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露出行為で逮捕されてしまう犯罪と、早期釈放・不起訴を目指す弁護活動

露出行為で逮捕

夜中の公園で裸になってしまった、女性に性器を見せつけてしまったといった露出行為は、公然わいせつ罪などの犯罪にあたる違法行為です。

露出が趣味になっていたり、繰り返し露出をする病的な方もいます。性犯罪は刺激的で、暴力などと違って人を傷つけることもないため、酔っ払ったときなどに軽い気持ちで行ってしまいがちですが、犯罪であることに変わりはありません。

露出をしたときすぐに逮捕されなくても、防犯カメラ映像などから後日逮捕されてしまうことがあります。突然逮捕されてしまうと、家族や職場にバレたり実名報道されてしまったりするリスクもあります。起訴されて処罰を受けると、前科がついてしまいます。

今回の解説では、

  • 露出行為が違法となる理由と、成立する犯罪の種類
  • 露出の犯罪で逮捕されてしまったときの流れ
  • 露出の犯罪で、早期釈放・不起訴を目指すための弁護活動

といった刑事事件の法律知識について弁護士が解説します。解雇・退学など社会生活に大きな影響を与えてしまう前に、迅速な対処が必要です。

目次(クリックで移動)

解説の執筆者

弁護士 浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士。

弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

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露出行為が違法となる理由と、成立する犯罪の種類

「露出」というのは法律用語ではなく一般用語ですが、露出行為をしてしまったときには、犯罪が成立してしまうおそれがあります。そのため、逮捕、起訴され、処罰を受けるおそれがあります。

露出行為は、暴力などの犯罪とは違って他人に迷惑をかけるという意識が低いことがあります。しかし、わいせつな行為を見せつけられることは不快ですし、夜道などで突然露出を見せつけられれば恐怖を感じることとなり、平穏な秩序を乱す行為です。

犯罪となってしまう露出行為の例には次のものがあります。

  • 夜中の公園で裸になってしまった
  • 路上で、女性に性器を見せつけた
  • 外で性行為をした
  • 車内で自慰行為をした
  • 屋外でAV動画の撮影をした

以上の理由から露出行為は違法であり、次の3つの犯罪に該当します。

なお、露出行為が犯罪となるのは、その「故意」(罪を犯す意思)がある場合です。「過失」は処罰されないため、うっかり知らないうちに下半身を露出していたとしても、公然わいせつ罪をはじめとした犯罪にはなりません。

公然わいせつ罪

露出行為は、公然わいせつ罪(刑法174条)にあたります。公然わいせつ罪は、公衆の面前でわいせつ行為をすることで成立する犯罪であり、「6月以下の懲役」、「30万円以下の罰金」「拘留」、「科料」のいずれかに処せられます。

刑法174条

公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

  • 「公然」について
    「公然」とは、不特定または多数の人が認識できる状態にあることをいいます。夜中の公園で脱いだケースなどのように、実際には周囲に誰もいなかったとしても、人に見られる可能性がある場所で露出すれば公然わいせつ罪が成立します。

    「不特定または多数」とは、「特定少数」や「不特定少数」を含みます。例えば、特定の人しか入れない店内で露出したときでも、見ている人がたくさんいれば公然わいせつ罪が成立しますし、夜中の公園のベンチなど人が少ない場所でも不特定の人に見られる可能性があれば公然わいせつ罪が成立します。対面で見せつける行為だけでなく、ネット配信中に性器を露出する行為もまた、公然わいせつ罪にあたります。

  • 「わいせつ」について
    「わいせつ」とは、社会通念に照らして性的秩序に反する状態のことをいいます。最高裁判例では「徒らに性慾を興奮又は刺戟せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」と定義されています。下半身や性器を露出する行為が「わいせつ」であることは疑いなく、このことは男性でも女性でも同様です。

迷惑防止条例違反

露出行為は、迷惑防止条例違反にあたります。

迷惑防止条例は、公共の場での迷惑行為を禁止するために、各都道府県が定める条例であり、痴漢や露出、盗撮などを処罰することを定めています。

例えば、東京都迷惑防止条例では「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為」であって「人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること」(同条例5条1項3号)にあたるとき、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」(同条例8条1項2号)の刑事罰が科されることを定めています。

軽犯罪法違反

露出行為は、軽犯罪法違反にあたります。

軽犯罪法は、刑法よりも軽い違法行為について禁ずる法律です。露出についても、公然わいせつ罪にあたるような重度のものではなく、その手前の軽度の露出について処罰の対象としています。

軽犯罪法では、「公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり,ももその他身体の一部をみだりに露出した者」(軽犯罪法1条20号)を「拘留」または「科料」に処することを定めています。

「拘留」は、1日以上30日未満の間、刑事施設に収容するという刑罰、「科料」は1000円以上1万円未満の金銭を強制的に徴収する刑罰であり、懲役や禁錮よりも軽いものです。

露出の犯罪で逮捕されてしまったときの流れ

露出行為で逮捕

露出が公然わいせつ罪などの犯罪にあたることから、露出行為をしたとき逮捕され、身柄拘束を受けるおそれがあります。とはいえ、罪を犯したからといってすぐに逮捕されるわけではなく、逮捕には要件があります(なお、逮捕されなくても在宅事件として起訴されるおそれはあります)。

露出で逮捕されるケースには、その場で現行犯逮捕される場合と、後日通常逮捕される場合の2つがありますが、いずれも「逃亡のおそれ」と「罪証隠滅のおそれ」が要件となります。

ここでは、逮捕から勾留、起訴へと向かう流れについて解説します。逮捕後は、どの段階でも早急に弁護士を依頼し弁護活動を開始してもらうのがおすすめです。

逮捕(逮捕直後から72時間以内)

露出の現場を現認され、その場で現行犯逮捕されることがあります。現行犯逮捕は、警察だけでなく目撃者や通行人など一般人でもできます。また、その場で逮捕されなくても、後から犯罪が発覚したり、逃げ切れたと思ったけど防犯カメラに映っていたりといったとき、後日、警察が訪問してきて通常逮捕されることもあります。

逮捕から48時間は警察の取調べ、その後24時間は検察の取調べが行われ、これらの合計72時間の身柄拘束中に、検察が勾留請求するかどうかを決めます。逮捕期間中は、弁護士接見以外は、家族といえども面会することができません。

統計上、露出などの公然わいせつ罪で逮捕されたケースの約80%が勾留されています。

なお、警察が、身柄拘束の必要がないと判断したとき、釈放されるが捜査が続く手続きを「在宅事件」、注意のみで釈放し、その後の捜査を行わない手続きを「微罪処分」といいます。

勾留(10日間と、延長最大10日の合計20日間)

検察が勾留請求をし、裁判所が勾留を決定すると、勾留請求日から10日間、勾留による身柄拘束を受けます。勾留期間は、さらに10日間を上限として延長でき、合計で最長20日間まで身柄拘束しておくことができます。

勾留されると、会社や学校に発覚しやすくなります。公然わいせつ罪という性犯罪であることが明らかになれば、解雇、退学処分となるリスクが増します。また、露出を繰り返すなど悪質なケースなどでは、新聞・TV・ネットニュースなどに実名報道されるおそれがあります。

なお、勾留期間中は、弁護士だけでなく家族も面会可能です。

起訴・公判

勾留期間中に、検察官は、被疑者を起訴するか、釈放するかを決定しなければなりません。不起訴処分となったときは、釈放してもらうことができます

起訴されると、公判期日が指定され、公判期日までの間は引き続き、被告人として勾留(起訴後勾留)され、身柄拘束を受け続けます。起訴後勾留では、拘置所に移送されることがあります(東京では、小菅の東京拘置所が有名)。

刑事事件の公判では、証拠をもとに、裁判官が有罪か無罪かを判断します。統計上、起訴されたケースの99.9%は有罪となるとされているため、前科をつけないためには不起訴を勝ちとることが重要です。

また、略式命令により罰金刑が下されることがあります。略式命令は正式起訴ではない簡易な手続きであり、無罪を争うことはできないものの、原則として懲役とはならず罰金刑で終わります。罰金刑もまた前科であるため、まずは不起訴を目指して弁護活動を行うことが最優先です。

露出の犯罪で、早期釈放・不起訴を目指すための弁護活動

露出行為で逮捕

露出で逮捕されてしまったり、在宅事件として取調べを受けてしまったりしたとき、そのまま放置していると起訴されて有罪となり、前科がついてしまうおそれがあります。そのため、早期釈放や不起訴を目指し、弁護活動を行う必要があります。

弁護活動を尽くし、有利な情状を揃えれば、公然わいせつ罪でも早期釈放となったり不起訴となったりするケースは多くあります。

なお、逮捕されると身柄拘束に時間制限があるため、早期釈放・不起訴を勝ちとるための弁護活動に使える時間は多くありません。ご家族が逮捕されてしまったときは、速やかに弁護士にご相談ください。

示談(事実上の被害者との示談)

露出行為は、暴行のように身体を傷つけることはなく窃盗のように財産を奪うこともありません。そのため、法的にいえば「被害者」はいないとされています。公然わいせつ罪は社会秩序に違反したという罪であり、一個人に被害を与えることはないからです。

しかし、露出を見せつけられ嫌悪感や恐怖を感じたとき、精神的苦痛を感じた目撃者や通行人が、事実上の被害者と扱われるケースがあります。

事実上の被害者がいるときには、その人と示談をすることが有利な情状として働き、早期釈放や不起訴を得るために効果的です。示談金支払いによって被害を慰謝したと考えられるからです。このときあわせて「罪を許す」、「厳しい処罰を望まない」といった、いわゆる「宥恕文言」を記載した示談書を取り交わすことが有効です。

示談金の相場は、露出の程度や行為の悪質性によりますが、10万円〜30万円程度が目安です。露出に驚いてケガをしてしまったといった事情があるときは治療費などの損害を負担することがあります。なお、相手が幼いときや、繰り返し常習的に露出を行っていたときなどには、相手の処罰感情が強く、謝罪を受け入れてもらうために高額な示談金が必要となることがあります。

身元引受人を準備する

露出行為で逮捕されてしまいそうなとき、身元引受人を準備する方法によって「逃亡のおそれ」がないことを示し、逮捕の必要性を下げることが有効です。

身元引受人は、通常、両親や妻など、同居の親族にお願いします。罪を犯してしまいそうになったとき監督し、止めてくれる必要があるからです。

露出行為が見つかった際に逃げてしまうと、逮捕の要件である「逃亡のおそれ」があるとみられ、逮捕の可能性が高まってしまうからです。過去の露出で、逮捕される不安に悩まされている方は、家族に言い出しづらいでしょうが、身元引受人を準備することを検討してみてください。

弁護士の意見書を提出する

露出行為の多くは、一時の気の迷いで起こされる、ごく軽微なものです。そのようなものでも逮捕、起訴されてしまうこともありますが、弁護士が意見書を提出し、犯行態様が悪質でないこと、十分に反省していることなどを伝えてもらうことにより、逮捕されず、起訴されないという結果を実現することができます。

露出で逮捕されそうなとき、弁護士に依頼するメリット

露出をしてしまったとき有利な情状として示談(事実上の被害者との示談)が有効と解説しましたが、被疑者自ら進めることはできません。逮捕されているときはもちろん、そうでなくても、目撃者は裸を見せつけられた精神的ショックから、露出した人と二度と会いたくないのが当然だからです。

このようなとき、示談を円滑にすすめるためには、弁護士に依頼し、直接やりとりせずに示談交渉を進めます。相手の連絡先がわからないときも、弁護士かぎりであれば、被害者の連絡先を警察や検察などから教えてもらえることもあります。

刑事事件を多く取り扱う弁護士は、被害者と示談をする経験とノウハウを豊富に有しており、露出行為の事実上の被害者とも円滑に示談を進めることができます。

示談とあわせて、弁護士に捜査機関対応などを任せれば、特に軽度の露出のように社会的影響の少ない事案では、逮捕、起訴するほどの重大性がないことを主張し、早期釈放や不起訴を勝ちとるための弁護活動を行ってくれます。

刑事弁護は浅野総合法律事務所にお任せください!

露出行為で逮捕

今回は、露出行為をすることによって犯してしまう罪の内容と、露出で逮捕・起訴されたときに行うべき適切な弁護活動について解説しました。

露出行為は、一時の好奇心や興味でつい行ってしまいがちで、他人に迷惑をかけている意識が低く、軽く考えてしまいがちです。しかし、すぐに止めないと常習化し、くせになってやめられないとか、露出依存症という病気になったりする方もいます。繰り返せば、その度ごとに処罰は重くなっていきます。

露出してすぐ逮捕されなくても、後日警察がきて逮捕されてしまうこともあります。

軽い気持ちで行った露出で前科がつき、地位や名誉を失ってしまわないよう、お早めに弁護士にご相談ください。

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