債務整理

借りたお金が返せない時、分割弁済・分割払いの交渉のポイント3つ

お問い合わせはこちら

法律問題にお悩みのすべての方へ。
弁護士法人浅野総合法律事務所まで、まずはお気軽にご相談くださいませ。
法律相談のご予約は、24時間受付しております。

03-6274-8370

お問い合わせ

分割弁済・分割払い

お金を借りたとき、つまり、借金をするとき、それはすなわち、現在手元に用意できるお金がないということです。

そして、将来は返済することができると思ってお金を借りたけれども、結果的に事業が失敗してしまったり仕事を解雇されてしまったりして、予定どおりの収入が入らないこともあります。事故やケガなどで予想外の出費があったことで、借りたお金を返せなくなることもあります。

このような場合に、破産を選択せず、なんとか返していこうと考えるのであれば、「一括返済」ではなく「分割弁済」をすることとなります。分割弁済・分割払いは、本来の支払方法を変更することとなりますので、債権者(お金を貸してくれた人)の承諾を得なければなりません。このとき、「分割弁済契約書」などの書面を用意します。

今回は、借りたお金が返せないときに、分割弁済・分割払いの交渉をする方法と、そのときの注意点について弁護士が解説します。

浅野総合法律事務所のアドバイス

分割弁済・分割払いについて交渉し、合意書や契約書を作成するためには、両当事者のメリット・デメリットを理解して、利害調整を適切におこなわなければなりません。

分割弁済・分割払いは、債務者側にとっては「債務の承認」を意味するため、当面の支払いを先延ばしにできるからといって、必ずしも有利な解決とは限りません。不安・心配ごとがあるときは、あらかじめ弁護士にご相談ください。

分割弁済・分割払いの注意点

分割弁済・分割払い

はじめに、債務者(お金を借りた人)の立場で、分割弁済・分割払いの交渉をするときの注意点を解説します。

一括ではなく分割であれば無理なく返済できそうだという場合でも、返済を分割にすることは債権者にとってデメリットになりますから、一方で交渉の結果、債務者にとってもデメリットとなる不利な条件をのまざるを得なくなることもあります。

はたして分割弁済・分割払いの交渉をすることが良いのかどうか、メリット・デメリットを比較して、慎重に検討する必要があります。

無理な支払計画ではないか

債務者側に一括返済をする資力がないとき、債権者側としても分割弁済・分割払いに応じざるを得ないでしょう。たとえ月々少額の返済だったとしても、支払われなかったり破産してしまったりするよりましだからです。

とはいえ、債権者と債務者の合意なくしては分割弁済・分割払いにはできないため、債権者の意見を聞かなければならず、結局は支払計画がかなり無理のある内容となってしまっていることがあります。

無理な支払計画は、いずれ守れなくなるとすれば当事者双方にとって利はありません。将来、不測の事態、緊急にお金が必要な事故やケガなどの可能性を考え、余裕をもった計画を組むことがお勧めです。

破産を早めてしまわないか

分割弁済・分割払いの支払計画に無理があると、破産を早めてしまうことがあります。そして、債務者側のメリットを考えれば、いずれ破産してしまうのであれば、現段階で破産をするという選択肢を検討すべきです。

具体的には、債務整理においては、手取り給与から、家賃・光熱費などの必須の固定費を引いた金額のおおよそ3分の1程度を月々の返済額の上限として、3~5年程度の計画を組むことが一般的です。

分割弁済・分割払いの交渉をあせるあまり、破産を早めてしまうことのないよう、自身の手元状況の冷静な分析が必要です。

保証人に迷惑をかけないか

分割弁済・分割払いの交渉をするときに、保証人をつけたり、担保を提供したりすることを債権者側に求められることがあります。よく用いられる「連帯保証人」は、債務者に支払を求めることなく連帯保証人に支払いを請求できるもので、とても厳しい内容です。

すでに分割弁済・分割払いを申し出る時点で、ある程度信頼が損なわれてしまっているため仕方ないことではありますが、分割弁済・分割払いの合意をする際には、支払計画ともあわせて、保証人に迷惑をかけることがないか検討が必要です。

なお、あとで解説をするとおり、2020年4月1日に施行された改正民法により、事業用資金に関する保証契約については、保証人になろうとする者が契約締結の前1か月以内に作成された公正証書で保証債務を履行する意思表示をしなければ、その保証契約は無効となることとなりました。

ペナルティは重くないか

既に一括支払いができなくなってしまって分割弁済・分割払いの交渉をしているとき、もはや債務者には約束を守ることをそれほど期待されておらず、そのため、分割弁済・分割払いの約束を破った場合には一括して支払うという制裁が課されることがあります。これを、「期限の利益喪失条項」と呼びます。

さらに、回収可能性を高めるため、住所や勤務先を教え、変更のある場合には直ちに知らせることを義務化したり、不払いの場合に違約金、遅延損害金を設定したりすることもあります。

しかし、計画どおりに支払えなかったときのペナルティが重すぎるとき、現実的かどうかを考慮しなければなりません。

分割弁済を書面化することの重要性

分割弁済・分割払い

借りたお金が一括で返しきれそうにないとき、債権者との交渉の末に分割弁済・分割払いをすることで合意に至った場合には、重要なことはその合意内容を書面に残しておくことです。

このような分割弁済・分割払いを合意する書面を「分割弁済契約書」などと呼びます。

書面を残すことには、将来争いとなったときの証拠になるという重要な意味があります。これに加えて、債権者側にも債務者側にも次のようなメリットがあります。

重要なことは、分割弁済契約書は、決して支払を請求する側にとっての利益のためだけにつくるものではないということです。お金を返す側でも、合意内容は必ず書面に残しておきましょう。

共通のメリット:支払計画の証拠化

分割弁済・分割払いを書面化することについて、債権者・債務者に共通のメリットが、「支払計画を証拠化できる」ということです。客観的な証拠を残すことで、紛争の拡大を防ぐことができます。

特に、貸した証拠、借りた証拠が借用書のような形で残っていなかったり、現金手渡しで貸して領収書の交付もしていなかったりといったケースでは、分割弁済・分割払いの合意に至った時点で必ず書面化しておかなければなりません。

万が一、分割弁済・分割払いの履行ができなくなって裁判になった場合にも、一旦合意した内容を証拠により明らかにすることで、裁判での証拠の必要な争点を減らし、スピード解決を図ることができます。

債権者側のメリット:弁済をうながす効果

分割弁済・分割払いを書面化しておくことの債権者側のメリットとしては、裁判前であっても弁済をうながす効果がある点です。

口頭の約束に比べて書面による約束(特に押印した書面)に重きをおく日本社会では、「分割弁済契約書に署名押印をした」ということが心理的なプレッシャーとなり、履行うながす効果につながります。

さらに証拠としての効力を強め、履行を強くうながす効果のある方法として、公正証書にしておくことにより強制執行することを可能にしておくという方法があります。また、裁判所で即決和解を得るという方法もあります。

債務者側のメリット:支払計画以上の債務を負わない

分割弁済・分割払いを書面化しておくことの債務者側のメリットは、支払計画以上の債務を負わないということです。際限なく請求を続けられたり、違法な利息を支払わされたりすることは、適切な書面を準備しておけば回避することができます。

ただし、分割弁済契約書には、通常「期限の利益喪失約款」という条項がついていることが多いです。この条項は、一旦分割弁済の履行をおこたった場合に、分割弁済・分割払いをやめ、利息を含めて一括返済しなければならないことを定める条項です。

したがって、分割弁済・分割払いの約束どおりに進まなかったときに、どれほどのリスクを負うのか、契約書を注意してみておいてください。

分割弁済契約書を必ず作成する【書式・ひな形】

分割弁済・分割払い

債権者側において、分割弁済の約束をしたら書面化するのは当然ですが、債務者側においても、書面化しておくことにメリットがあると解説しました。

分割弁済契約書は、単なる支払の先延ばしではありません。支払う意思をしっかりと見せ、書面によって約束することで誠意を見せ、交渉の中で解決できるよう信用を回復する必要があります。

そこで次に、分割弁済契約書の書式・ひな形・記載例を示し、その内容について弁護士が解説します。

分割弁済契約書

A(以下「甲」という)とB(以下「乙」という)とは、甲の乙に対する借入金の返済について次のとおり合意した。

第1条
甲は、乙に対し、借入金XXX円及びこれに対する20XX年XX月XX日から20XX年XX月XX日までの間の年5%の割合による遅延損害金の合計XXX円の支払義務があることを認める。

第2条
甲は、乙に対し、前条の金員を下記支払計画に従って、分割して、乙の指定する口座に振り込む方法により支払う。なお、振込手数料は甲の負担とする。

⑴ 20XX年XX月から20XX年XX月まで、毎月末限りXX円
⑵ 20XX年XX月から20XX年XX月まで、毎月末限りXX円
⑶ 20XX年XX月末日限り、XX円

以上

第3条
甲が、前条の分割金の支払を一度でも怠ったときは、当然に前条の期限の利益を失い、乙に対して、第1条の金員から既払い額を控除した残額及びこれに対する期限の利益を喪失した日の翌日から年5%の割合による遅延損害金をただちに支払う。

第4条
甲及び乙は、本契約書を強制執行認諾文言付きの公正証書にすることに協力する。なお、公正証書作成費用は甲の負担とする。

第5条
甲は、乙に対し、甲の氏名、住所、電話番号、勤務先について正確に情報提供を行い、かつ、提供した情報に変更のある場合には、事前に連絡しなければならないものとする。

第6条
本契約に定めのない事項、または、本契約の各条項の解釈に疑義が生じたときは、甲及び乙は誠意をもって協議をする。

第7条
本契約に関する一切の紛争は、XX地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

甲及び乙は、本書面の通り合意が成立した証として、本書面を2通作成し、署名押印の上、各自1通を保管する。

20XX年XX月XX日

甲   (住所)       
    (名前)      ㊞
乙   (住所)       
    (名前)      ㊞

改正民法への対応(2020年4月1日施行)

分割弁済・分割払い

契約書についてのルールは、民法の債権法という部分に定めがあります。そして、この民法の債権法部分が近年大きく改正されており、2020年4月1日に改正後の民法が施行されています。

そのため、2020年4月1日以降に分割弁済・分割払いの合意をするときは、合意書・契約書などを改正民法に対応した内容としておかなければ、予想外の結果をまねくことともなりかねません。

そこで最後に、分割弁済・分割払いを交渉して、分割弁済契約書や合意書を作成するときに関連する「利息」と「保証」に関する民法改正後のルールについて解説します。

「利息」に関する民法改正

2020年4月1日に施行された民法改正では、法定利息・法定利率について、これまでの固定されたものから変動制に変更される改正がなされました。

民法改正前、法定利息・法定利率は、民事法定利率「年5%」、商事法定利率「年6%」と定められていました。しかし、市場金利とかけ離れたもので、実態にそぐわないため改正がなされました。

新しい法定利息・法定利率では、民事法定利率を「年4%」とし、その後は3年ごとに市場金利を加味して利率を見直して変動させることとなりました。あわせて、商事法定利率は廃止されました。

参 考
民法改正で法定利率・法定利息はどう変わる?【民法改正と契約書 第8回】

2020年4月より施行された改正民法(債権法改正)では、法定利率・法定利息について重要な変更がされました。 法定利率・法定利息とは、人からお金や物を借りる「消費貸借契約」などの契約において一般的に適用 ...

続きを見る

「保証」に関する民法改正

2020年4月1日に施行された民法改正では、事業用資金の保証契約についてのルールが定められました。

具体的には、有効な保証契約を締結するために、次の2つの条件が必要になることとなりました。

  • 保証人になろうとする者が、契約締結の前1か月以内に作成された公正証書で保証債務を履行する意思を表示すること(民法465条の6)
  • 保証契約締結時における主たる債務者の保証人に対する情報提供義務が履行されていること(民法465条の10)

事業用資金の貸付は高額なものとなりやすいため、保証人が思わぬ不利益をこうむることのないようにするための規制です。

これらの改正民法による規制は、貸付自体が民法改正施行前であっても、保証契約の締結が民法改正施行後である場合には適用されることとなります。

参 考
民法改正で保証の契約書はどう変わる?【改正民法と契約書 第6回】

今回の民法改正では、保証に関する規定が一部変更・追加されました。保証契約は、企業の事業運営において必須のものであるとともに、個人にとっても身近な契約類型でもあります。 債権法改正によって新たに追加され ...

続きを見る

「借金問題」は弁護士法人浅野総合法律事務所にお任せください!

分割弁済・分割払い

今回は、借りたお金が返せず、分割弁済・分割払いを交渉したい方に向けて、交渉する際のポイントや注意点と、合意に至ったときの分割弁済契約書の作成方法について、弁護士が解説しました。

分割弁済・分割払いの方法が適切かつ妥当なものでなければ、将来長期間にわたって借金に苦しくことともなりかねません。ひとたび署名押印してしまったとき、作成済の契約書・合意書をなかったこととすることはできません。

ご不安ごとがあるときは、分割弁済・分割払いの合意書に署名押印をする前に、ぜひ一度当事務所へご相談ください。

お問い合わせはこちら

法律問題にお悩みのすべての方へ。
弁護士法人浅野総合法律事務所まで、まずはお気軽にご相談くださいませ。
法律相談のご予約は、24時間受付しております。

03-6274-8370

お問い合わせ

お問い合わせ

法律問題にお悩みのすべての方へ。

弁護士法人浅野総合法律事務所まで、
まずはお気軽にご相談くださいませ。

法律相談のご予約は、
24時間受付しております。

03-6274-8370

お問い合わせ

-債務整理
-, ,

法律相談のご予約は、
 24時間お受付しております。 

03-6274-8370

お問い合わせ

© 2020 弁護士法人浅野総合法律事務所