚活アプリ、婚活パーティ、お見合いなどで交際を開始したという事情があるほど、貞操権侵害についてより高額な慰謝料請求をすることができます。

これらの出会いのきっかけはいずれも、結婚を前提とした人しかいないことを当然の前提としており、そこで出会って交際を開始したことはすなわち、結婚をする意思がある(つまり、少なくとも既婚者ではないか、離婚の予定がある)ことを意味するのです。

結婚相談所や婚活パーティの中には、行政機関の発行する独身証明書の提出を義務付け、既婚者が紛れ込まないよう十分な配慮をしている組織や団体もあります。このような場合、独身証明書を偽造するなどの手口で、婚活を装って交際を開始した場合には、さらに悪質性が増すこととなり、慰謝料を増額する重要な事情となります。

既婚者だと知ってすぐ別れた

既婚者だということを知ってからはすぐ別れたという事情があるほど、貞操権侵害についてより高額な慰謝料請求をすることが可能です。

「既婚者なのに、だまして性交渉をした」という理由で貞操権侵害の慰謝料を請求するのであれば、既婚者であることが明らかになった時点ですぐに別れるのが自然です。このような主張をしながら、既婚者だとわかっても理由もなく交際を続けていると、「そもそもだまされていなくても、肉体関係をもったのではないか」とも思えてしまい、慰謝料が低額になったり、認められなくなったりするおそれがあります。

そのため、貞操権侵害を理由として、より高額な慰謝料を請求したいのであれば、だまされていたことを知ったらただちに交際終了を通知し、その後は連絡をとらず、弁護士より慰謝料請求を行うことが効果的です。

別れ際が不誠実であった

交際終了のタイミングで、貞操権を侵害した側に不誠実な対応があることもまた、貞操権侵害の慰謝料をより高額にする事情の1つとなります。

例えば、交際を終了するタイミングで、貞操権を侵害した側からの心ない一言があった場合や、罵詈雑言、誹謗中傷、リベンジポルノなどの行為があると、より高額の慰謝料を請求することとなります。結婚をする気もないのに婚約をして肉体関係を持ち、突然音信不通になるといった対応も不誠実極まりなく、慰謝料請求の対象となります。

これに対して、貞操権を侵害した側が、別れ際に反省の意を示し、誠意をもって謝罪をしたという事情は、ある程度慰謝料を低めに抑える事情となります。

被害者の責任はない

被害者側にも落ち度があると、慰謝料額は減額されてしまうこととなります。そのため、被害者に責任がないということができれば、貞操権侵害についてより高額な慰謝料請求をすることができます。

加害者の嘘をつく行為が巧妙であればあるほど、また、お酒を利用した、薬を利用したなどの悪質な点があるほど、被害者に責任はないといえ、慰謝料は高額になります。これに対して、結婚指輪をしていた、妻へのプレゼントを一緒に選んだなど、注意していれば既婚者であると気付けたという場合、被害者にも一定の落ち度があったこととなります。

当然気付いてもおかしくない事情があって、実はうすうす気づいていた、というのであれば、貞操権侵害の慰謝料請求ができないケースもあります。

貞操権侵害の慰謝料を請求する方法

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貞操権を侵害されてしまったとき、慰謝料請求をする方法には、任意交渉による方法と、訴訟による方法とがあります。

任意交渉による方法は、請求書を送って交渉し、任意に支払ってもらう方法です。交渉のみで解決すればよいですが、貞操権を侵害したかどうかや、どの程度の精神的苦痛が生じているかについて当事者間に争いがある場合、交渉だけでは解決できず、訴訟に移行せざるを得ないこともあります。

そのため、交渉段階から、訴訟になったらどの程度の慰謝料額が妥当であるかを踏まえて交渉する必要があり、その前提として、貞操権侵害の慰謝料請求に必要な証拠をあらかじめ収集しておくことが重要です。

そこで次に、貞操権侵害の慰謝料を請求する方法について弁護士が解説します。

貞操権侵害の慰謝料請求に必要な証拠の収集

貞操権侵害の慰謝料請求で、より高額の慰謝料を獲得するためには、訴訟においても慰謝料が認容される程度の証拠をあらかじめ収集しておかなければなりません。

貞操権侵害の慰謝料請求では、その要件を立証するために、次のような証拠が必要となります。

  • 相手が独身である、もしくは、妻と離婚予定だと嘘をついていた証拠
    ー出会いのきっかけとなる婚活パーティの案内文、婚活アプリのプロフィールの記載、結婚相談所の釣り書き
    ーLINEやメールで「独身である」「既婚者ではない」「妻とは離婚予定」などと発言した履歴
    ー当時のやり取りや気持ちを記録した日記
    ー貞操権を侵害した者との会話の録音データ
  • 結婚前提の真剣交際であったことを示す証拠
    ー結婚を前提とした場所(婚活パーティ、婚活アプリ、結婚相談所など)での出会いであることを示す資料
    ー結婚を前提としたプレゼント、婚約指輪、結納、両親への挨拶、両家顔合わせ、結婚相手として友人へ紹介した記録
    ー結婚式場、ハネムーンの予約
    ー結婚を前提とした会話の録音データ
  • 肉体関係があったことを示す証拠
    ー貞操権侵害の被害者自身の証言、当時の日記
    ー宿泊をした旅行の記録、ホテルの予約履歴、旅行先での写真
    ー妊娠をしたことを示すエコー写真、診断書、通院履歴、カルテ
  • 精神的苦痛の大きさを示す証拠
    ー精神的苦痛によりうつ病、適応障害、パニック障害などの精神疾患(メンタルヘルス)にり患してしまったことを示す診断書

【交渉】で貞操権侵害の慰謝料を請求する方法

貞操権の侵害について慰謝料請求をするとき、まずは、相手方との間で交渉を行います。交渉は、配達証明付き内容証明郵便の形式で通知書を送付することによって開始します。

配達証明付き内容証明郵便の形式は、通知書を送付した日、到着日、書面の内容を、日本郵便が証明してくれる郵便形式です。加えて、弁護士名義で通知書を送付することによって、訴訟で慰謝料請求をする強い意思があることを示し、大きなプレッシャーを与えることができます。

なお、慰謝料請求をする内容証明を送付するためには、貞操権を侵害した者の住所を知っている必要があります。弁護士であれば、職務上請求によって住民票や戸籍を入手したり、弁護士会照会の方法によって携帯電話番号から個人情報を入手したりすることができます。

特に、貞操権侵害をする加害者は、氏名や住所、仕事などを偽っている場合があるため、注意が必要です。

【訴訟】で貞操権侵害の慰謝料を請求する方法

貞操権侵害の慰謝料請求について交渉によっては解決できないとき、訴訟に移行することとなります。交渉の場合には相手方が任意に支払ってくれない限り慰謝料をもらうことはできませんが、訴訟で勝訴し、判決を得られれば、法的な強制力があるからです。

訴訟を行うには、十分な証拠収集が必要であるとともに、法律知識や裁判所業務を熟知する必要があります。あわせて、長い期間や多くの手間がかかることとなります。そのため、訴訟は最終手段とし、どのタイミングで交渉から訴訟に移行するかは、慎重に判断する必要があります。

判決が下されてもなお慰謝料を支払ってこない場合には、強制執行をすることができ、預貯金や不動産、給与などを差押えることができます。貞操権侵害をするような人にとって、給与を差押えられて職場に知られてしまうことはどうしても避けたいはずで、大きなプレッシャーとなります。

貞操権侵害で慰謝料請求が認められた裁判例

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貞操権侵害の慰謝料額の相場は、おおよそ100万円から300万円程度であると解説しました。しかし、実際には、具体的な事情に応じて、ケースバイケースで検討しなければなりません。

貞操権侵害のトラブルには1つとして同じケースはなく、裁判例においても、個別の事情に応じて、多額なものも少額なものも、慰謝料請求が認められなかったものもあります。そこで次に、貞操権侵害で慰謝料請求が認められた裁判例について、認められた慰謝料額が多い順に解説します。

【550万円】東京地裁平成19年8月29日判決

被告が、既婚者であることを隠して性的な関係をともなう交際を長期間継続していた事案について、原告が2090万円の貞操権侵害による慰謝料請求を行ったもののうち、550万円の支払いを命じた判決です。

この事案において裁判所では、原告と被告は風俗店で知り合って交際を開始し、誕生日を刻印した指輪をプレゼントしたり、妊娠中絶を経験したりした後、さらに妊娠をし、出産をしたといった事情が認定されました。その後に連絡が途絶えたことから弁護士によって戸籍を取り寄せたところ、妻と子がいることが判明しました。

これらの認定事実から、原告が、自身が既婚者であることを告げずに、将来の結婚を約束した交際を続け、2度の妊娠中絶、1人の子の出産をし、認知請求訴訟を提起されてはじめて認知をしたこと、20代後半から30代にかけての女性として貴重な時間を被告のためにささげたことといった事情を考慮して、500万円という相場よりも高額な慰謝料請求と弁護士費用50万円の支払義務があることを認めました。

【110万円】東京地裁平成27年1月7日判決

妻と別居中、既婚者であることを告げずに職場の未婚女性に交際を申し込み、交際を開始し、妻との夫婦関係を修復した後もそのことを隠して性的関係を継続したという事案について、原告が550万円の貞操権侵害による慰謝料請求を行ったもののうち、110万円の支払いを命じた判決です。

原告側から別れ話をしていたにもかかわらず、あたかも原告との将来の生活を考えているかのようなメールを送って心を引き留め、妻からのメールを妹からのものであると嘘をつくなど、原告との関係を継続させるために不誠実な態度をとったことなどを考慮して、精神的苦痛に対する慰謝料として100万円、弁護士費用として10万円の支払義務があることを認めました。

【77万円】東京地裁平成28年6月29日判決

インターネットの婚活サイトで独身(未婚)として会員登録して知り合い、多数回の性交をともなう交際をしていたところ、クラミジアをうつされた上に交際終了後に既婚者であることが判明したという事案について、原告が330万円の貞操権侵害による慰謝料請求を行ったもののうち、77万円の支払いを命じた判決です。

独身者という嘘をついて登録し、だましたことていたという事情があるものの、アプリを利用するにあたっては注意をすべき相応の責任があるということから、慰謝料については40万円とし、性病をうつしたことについて30万円とし、弁護士費用7万円を加えた77万円の支払義務があることを認めました。

貞操権侵害の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット

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最後に、貞操権侵害の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットについてまとめておきます。

貞操権侵害の程度が悪質であり、違法性が強度な場合、より高額な慰謝料を請求するためにも弁護士の法的サポートが有益です。特に、相手方が違法性を否定する可能性があり、争いが激化するおそれの強い場合、お早めにご相談ください。

【メリット1】相手との直接のやりとりを回避できる

貞操権侵害の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットの1つ目は、相手との直接のやりとりを回避できることです。

ひとたびは真剣に交際をしていたはずが、実は妻帯者であったと知ったとき、その悲しみは計り知れません。そして、そのような相手とは、もう連絡をとりたくないと思うのは当然です。

しかし、貞操権侵害について慰謝料請求をするのであれば、相手方との交渉が必要となりますし、相手方との間で事実の認識に齟齬があったり、慰謝料額に争いがあったりするとき、交渉が長期化することもあります。

貞操権を侵害したような相手と継続的にやりとりを行い、今以上に精神的苦痛を拡大させてしまわないためにも、弁護士に代理交渉を依頼し、交渉の窓口を弁護士としてもらうことによって面倒で不快なやりとりを回避することができます。

【メリット2】法律知識に基づくサポート

貞操権侵害の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットの2つ目は、法律知識に基づくサポートを受けることができることです。

貞操権侵害は、法的には不法行為にあたりますが、慰謝料を請求するためには、ある程度の違法性を有していなければなりません。貞操権侵害をしてしまった側にとっても言い分や反論があることがあり、当事者間で話をしても、話し合いでは解決できないことも少なくありません。嘘をついて性交渉をするような人のいう言い分は信用がならないこともありますし、いかにも屁理屈にしか聞こえないことも多いのではないでしょうか。

弁護士に相談し、交渉を代理してもらうことにより、このような相手方の一方的な理屈にだまされつづけることなく、法律知識に基づいた適切な解決となるようサポートを受けることが期待できます。

【メリット3】交際相手の配偶者からの不倫慰謝料請求に対応できる

貞操権侵害の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットの3つ目は、交際相手の配偶者からの不倫慰謝料請求にスピーディに対応できることです。

貞操権侵害の2つ目のケースとして紹介した、交際相手が既婚者であることを知っていたが「妻とは離婚予定だ」と嘘をつかれていたケースでは、嘘をついていた人が一番悪いことは明らかですが、既婚者であることを知っていて肉体関係を持ってしまった方も責められるべき点があります。

交際相手の夫婦関係を十分に調査した上でなければ、「不貞」にあたるおそれがあります。「不貞」は、夫婦間の貞操権を侵害することとなります。法的には「不貞」の責任は、夫婦関係が「破綻」していれば負うことはありませんが、法律用語にいう「破綻」はハードルがかなり高く、少なくとも同居をしているなどの一定の夫婦生活が存在する場合には、裁判所でもなかなな認めてもらえません。

そのため、交際相手が嘘をついていたとはいえ、既婚者であることを知って関係を持ったのであれば、その配偶者から不倫を理由とする慰謝料請求を受ける必要があります。ただ、この場合には、自身がだまされたことを主張し、慰謝料の減額交渉をすべきです。

貞操権侵害の慰謝料請求を弁護士に依頼することで、万が一、不倫慰謝料請求を受けてしまった場合にも、迅速な対応が可能となります。

「男女トラブル」は浅野総合法律事務所にお任せください!

貞操権侵害慰謝料額相場証拠

今回は、貞操権を侵害されてしまったとき、慰謝料を請求する方法と、より高額の慰謝料を獲得するためのポイントについて弁護士が解説しました。

結婚を前提に交際していると信じていたのに嘘であったことが発覚したとき、とても苦しい気持ちになることでしょう。その精神的苦痛をなくすことはできませんが、慰謝料請求をすることで、金銭的解決を得ることができます。

また、交際相手に不審な言動があり、実は既婚者なのではないかと疑問のある方は、早めに弁護士に相談することによって、相手の本当の氏名や住所を調べてもらったり、証拠収集のサポートを受けたりすることで、万が一の場合に慰謝料請求を確実にすることが期待できます。不貞行為となってしまったあなたが慰謝料請求をされるリスクも回避できます。

貞操権侵害の慰謝料請求をはじめ、男女トラブルの被害にあってしまったときは、ぜひ一度、当事務所へ法律相談をご依頼ください。

「離婚・男女問題」弁護士解説まとめ

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