
弁護士法人浅野総合法律事務所
代表弁護士
浅野英之
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。第一東京弁護士会所属(登録番号44844)。
「迅速対応、確かな解決」を理念とし、依頼者が正しいサポートを選ぶための知識を与えることを心がけています。

弁護士法人浅野総合法律事務所
代表弁護士
浅野英之
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。第一東京弁護士会所属(登録番号44844)。
「迅速対応、確かな解決」を理念とし、依頼者が正しいサポートを選ぶための知識を与えることを心がけています。
「求人サイトに無料で掲載しませんか?」という営業電話を受けることがあります。
人手不足の企業ほど、「無料」に惑わされて契約してしまうケースもあります。しかし、「無料」を装って安心させ、後から高額な請求をする「無料求人広告の詐欺トラブル」が急増しています。
以下の「無料求人広告の詐欺のよくある手口」に1つでも当てはまるなら、正当なサービスを装った詐欺や悪徳業者である可能性を疑ってください。手口は巧妙化しているので、自衛のためにも、よくある手法や対処法を理解する必要があります。
今回は、無料求人広告に潜むリスクと具体的な詐欺の手口、被害に遭ったときの対処法について、弁護士が解説します。

少子高齢化による労働力人口の減少を背景に、人手不足が加速しています。知名度がなく、規模の小さい企業ほど、応募者の確保に苦心している経営者も多いことでしょう。
こうした中小企業の弱みに付け込み、「求人サイトに無料で掲載できる」などと誘い、後から多額の費用を騙し取ろうとするのが、無料求人広告の詐欺トラブルです。
分かりやすくイメージできるよう、当事務所で実際にあった相談例を紹介します。
突然、求人広告会社を名乗る男性から営業電話がかかってきました。代表が不在だったため事務が受けたところ、次のような勧誘を受けました。
優しく説明されたため、「無料」という言葉に惹かれて申込書にサインし、FAXで送り返しました。
しかし実際は、申込書の裏に、よく見なければ分からないほど小さな文字で「自動更新条項」「キャンセルに関する厳しいルール」が書かれていました。
多忙で忘れていたところ、突然封書が届き、「更新されたため、掲載料30万円を請求する」と記載されていました。慌てて電話で「解約したい」と伝えても「既に期限を過ぎているため1ヶ月分の掲載料が必要」と強く言われました。
こうした手口は、契約において重要な事実を伝えていない点で悪質な詐欺の一種であり、ハローワークや弁護士会などでも注意喚起がなされています。
次に、無料求人広告の詐欺によくある手口について解説します。
手口は巧妙化していて、通常の求人広告の営業と見分けるのが難しくなっています。以下の特徴に当てはまるときは、「悪徳業者なのではないか」と疑い、契約は慎重に検討してください。
無料求人広告の詐欺トラブルの根幹は、「無料」を強調する点にあります。
「求人サイトに無料で掲載できる」「無料期間のみで終了すれば費用はかからない」と伝えることで、「費用がかかることは一切ない」と誤解させるように説明します。また、「なぜ無料なのか」という当然の疑問や不安にも回答が周到に用意されています。例えば、「新しい求人サイトのモニターだから」「掲載社数を増やしたいから」といった説明がよく使われます。
無料求人広告の詐欺では、契約を急がされることが多いです。
契約書や申込書に小さな文字で記載された「有料プランへの移行」「中途解約の制限」といった文言に気付かせないためですが、重要な事情を理解しにくくするのは詐欺の典型例です。次のように契約を急かされたら、無料求人広告を装った詐欺を疑ってください。
当事務所の相談例で、担当者が会社を訪問したり、対面の打ち合わせや説明が行われたりするケースは皆無です。無差別に電話営業し、引っかる「カモ」に対して勧誘を行うため、一社に時間はかけられません。その代わりに、申込書をFAXしたり、契約を迷っていると何度も電話したりと、執拗に勧誘をされます。
無料求人広告の詐欺トラブルでは、誤解を招きやすい説明をされます。
「本当に完全無料だろうか」というのは誰しもが抱く疑問です。担当者に確認しても「費用はかからない」「安心してほしい」などと誤魔化されますが、実際は、申込書や契約書の裏に、次のような重要な説明が小さな文字でわかりにくく書かれているケースが多いです。
本来、重要な条件は、契約時に説明し、理解した上で合意するのが適切です。たとえ記載があっても、「見落として契約させよう」という悪意がある場合、詐欺であると考えるべきです。当事務所の相談例では、「詳細は別紙の通り」と記載され、契約後にFAXや郵送で送られてきた事例もあります。
無料求人広告の詐欺の場合、契約後はなかなか解約に応じてくれません。
確かに、対面で契約書に署名しなくても、FAXや郵送で申込書を送付するだけでも、法的には契約が成立します。悪質な詐欺のケースでは、その後、無料期間中の解約を阻止し、有料契約に移行させるために、次のような手口を駆使してきます。
そして、解約できないからといってそのまま放置すると、期限を過ぎた途端に「自動更新されて有料契約になった」と主張され、高額な掲載料を請求されます。
無料求人広告の詐欺では、期限を過ぎると契約が自動更新され、有料契約に切り替わります。
契約書や申込書の裏面にも「期限を過ぎると自動的に有料契約になる」「更新後は途中解約できない」といった内容が細かい文字で記載されており、抗議しても、次のように反論されます。
当事務所の相談例では、営業DMに見せかけたFAXや封書で解約通知書を送ってくる悪質なケースもあります。誤って破棄されることを狙った巧妙な手口です。
無料求人広告の詐欺トラブルの相談で、「求人広告の効果があった」という話は全く聞きません。むしろ、無料期間中の問い合わせは一件もない例ばかりです。そして、初回の契約時は効果をアピールしていたのに、掲載料を請求した後には次のように反論してきます。
掲載されたサイトをチェックすれば、詐欺のために作った陳腐なサイトであり、アクセスが増えないのも当然であると納得できるでしょう。
本来、良質なサービスなら、無料で満足させた上で継続利用につなげるのが通常です。効果のないサービスを無料にしても継続する人はいないので、無料期間に応募が一件もない時点で、悪質な詐欺か、そうでなくても「利用する価値のないサービス」であるのは明らかです。
無料求人広告の詐欺被害に遭いやすい企業には共通する特徴があります。
自社が該当する場合、特に慎重になるべきです。無料求人広告の詐欺業者は、ハローワークの求人票、求人媒体の広告などから人手不足の企業をリストアップして狙い撃ちしています。被害者の多くは中小企業、個人事業主であり、その背景には次のような理由があります。
以上の理由から、規模の小さい企業ほど詐欺業者に付け入られる隙が大きいです。一方、人手不足が深刻化し、冷静な判断を欠いている企業もあります。当事務所で特に相談が多いのは、労働集約型のビジネスモデル、例えば飲食店、介護事業所、クリニック、美容室、保育園などです。
次に、無料求人広告の詐欺被害に遭ってしまったときの対処法について解説します。
悪徳業者の言うなりになって金銭を支払ってはなりません。まずは、同種のトラブルの解決実績が豊富な弁護士に相談して対処するのが適切です。
執拗な要求に屈して広告費や掲載料を払ってはいけません。
不当な要求は断固拒否しましょう。一度支払うと、たとえ詐欺でも、取り返すのは相当な手間と労力が必要です。この詐欺では、「支払えなくはない」という絶妙な金額を請求してきますが、支払ってしまう人がいると、詐欺被害はなくなりません。
無料求人広告の詐欺トラブルでは、「契約書に書いてある」「事業者としてサービス提供を受けた」といった法的な主張を武器にしてきます。そのため、対抗するにはこちらも法律知識を活用する必要があるため、弁護士に相談するのが適切です。
無料求人広告詐欺の相談先は、弁護士が適切です。警察に相談しても企業間の取引上のトラブルとして「民事不介入」とされ、消費者センターなどでも「事業者だから」という理由で対象外とされてしまうからです。
次に、勧誘が詐欺であったことの証拠として、次の資料を集めてください。
無料求人広告の詐欺トラブルに遭うと、「契約時に説明したかどうか」といった点で業者と意見が食い違うことがあります。「言った・言わない」の水掛け論になると、証拠が残っていないとトラブルが拡大してしまいます。
起きてしまったことは仕方ないとしても、これからの支払い拒否や解約は、全て証拠に残すべきで、連絡は必ず内容証明で行ってください。内容証明は、到着日や内容が郵便局に記録されるため、万が一裁判となったときに証拠として活用できます。

詐欺業者とやり取りするときは、記録に残る形で行いましょう。
内容証明だけでなく、細かいやり取りについても電話で済ませるのではなく、メールやSMSなどで行い、スクリーンショットを保存します。どうしても電話でしか連絡できない場合は、必ずその一部始終を録音しておきましょう。
また、トラブルの発生から現在に至るまでの時系列をメモに残しておくことは、弁護士に相談する際にも役立ちます。
請求に応じず、支払いを拒否すれば、次は業者が対応を考える番です。
真っ当なサービスなら、対価の未払いは訴訟で争うのが適切です。一方で、詐欺業者は、裁判で自らの違法行為が明るみに出るのを嫌うため、断固として支払う意思がないと伝えれば、請求をあきらめる可能性は高いです。
勧誘方法に問題はあるが「詐欺」とまでは言い切れない業者は、訴訟を提起してくるケースもあります。このとき、詐欺であると考える理由を法的に整理し、訴えられる前に内容証明で伝えていることは裁判でも有利にはたらきます。
当事務所の相談例でも、少額訴訟かつ本人訴訟で、業者が裁判を提起したケースがありますが、いずれも棄却、またはごく少額の和解で終わっています。裁判所からの連絡を無視すると欠席のまま敗訴判決が下り、差し押さえのリスクもあります。

無料求人広告の詐欺被害に遭った場合、詐欺業者と対抗し、適切に交渉するには、法的な主張を知っておく必要があります。以下では、無料求人広告の詐欺トラブルにおいて、被害を受けた人が知っておくべき基本的な法律知識を解説します。
なお、消費者契約法や特定商取引法といった消費者保護のための法律は、「事業者であるから適用されない」と反論されるため、民法のルールに従って主張するのが適切です。
詐欺業者は、契約書や申込書に解約のルールを定め、「指定の方法でしか解約を受け付けない」「所定の書式でないと解約できない」などと主張します。
しかし、法律上は、どのような方法でも、相手に意思表示が到達すれば解約の効力が生じます。電話やメール、チャットなど、どのような方法でもよく、一方的に限定することはできません。なお、前述の通り、意思表示が証拠に残るよう、内容証明で行うのが適切です。
無料求人広告詐欺では、書面を読む時間すらないままサインしてしまうケースがありますが、契約時の説明が不十分な場合、そもそも契約の不成立を主張できます。「契約」は両当事者の合意であり、内容を理解せずに行った意思表示は無効であるため、契約は成立しないからです。この場合、当初の契約が不成立ですから、有料契約に移行することもありません。
契約の重要な部分について認識を誤って行った意思表示は取り消すことができます(民法95条)。これを、法律用語で「錯誤」と呼びます。
被害者の誤解を招く不適切な勧誘による無料求人広告詐欺では、錯誤によって広告掲載の契約を取り消すことができます。
民法95条(錯誤)
1. 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
2. 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
3. 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
4. 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
民法(e-Gov法令検索)
騙されてした意思表示は、取り消すことが可能です(民法96条)。これを、法律用語で「詐欺」と呼びます。
無料求人広告の勧誘が実態と異なっているときや、契約時の説明が嘘だったとき、詐欺を理由として広告掲載の契約を取り消すことができます。
民法96条(詐欺又は強迫)
1. 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2. 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3. 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない
民法(e-Gov法令検索)
公序良俗に反する契約は無効となります(民法90条)。
公序良俗とは、「公の秩序又は善良の風俗」のことであり、分かりやすくいえば非常識な契約を無効にするルールです。
無料求人広告詐欺において、被害者の誤解を狙ってわざと読みにくい文字で書いたり、中身のないサービスを高額で提供したり、責任追及を免れるために会社名や責任者を記載しなかったりといった方法は、一般的な契約の常識に反すると考えられます。
民法90条(公序良俗)
公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。
民法(e-Gov法令検索)
無料求人広告詐欺では、「サービスに満足してもらおう」という気持ちはなく、被害者を騙して不当な利益を得ようとします。そのため、勧誘時に約束された効果は期待できません。
当初約束した通りの効果が出ていなければ、「契約上の債務を履行していない」と主張して、債務不履行を理由に契約を解除することができます。これにより、今後の求人広告の掲載を中止するよう伝え、将来の費用請求をさせないことも重要です。

次に、無料求人広告の詐欺被害を未然に防ぐための対策について解説します。
無料求人広告の詐欺トラブルは、人手不足の深刻化によって登場した「新しい詐欺」です。そして、有名な手口に対策が講じられると、新たな手口が考え出されて巧妙化していきます。
なお、契約書にサインしてしまった後でも、まだ無料期間中であれば、被害を未然に防ぐことが可能です。有料プランへ自動更新される前に、直ちに解約手続きを進めてください。
勧誘を受けたら、その業者が信頼できるか、評判や口コミを調査して確認することが重要です。
詐欺が疑われる場合、業者名やサービス名をネットで検索し、口コミサイトや掲示板、SNSの評判をチェックしましょう。「◯◯(業者名) 詐欺」「◯◯ トラブル」「◯◯ 口コミ」などのキーワードで検索すれば、被害者の体験談や低評価の口コミを発見できます。
具体名は避けますが、当事務所の相談例でも、よく被害申告を受ける業者名は限られています。社名を変えて営業するケースもありますが、本店所在地やサイトのURLは同じであることが多いです。バーチャルオフィスや私書箱を利用することもあるため、所在地も調べておきましょう。
契約を結ぶ前に、契約書や申込書をしっかりと確認しておけば、詐欺被害に遭うリスクを減らすことができます。無料求人広告の勧誘を受けたときは、次の点を確認してください。
不明点や疑問がある場合、必ず「契約をする前」に確認し、質問に対して明確な回答が得られない場合は契約を取り止めるべきです。
「ただより高いものはない」という教訓の通り、ビジネスでは無料の範囲には限界があります。
良いサービスに相応の対価を要することは、自社に置き換えれば理解できるでしょう。まともなサービスで「永久に無料」というものはなく「効果が実感できれば有料契約してほしい」と勧誘します。このことを理解し、「無料」を強調した勧誘に乗せられないようにしてください。
そもそも、少しでも不審な点のある勧誘には、応じてはいけません。
業者の勧誘や営業トークに惑わされないよう、冷静に判断することが重要です。少しでも聞く素振りを見せると強引に契約を進められ、後戻りできない事態に追い込まれる危険もあります。
少なくとも、自社のサービスや求人効果に自信があるなら、契約前に十分な説明を行い、料金体系についても明確に説明するのが当然です。判断に迷うときは無理に契約を進めず、一旦持ち帰って検討するようにしてください。
近年では、無料求人広告詐欺について判断した裁判例も登場しています。
東京地方裁判所令和元年9月9日判決は、詐欺業者との契約は公序良俗に反して無効であると判断し、業者による広告料の請求を棄却しました。本事案の概要は、次の通りです。
【契約内容】
【業者の営業手法】
以上の事情のもとに、被告は無料掲載のみを希望したものの、原告は、有料掲載への移行を主張して掲載料を請求しました。
裁判所は、説明不足や不合理な契約内容など、問題のある手法であると評価し、契約は無効であると判断しました。具体的な判示は、次の通りです。
「本件サービスの利用を勧誘するに際し、3週間の無料掲載期間については説明したものの、3週間以内に解約しなければ自動的に有料掲載期間に移行し、1年分の広告料が発生することの説明まではしなかったとみるべきである」
「本件サービスは、3週間の無料掲載期間を1日でも経過すれば、直ちに1年分の広告料の支払義務が発生する仕組みになっているにもかかわらず、原告から被告に対して、事前に有料掲載期間に移行するか否かの意思確認を行う仕組みにはなっていない」
「原告は、挨拶状によって注意喚起を行っていると主張するが、挨拶状が被告に到達したのは、無料掲載期間の最終日の午後であるから、真に注意喚起の趣旨で挨拶状を送付しているとは認められず、単に注意喚起をした体裁を整えようとしているにすぎない」
「原告は、無料掲載期間が経過するや否や、直ちに請求書を被告に送付して1年分の広告料の支払を請求し、被告が抗議をしても本件規約を盾に解約に応じず、訴訟提起に至っているところ、原告が、東京地方裁判所に、求人情報サービスの利用代金の支払を求める訴訟を多数提起していることは当裁判所に顕著な事実である。……(略)……本件と同様の紛争が多数発生していることが窺われる」
「被告は、本件サービスには求人広告としての実体がなく、本件の請求は詐欺に類する行為であると主張するので、当裁判所は、原告に対し、繰り返し、原告の業務内容や、本件サービスによる求人の実績について明らかにするよう求めたが、原告は、この点について何ら主張立証を行わなかった。したがって、本件サービスには求人広告としての実体はないものと評価せざるを得ない」
「以上を総合すると、原告は、専ら無料掲載期間内に解約しなかった顧客……(略)……に、1年分の広告料を支払わせることのみを目的として,本件契約を締結しているものといわざるを得ないから、本件契約は、公序良俗に反し無効である」
東京地裁令和元年9月9日判決
この裁判例からも分かる通り、契約書や申込書に署名をしたとしても、顧客の誤認しやすい仕組みや実態のないサービスである場合、法的効力が否定される可能性は高いです。
次に、無料求人広告詐欺に関するよくある質問に回答しておきます。
無料求人広告詐欺の手口は巧妙化しており、典型的なケースでなくても詐欺の可能性があります。少しでも怪しいと感じたときは、詐欺である可能性があります。納得のいかない広告料や掲載料は支払わず、弁護士に相談してください。
無料求人広告詐欺の場合、契約自体が無効、または、詐欺や錯誤を理由に取り消すことができるため、請求された広告費や掲載料を払う必要はありません。費用を支払うことは、悪徳業者に資金提供するに等しく、さらなる被害者を生む温床となります。
弁護士は、詐欺であること、支払う必要がないことを内容証明で送付し、断固として支払いを拒否します。弁護士が介入した後は、直接連絡は許されません。そのため、連絡は拒否してください。執拗に連絡が来ること自体が「詐欺」であることを自認するに等しいと考えますが、業務妨害に当たる場合は警察への通報を検討します。
無料求人広告の詐欺に、クーリングオフは適用されません。
クーリングオフは、特定商取引法に基づき、一定期間に限って契約を無条件に撤回できる制度ですが、消費者の保護を目的としており、事業活動の一環として締結された契約は対象外とされます(特定商取引法26条)。
無料求人広告詐欺における契約は、事業活動の一環として締結されるものであり、消費者取引に該当しないため、クーリングオフの対象外となります。
契約を解除または終了すれば、求人掲載は削除されるべきです。
しかし、無料求人広告の詐欺の中には、求人掲載の管理が杜撰で、解除したにもかかわらず広告掲載がされたまま放置されるケースがあります。
この場合、業者宛てに削除を要請しても応じてもらえない場合、サイトが契約するサーバーに対し、商号の不正使用などを理由に削除請求することも検討してください。

当事務所には、無料求人広告詐欺の被害について数多くの相談が寄せられています。
詐欺が無くならないのは、騙されて支払う人がいなくならないことが一因です。詐欺だと判明したら断固として拒絶する姿勢が大切です。自分で対処できないときは弁護士に相談してください。当事務所では、無料求人広告の詐欺に遭った被害者に代わって内容証明を送付するサービスを提供しており、これまでにも数多くの解決実績があります。
弁護士に対応を依頼するメリットは、次の通りです。
詐欺だと判明しても、拒絶するのは勇気が必要です。執拗な連絡や嫌がらせに負け、「支払えない額ではない」「高い勉強代だった」などとあきらめるケースもあります。
しかし、資金を提供すれば、詐欺業者を撲滅できず、新たな被害を生んでしまいます。「騙しやすいカモだ」と思われると、リストや名簿に登録され、他の詐欺に流用される危険もあります。
なお、当事務所に依頼する費用は、次の通りです。
| 相談料(対面) | 1時間11,000円 |
|---|---|
| 相談料(電話・ZOOM) | 30分11,000円 |
| 内容証明の作成・送付 | 1社あたり11万円 |
今回は、無料求人広告詐欺について、対処法と注意点を解説しました。
「無料で求人広告を掲載できる」という勧誘は、コストを抑えて求人を進められるように思え、人手不足に悩む中小企業にとっては特に魅力的に映ることでしょう。
しかし、悪徳業者による詐欺被害が急増している現状を理解すべきです。被害を防ぐには、よくある手口を知り、「詐欺ではないか」と疑って慎重に対応する必要があります。少しでも不審な点があるときは契約を取り止めることが大切です。勧誘のときは「無料」でも、後から「自動更新」を主張して高額の請求をしてくるのが典型的な手口です。
万が一契約してしまい、高額の請求を受けた場合、断固として支払いを拒否するのが適切です。自分一人では対応が困難なときは、ぜひ弁護士にご相談ください。