企業法務

無料求人広告をめぐる詐欺トラブルへの対応方法【弁護士解説】

2021年6月23日

解説の執筆者:弁護士 浅野 英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士の浅野英之(第一東京弁護士会所属)です。詐欺被害に遭ってしまい、被害回復をお考えの方は、ぜひ一度本解説を参考にしてみてください。

無料求人広告の詐欺トラブル

「求人サイトに、無料で広告を掲載しませんか?」という電話営業がかかってくることがあります。「人手不足」が深刻な企業の中には、「無料」という甘い言葉に誘われて契約してしまう会社も少なくありません。

しかし、このような営業電話の狙いは、無料求人広告を装った「詐欺」であり、後に法外な金額を請求されることとなります。無料期間が満了するタイミングで無断で更新させたり、解約の手続をとりづらくさせたりといった悪質な方法で、高額な「ぼったくり」費用を請求する手口が横行しています。

これが、増加する「無料求人広告をめぐる詐欺トラブル」の問題です。

詐欺業者側の手口は、次々と悪質化、巧妙化しており、だまされないためにも自衛が必要です。「詐欺なのではないか」と疑問をいだいたときは、早期の対応が重要です。

今回の解説では、

  • 無料求人広告をめぐる詐欺トラブルでよくある手口
  • 無料求人広告の詐欺にあってしまったときの対応方法

といった点について、弁護士が解説します。

無料求人広告の詐欺によくある手口

無料求人広告の詐欺トラブル

少子高齢化などを原因として、人手不足が加速しています。特に中小企業やベンチャー企業などでは、求人競争に勝てず、たとえ有料で求人広告を出したとしても十分に応募を確保できないこともあります。

このような会社側の弱みに付け込み、「求人広告を無料で提供する」ことをエサにして、実際には多額のお金をだまし取ろうとするのが無料求人広告の詐欺トラブルです。

無料求人広告の詐欺トラブルでよくある手口は、例えば次のようなものです。

突然、電話やFAXで、求人広告会社を名乗る会社から営業が来ます。担当者から「一定期間(数週間~1か月程度)は掲載が無料になる」、「有料になったら解約すればよいから試してみてほしい」と説明があります。

人手不足に困っている会社は「少しでも採用につながるのであれば」と思い、担当者の言うとおりに申込書を記載し、FAXなどで送ってしまいます。これにより、広告掲載について契約を締結したこととされてしまいます。

しかし実は、申込書・契約書などの裏面には、よく見なければわからないほど小さな文字で、自動更新に関する条項、キャンセルに関する厳しいルールなどが記載されています。

その後、無料期間の満了日になっても、特に解約についての確認はありません。気づかなければ解約されずに自動更新したことになっていますし、気付いて解約しようとしたとしても、あの手この手を使ってキャンセルを阻止しようとします。

しばらく後に、求人広告の掲載料として月額20万円~30万円程度の高額の請求書が送られてきて、はじめてだまされたことに気づくのです。

これらの違法業者は、ハローワークで求人票を出した会社などを中心に営業しているようで、行政からも注意喚起がなされています。

巧妙かつ悪質な手口であるため、通常の求人広告の営業と見分けるのはかなり難しいことが多いですが、次の特徴のうち1つでもあてはまる場合には「詐欺なのではないか」、「必要以上のお金がかかるのではないか」と疑ってください。

ここでは「無料求人広告の詐欺ではないか」と疑うきっかけにしてほしい重要な事情について、弁護士が解説します。

【特徴1】「無料」を強調しすぎる勧誘

無料求人広告の詐欺トラブルが頻発しているのは、人手不足に悩む中小企業に「無料で何でもできる」と勘違いさせてしまうような悪質な手口で勧誘が行われていることが原因の1つです。

無料求人広告をめぐる詐欺トラブルでは、最初は電話での飛び込み営業、もしくはFAXでのDMから勧誘がはじまることが多いです。

そして、勧誘の際に「無料」であることが強調されます。FAXでのDMの場合にも「無料」と大きな太字で書かれており、残りの部分には細かい文字が羅列されて読みづらくなっているものが多いです。

電話で話をすると、次のようなだましの言葉が発せられることがよくあります。

  • 「無料サービスだからお金はかからない」
  • 「有料になる前に解約すれば大丈夫」
  • 「解約期間が近づいたら必ず確認をする」
  • 「今だけのキャンペーンだからお得」
  • 「できたばかりの求人サイトだからモニターがほしい」

確かに、このような理由でサービスの一部を無償提供することは、詐欺ではない通常のビジネスでも行われるため、つい信じてしまいます。

詐欺トラブルの事例において、営業担当者があなたの会社を訪問することはほとんどありません。申込書をFAXしなかったり、契約するか迷っていたりすると、しつこく電話がかかってきて、早く契約締結するよう催促されます。

【特徴2】誤解を生じやすい説明

「本当に無料でサービスを提供してもらえるのだろうか」と不安になって担当者に確認をしても、「費用はかかりません」と断言されてしまいます。

しかし実際には、申込書や契約書の裏面などに、小さな文字で、自動更新に関する規定、解約・中途キャンセルに関する注意書きが記載されていることが少なくありません。

本来であれば、契約時にしっかりと説明をし、見やすく目立つ文字で記載されていなければならない重要なことですが、顧客が見落したり、誤解したりしてくれることこそが、無料求人広告詐欺を行う業者の思惑なのです。

もっと悪質なケースだと、契約条件の重要な部分が申込書や契約書には記載されておらず、「別途説明する」、「別紙に記載した通りに同意する」とされており、別紙が後からFAXや郵送で送られてくるケースもあります。

【特徴3】解約依頼に対応してくれない

上手い口車に乗せられて「無料なら」という軽い気持ちで求人広告掲載の契約をしてしまうと、詐欺業者の思うツボです。

無料求人広告の詐欺トラブルでは、対面で契約書を作成するようなことはなく、FAXで申込書や契約書といった書面を送付することを指示され、これにより契約が成立したものとされます。

無料キャンペーンの期間が終了することに気づき、解約をするよう依頼をしても、詐欺業者の場合には、なかなか解約手続きの対応をしてくれません。

詐欺トラブルの被害にあった事例の中には、解約期間満了のぎりぎりであったり、期間満了日の当日になってはじめてFAXで解約書面が送られてくることがあります。このように直前であっても、解約手続きが少しでも遅れれば更新されてしまうという注意書きの記載つきです。

詐欺業者は、無料期間終了時のキャンセルを阻止するために、あらゆる手を使います。解約依頼に対応しない違法業者の手口は、例えば次のようなものです。

  • 解約用の電話番号が記載されているが、ずっと話し中でつながらない
  • 解約方法がとても難しく、理解できない
  • 解約用の書面を送るといいながら、期間満了当日まで書面を送らない
  • 解約方法を限定し、指定の解約方法以外では解約を受け付けない

【特徴4】無断で勝手に更新される

悪質な無料求人広告の詐欺トラブルでは、解約手続きをしなかったり、少しでも期限に遅れたりすると、勝手に更新されて有料契約に移行されてしまいます。

最初の申込書・契約書の裏面には、よく見ないとわからないほど細かい文字で「期限が過ぎたときには自動的に有料契約になる」、「その場合には、更新後の期間が満了するまでは解約できない」とこっそりと記載されています。

会社のFAXには、他にも営業DMが多く届いていることでしょう。営業DMだと思って捨ててしまったら、その中に「期間満了したら自動的に有料契約で更新する」と小さく記載されていたケースもあります。

あえて営業DMと間違えて捨てられてしまうことを狙って、改めて「無料」であることを強調した派手な体裁のFAXを送るという巧妙な詐欺の手口もあります。

後から詐欺業者に文句を言っても、次のような反論を受けることとなります。

  • 「有料契約となることについて、申込書・契約書にきちんと記載されている」
  • 「有料契約になる可能性があることは、当初の説明のときにも伝えている」
  • 「申込書に記載し、同意を得ている」
  • 「契約後に、解約用の書面を送付している」
  • 「期間を守らなかったから、もう1か月更新されてしまった」

【特徴5】求人広告の効果は全くない

無料求人広告をめぐる詐欺トラブルの相談で、求人広告としての効果があったという話は全く聞きません。問い合わせの1件すらないことがほとんどです。

掲載されている求人広告西都は詐欺のために作成したサイトであり、詐欺業者が広告費用を投下するわけもなく、アクセスが増えるはずもないですから当然です。通常のビジネスにおいて、無料サービスを提供するのであれば、「無料のうちに満足をしてもらい、有料契約をしてもらおう」と考えるのが当然であり、効果がないこと自体、詐欺であることを強く推認させます。

求人広告の効果が全くなく、人材紹介が一切なかったとしても、「無料だから仕方ないか」とあきらめて文句も言わずに期間が経過しているうちに、いずれ「解約しなければならない」ということを忘れてしまう会社も多いものです。

しかし、そのまま無料求人広告の存在を忘れてしまい、期間満了日を失念して、解約書面を送付するなどの解約手続きをとらなければ、「自動更新」によって有料化し、多額の費用をとられてしまうのが、よくある詐欺の手口です。

無料求人広告の詐欺にだまされないための予防策

無料求人広告の詐欺トラブル

詐欺まがいの悪質な手口を使う違法業者にだまされてしまわないためには、前章で解説した「無料求人広告の詐欺」によくある手口を理解しておくことが有益です。

「無料求人広告の詐欺」は、2018年ころからよく相談を受けるようになった、比較的新しい詐欺の手口です。そのため、きちんと知識をつけておかなければ、巧妙化する詐欺の手口を見抜くことができません。

次に、無料求人広告の詐欺にだまされないための予防策を弁護士が解説します。

「ただより高いものはない」

まず「ただより高いものはない」という古くからある教訓を、しっかりと心にとめておいてください。

少子高齢化にともなう人手不足で、なかなか求人もままならず、「効果が出るのであれば、どんな手段でも使いたい」という会社も多いでしょう。しかし優良なサービスにはお金がかかるのは当然です。

適法に営業する求人広告会社は、仕事として求人広告を運営しています。そのため、「永久に無料」、「無料ですべてやってもらえる」というのでは利益が出ませんし、「全員が無料期間で解約した」というのでは意味がありません。

自分の業界にあてはめて考えてみれば、全くリスクなく無料でサービス提供を受けられることなど、どの業界でもあり得ないということが理解できるはずです。「ただより高いものはない」と頭に入れておけば、「無料」を強調して求人広告の勧誘をしてくる詐欺業者が、「どこかでお金をぼったくってやろう」と虎視眈々と狙っていることに気付けるはずです。

業者名をインターネットで検索する

インターネット検索が一般化した現在においては、継続的に詐欺行為をはたらくことは昔よりも難しくなっています。

悪質な手口を繰り返している違法業者の場合には、詐欺被害にあった方のの口コミ、体験談、評判が数多く出てくるはずです。

勧誘を受けて「詐欺かもしれない」と思ったら、「求人の営業をしてきた会社名+詐欺」といったキーワードで検索してみてください。

「なぜ無料なのか」を考える

あなたの会社や業界でも、無料サービスが流行っているかもしれません。しかし、適切な無料サービスはいずれも、無料にするだけの意味や理由があります。

多くの場合、企業が無料サービスを行う理由は「より高額な商品・サービスを購入させるためのきっかけづくりにしたい」というものです。そしてこのことは、違法な無料求人広告詐欺でもあてはまります。

詐欺的な手法をとる業者の中には、「なぜ無料なのか」と問いただすと「モニターのためにデータがほしいから」、「掲載社数が増えないとアクセスが増えないので」といったもっともらしい理由をつけてきます。しかし、求人の効果が十分期待できるのであれば、たとえ有料にしても引く手あまたのはずです。モニターや掲載者数に困るわけがありません。

「なぜ無料なのか」をよく考え、「それは詐欺だからなのではないか」と思い当たったときは、それ以上話を聞いてはいけません。

無料求人広告詐欺にひっかかってしまったときの対処法

無料求人広告の詐欺トラブル

ここまで解説してきた予防策を知らず、残念ながら無料求人広告の詐欺に引っかかってしまうと、詐欺業者から「期間満了により自動更新されたので、今月分の広告費用を支払え」といった請求書が送られてきます。

無料求人広告詐欺の巧妙なところは、高額ではあるけれども払えなくもない絶妙な金額を請求してくる点にあります。

「契約書チェックをしっかりとせずに見逃していた自分が悪いのではないか」、「高い勉強代だった」とあきらめる前に、無料求人広告詐欺にひっかかったときの対策について、弁護士が解説します。

【方法1】詐欺業者の請求には絶対応じない

詐欺業者によるしつこい請求に屈して求人広告費を支払ってしまった場合、たとえ詐欺行為による不当な利得であるとしても、これを取り返すには被害者側から訴訟をしなければなりません。

「警察に相談しよう」という方もいますが、ビジネス取引上の紛争であることから「民事不介入」を原則とする警察はあまり大事に取り上げてはくれません。

これに対して、請求に応じなければ業者側から訴訟を起こすことになりますが、詐欺業者であれば自分達の行った行為が詐欺であることが裁判で明らかになってしまうことを嫌い、裁判をしてはきません。支払意思がないことを断固たる態度で伝えれば、訴訟コストや勝算を考え、詐欺業者からあきらめてくれる可能性もあります。

詐欺であることが明らかなケースであれば上記の対応でよいのですが、問題ある業者ではあるものの詐欺とは言い切れない場合に、業者側が弁護士に依頼して内容証明を送って来たり、少額訴訟、支払督促といった法的手続きでプレッシャーをかけてきたりすることがあります。

このような場合には、次に説明する契約不存在、詐欺、錯誤といった法律上の主張をきちんと反論として伝えておく必要があります。法律知識の必要な対応については、弁護士にご相談ください。

【方法2】契約が成立していないことを主張する

無料求人広告の詐欺被害にあってしまったとき、詐欺業者に対してどのようなクレームを言っても、「書面に記載してあるから」と、裏面に細かく書いてあったり、通常の注意力であればなかなか気づかないFAXなどをたてにとって反論してきます。

しかし、このような非常識であり、かつ、著しく不公正な方法によって、契約が有効に成立しているとは考えられません。

そのため、悪質な詐欺業者の請求に応じて支払ってしまう前に、そもそも悪質な手口によってだまして書かせた書面によっては契約が有効に成立していないという反論をすべきです。

【方法3】詐欺を理由に契約を取り消す

民法96条では、だまされて行った意思表示は、後から取り消すことができるものと定められています。これが「詐欺を理由とする取消」です。

つまり、無料求人広告詐欺が、当初の勧誘内容が全くの嘘で、だまされて契約をしてしまったといえるケースの場合には、民法の「詐欺」のルールを用いて、求人広告掲載についての契約を後から取り消すことができます。

民法96条(詐欺又は強迫)

1. 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2. 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3. 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

【方法4】錯誤を理由に契約を取り消す

民法95条は、契約の重要な部分について認識を誤って意思表示をしてしまった場合に、その意思表示を取り消すことができると定めています。これが「錯誤を理由とする取消」の主張です。

つまり、無料求人広告詐欺が、被害者となる会社の誤解を誘うような不適切な広告を用いていたケースの場合には、民法の「錯誤」のルールを用いて、求人広告掲載についての契約を取り消す旨を主張できます。

民法95条(錯誤)

1. 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
2. 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
3. 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
4. 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

【方法5】公序良俗違反を理由に契約の無効を主張する

民法90条は、公序良俗に反する契約が無効となることを定めています。公序良俗とは、「公の秩序又は善良の風俗」のことをいい、これに違反する契約が無効となるという意味です。

そして、無料求人広告詐欺が、被害者の誤解を招くことを狙い、わざと読みづらい小さな文字で契約書に「自動更新」、「キャンセル」に関するルールを書いたり、責任追及を逃れるために会社名や責任者を記載しなかったりといった態様が、一般的な契約の常識に反することは明らかです。

民法90条(公序良俗)

公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。

【方法6】債務不履行を理由に契約を解除する

無料求人広告詐欺の場合、求人の効果を上げてサービスの対価として掲載費をもらうことが目的ではありません。うまく被害者をだませればそれでよく、求人応募を増やそうなどとは端から考えていません。

そのため、当初の勧誘で謳っていたような劇的な効果は一切期待できず、無料掲載期間中の間、求人応募など一切ないことも少なくありません。

当初の勧誘の際に、どのような勧誘をしていたかについて証拠が残っている場合に、当初の約束に違反して一切効果が上がっておらず、勧誘文句に伴った求人広告活動を行っていない場合には、「契約内容にある債務を行っていない」ことを意味します。

そのため、仮に契約が有効に成立していたとしても、「債務不履行」を主張して契約をただちに解約することができ、かつ、これによって被った損害の賠償を求めることができます。

意思表示は「内容証明郵便」で行う

無料求人広告の詐欺トラブル

無料求人広告の詐欺をしてくる違法業者と対峙するときには、「言った、言わない」の水掛け論となります。既に「契約時に説明をしたか、していないか」といった点で、違法業者との間で意見が違うのではないでしょうか。

このようなとき、先ほど解説したように「契約が成立していない」、「詐欺・錯誤を理由に取り消す」などの意思表示をする際には、必ず証拠として残しておくために、配達証明付き内容証明郵便の形式で送付するようにしてください。

配達証明付き内容証明郵便は、郵便物の到着日と、郵便物の内容が記録される郵便の形式です。

配達証明付き内容証明郵便であれば、このような戦いの争点となりうる「被害者が解約の意思表示をしたかどうか」や、「解約の意思表示をした日時」といった事実を証拠に残すことができます。

契約書や申込書からは会社名がわからない場合や、匿名での営業の場合など、郵便の送付先がわからない場合でも、証拠化できるようメールやSMSなどの方法で解約の意思表示を送付するようにしてください。電話で解約の意思表示を伝えるときには、その一部始終を録音しておきましょう。

悪質な詐欺業者は、契約書や申込書にあらかじめキャンセル方法のルールを指定しておき、「指定の方法に従わなければ、キャンセルは受け付けない」と主張してくることがあります。しかし、契約の解約は、民法に定めたルールに従って行えば足りるのであり、契約の一方当事者がその方法を限定することはできません。

なお、余計な争いを避けるために、できる範囲内のことであれば、違法業者が指定する方法でも解約の意思表示を伝えるようにしておきます。

無料求人広告の詐欺被害にあったとき、弁護士に依頼できるサポート

無料求人広告の詐欺トラブル

以上のとおり、無料求人広告の詐欺に対しては、断固として支払いを拒絶すべきです。

契約勧誘時には「無料」と宣伝して契約しながら、その後に同意なく「自動更新」するといった悪質な方法によって有料契約に移行し、広告費を請求するのが「無料求人広告詐欺」の典型的な手口です。

しかし、だまされてしまった被害者の中には、なかなか拒絶できない方がいるのも理解できます。例えば、次のようなことを思っているのではないでしょうか。

  • 一度した約束は守るべき
  • 書面を隅から隅まできちんと読まなかった自分が悪かった
  • 会社を経営する身として、わきが甘かった

上記のような思いは理解できますが、これはあくまでも相手がまっとうにビジネスを営む健全な会社の場合です。相手があなたをだまそうと悪意をもって向かってくるとき、このような弱気ではいけません。

悪質な詐欺業者の中には、弁護士に依頼して内容証明郵便を送付したり、支払督促・少額訴訟など、通常訴訟にはならない範囲で法的手続きを利用してくるケースもあります。

当事務所では、無料求人広告の詐欺被害にあってしまった方に向けて、配達証明付き内容証明郵便による拒絶の意思表示を、あなたの代わりに送付するサポートを提供しています。

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  • 事前の資料送付・検討や、法的な意見書作成については、別途ご費用をいただきます。なお、「詐欺であるかどうか」の判断は、本解説を参考にご判断ください。
  • 弁護士より書面を送付した後は、違法業者からの連絡に応じる必要はありません。

解説の執筆者:弁護士 浅野 英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士の浅野英之(第一東京弁護士会所属)です。詐欺被害に遭ってしまい、被害回復をお考えの方は、ぜひ一度本解説を参考にしてみてください。

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