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持続化給付金詐欺で自首すべき理由と、弁護士による自首同行サポート

新型コロナウイルスの影響で業績が悪化した法人や個人事業主の支援のために創設された「持続化給付金」制度。しかし、不正受給や詐欺が横行し、深刻な社会問題となりました。

施行当初は、急を要する支援策だったこともあり、行政のチェックが十分行き届かないケースも見られました。その結果、不正受給や詐欺が急増しましたが、現在は取り締まりが強化され、逮捕者が相次いでいます。「友人に勧められた」「みんなやっているから大丈夫」といった安易な考えで犯罪や不正に加担すると、逮捕されるリスクが高まり、場合によっては解雇や退学など、社会生活に大きな悪影響があります。

過去に持続化給付金を不正受給してしまった場合、逮捕のリスクを少しでも減らし、刑事罰を軽減するには、発覚前に自首するのが有効な方法です。

今回は、持続化給付金の不正受給や詐欺で「自首」するメリットと自首の流れについて、弁護士が詳しく解説します。

この解説のポイント
  • 持続化給付金の不正受給では、自首する方が逮捕や起訴を免れる可能性あり
  • 自首した際にその場で逮捕されないために弁護士を同行するのが有効
  • 自首同行サービスと共に、弁護士に意見書の作成を依頼する

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解説の執筆者

弁護士 浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所 代表弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

「迅速対応、確かな解決」を理念として、依頼者が正しいサポートを選ぶための知識を与えることを心がけています。

豊富な知識・経験に基づき、戦略的なリーガルサービスを提供するため、専門分野の異なる弁護士がチームを組んで対応できるのが当事務所の強みです。

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持続化給付金の不正受給・詐欺が社会問題化している

不正

持続化給付金の不正受給・詐欺とは、コロナ禍で売上が減少した法人や個人事業主を支援するための給付金を、不正な手段で受給する犯罪行為です。その手口には、以下のものがあります。

  • 売上減少の要件を満たさないのに給付金の申請をする。
  • 会計帳簿を偽造・改ざんして行政を騙す。
  • コロナ禍と無関係な売上減少なのに給付金を受け取る。
  • そもそも事業を営んでいないのに事業実態があるように装う。

持続化給付金の不正受給は、虚偽の申請で国・行政を欺いて金銭を受け取る点で、詐欺罪(刑法246条)に該当し、「10年以下の懲役」という重い刑罰が科されるおそれがあります。

持続化給付金の不正受給や詐欺が広がった背景に、不正を指南して報酬を得る「指南役」の存在があります。彼らは「コンサルタント」と称して不正申請を手助けし、報酬を受け取っていました。紹介報酬を支払うことで友人や知人を紹介させるなどして拡散したことから、多くの人が安易に加担する事態となりました。更に、税理士や社労士などの士業が指南役となるケースもあり、手口はますます巧妙化、悪質化しました。

「指示された通りに免許証を渡しただけ」「手続きは指南役に任せていた」「少額の報酬しか受け取っていない」という場合も、不正受給の「共犯」として、「正犯」と同じく厳しい処罰を受けるリスクがあります。

共犯とは、直接手を下さなくても、犯罪の実行を助けたり関与したりすることで、実行犯と同様の責任を問われる立場を指します。「バレないだろう」「忙しくて捜査が追いつかないはず」と甘く考えて加担した人もいますが、2020年7月22日に初の逮捕者が報道されて依頼、持続化給付金関連の逮捕ケースは相次いでおり、厳しい取り締まりが続いています。

誘惑にかられて不正受給に関与した人は、逮捕や刑事罰のリスクを少しでも軽減するために、できるだけ早く自首するのが有効な手段となります。

持続化給付金詐欺で自首をするメリット

逮捕

持続化給付金の不正受給や詐欺で、犯罪に加担してしまった方にとって、自首には多くのメリットがあります。

なお、法律上の「自首」(刑法42条)に該当するには、犯罪行為と犯人の両方が発覚する前に出頭する必要があります。既に捜査機関に疑われている段階では、「刑の減軽」という法律上のメリットを受けられないため、早急な行動が必須となります。

逮捕されるリスクが小さくなる

自首をすることで、逮捕のリスクを低減することができます。

罪を犯して逮捕されるのは、以下の2つの要件を満たす場合です(刑事訴訟法199条1項、2項、刑事訴訟規則143条の3)。

  • 犯罪の嫌疑がある(犯罪を行ったことが疑わしいこと)。
  • 逃亡のおそれ、または証拠隠滅のおそれがある。

したがって、自ら罪を告白して自首すれば、その後に逃亡したり証拠隠滅したりする可能性は低いと判断され、逮捕のリスクを下げられます。弁護士に自首同行を依頼し、捜査機関との対応を弁護士を通じて行うことで、突然の逮捕をはじめとした不利益な処分を防ぐことができます。

実名報道を避けられる

持続化給付金の不正受給や詐欺は、社会問題化していて話題性があるため、逮捕や起訴に至るとマスコミやメディアで実名報道の対象となるおそれがあります。

逮捕されても、すぐに職場や学校へ連絡が入るわけではありません。しかし、実名報道されると発覚して解雇や退学となったり、ネット上で拡散されて社会生活の支障となったりするおそれがあります。犯罪報道は、本人だけでなく家族にも肩身の狭い思いをさせます。持続化給付金詐欺は、社会不安に便乗したという悪質さが際立つため、周囲のイメージ低下は避けられません。

自首によって逮捕や起訴を回避すれば、実名報道の可能性はありません。

不起訴処分となる可能性が高まる

起訴・不起訴の判断は検察官に委ねられますが、その際に「自首」は有利な情状となります。

自首をして自ら犯罪を告白していることは、反省し、改善する意思があると評価され、検察官の裁量で不起訴処分(起訴猶予)となる可能性が高くなるからです。

日本では、一度起訴されると有罪率が99.9%と非常に高く、有罪判決を受ければ前科がついてしまいます。一方で、不起訴となれば刑罰は科されず、前科もつきません。前科がつかないことは、今後の人生や社会生活において非常に大きなメリットとなります。

刑罰が軽くなる可能性がある

持続化給付金詐欺・持続化給付金の不正受給は詐欺罪(刑法246条)に該当し、「10年以下の懲役」という重い刑事罰が科されられると説明しました。詐欺罪には罰金刑がなく、起訴されれば懲役刑が科される重大な犯罪です。

一方で、刑法42条は、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる」と定めています。そのため、自首をすれば刑が軽くなる可能性があります(なお、必ず減軽されるわけではありません)。

したがって、起訴される可能性が高いケースでは、自首によって反省の態度を示し、裁判で有利な情状として考慮してもらうことで、執行猶予を獲得する、あるいはより軽い刑にとどめてもらうことを目指す弁護方針が有効となります。

精神的ストレスが軽減される

軽い気持ちで持続化給付金の不正受給という犯罪行為に関与してしまった人の多くは、過去の軽率な行為を大いに反省していることでしょう。「いつ逮捕されるのか不安で眠れない」「目先のお金に釣られなければよかった」と深く後悔している人は少なくありません。

「犯罪に関与した」という事実は消えず、常に逮捕の不安や捜査のプレッシャーに怯えながら生活しなければなりません。このような精神的な不安感を抱える場合、自首することで罪を認めて反省し、過去にけじめを付けて立ち直ることができます。

精神的な負担を軽減し、前向きに人生を立て直すためにも、自首を検討することが重要です。

持続化給付金詐欺で弁護士に相談してから自首までの流れ

矢印

持続化給付金の不正受給や詐欺に加担し、自首を検討していても、決断には覚悟が必要です。以下では、罪を犯してしまった方が自首を決断する参考になるよう、弁護士に相談してから実際に自首するまでの流れについて解説します。

STEP

弁護士との法律相談

持続化給付金の不正受給や詐欺という重大な犯罪で、自首について相談するなら、刑事事件の経験が豊富な弁護士を選ぶべきです。弁護士には専門分野があり、民事や企業法務を専門とする弁護士の中には、刑事事件を扱わない人もいます。

自首同行では、「自首が必要か」「自首することの効果が見込めるか」といった点で専門的な判断を要します。法律相談では、以下の点を詳しく聞いてください。

  • 逮捕される可能性の程度
  • 自首することで得られるメリット・デメリット
  • 自首後の弁護方針

必ずしも全てのケースで「自首が最良の選択」とは限りません。弁護士が「自首の必要はない」と判断した場合は、法律相談のみで終了することもあります。

STEP

必要書類(上申書・意見書)の作成

上申書・弁護士の意見書は、弁護士が自首に同行した際に、捜査機関に提出します。

法律相談の結果、自首することになった場合、自首の準備として必要な書類を作成します。自首はスピードが重要なので、法律相談後すぐに作成を進めることも可能です。

上申書(本人が作成する)

上申書は、犯罪をした人がその内容を自ら認め、反省の意を示し、謝罪する内容を記載するもので、自首の根幹となる重要な書類です。上申書作成は、弁護士がアドバイスしながら本人が作成します(全て代筆してしまうと反省の意思が伝わりにくいです)。

弁護士の意見書

弁護士の意見書は、不正受給の内容や金額、反省状況などを踏まえ、逮捕したり厳罰に処したりする必要がないことを弁護士の立場から記載します。有利な情状を示し、自首の効果を最大化するために、必ず弁護士に意見書を作成して、警察に提出してもらいましょう。

STEP

警察に連絡して出頭日時を決める

自首の準備を終えたら、弁護士が警察署に連絡し、出頭日時を調整します。

出頭日時は、基本的に午前9時〜午後5時の間で調整します。ただし、スピード重視のため、緊急性が高い場合には、その他の時間帯でも柔軟に調整するよう警察と交渉を行います。出頭する警察署は、自宅を管轄する最寄りの警察署へ行うのが通常です。ただし、事件によっては別の警察署が既に捜査を開始しているケースもあるので、適切な出頭先を確認する必要があります。

弁護士の都合が付く限り、自首同行サポートは、相談当日中の出頭が良いでしょう。

STEP

弁護士と共に出頭して自首する

弁護士が同行し、約束の日時に警察署へ出頭し、自首を実行します。

警察署に付いたら、以下の手順で進めます。

  1. 窓口で氏名を名乗り、自首の意思を伝える
  2. 作成した上申書・意見書を提出し、内容を確認してもらう。
  3. 捜査機関からの事情聴取を受ける。

弁護士が同行する場合、犯罪の内容や謝罪など、本人の言葉で直接伝えるべきこと以外は、弁護士が説明をサポートすることができ、精神的な負担を軽減できます。出頭する際は、不正受給の詳細説明のため、次の資料を持参するのが望ましいです。

  • 写真付きの身分証明書(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)
  • 源泉徴収票・確定申告書などの写し(給付金申請時に使用したもの)
  • 預貯金通帳(給付金が振り込まれた口座の記録)
  • 指南役とのやり取り(指南役の指示があった場合)

犯罪の悪質性によりますが、自首によって誠意を示せば、逮捕を回避できる可能性が高まります。逮捕されなかった場合は、その日のうちに帰宅することが可能です。

STEP

自首後のフォローと刑事弁護活動

自首することで捜査機関に犯罪の事実が発覚しますから、適切な対応を取らないと不利益が拡大するおそれがあります。弁護士による自首同行後は、フォローと刑事弁護活動が重要です。

経済産業省はコールセンターを設け、不正受給した持続化給付金の自主返還を受け付けています(参考:経済産業省「不正受給及び自主返還について(持続化給付金・家賃支援給付金)」)。

自主返還をすれば延滞金や加算金などの制裁が免除されることが多いです。ただし、自主返還したからといって、必ず逮捕や起訴を免れるわけではありません。そのため、自首も合わせて行うべきケースも少なくありません。

自首後の捜査が進むケースでは、以下のような弁護士のサポートが役立ちます。

  • 取調べ対応のアドバイス
  • 不起訴処分を目指すための弁護活動
  • 執行猶予を求めるための弁護活動

弁護士の自首同行サポートと費用について

最後に、持続化給付金の不正受給や詐欺が社会問題化している現状を受け、自首同行をサポートする弁護士のサービス内容と費用について解説します。

まずは法律相談から

まずは法律相談を通じて、あなたの状況を詳しく伺い、最適な対応策を提案します。以下の悩みをお持ちの方は、初回の法律相談をご利用ください。

  • 自分のケースが詐欺罪にあたるのかを知りたい。
  • 自首して、逮捕や起訴のリスクを減らしたい。
  • 無罪を主張したい。
  • 不正受給した給付金を返還したい。

自首が有効かどうかはケースに応じて検討が必要なので、法律相談でしっかりヒアリングします。法律相談の結果、自首のメリットが大きいと判断された場合は、弁護士が自首に同行し、逮捕や報道の回避、減刑を求めるサポートを行う「自首同行サポート」を提案します。

サービス内容と弁護士費用

自首同行に関する弁護士費用は、次の通りです。

法律相談1時間11,000円
自首同行(23区内)1回16万5,000円
自首同行(関東圏)1回22万円

自首に同行した結果、既に捜査が開始されていた場合や、万が一にも身柄拘束を受けた場合には、迅速に刑事弁護活動に移行すべきです。自首同行をしていれば、刑事弁護にスムーズに移行し、捜査機関や裁判所に速やかに働きかけを行うことができます。

まとめ

弁護士法人浅野総合法律事務所

今回は、持続化給付金の不正受給や詐欺と、自首同行について解説しました。

具体的に自首をする方法と流れ、弁護士に同行してもらうメリットを知ることで、リスクを軽減することができます。安易な気持ちで持続化給付金を受給し、「犯罪になってしまっているのではないか」と後ろめたい方は、悩み続けるストレスよりも、早期の自首が遅すめです。

軽い気持ちに反して、「詐欺罪」という重大な犯罪に該当するため、家族や友人にも相談できず一人で抱え込んでいる人も少なくありません。未来に向かって進む第一歩として、ぜひ一度、弁護士に相談してみてください。

この解説のポイント
  • 持続化給付金の不正受給では、自首する方が逮捕や起訴を免れる可能性あり
  • 自首した際にその場で逮捕されないために弁護士を同行するのが有効
  • 自首同行サービスと共に、弁護士に意見書の作成を依頼する

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