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まとめサイト(キュレーションメディア)の法律問題(著作権法など)

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まとめサイトキュレーションメディア法律問題著作権法

インターネット上の情報を収集し、編集、分類し、わかりやすく解説したり整理したりして、ユーザーに情報を提供する「まとめサイト」が増加しています。まとめサイトは、最近では「キュレーションメディア」と呼ばれることもあります。

まとめサイト、キュレーションメディアを開始、運営する場合、気を付けておきたい法律問題が多くあります。特に重要となるのが、他サイトのコンテンツを利用することが著作権法違反とならないかどうか、という点です。著作権法違反となると、利用された側から損害賠償請求、差止請求を受けるおそれがあります。

また、自社のサイトがまとめサイト、キュレーションメディアであるという自覚がなくても、独自のコンテンツが乏しく他サイトのコンテンツの紹介が主である場合には、同様に著作権法上の問題に留意しなければならないことがあります。

そこで今回は、まとめサイト、キュレーションメディア運営者が知っておくべき、著作権法を中心とした法律問題について、弁護士が解説します。

まとめサイト(キュレーションメディア)の法的リスク

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インターネット上で、他サイトのコンテンツの情報をまとめて、利用者にわかりやすく伝えるまとめサイト(キュレーションメディア)は、2chまとめサイトや「NAVERまとめ」、「Newspicks」Twitterのツイートをまとめる「Togetter」などが有名ですが、それ以外にも大小さまざまなサイトが存在します。

「口コミ」を意味する言葉で「バイラルメディア」といわれることもあります。

まとめサイト(キュレーションメディア)を運営するにあたって、特に気を付けたいのが著作権の問題です。

コンテンツの盗用による著作権問題が発生してしまうと、他サイトから損害賠償請求を受けたり差止請求を受けたりといった法律問題が発生するほか、法的な問題とはならなくても、炎上してしまい、企業の信用が低下してしまうおそれがあります。

このような事態に陥り、運営を継続できなくなってしまったり、全記事を非公開にしたりといった対応をしたメディアもあり、一時期話題になりました。

「インターネット上に公開された情報を集めているだけだから、著作権法違反の問題にはならないのではないか」と思っている人もいるかもしれません。しかし、「インターネット上で公開されている」からといって著作権を放棄しているわけではありません。ネット上の情報はコピペ(コピー&ペースト)が容易で手軽に複製できるため、つい勘違いしてしまいがちです。

まとめサイト(キュレーションメディア)は著作権法違反?

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まとめサイト(キュレーションメディア)は、そのコンテンツのほとんどが、他サイトで人気があったり、いわゆるバズったりした情報を集めたものです。他サイトで公開され、「面白い」「感動する」「楽しい」という評価を受けた情報を集めるわけですから、まとめサイト(キュレーションメディア)自体も注目を集め、閲覧数を増やすことができます。

しかし、著作権法では、著作権者の許可なくコンテンツを複製したり、一部を改変したりしてインターネット上に情報を流すことを禁止しています。まとめサイト(キュレーションメディア)には大量の情報が収集、編集されており、それぞれの著作権者の同意をとることは現実的には不可能であり、著作権法違反の問題が発生するおそれが大きいといえます。

そこで次に、著作権法のうち特に問題となる「複製権」の問題と、例外的に許される「引用」の要件などについて弁護士が解説します。なお、法的な判断については、サービス開始前に弁護士にご相談ください。

複製権侵害とは

著作権とは、著作物を保護する財産的権利の集合体です。著作権法において「著作物」とは「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」(著作権法2条1項1号)と定義されます。

つまり、「創作性」のある表現であれば、著作物として保護の対象となります。まとめサイト(キュレーションメディア)が利用するニュース記事、ウェブ解説、写真、画像、動画なども、「創作性」のあるものである限り著作物であり、著作権法によって保護されます。

著作物にあたる場合には、著作権者の許諾なくそのコンテンツを複製したり、インターネット上に流したりすることは、著作権侵害として禁止される行為です。この複製されない権利のことを「複製権」(著作権法30条)、インターネット上に勝手に流されない行為のことを「公衆送信権」(著作権法23条1項)といいます。

また、わかりやすく再編集したり要約したり、リライトしたりすることもまた、「創作性」のある表現が残っている限り「翻案権」(著作権法27条)の侵害となることがあります。

「引用」であれば許される?

著作権法には、例外規定として「引用」の規定があります。つまり、著作権法にいう「引用」にあたるのであれば、著作権侵害行為となるようなコピペであっても例外的に行ってもよいというわけです。

ただし、「引用」は法律の専門用語であり、一般的に「引用」と聞いて思い浮かべるイメージとは異なる可能性があります。というのも、例外的に、著作物をコピーしてもよいとする規定であるため、著作権者の利益を不当に侵害しないよう、厳しい要件が法律上定められているからです。

この要件を満たすか検討せず、安易に「引用だから許されるはず」としてまとめサイト(キュレーションメディア)の運営を進めることは、大きな法的リスクを背負うこととなります。

引用について、著作権法には次のような定めがあります。

著作権法32条1項

公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

つまり、「公正な慣行」に合致し、「引用の目的上正当な範囲内」であれば、「引用」として例外的に著作権侵害には当たらないわけです。ただし、著作権法の条文には、どのような態様であれば「公正な慣行」であり「引用の目的上正当な範囲内」なのかは記載していないため、更に判例・裁判例で示された次の3つの要件を充足する必要があります。

  • 明瞭区分性
  • 主従性
  • 出典の明示

なお、引用に該当するかどうかの基準に明確な線はなく、最終的には下記の要件についてそれぞれ考慮した上で、裁判所が決定することとなります。そのため、まとめサイト(キュレーションメディア)となるようなウェブサービスを開始する場合には、その適法性をチェックするため弁護士のアドバイスを受けることがお勧めです。

【要件1】明瞭区分性

1つ目の要件は「明瞭区分性」です。これは、自分のコンテンツと他人のコンテンツとが、明確に区別されていることが必要であるという意味です。

明瞭に区分するための具体的な方法としては、鍵括弧(「」)やクオート("")で、引用部分を囲う方法がよく用いられます。

特に、まとめサイト(キュレーションメディア)などで、他サイトのコンテンツをまとめて引用する場合には、「blockquote(ブロッククオート)」というコンテンツが引用であることを明確にするタグが使用されます。

【要件2】主従性

2つ目の要件は「主従性」です。これは、自分のコンテンツが主(メイン)であり、他人のコンテンツが従(サブ)であることが必要であるという意味です。

そして、コンテンツの主従関係は、量的な側面、質的な側面の双方から判断されます。そのため、量的に自分の独自のコンテンツが多いことはもちろんのこと、質的にも自分のコンテンツのほうが価値が高くなければなりません。

まとめサイト(キュレーションメディア)において、オリジナルのコンテンツのほうが量が多くても、オリジナリティが薄かったり、価値が低かったりすれば、「引用」の要件を満たさず著作権侵害となるおそれがあります。

【要件3】出典の明示

3つ目の要件は「出典の明示」です。つまり、上記2つの要件を満たした上で、その区別された他人のコンテンツについて、その出典を明示する必要があります。

出典の明示は、著作権者を記載したり、著作物名(出版物の名称、ウェブサイト名)を記載したりすることが一般的です。あわせて、リンク先のURLを明示するとよりわかりやすくなります。

その他の要件

以上の「明瞭区分性」「主従関係」「出典の明示」を形式的に満たすとしても、利用された著作物の著作権者に及ぼす影響が大きすぎる場合や、引用する側の利用の目的、利用態様などが悪質であると考えられるような場合には、総合考慮の結果、「引用」にはあたらず著作権侵害であると判断された裁判例もあります。

そのため、引用に当たるかどうかの判断は、過去の判例、裁判例を参考にした専門的な判断となりますから、弁護士のアドバイスを受けることがお勧めです。

法的リスクを回避するための注意点

まとめサイトキュレーションメディア法律問題著作権法

最後に、「引用」にあたるような他人のコンテンツの利用のほかに、まとめサイト(キュレーションメディア)を運営する際に注意しておきたいポイントを解説します。

リンクであれば許される?

まとめサイト(キュレーションメディア)の中には、単に記事や解説、文章を引用するのではなく、サイト内にリンクを貼ることによって他サイトのコンテンツを紹介しているものが多くあります。

このようにリンクを貼る行為は、リンク先のウェブサイトのコンテンツ情報が、直接にユーザーへ送信されることとなるため、リンクを貼る行為自体はリンク先のウェブサイトの著作権侵害となることはありません。

キャッシュであれば許される?

まとめサイト(キュレーションメディア)の中には、他のウェブサイトから画像や動画などのコンテンツを一旦自社サーバーに保存し、編集、整理して自社コンテンツとしてインターネット上に公開するものがあります。

このように、他人の著作物を一旦保存し、再度インターネット上に流す行為は著作権侵害にあたりますが、著作権法47条の4第1項(平成30年改正前は47条の8)に例外規定があり、キャッシュサーバーに情報を蓄積することは、著作権侵害とはならないことと定められています。

この点が一時期話題となったスマートニュース(Smartnews)においても「情報アーキテクチャの改訂について」と題して、次のように説明し、キャッシュサーバーに情報を蓄積してユーザーに配信する、著作権法上の問題が生じない配信方式とすることを示しています。

ユーザーが、スマートニュースアプリを起動すると、スマートニュースサーバーは、ユーザーが予め指定したカテゴリに応じてスマートニュースロボットが収集したウェブページのURL、見出し、サイト名、サムネイルURLを、ユーザー端末に送信します。

それに続いて、ユーザー端末は、各ウェブページのURLへ逐次アクセスを行い、HTMLコンテンツを取得します。このとき、ウェブサイトへのアクセス不可を軽減し、効率的な通信を実現するため、プロキシサーバを利用します。

炎上するリスクに注意

法的には違法性がなくても、ウェブサービスの運用のしかたに問題があると、炎上するリスクがあります。

まとめサイト(キュレーションメディア)は、インターネット上で収集した情報を分類、編集して付加価値を付与し、自社コンテンツとしての価値を出すことに特徴があります。しかし、既存のコンテンツの利用の仕方に誤りがあったり、誤解を受けるような編集を加えたりといったやり方が、炎上のきっかけを作り、企業の信用低下につながるおそれがあります。

このような不適切な掲載、編集は、いずれも、法的には問題がない場合であったとしても、倫理的、道徳的に問題がある場合があり、社会的な批判の対象となってしまうわけです。

「企業法務」は浅野総合法律事務所にお任せください!

まとめサイトキュレーションメディア法律問題著作権法

今回は、まとめサイト(キュレーションメディア)を運営する会社が注意しておきたい、著作権をはじめとする法的な問題について、弁護士が解説しました。

まとめサイト(キュレーションメディア)は社会的な注目を集め、巨大な資金調達や買収例も多く存在しますが、一方で、法的リスクが顕在化して公開停止、閉鎖を余儀なくされたサイトも記憶に新しいことでしょう。

ウェブサービス、アプリサービスを展開しようとするとき、事前の適法性チェックが必要となります。そして、この適法性チェックは、ビジネスモデルにあわせた重要なポイントを押さえて行わなければならず、まとめサイト(キュレーションメディア)のサービスの場合、特に著作権法上の論点が重要となります。

ビジネスの適法性チェックをはじめ、企業法務にお悩みの会社は、ぜひ一度当事務所へ法律相談をご依頼ください。

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