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痴漢は家族にバレる?家族に知られず解決する方法と注意点

痴漢などの性犯罪で、「家族にバレずに解決したい」と相談されるケースがあります。

痴漢してしまったことが家族に知られると、単に「嫌な思いをする」というにとどまらず、妻に知られれば離婚の危機にもなります。特に、「痴漢」はイメージが非常に悪いため、家族持ちの方にとって「家族に知られずに解決したい」という優先度は高いことでしょう。

軽度の痴漢なら、適切な弁護活動をすることで逮捕も起訴もされず、家族に全くバレずに解決できる可能性があります。一方、態様が悪質なのに弁護活動をせず放置すると、警察が家に来て逮捕されたり、勾留されて身柄拘束が長引いたりといった最悪の状況でバレるおそれがあります。

今回は、痴漢事件が家族にバレるケースと、家族に知られず解決する方法について、弁護士が解説します。

この解説のポイント
  • 逮捕や捜索・差押え、起訴などの重大な処分により家族にバレる危険がある
  • 痴漢事件を家族にバレずに解決するには、早期釈放と示談が重要
  • 痴漢冤罪の被害に遭った場合、戦うために家族の協力を要するケースもある

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解説の執筆者

弁護士 浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所 代表弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

「迅速対応、確かな解決」を理念として、依頼者が正しいサポートを選ぶための知識を与えることを心がけています。

豊富な知識・経験に基づき、戦略的なリーガルサービスを提供するため、専門分野の異なる弁護士がチームを組んで対応できるのが当事務所の強みです。

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痴漢事件が家族にバレるケースとは

逮捕

はじめに、痴漢事件が家族にバレるタイミングについて解説します。

痴漢をしてしまったとき、家族には知られたくないと考える方がほとんどでしょう。痴漢という犯罪は、他の罪に比べても特にイメージが悪く、バレると離婚や解雇、退学など、社会的なリスクが非常に高いと言わざるを得ません。

逮捕されたとき

痴漢事件の多くは、現場で取り押さえられ、現行犯逮捕されます。

痴漢で逮捕されると、少なくとも3日間(逮捕から72時間)は家に帰ることができず、家族にバレる可能性が非常に高いです。更に、逮捕に引き続いて勾留されると10日間、更に延長されると最大10日間、合計で最大23日間の身柄拘束を受けるので、間違いなく家族に知られるでしょう。

痴漢を疑われたがその場から逃げ去ったときなど、現行犯逮捕を回避できてもなお、後日逮捕されるケースもあります。警察が家に訪問して逮捕されたり、取調べのために警察署に出頭するよう連絡が来たりするので、この時点でやはり家族にはバレてしまいます。

痴漢で後日逮捕される場合」の解説

自宅の捜索・差押えを受けたとき

警察や検察などの捜査機関は、刑事事件の捜査の一環として強制的な手続きを行います。証拠物を探す行為を「捜索」、発見した証拠物を押収する行為を「差押え」といいます。

痴漢事件では、たとえ逮捕されずとも、自宅の捜索・差押えが行われる可能性があり、その結果、家族に事件がバレるリスクがあります。捜査が大々的に行われると、家族だけでなく近隣住民に知られてしまう危険もあります。

痴漢の常習性や性癖を裏付ける証拠として、自宅のパソコンやスマートフォンのデータ、所持するDVDなどが押収されるケースもあります。これを防ぐため、もし痴漢行為を認めているのであれば、取調べに素直に応じ、自白するなど、捜査に全面的に協力することが重要です。

痴漢の証拠」の解説

起訴されたとき

逮捕されなかった場合や、逮捕後に早期釈放されて家族にバレずに済んだ場合でも、起訴された際に家族に知られる可能性があります。早期に自宅へ戻れたとしても、事件は終わりではありません。身柄拘束を受けず、在宅のまま捜査が進み起訴されることもあるからです(在宅起訴)。

この場合、以下の理由で、痴漢した事実が家族にバレるおそれがあります。

裁判所からの郵送物

正式起訴されると、自宅に起訴状が送付されます。略式起訴でも、略式命令に関する重要書類が郵送されてきます。裁判所からの封筒が届いたことが家族に知られれば、説明を求められる可能性が高く、痴漢をしたことはいずれバレてしまうでしょう。

裁判所への出廷

正式起訴されると、公判のために裁判所に出廷する必要があります。

公判は平日の10時〜17時の間に指定されるため、仕事を休んだり不自然な時間に外出したりしたことで、痴漢で起訴されたことが家族にバレてしまう可能性があります。

裁判の公開

裁判は原則として公開されるので、誰でも傍聴できます。

知人や友人が傍聴していた場合には、痴漢の事実が周囲に知られてしまう危険があります。特に、事件数の少ない地方では、傍聴人の中に知り合いがいることがあり、秘密が漏れやすいです。

実名報道されたとき

痴漢によって逮捕や起訴されたことがニュースで実名報道されたことで、家族にバレるケースもあります。実名報道のリスクがあるのは、例えば以下の場合です。

  • 非常に悪質な痴漢行為
  • 過去に前科・前歴がある場合
  • 被疑者・被告人が有名人である場合
  • 被疑者・被告人が公務員である場合
  • その他、社会的な関心が高いと考えられる場合

近年では、ニュースの内容がインターネット上に掲載されることが多く、一度報道されると記事が拡散され、半永久的にネット上に残ってしまいます。SNSなどで拡散されると完全な削除は難しくなり、報道された情報が広く知れ渡ることで職場や家族にバレるリスクが高まります。

痴漢は何罪?」の解説

痴漢事件を家族に知られず解決する方法

矢印

次に、家族にバレるリスクを最小限に抑えるための弁護活動の進め方を解説します。

軽微な痴漢なら、早期に適切な弁護活動を開始すれば、家族にバレずに解決できる可能性があります。ただ、どれほど適切に対応しても、最終的に家族に知れるかどうかは運の要素もあります。逮捕や起訴を回避できてもバレる場面は様々あるので、慎重に対応してください。

痴漢を疑われたらすぐに弁護士を呼ぶ

痴漢事件で、家族にバレないうちに解決するには、初動対応が極めて重要です。

例えば、冤罪のケースでは、痴漢の現場で疑いを晴らし、その証拠を確実に収集しておけば、その場で解決でき、後から不安に思うこともありません。ごく軽微な痴漢のケースでは、その場で示談が成立し、被害届や告訴がなされず、事件化を回避できる場合もあります。

このようなリスクを抑えるには、痴漢を疑われた時点で即座に弁護士を呼ぶことが重要です。弁護士が早期に対応すれば、家族にバレないための適切なアドバイスを受けることもできます。

被害届を取り下げてもらう

逮捕直後に弁護士を依頼し、被害者に謝罪して示談を進め、被害届を取り下げてもらうことができれば家族に発覚する前に痴漢事件を解決できます。

被害届が取り下げられると、よほど悪質な痴漢でない限り、警察や検察はそれ以上の捜査を行わず、刑事事件化を防ぐことができます。特に、軽微な痴漢事件で、被害者の処罰感情がさほど強くない場合は、できるだけ早く謝罪し、示談を成立させることが重要です。

早期釈放してもらう

逮捕されて身柄拘束を受けた場合、できるだけ早く自宅に戻ることが、家族にバレないための鍵となります。2〜3日程度の拘束なら、多少不自然でも理由を付けて誤魔化せるかもしれません。しかし、勾留が決定すると最大20日間拘束されるので、家族に不信感を持たれないようにする理由付けは困難となってしまうでしょう。

弁護士は、逮捕の要件である「嫌疑の相当性(犯罪を行った疑いがあること)」「逮捕の必要性(逃亡や証拠隠滅のおそれがあること)」がないことを、捜査機関(警察・検察)に主張し、早期釈放を目指して働きかけを行います。

早期釈放につながる主な事情には、次のものがあります。

  • 罪を認めていること
  • 示談が成立したこと
  • 被害弁償をしたこと
  • 被害者が厳罰を求めていないこと
  • 弁護士の意見書が提出されていること
  • 定職があり収入が安定していること
  • 家族などの監督状況が整っていること

逮捕直後に弁護士が迅速に動き、検察に勾留請求をしないよう交渉し、裁判官に勾留請求を却下するよう働きかけることで、逮捕から3日以内に釈放される可能性があります。

逮捕に関する弁護活動では、「家族の監督状況が整っていること」を証明するために身元引受書を提出するのが一般的ですが、これをすると家族にはバレてしまうので、家族に知られるリスクと早期釈放のメリットを天秤にかけ、慎重に判断する必要があります。

示談を成立させる

痴漢事件では、被害者との示談が最も重要な弁護活動の一つです。

被害者と早急に示談できれば、刑事事件化を防ぐことができ、逮捕されてしまった場合でも早期に身柄釈放を実現できる可能性が高まります。そして、最終的に不起訴処分となれば、家族にバレないまま解決できます。

示談の際は、被害者から「厳罰を求めない」旨の「宥恕文言」を記載した示談書を取得することが重要です。これがあることで、被疑者にとって非常に有利な情状として考慮されるからです。

痴漢の示談金の相場」の解説

自首する

痴漢をした後、その場で現行犯逮捕されずに逃げた場合でも、後日逮捕されると、家族にバレるリスクが一気に高まります。一旦は逃げていることから、「逃亡のおそれが高い」と判断され、身柄拘束が長期化する可能性が高いからです。

痴漢の発覚を恐れ、不安を抱えている方は、できるだけ早く自首して罪を認めることで、身柄拘束のリスクを低下させるのがお勧めです。また、自首することは刑の減刑にもつながる可能性もあるので、弁護士と相談の上、適切な方法で行うようにしてください。

不起訴処分または略式命令を目指す

正式起訴されて公判期日に出廷しなければならないと、仕事を休んだり、裁判所からの郵便物が届いたりすることで家族にバレるきっかけとなります。このような事態を避けるため、弁護士は、不起訴処分を目指し、少なくとも略式命令(罰金)で済むよう働きかけを行います。

不起訴となれば裁判を避けられるので、家族にバレるリスクは小さくなります。痴漢の態様が軽微で、前科のない初犯なら、示談が成立すれば不起訴となる可能性が高いです。また、在宅事件で不起訴となった場合、不起訴処分通知書を必ずしも受け取らなくてもよく、処分内容は弁護士を通じて確認することができるので、書類が家に届くことで発覚するリスクも回避できます。

家族の協力を求めた方が良い場合もある

ハート

最後に、家族の協力を求めた方がよいケースについても解説します。

痴漢事件の性質上、家族にバレると家庭崩壊に繋がる危険が大きいため、多くのケースでは「家族にバレないこと」が最優先とされます。しかし、痴漢冤罪のケースのように、家族に相談し、協力を得ることで良い解決を図れる場合もあります。つまり、家族に知られるリスクを負ってでも協力を求めるべきケースがあるのです。

冤罪の場合

痴漢冤罪のとき、やってもいない痴漢を認めて自白すべきではありません。

痴漢は、その性質上、冤罪が生まれやすい犯罪です。「早く釈放されたい」という思いから嘘の自白をした結果、冤罪の被害に遭うケースは少なくありません。一方で、痴漢の事実を否認し続けると、捜査機関から「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」が高いと判断され、身柄拘束が長引いしてしまうことも確かです。

痴漢が冤罪であるなら、家族に後ろめたい気持ちを抱く必要はありません。このような場面こそ、無実を証明するためにも、家族一丸となって無罪を目指して戦うべきです。家族に知らせることには、次のようなメリットがあります。

  • 身柄拘束が長引くことによる仕事への支障を減らせる(職場への伝言など)。
  • 家族から経済的な支援が得られる。
  • 家族が精神的にサポートしてくれることで長期の拘束に耐えられる。

痴漢をしていないなら、弁護士を通じて家族と連携し、無罪を目指すのが得策です。

痴漢を疑われたら?」の解説

身元引受書を書いてもらう場合

痴漢で逮捕されるとき、逮捕の要件である逃亡のおそれの有無の判断において、「監督をしてくれる同居の家族の有無」が重要な考慮要素となります。

そのため、痴漢行為を認めているときは、同居の家族が痴漢の事実を知り、「今後再犯を防ぐよう監督する」と誓約することで、逮捕や勾留のリスクを下げることができます。このことを捜査機関に伝えるため、弁護活動の一環として「身元引受書」を提出することが早期釈放に繋がります。

当然ながら、家族に身元引受書を書いてもらうには、事件を知られてしまうことは当然です。しかし、早期釈放のメリットがあるため、家庭の状況に応じて積極的に検討してください。

会社にはバレたくない場合

会社には、何日か出社できなくても「病気」「家族の事情」などの理由付けで一時的に欠勤すれば、バレずに済ませられる可能性があります。とはいえ、勾留されて最大20日間の身柄拘束となったり、裁判のため平日に休まなければならなかったりすると、会社にバレる可能性は高まります。性犯罪は非常にイメージが悪く、バレると最悪は懲戒解雇のおそれもあります。

このような社会的な不利益を避けるため、家族にバレるのはあきらめ、協力を得ることで「会社には」隠し通すという方針を選ぶことがあります。家族から会社に連絡し、病欠としたり有給休暇を申請したりすれば、会社にはバレずに解決でき、円滑な社会復帰に役立ちます。

特に、社会的地位が高い場合や、家族を養う立場の場合は、会社への影響を避けるために家族が協力してくれることも多いです。

前科がある場合

過去に痴漢で有罪判決を受けた前科がある場合や、執行猶予中の再犯の場合、身柄拘束が長引くだけでなく、起訴される可能性が非常に高くなります。また、実刑となって収監される可能性も相当高いです(執行猶予が取り消されると、前の刑も受けることとなります)。

痴漢の処罰は、東京都迷惑防止条例違反では「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」、不同意わいせつ罪では「6月以上10年以下の懲役」とされますが、常習のときは刑罰が2倍となり、より厳しく罰せられます。

前科があると、家族に隠し続けるのは現実的に難しく、最終的にバレる可能性が高いです。そのため、早めに家族に伝え、協力を求める方が結果的に良い方向へ進みます。隠していてバレると、「もう協力しない」「見放す」と決断されるおそれもあるので、早めに謝罪し、反省の意思を示すことで今後のサポートを願い出るのがお勧めです。

痴漢の常習における弁護活動」の解説

まとめ

弁護士法人浅野総合法律事務所

今回は、痴漢行為をしてしまった方の大きな不安となる、「家族にバレるのか」「家族に知られる前に解決できるか」という点を解説しました。

軽微な痴漢であれば、事件発生直後から速やかに弁護活動を行えば、家族にバレてしまう前に解決可能なケースもあります。ただし、示談をはじめとした重要な弁護活動をスピーディに行い、身柄拘束から早期に釈放されることが前提です。弁護活動をせずに放置すれば、時間が経過するほどに家族にバレる可能性が高まってしまいます。

痴漢を疑われてしまったら、家族にバレずに解決するためにも早めに弁護士を呼ぶことが重要です。一人では不安なときは、刑事弁護を得意とする弁護士に速やかにご相談ください。

この解説のポイント
  • 逮捕や捜索・差押え、起訴などの重大な処分により家族にバレる危険がある
  • 痴漢事件を家族にバレずに解決するには、早期釈放と示談が重要
  • 痴漢冤罪の被害に遭った場合、戦うために家族の協力を要するケースもある

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参考解説

性犯罪の事件では、その重大性や社会的な影響を理解し、適切な対応をする必要があります。被疑者・被告人側、被害者側のいずれであっても、決して軽んじることなく慎重に対応しなければなりません。

性犯罪に関する以下の解説を参考に、正しい対処法を理解してください。

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