交通事故

むちうちで他覚所見のないときでも、慰謝料を増額するためのポイント

2020年6月3日

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他覚所見のないむちうち慰謝料

交通事故の被害者となってしまったとき、特によく生じる症状が「むちうち」です。

むちうちは、後遺障害の認定を受ければ後遺障害慰謝料を請求することができます。しかし、むちうちは痛みやシビレなどの体の不調が残ったとしても、それが検査結果などには表れづらい性質があるので、「痛いのに、後遺障害だと認めてもらえない」というトラブルが発生することが多くあります。

そこで今回は、このような他覚所見がむちうちに悩まされている交通事故被害者に向けて、他覚所見がないむちうちで慰謝料を増額するためのポイントについて弁護士が解説します。

浅野総合法律事務所のアドバイス

交通事故の被害で最も多い「むちうち」。しかし、被害者にとって有利な対応方法、請求方法は一様ではなく、事故状況、事故態様や症状の状況によってケースバイケースで対応しなければなりません。

いざ、首や腰などに痛みやシビレなどの不調が残ってしまったときに後悔しないためにも、交通事故直後からの対応が重要となります。

「交通事故」弁護士解説まとめ

他覚所見のないむちうちとは?

他覚所見のないむちうち慰謝料

まず初めに、他覚所見のないことの多い「むちうち」についての基本的な知識を解説します。

なお、むちうちの中でも、事故態様の程度がひどく、被害が大きいものについては他覚所見が残ることも多いです。他覚所見の残るむちうちでは後遺障害の認定を比較的とりやすくなりますが、油断してはいけません。

むちうちとは

むちうちとは、交通事故による首や腰の痛みの通称です。正式名称は、患部が首であれば「頸椎捻挫」「頸椎挫傷」、患部が腰であれば「腰椎捻挫」「腰椎挫傷」と呼びます。

交通事故の被害にあったときに、首に不自然な力が加わった結果、瞬間的にムチのようにしなることが症状の原因となっていることから、むちうち症と呼ばれています。交通事故被害によって生じる症状の中でももっとも多く、約半数がむちうちともいわれています。

他覚所見とは

被害者自身が痛いと感じることを自覚所見・自覚症状というのに対して、検査の結果にあらわれるなど医師により客観的に判断可能な症状のことを他覚所見といいます。

むちうちが、交通事故の裁判でもよく争点となるのは、被害者としては痛み、シビレなどの症状を感じているにもかかわらず、レントゲンやMRIなどの画像診断で特に症状があらわれていないことが少なくないためです。

ご存知のとおり裁判所は証拠を重視しますから、証拠上健康状態と変わらないとすると、これを後遺障害として認めないという判断を受けることがあります。「詐病」と疑われるように感じ、「痛いのに、なぜ慰謝料がもらえないのか」とお怒りになる交通事故被害者も多くいます。

このように、むちうちの場合には他覚所見が得にくいため、保険会社もむちうちを軽視しがちで、治療費を早めに打ち切られてしまったり、ごく低額な慰謝料を提示されてしまったりして争いになることが多くあります。

複数の検査手法を試す

他覚所見のないむちうち慰謝料

「首が痛い」「腰が痛い」といった自覚症状を、医師の診断によっても客観的に認識できる他覚症状とするための方法には、医学的にさまざまなものがあります。

有名な診断手法は、レントゲン、MRI、CTですが、これに限りません。

レントゲン、MRI、CTによっても他覚症状がないとされてしまったむちうち症であっても、他の検査手法を試すことにより客観的に認識しうる状態とすることが可能な場合がありますので、あきらめてはいけません。

レントゲン・MRI・CT

まず、交通事故の被害者がむちうちの症状を訴えるとき、よく利用される画像診断の方法に、レントゲン・MRI・CTがあります。

特に、MRIは、磁気共鳴画像診断装置(MagneticResonanceImaging)の略称であり、磁気と電波を利用して人体の内部を撮影する方法であり、レントゲンやCTが骨の異常しか撮影できないのに対して、MRIは軟部組織の異常を撮影することができます。

むちうち症は骨折などをともなう場合でなければ骨には異常所見を見出すことができず、靭帯・脊髄・神経根などの軟部組織を検査できるMRIの手法を併用する必要があります。

MRIの装置は高額であり、小規模なクリニックには設置されていないことも多いため、その場合には大病院や検査専門の病院への紹介を依頼するようにしてください。

スパーリングテスト・ジャクソンテスト

スパーリングテスト・ジャクソンテストは、むちうち症を訴える被害者の患部を、医師の指導のもとに動かすなどして、痛みやシビレが生じているかどうかを確認する検査手法です。

医学的な手法であるため、単に被害者が「痛い」と言っているだけではない一定の証明力がありますが、とはいえ、被害者の主観を排除することはできないため、裁判における証拠としての価値はとても高いとはいえません。

スパーリングテスト・ジャクソンテストの証明力が一定程度にとどまるとしても、他のむちうちを裏付ける証拠とあわせてその証明力を強化するために役立ちます。

筋萎縮テスト

筋萎縮テストは、むちうちを疑われる被害者の患部周辺の筋萎縮の程度から、むちうち症の存在を調べるという検査手法です。

むちうちの被害を負ってしまったことにより痛みやシビレを感じている場合には、その痛みやシビレを回避するために不自然な動きをすることで、周辺の筋肉が萎縮することが多くあります。そのため、むちうち症状の出ている箇所と、出ていない箇所の筋萎縮の程度を比較することで、むちうちになっているかどうかを検査できます。

この筋萎縮テストは、さきほどのスパーリングテスト・ジャクソンテストと比べて、被害者自身の主観が入り込みづらいため、裁判における証拠としての価値も高いものといえます。

他覚所見のないむちうちで、適切な慰謝料を請求する方法

他覚所見のないむちうち慰謝料

ここまでの検査手法などを試した上でもなお、他覚所見が確認できないむちうち症の場合には、慰謝料の算定に用いる表に注意する必要があります。

交通事故の慰謝料を算定するには、公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部が作成する「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」、いわゆる「赤い本」に記載された算定表にしたがっておこないます。

赤い本に記載された損害賠償額のうち、他覚所見のないむちうちで適切な慰謝料を得るために注意しておくべきことは、次の3点です。

治療費の打ち切り

他覚所見のない慰謝料の場合、加害者側で交渉をおこなう保険会社としても軽く見がちであり、ケースによっては「詐病」なのではないかと疑われ、被害者側が憤慨することも少なくありません。

そして、このことは、交渉段階において加害者側が立替払いしてくれる治療費が早期に打ち切られる可能性があることを意味しています。しかし、治療費が早期に打ち切られたからといって治療を止めてしまっては、最終的に得られる入通院慰謝料の金額は低額におさえられてしまいますし、後遺障害の認定も得づらくなってしまいます。

医師の意見を聞き、医学的にも治療の必要性があることを保険会社に示して交渉し、仮に治療費が打ち切られたとしても、治療の必要性があるうちは治療を継続することがお勧めです。立て替えて支払われなかった治療費も、責任を認めさせることができれば、のちの交渉や訴訟で請求できます。

入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、交通事故による被害で負った怪我により、病院への入院・通院が必要になったことによる精神的苦痛を金額であらわしたものです。「後遺障害慰謝料」に対して「傷害慰謝料」ということがあります。

他覚所見のないむちうち症の場合には、一般的な入通院慰謝料の算定基準は赤い本に記載された「別表Ⅰ」ですが、これに対して、他覚所見のないむちうちについては、「別表Ⅱ」を用いて算出します。別表Ⅰと別表Ⅱを比較すると、他覚所見のないむちうちの場合、一般的な入通院慰謝料の金額に比べて3分の2程度におさえられています。

これは、他覚所見のないむちうち症の場合、一般的な入通院に比べて期間が長くなりがちであるからです。

なお、赤い本によれば、「通院が長期にわたる場合は、症状、治療内容、通院頻度をふまえ実通院日数の3倍程度を慰謝料算定のための目安とすることもある」とされています。

後遺障害慰謝料

他覚所見のないむちうちで、慰謝料などの獲得額に特に大きな影響を与えるのが後遺障害慰謝料です。後遺障害慰謝料は、「後遺障害の認定が得られるか」「得られるとして、何級の等級に認定されるか」によって金額が大きく異なるからです。

交通事故被害によるむちうち症の場合、他覚所見があるむちうちは「局部に頑固な神経症状を残すもの」として12級、他覚所見のないむちうちは「局部に神経症状を残すもの」として14級の認定を得られることが一般的です。

他覚所見のないむちうちといえども、できる限り高い認定の等級を得て、多くの慰謝料額を勝ち取るために、次のポイントに注意してください。

  • 事故態様の程度が大きいことの証拠を残しておくこと
    :他覚所見のないむちうちと事故態様が整合していなければ、後遺障害の認定を得ることはできません。人身障害を負っても当然な程度の事故態様であり、かつ、損傷の部位や程度と整合のとれた事故であることを証明する客観的証拠を残しておきます。
  • 治療実績、検査手法の内容の証拠を残しておくこと
    :治療が継続して行われ、その間常に自覚症状が継続し、矛盾のないことを証明する客観的証拠を残しておきます。
  • 交通事故直後から入通院を開始し、一貫し、かつ、連続性のある症状の主張を続けること
    :「一旦消えた痛みがぶり返した」といったことはなく、交通事故直後から一貫し、連続的に症状が出続けていることを主張し続けます。医師には、正確かつ詳細な症状を伝え、カルテや診断書などの書面に残すよう求めます。
  • 医師の勧める正しい頻度での入通院を継続すること
    :途中で入通院を辞めてしまったり、仕事の多忙さなどを言い訳にして頻度を下げてしまったりすると、特に他覚所見のないむちうちの場合には後遺障害の認定を得づらくなります。
  • 整骨院だけでなく、必ず整形外科の診断・治療を受けること
    :医学に関する専門的な判断と、治療は、整形外科(医師)の専門領域です。症状の緩和の必要がある場合に整骨院に通うことがありますが、整形外科の診断・治療を中止してはいけません。

「交通事故被害」は浅野総合法律事務所にお任せください!

他覚所見のないむちうち慰謝料

今回は、交通事故被害の問題のなかでも特に紛争化しやすい、他覚所見のないむちうち症について、できる限り高額な慰謝料を勝ち取るために知っておいてほしいポイントを弁護士が解説しました。

他覚所見のないむちうちで後遺障害認定を勝ち取るためには交通事故直後からの継続的な努力が必要であることからもわかるとおり、交通事故被害を有利に解決するためには、交通事故直後の対応が重要なポイントとなります。

事故態様、事故状況、被害の程度や症状などによってもケースバイケースの対応が必要ですので、交通事故被害にお困りの方は、ぜひ一度当事務所へ法律相談ください。

「交通事故」弁護士解説まとめ

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