交通事故

仕事中に交通事故被害にあったら労災?どの保険を使えばよい?

2020年6月5日

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仕事中の交通事故被害

通勤時にマイカーを使っている方は、通勤時において交通事故被害にあってしまう可能性があります。マイカー通勤をしていなくても、通勤の歩行中に交通事故の被害にあってしまったり、物流や配送のドライバーなどで乗車中に事故にあってしまったりなど、仕事中に交通事故被害にあうことがあります。

このような業務中の交通事故被害について、労働者災害補償保険(労災保険)と、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)をはじめとする交通事故に関する保険と、どちらを利用すべきでしょうか。

仕事中に交通事故の被害者になってしまった方に向けて、保険請求先や、請求時の注意点などを弁護士が解説します。

浅野総合法律事務所のアドバイス

交通事故に関する法律問題の中でも、特に保険に関する問題はとても複雑で、ケースに応じた有利な解決を得るためには十分な理解が必要となります。

交通事故被害にあってしまいご不安、ご疑問をお持ちの方は、ぜひ一度当事務所へ法律相談ください。

「交通事故」弁護士解説まとめ

仕事中の交通事故被害とは

仕事中の交通事故被害

労働者が、通勤中に交通事故被害にあったなどのケースで、仕事中の交通事故が問題となります。

仕事中の交通事故では、「仕事中」という点と「交通事故」という点の2つの観点から、被害にあった人を救済するための2つの保険制度の適用を受けることができます。

労災保険が適用される

労働者を雇用する使用者は、労働者を健康で安全な労働環境で働かせる義務(安全配慮義務)を負い、この義務違反の場合には労働者に対してその損害を賠償する義務があります。しかし、会社が無資力であったりブラック企業であったりしたときなど、会社から十分な補償を受けることが困難な場合に備えて、国が用意している保険が労災保険です。

労災は、労働者災害補償保険法(労災保険法)という法律に定められる「業務災害」と「通勤災害」があります。

労働者が業務中に交通事故に遭遇してしまった場合には、「労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡」(労災保険法7条1項1号)にあたるため、労災保険の請求をすることができます。これを「業務災害」といいます。

また、労働者が、通勤中に交通事故に遭遇してしまった場合には、「労働者の通勤による負傷、疾病、傷害、死亡」(労災保険法7条1項2号)にあたるため、労災保険の請求をすることができます。これを「通勤災害」といいます。

自賠責保険が適用される

労使の雇用関係とは別に、車両の衝突による交通事故に遭遇してしまったときは、「自動車の運行によって人の生命又は侵害が害された場合」(自賠法3条)にあたり、自動車損害賠償保障法の適用を受け、自賠責請求をすることができます。

自賠責保険は、自動車損害賠償保障法という法律により、すべての車両保有者に加入が義務付けられた、被害者救済を目的とする最低限の保険です。自賠責保険に加入していない車両で道路を走行した場合には、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」とう刑事罰が科され、あわせて、免許停止処分となります。

しかし、自賠責保険は、義務付けられた最低限の保険であるため必ずしも保障が十分とはいえません。治療費・休業損害・慰謝料などには上限額がありますし、物損については一切賠償されません。そのため、車を購入するときには、あわせて任意保険に加入することが一般的です。

受取額が増額できるわけではない

以上のとおり、業務中の交通事故の場合、被害者は、労災保険の請求、自賠責保険の請求の両方をおこなうことができます。

ただ、いずれからも重複して補償を受けて、受取額を増額することができるわけではありません。

労災保険、自賠責保険の2つの保険の間では調整がなされるため、先に給付を受けた保険が、他方に対してその限度において求償権を取得することなっているからです。

つまり、一方の保険給付を受け取ったときは、その価額の限度で、他方の保険給付を受けることができなくなります。

なお、労災保険のうち、「特別支給金」については、社会復帰促進等事業としてなされる給付であることから、自賠責保険との重複の調整は行われません。

自賠責保険を利用するメリット

通勤中または業務中の交通事故被害の場合には、自賠責保険、労災保険の両方が適用されるけれど、どちらからも支給を受けることができるわけではありません。

そこで、自賠責保険、労災保険のメリット、デメリットを理解した上で、自分にとって有利な請求を選択しておこなう必要があります。

まずは、自賠責保険を利用するメリットから解説します。

仮渡金制度など被害者保護の制度を利用できる

自賠責保険は、交通事故被害者を救済するための保険制度です。自賠責保険は、車両の所有者が強制的に加入する義務があります。

そのため、自賠責保険では、交通事故に遭遇した直後に医療費などの出費を要するおそれのある場合に備え、事故被害の救済のため、仮渡金制度など、スピーディに損害賠償をおこなう制度が設けられています。

仮渡金制度は、損害の賠償までに時間がかかってしまうとき、当面の出費にあてるための費用を前払いしてもらえる制度です。仮渡金制度によって前払してもらえる金額は、次のとおりです。

死亡の場合 290万円
ケガの場合 ケガの程度に応じて40万円・20万円・5万円

慰謝料が支払われる

業務中の交通事故被害について、労災保険の請求によっては慰謝料が支払われませんが、自賠責保険の請求であれば慰謝料を受け取ることができます。したがって、慰謝料が支払われることが、自賠責保険を利用するメリットとなります。

労災保険の請求を行う場合には、慰謝料については労災保険とは別に加害者に請求するか、あるいは、その交通事故被害について会社に責任がある場合には、会社に安全配慮義務違反の責任を追及することとなります。

ただし、自賠責保険の場合には、慰謝料額をはじめとした支給額には上限があるため注意が必要です。加害者が、任意保険に加入していない場合には、保険からの十分な補償を受けることができず、差額については加害者に請求することとなります。

損害の範囲 支払限度額
傷害による損害 治療関係費、文書料、休業損害、入通院慰謝料 120万円
後遺障害による損害 逸失利益、後遺障害慰謝料 神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合
常時介護のとき:最高4,000万円
随時介護のとき:最高3,000万円
後遺障害の程度により
第1級:最高3,000万円~
第14級:最高75万円まで
死亡による損害 葬儀費、逸失利益、死亡慰謝料 3000万円
死亡するまでの傷害による損害 「傷害による損害」と同じ 120万円

治療費の対象が広い

労災保険から支払われる治療のための費用を「療養費」といい、自賠責保険から支払われる治療のための費用を「治療費」といいます。

そして、自賠責保険の治療費は、労災保険の療養費に比べて、広い範囲の対象費目への支給を認めています。

休業損害が全額補償される

「休業損害」とは、交通事故被害を原因として会社を休まなければならず、これによって収入が途絶えてしまったときに、その収入に相当する損害の賠償を受けることをいいます。

業務中の交通事故被害について、労災保険の適用を受ける場合には、労災保険から支給を受けられる「休業補償」は、平均賃金の6割(業務災害の場合には、休業補償給付と休業特別支援金を合わせて、平均賃金の8割)に限定されています。

これに対して、自賠責保険では、休業損害は、休業損害証明書を提出すれば全額の補償を受けることができます(ただし、前述のとおり上限額があることに注意が必要です)。

労災保険を利用するメリット

仕事中の交通事故被害

次に、業務中の交通事故被害について、労災保険による救済を得る場合のメリットについて弁護士が解説します。

労災保険は、働く社員の安心を守るため、労働者を雇用する会社であれば、必ず加入しなければなりません。

重過失減額がない

自賠責保険は交通事故被害者の救済のための制度ですが、一方で、被害者側にも重大な過失があったとき、これを一切考慮しないのでは、公平性に欠ける結果となりかねません。このような場合に、自賠責保険の制度において被害者側の過失を考慮する考え方を「重過失減額」といいます。

自賠責保険の重過失減額の内容は、次のとおりです。

被害者側の過失 死亡・後遺障害分 傷害分
7割以上8割未満 2割減額 2割減額
8割以上9割未満 3割減額 2割減額
9割以上10割未満 5割減額 2割減額

なお、自賠責保険が交通事故被害者の救済のための制度であることから、被害者側に7割未満の過失しかない場合には、重過失減額は行われません。

これに対して、労災保険においては重過失減額の制度はありません。そのため、労災であるとの認定を受けることができれば、労災保険から支給される金額が過失によって減ることはありません。

支払限度額がない

労災保険は、自賠責保険とは異なり、治療費についても休業損害についてのも、上限なく補償を受けることができます。業務によって労働者が損失を被ってしまったことから、療養中に解雇など不利益な処分をすることもできません。

一方で、労災保険では、慰謝料の支払いを受けることができないため、加害者、もしくは、安全配慮義務を負う使用者(会社)に請求することとなります。

「仕事中の交通事故被害」は浅野総合法律事務所にお任せください!

仕事中の交通事故被害

今回は、仕事中に交通事故被害にあってしまったとき、利用をすることが考えられる2つの保険、すなわち、自賠責保険と労災保険について、そのメリット・デメリットを弁護士が解説しました。

仕事中の交通事故被害の場合、自賠責保険、労災保険のいずれも利用することができるものの、倍額の支給を得られるわけではありません。いずれの制度にも一長一短あるため、事故被害の内容などに即した適切な解決方法を選択する必要があります。

また、自賠責保険、労災保険のいずれを利用するとしても、被害者であること、被害態様などを具体的に証明する必要があり、交通事故に関する証拠収集が重要となります。

仕事中の交通事故被害にお悩みの方は、ぜひ一度当事務所へ法律相談ください。

「交通事故」弁護士解説まとめ

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