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露出行為は犯罪!バレて逮捕された場合の対処法と弁護活動

夜中の公園で裸になったり、他人に性器を見せたりする「露出」は、公然わいせつ罪などの犯罪に該当する違法な行為です。

露出行為が趣味だったり、繰り返し露出したりする病的なケースもあります。性犯罪は、暴力などと違って直接的に他人を傷つけることがないので、軽い気持ちで犯しがちですが、酔っ払っていたり誰も見ていなかったりしても、犯罪に変わりはありません。

露出行為をした直後に逮捕されなくても、防犯カメラ映像などから身元が特定され、後日逮捕されるケースもあります。突然の逮捕によって、家族や職場にバレたり実名報道されたりするリスクもあり、起訴されて有罪になれば前科になってしまいます。

今回は、露出行為で逮捕されたとき、早期釈放や不起訴を目指す弁護活動について、弁護士が解説します。解雇や退学など、社会生活に深刻な影響を及ぼす前に、迅速な対応を要します。

この解説のポイント
  • 露出は、公然わいせつ罪、迷惑防止条例違反、軽犯罪法違反などに該当する
  • 露出行為で逮捕・勾留されると、最大23日間の身柄拘束を受ける
  • 露出行為で早期釈放や不起訴を目指すなら、事実上の被害者との示談が重要

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解説の執筆者

弁護士 浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所 代表弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

「迅速対応、確かな解決」を理念として、依頼者が正しいサポートを選ぶための知識を与えることを心がけています。

豊富な知識・経験に基づき、戦略的なリーガルサービスを提供するため、専門分野の異なる弁護士がチームを組んで対応できるのが当事務所の強みです。

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露出行為が違法な理由

露出行為とは、公共の場や不特定多数の人の目のある場所で、性的な部分を露骨に出す行為です。法律上、公然わいせつ罪をはじめとした犯罪に該当する違法な行為です。

露出行為をして犯罪が成立すると、逮捕・勾留されて身柄拘束を受けたり、処罰されて前科がついてしまったりするリスクがあります。犯罪となる露出行為は、例えば次のものです。

  • 夜中の公園で裸になった。
  • 電車内や駅で意図的に下半身を露出した。
  • 路上で女性に性器を見せつけた。
  • 繁華街で裸体になった。
  • 外で性行為や自慰行為をした。
  • 屋外でAV動画の撮影をした。
  • インターネット上で性行為の配信をした。

犯罪となる露出行為は、他人が容易に視認できる状況で、性的な意味合いをもって行われます。例えば、駅や公園、商業施設など、多くの人が利用する場所で行われるケースが多いです。

露出行為をした人は、暴力など他の犯罪と違って「他人に迷惑をかけた」という意識が低いことがあります。しかし、わいせつな行為を見せつけられるのは不快ですし、夜道で突然露出している人と出くわすと恐怖や不安を感じるのは当然で、平穏な秩序を乱す行為なのは明らかです。

露出行為が該当する犯罪の種類

説明する男性

以上の理由から、露出行為は違法であり、犯罪に該当します。

露出は、単なる個人の楽しみや趣味として片付けることはできず、社会的に不利益や迷惑が生じる行為です。したがって、以下の犯罪行為に該当し、法的にも厳しく処罰されます。

公然わいせつ罪

露出行為は、公然わいせつ罪(刑法174条)に該当する可能性があります。

公然わいせつ罪は、公衆の面前でわいせつな行為をしたことで成立する犯罪であり、「6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」のいずれかに処せられます。

刑法174条(公然わいせつ)

公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

刑法(e-Gov法令検索)

公然わいせつ罪の構成要件(犯罪に該当するための条件)は、条文上、「公然と」「わいせつな行為」をしたことです。その行為の内容などについて、以下の通り解説します。

「公然と」について

「公然と」とは、不特定または多数の人が認識できる状態にあることを指します。

夜中の公園で服を脱いで裸になったケースのように、実際は周囲に誰もいなくても、「人に見られる可能性がある場所での露出」であれば、「公然と」に該当します。

「不特定『または』多数」とされるのは、「特定多数」や「不特定少数」を含む趣旨です。例えば、特定の人しか入れない店内での露出も、見ている人が多数なら「公然と」に該当しますし、夜中の公園のベンチなど人が少ない場所でも不特定の人に見られる可能性があれば公然わいせつ罪が成立します。

対面で見せつける行為だけでなく、ネット配信中に性器を露出する行為もまた、公然わいせつ罪にあたります。

「わいせつな行為」について

「わいせつな行為」とは、社会通念に照らして性的秩序に反する状態をいいます。

最高裁判例では「徒らに性慾を興奮又は刺戟せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」と定義されています。下半身や性器を露出する行為が「わいせつ」なことに疑いなく、これは男性も女性も同じです。

迷惑防止条例違反

露出行為は、迷惑防止条例違反にも該当します。

迷惑防止条例は、公共の場での迷惑行為を禁止するために各都道府県が定める条例であり、痴漢や露出、盗撮などの処罰について規定しています。

例えば東京都迷惑防止条例は、「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為」であって「人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること」(同条例5条1項3号)にあたるとき、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」(同条例8条1項2号)の刑事罰が科されることを定めています。

軽犯罪法違反

露出行為は、軽犯罪法違反に該当する可能性もあります。

軽犯罪法は、刑法よりも比較的軽微な犯罪行為に適用される法律です。露出行為でも、公然わいせつ罪になる重度のものでなく、その手前の軽微な露出が、軽犯罪法の処罰対象となります。

軽犯罪法は、「公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり,ももその他身体の一部をみだりに露出した者」(軽犯罪法1条20号)を「拘留又は科料」に処することを定めています(「拘留」は、1日以上30日未満の間、刑事施設に収容するという刑罰、「科料」は1000円以上1万円未満の金銭を強制的に徴収する刑罰であり、懲役や禁錮よりも軽いものです)。

突発的な行為や初犯であるなど、社会的影響が軽微なら、軽犯罪法で処罰されることがあります。これに対し、行為が悪質であったり計画的であったり、事実上の被害者がいて社会的な不利益が大きい場合などは、刑法の公然わいせつ罪で厳しく処罰される可能性もあります。

露出行為で逮捕された際の流れと初動対応

次に、逮捕から勾留、起訴に至るまでの流れを解説します。

露出行為は犯罪に該当するため、逮捕されて身柄拘束を受けるおそれがあります。逮捕される要件は、嫌疑の相当性(犯罪を行ったと疑うに足る相当な理由があること)、逮捕の必要性(逃亡や証拠隠滅のおそれがあること)を満たす必要があります。

逮捕の流れ

逮捕後は、早期に弁護士を依頼することが重要であり、迅速に弁護活動を開始することで、早期釈放や不起訴の可能性を高めることができます。

逮捕の流れ(逮捕直後から72時間以内)

露出行為の現場を目撃されると、その場で現行犯逮捕されることがあります。現行犯逮捕は、警察官だけでなく、目撃者や通行人などの一般人も行うことができます。

その場で逮捕されなくても、後日、防犯カメラや目撃証言をもとに逮捕されるケースもあります。「逃げ切れた」と思っても、捜査が進むと警察が自宅に訪れ、突然捕まるリスクがあるのです。

露出で逮捕された後の流れは、次の通りです。

STEP
警察の取調べ(最長48時間)

逮捕後、警察は最長48時間、被疑者の取調べを行います。この間、弁護士以外の家族や知人との面会は認められないのが通常です。

STEP
検察の取調べ(最長24時間)

警察が必要と判断した場合、被疑者を検察に送致します。送致後、検察官は24時間以内に、勾留請求するかどうかを検討します。

STEP
勾留請求・決定

検察官が取調べの結果、勾留請求をする場合、裁判所が勾留の要否を決定します。勾留請求しない場合や、勾留請求が却下された場合には釈放されます。

以上の合計72時間に、弁護士が迅速に弁護活動を行えば、勾留を回避し、72時間(3日間)のうちに釈放される可能性があります。

なお、警察が、身柄拘束の必要がないと判断したとき、釈放後も捜査が続く手続きを「在宅事件」、注意のみで釈放し、その後の捜査を行わない手続きを「微罪処分」といいます。

勾留(最大20日間の身柄拘束)

検察官が勾留請求し、裁判所が認めると、勾留請求日から10日間の身柄拘束が決定されます。更に、検察官の請求により、最大10日間の延長が認められることがあり、合計で最大20日間まで身柄を拘束される可能性があります。

勾留されると、会社や学校に身柄拘束が知られるリスクが高まり、解雇や退学処分となるリスクが増します。また、露出を繰り返すなど悪質なケースでは、新聞やテレビ、ネットニュースなどで実名報道される可能性も否定できません。

勾留が決定すると、家族や知人も面会できるようになります(ただし、事件の内容によっては制限されることがあります)。

起訴・公判

勾留期間中に、検察官は被疑者を起訴するか、釈放するかを決定します。検察官の下す処分によって、その後の流れは次の通りです。

  • 不起訴処分
    → 釈放され、前科はつきません。
  • 起訴(正式起訴)
    → 公判が開かれ、裁判で有罪・無罪が争われます。公判期日までの間は引き続き、被告人として勾留(起訴後勾留)され、身柄拘束が続きます。起訴後の勾留は、拘置所に移送されることがあります(東京では小菅の東京拘置所など)。
  • 略式起訴
    → 公判を経ず、略式命令によって罰金刑が科されます。略式命令は簡易な手続きであり、無罪を争うことはできず、一方で原則として懲役にはならず罰金刑で終わります(なお、罰金刑も前科となります)。

日本の刑事司法では、起訴された場合の有罪率は99.9%と極めて高いので、前科を避けるには不起訴処分を獲得することが最も重要です。

露出の犯罪で、早期釈放・不起訴を目指すための弁護活動

露出行為で逮捕されたり、在宅事件として取調べを受けたりした場合、そのまま放置すると起訴されて有罪となり、前科がつくおそれがあります。そのため、早期釈放や不起訴を目指し、適切な弁護活動を行うことが重要です。公然わいせつ罪でも、弁護活動を尽くし、有利な情状を揃えれば、有利な解決となるケースも少なくありません。

なお、逮捕後の身柄拘束は時間制限があるので、弁護活動に充てられる時間は限られます。特に、「家族が露出で逮捕された」事案では、できるだけ早く弁護士に相談するのが重要です。

示談(事実上の被害者との示談)

露出行為は、暴行罪のように身体を傷つけることも、窃盗罪のように財産を奪うこともありません。そのため、法律上の「被害者」は存在しません。公然わいせつ罪は、社会秩序に対する違反であり、特定の個人に被害を与える罪ではないからです。

しかし、露出を目撃した人は嫌悪感や恐怖を感じ、精神的苦痛を受けるでしょうから、これらの人は「事実上の被害者」として扱われます。事実上の被害者との示談を成立させることも、有利な情状と評価され、処分が軽減される可能性があります。

示談金の相場は、露出行為の程度や悪質性によって異なりますが、10万円〜30万円程度が目安となります。示談を行う際は、「罪を許す」「厳しい処罰を望まない」といった宥恕文言を記載した示談書を取り交わしたり、嘆願書を取得したりする方法が有効です。

なお、次のような事情があると、示談金が増額されるおそれがあります。

  • 目撃者が未成年だった場合
  • 露出行為によって目撃者が転倒し、負傷した場合(治療費負担など)
  • 繰り返し常習的に露出行為を行っていた場合

露出の示談は、被疑者本人が直接行うことはできず、弁護士を通じて進めます。弁護人として示談交渉を行うことで、被害者に更なる苦痛を与えることなく、スムーズな合意を目指せます。

身元引受人を準備する

露出行為で逮捕された場合、身元引受人を準備することで「逃亡のおそれ」がないことを示し、逮捕や勾留の必要性を低下させることができます。

身元引受人は、監督し、再犯を止める役割を担うため、両親や妻などの同居の親族がなることが多いです。露出行為が発覚した際に逃げてしまうと、身元引受人なしには逃亡する可能性が高いと判断され、逮捕のリスクが高まります。過去に露出行為をし、後日逮捕の不安を抱えている場合、家族に相談し、身元引受人を依頼することを検討すべきです。

弁護士による意見書を提出する

露出行為の多くは、一時的な気の迷いで行われる、比較的軽微な犯罪です。しかし、そのような場合でも、逮捕・起訴される可能性があります。弁護士が意見書を作成し、次のような点を主張することで、不起訴や釈放の可能性を高めることができます。

  • 露出行為が悪質でないこと
  • 深く反省しており、再犯のおそれがないこと
  • 社会生活を維持する必要があること(仕事・家族への影響)

意見書の提出により、検察官に対し、逮捕や起訴の必要がないことを説得し、不起訴処分につなげることが可能です。

露出行為による逮捕を弁護士に依頼するメリット

露出行為で逮捕された場合、できるだけ早く弁護士に依頼するのが重要です。

身柄拘束が長引くと社会的な影響は大きく、解雇や退学のリスクが生じたり、家族や友人に知られて信用を失ったり、実名報道されて社会復帰が難しくなったりといった危険があります。特に、露出という性犯罪はイメージが悪いので、リスクを回避するためにすぐに弁護士に相談し、早期釈放や不起訴を目指して弁護活動を開始すべきです。

弁護士は、勾留を阻止して早期の釈放を目指したり、露出の目撃者などの事実上の被害者がいるケースでは示談交渉を進めたりといったサポートを行います。

露出行為の場合、示談(事実上の被害者との示談)が有利な情状となりますが、被疑者自ら示談を申し入れるのは困難なので弁護士の助けを借りるのが通常です。逮捕されると外部と連絡が取れないのはもちろん、そうでなくても、目撃者は裸を見せつけられた精神的ショックから、加害者と直接会いたくないと考えるのが通常だからです。

弁護人が交渉することで、被害者との直接接触を避けつつ、円滑に示談を進められます。

軽度の露出なら、社会的影響の少ない事案であることを主張し、逮捕や起訴に至るほどの重要性がないと伝えることで、早期釈放や不起訴の獲得を目指して弁護活動を行います。

まとめ

弁護士法人浅野総合法律事務所

今回は、露出行為によって問われる罪の種類や内容、露出で逮捕・起訴された際にすべき弁護活動について解説しました。

露出行為は、一時の好奇心や興味から軽い気持ちで行ってしまうことがあります。他人に迷惑をかけているという意識が低く、深刻に考えないケースも少なくありません。しかし、放置すれば常習化して止められなくなったり、「露出依存症」の状態に陥ったりすることもあります。更に、繰り返すほどに処罰も厳しくなります。

また、露出行為をした直後に逮捕されなくても、防犯カメラ映像や目撃証言をもとに後日逮捕されることもあります。

刑事事件は迅速な対応が重要です。弁護活動をすぐに開始できる体制を整える必要があるので、軽い気持ちでした露出で前科がつき、社会的地位や名誉を失う前に弁護士にご相談ください。

この解説のポイント
  • 露出は、公然わいせつ罪、迷惑防止条例違反、軽犯罪法違反などに該当する
  • 露出行為で逮捕・勾留されると、最大23日間の身柄拘束を受ける
  • 露出行為で早期釈放や不起訴を目指すなら、事実上の被害者との示談が重要

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参考解説

性犯罪の事件では、その重大性や社会的な影響を理解し、適切な対応をする必要があります。被疑者・被告人側、被害者側のいずれであっても、決して軽んじることなく慎重に対応しなければなりません。

性犯罪に関する以下の解説を参考に、正しい対処法を理解してください。

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