交通事故

駐車場内での交通事故の対応方法と過失割合の注意点【弁護士解説】

お問い合わせはこちら

法律問題にお悩みのすべての方へ。
弁護士法人浅野総合法律事務所まで、まずはお気軽にご相談くださいませ。
法律相談のご予約は、24時間受付しております。

03-6274-8370

お問い合わせ

駐車場内の交通事故

交通事故というと、車同士が道路上でぶつかったケースを想像するかもしれませんが、思わぬところで交通事故被害に遭うことがあります。特に、駐車場内での交通事故のご相談をよく受けることがあります。

駐車場は、車が常に走っているものの、道路上ほど危険性がないと考えている人が多いために、むしろ交通事故被害が起こってしまいやすい危険な場所です。歩行者も車両も、駐車場内では油断しています。駐車場は基本的に私有地であることが多く、道路交通法の適用もありません。

このような駐車場内における交通事故の特殊性から、通常の交通事故にもまして、理解しておいていただきたい注意点や過失割合の特徴があります。

そこで今回は、駐車場内での交通事故被害にあってしまったときの具体的な対応方法と、過失割合の注意点について弁護士が解説します。

浅野総合法律事務所のアドバイス

駐車場内では車はゆっくりとしか走らないからといって危険がないと思わないでください。ゆっくりと走っている車でも、衝突すれば怪我をしたり、車両を損傷したりして法的トラブルが起こります。

むしろ、駐車スペースを探すことに集中している車両、スマホを見ることに夢中な歩行者により、駐車場内は交通事故の起こりやすい場所といえます。

「交通事故」弁護士解説まとめ

駐車場内の交通事故とは

駐車場内の交通事故

道路上を車両が走行するとき、前方に注視しながら法定速度を守って走行するのが当然です。しかし、駐車場内の場合には、道路交通法が適用されず法定速度がないこともあり、また、駐車区画を探しながら周囲を見回しながら進みます。

歩道や信号機などの設備が用意されていないことから、人も車両も動きが不規則になりやすく、突然の接触事故も起こりやすいです。

はじめに、このような駐車場内の交通事故の特殊性について弁護士が解説します。

道路交通法が適用されないことがある

個人用の駐車場や月極駐車場などは、私有地に設置されることが通常であり、この場合、駐車場内の事故について道路交通法が適用されません。つまり、厳密には「交通事故」とはいえないことになります。

これに対して、不特定多数の人が出入りする駐車場や、道路に設置されたコインパーキングなど、駐車場といえども道路交通法が適用されるケースもあります。

道路交通法が適用されるかどうかにかかわらず、起こった事故について、民法の不法行為に関する責任(民法709条)、自動車賠償責任法(自賠責法)の運行供用者責任を負うことには変わりありません。しかし、道路交通法が適用されていない場所では、人も車両も交通事故への意識が低く、お互いに過失があるとして、過失割合が大きな争点となりがちです。

加害者・被害者がわかりづらい

駐車場内においては、車両は駐車区画を探しながら駐車場内を回遊しますが、その際、車両や人の往来には常に気を払わなければなりません。そして、このことは、どの車両にも成り立つことであり、道路上の事故のように信号による優劣、道路幅による優劣などがつきづらいです。

そのため、駐車場内の事故、とくに車両同士の事故では、いずれも同様の義務を怠った過失があるとして、過失割合が認定されることが多くあり、50:50になることも少なくありません。過失割合が50:50になると、互いに相手の損害を賠償しなければならず、負った人損・物損の重さに応じて支払額が変わることとなります。

なお、駐車場内の事故でも、あきらかに幅広の通路を走行していた場合や、一方通行を逆走していた場合などには、過失割合に差がつくことはもちろんあります。

また、監視カメラの設置されていない駐車場、見通しの悪い駐車場や、暗い駐車場では、もらい事故で当て逃げされてしまうと、その後に加害者を追跡し、損害賠償請求をすることが困難になってしまうことがあります。

駐車場内の交通事故で、過失割合を検討する際の注意点

駐車場内の交通事故

駐車場内では、道路交通法の適用がありません。そして、駐車場内での交通事故は、道路上での交通事故ほどには数が多いため、裁判例の蓄積も道路上での交通事故ほどに多くはありません。

そのため、駐車場内の交通事故のこれらの特殊性を踏まえ、過失割合については、個別の事故状況・事故態様に応じて検討しなければならない場合が多くあります。

そこで次に、駐車場内の交通事故において、過失割合を検討する際の注意点を弁護士が解説します。

駐車場内のどこで交通事故が起こったか

第2のポイントは、駐車場内のどこで交通事故が起こったかによって、過失割合について異なった考え方が必要であるということです。特に、デパートやショッピングモール、商業施設内などの広い駐車場の場合、さながら道路上と同じように車が走っている通路もあります。

そのため、一言で「駐車場内の交通事故」といっても、駐車区画で起こった場合と通路で起こった場合とでは、分けて考える必要があります。

駐車区画は、車両が駐車するスペースであり、空いている駐車区画では常に車両の出入りを想定しなければなりません。歩行者が歩くことは限定的です。一方、2車両が1つの車両区画を取り合うことで接触事故が起きることもあります。

駐車場内の通路は、車両が駐車区画から駐車場外へ移動する際に徹ことが多く、歩行者用の通路などは整備されていないことから事故が起こりやすい状況です。狭く見通しの悪い通路では、車両同士の接触事故も頻繁に起こります。

車両か、歩行者か

第2のポイントは、事故の当事者が、車両か歩行者かによっても、過失割合の基準について異なった考え方が必要だということです。

車両は、見える範囲に歩行者がいるときは、注意して運転しなければなりませんし、いつでも飛び出しの危険があることからすぐ停止できるよう徐行をする必要があります。特に歩行者用通路やミラーなどの設備のない狭い駐車場では、車両の運転者には十分な注意が求められます。

このような考え方から、車両と歩行者とが交通事故を起こした場合には、駐車場の場合も道路上の場合も、基本的に車両の責任が重くなることが一般的です。

ただし、歩行者であっても、駐車場内の通路のように車が通ることが予測される場所で、スマートフォンに気を取られて前を見ていないなど、不注意がある場合には一定の過失割合が認められることがあります。

どちらに重い責任があるか

第3のポイントは、車両同士、歩行者同士、車両と歩行者のいずれのパターンの交通事故であっても、最終的に具体的な過失割合を決めるにあたっては、事故態様、事故状況を分析し、どちらに重い責任があるかを判断する必要だということです。

車両の運転手は、駐車場内においては、人や車と接触する可能性があることを想定し、いつでも停止できるような速度で運転しなければなりません。他方で、歩行者もまた、駐車場はあくまでも車が駐車するための施設ですから、自動車が走行してくることを想定し、注意をおこたらないようにしなければなりません。

これらの注意義務を怠った場合には、その過失の程度に応じて、交通事故の責任を負うこととなります。

駐車場内の交通事故の過失割合

駐車場内の交通事故

交通事故の過失割合のルールを定める別冊判例タイムズ38号(いわゆる「緑の本」)によれば、駐車場内の交通事故についての過失割合は、次のように定められています。

ただし、これらはあくまでも一般的な例であって、駐車場といっても、施設の規模、設備の有無、屋内か屋外かなど、具体的な環境は異なりますから、その注意義務の内容もまた、個別の事故に応じて検討する必要があります。

車両同士の駐車場内の事故(通路の交差部分)

第1に、車両同士が、駐車場内の通路の交差部分で出合い頭に衝突したケースについて、別冊判例タイムズ38号では、直進、右左折の区別なく過失割合を「50:50」としています。

これは、駐車場内において、交差部分に進入する車両の運転者は、高度の徐行義務を負い、どのような場合でも同等程度の義務を負うことを前提としているためです。

ただし、通路の幅が異なったり、明らかに片方が先に交差部分に進入していた、減速を一切していなかったなど著しい過失があったりするケースでは、過失割合を10%~20%程度の範囲で増減するものとしています。

車両同士の駐車場内の事故(駐車区画の出入)

車両同士の駐車場内の事故で、交差部分での衝突事故と同じくらい起きやすいのが、駐車区画からの出入りの際に起こる事故です。

駐車区画から出るときには、通路を他の車両が走行していることを想定して注意しなければならないため、通路を走行する車両と駐車区画から出る車両の衝突事故は、過失割合が「30:70」とされています。

これに対して、駐車区画に入ろうとしている車両があるとき、通路を走行している車両はこれに配慮して減速、停車しなければなりません。そのため、通路を走行する車両と駐車区画に入る車両の衝突事故は、過失割合が「80:20」とされています。

車両と歩行者の駐車場内の事故

駐車場内では、車両は常に、人が車から乗り降りしたり、歩行したりしていることを想定して、いつでも停止できるよう徐行していなければなりません。一方で、駐車場は車が駐車するための施設ですから、歩行者としても車両の走行に注意しなければならないのは当然です。

そのため、車両と歩行者の駐車場内の事故では、歩行者にも過失があるものと考えられ、原則として「10%」の過失相殺がなされこととなっています。

その他、以下のような事情があるとき、歩行者側の過失相殺の割合について修正がなされることとなっています。

隣接区画での乗降あり -10%
歩行者が児童・高齢者 -5%
歩行者が幼児・身体障碍者 -10%
車両側に著しい過失・重過失あり -10%
歩行者の急な飛び出し +10%

駐車場内の交通事故被害にあった直後の対応

駐車場内の交通事故

駐車場内の交通事故の場合に、「駐車場で事故に遭うはずがない」「飛び出てくる車などいるはずがない」と思って高をくくっていた人ほど、あわてふためき、パニックになってしまうことがあります。

しかし、道路上で交通事故を起こしたとき、相手方を助けたり、警察を呼んだりなど、やらなければならないことが多いのと同様、駐車場内の交通事故被害にあってしまったときにも、事故直後の対応がとても大切です。平時からきちんと理解し、いざというとき焦らないよう準備しましょう。

事故直後の対応は、次のとおりです。優先順位をつけてスピーディに対応しましょう。

負傷者の救護・危険の除去

交通事故の相手方が負傷している場合には、道路交通法上、救護をおこなう義務があります。私有地内の駐車場で道路交通法が適用されない場合でも、救護を要するときにはおこなうべきです。自分が負傷して動けない場合には、無理せず救護を待つようにしてください。

あわせて、二次被害が生じたり、事故の被害が拡大してしまったりしないよう、事故現場の危険を除去する必要があります。車両を安全な場所に移動させたり、周囲に事故があったことを知らせたりといった対応が必要です。

警察への連絡

最優先となる負傷者の救護、危険の除去が完了したら、警察に連絡をしてください。

被害者側、加害者側いずれであっても、「警察に言わず、大事にしないようにして解決しよう」といった姿勢はお勧めできません。きちんと記録に残し、事案に即した適切な解決を求めるようにしてください。

事故状況の証拠収集

交通事故直後に、事故状況の証拠収集を行うようにします。特に、お互いの車両にできた傷の位置や確度、損傷状況、現場状況やタイヤ痕などを、写真撮影することにより証拠化します。

特に、駐車場内の交通事故では過失割合が争いとなることが多いため、事故直後に収集した証拠が、有利な解決のために役立ちます。

合わせて、後日の示談交渉のため、交通事故の相手方の名前、連絡先を聞いておくようにしてください。

人身被害の証拠収集

駐車場内の交通事故によって怪我をしてしまったときは、現場でできる以上の対応が終わったらすぐに医者の診断を受け、治療を開始してください。

事故直後に診断を受け、治療を開始することで、交通事故と怪我との因果関係を立証しやすくするとともに、できるだけ後遺障害なく治癒する可能性を上げることにつながります。

将来的には、相手方に治療費、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料などの金銭を請求する可能性があるため、通院履歴、レシート、交通費の明細、診断書など、人身被害の証拠を必ず収集しておきます。

保険会社への連絡

交通事故現場でおこなう優先度の高い対応がすべて終わったら、保険会社に連絡をします。保険会社には、事故状況を具体的に伝えておくようにしてください。

自分が加害者側となって保険金を支払わなければならない場合はもちろん、自分が被害者側であっても車両保険など使用できるサービスがあったり、弁護士費用特約に加入している場合には弁護士に依頼するために必要であったりと、いずれにせよ保険会社の協力は必須となります。

駐車場内の交通事故被害の示談の流れ

駐車場内の交通事故

駐車場内で、第三者の車両・人との間で事故を起こしてしまったときには、話し合いをおこない、示談をすることが必要です。

駐車場内でおこってしまった交通事故を、示談により解決することによって、互いの責任の割合を決め、被害を回復することができるからです。話し合いで解決が困難な場合には、ADRや訴訟などの法的手続きに移行します。

駐車場内の交通事故では、道路上の交通事故に比べてスピードがそれほど出ておらず、被害がそれほど大きくならないことがあります。目に見えた怪我などはなく、車の傷だけが被害となることもしばしばです。

しかし、その場で相手方から示談を持ちかけられても、すぐに示談してしまったり、相手方の連絡先も聞かずに一定の金銭をもらって別れたりといった解決策はお勧めできません。

というのも、駐車場内の交通事故では、過失割合について争いとなることが多く、相手方が持ち掛けてきた示談が、必ずしも有利な内容とは限らないためです。また、交通事故による怪我は、事故直後はアドレナリンが出ていて痛みがなくても、後から痛くなってむちうち症になったり、脳への影響が見つかったりといったことがあります。

駐車場内で起こった交通事故における示談の流れは、次のとおりです。

請求する損害の算出

示談交渉を有利に進めるためには、まず「適正な損害賠償額・慰謝料額はいくらか」を計算しておきましょう。そのため、人身事故の場合には、症状が固定するまで、人損についての示談交渉は行いません(物損についての示談交渉は先行して行うことができます)。

具体的な損害賠償額には、次のようなものがあります。

損害賠償の費目

物的損害
  • 車両の修理費
  • 車両の買い替え費用
  • 代車費用
  • 破損した積み荷・服などの修理費用
人的損害(積極損害)
  • 治療費
  • 通院交通費
  • 付添介護費
人的損害(消極損害)
  • 休業損害
  • 後遺障害の逸失利益
人的損害(精神的損害
  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料

なお、損害賠償額の計算方法には、自賠責基準・任意保険基準・裁判所基準(弁護士基準)の3つの基準があり、裁判所基準(弁護士基準)が最も高額であり、かつ、妥当な被害回復です。

保険会社からの提示額は、自賠責基準や任意保険基準などの低い金額であることが多いですが、裁判所で争えば勝ち取れるはずの裁判所基準(弁護士基準)で計算した金額で請求をしなおすことがお勧めです。

交渉による示談

請求すべき慰謝料額を算出したら、まずは交渉によって示談が可能かどうか、話し合いを行います。

交渉の結果、示談金額がまとまり合意に至った場合には、合意書・承諾書などの書面を作成し、賠償額の支払を受けます。

裁判による解決

交渉による示談が決裂した場合には、裁判によって損害賠償請求訴訟を行います。

なお、駐車場内での交通事故のうち、過失割合などに大きな争いがあり、紛争が拡大しているものについては裁判となる可能性が高いですが、金額の争いに過ぎない場合など、紛争を迅速に解決すべき場合にはADR制度の利用なども検討できます。

「交通事故被害」は浅野総合法律事務所にお任せください!

駐車場内の交通事故

今回は、駐車場内で交通事故を起こしてしまったとき、及び、駐車場内での交通事故の被害にあってしまったとき、法的に注意しておくべき知識を弁護士が解説しました。

交通事故にあわないことが一番ですが、実際、駐車場内では気が緩みやすく、交通事故の被害は多発しています。そして、道路上の事故に比べて、目に見える被害が少ないことも多く、法律的な解決をきちんとおこなわずにないがしろにされがちです。

何よりも、一般的な道路上で起こる事故と同様に、迅速かつ適切な対応が、駐車場内での事故でも必要だと理解してください。

駐車場内の交通事故被害についてお悩みの方は、ぜひ一度当事務所へ法律相談ください。

「交通事故」弁護士解説まとめ

お問い合わせはこちら

法律問題にお悩みのすべての方へ。
弁護士法人浅野総合法律事務所まで、まずはお気軽にご相談くださいませ。
法律相談のご予約は、24時間受付しております。

03-6274-8370

お問い合わせ

お問い合わせ

法律問題にお悩みのすべての方へ。

弁護士法人浅野総合法律事務所まで、
まずはお気軽にご相談くださいませ。

法律相談のご予約は、
24時間受付しております。

03-6274-8370

お問い合わせ

-交通事故
-,

法律相談のご予約は、
 24時間お受付しております。 

03-6274-8370

お問い合わせ

© 2020 弁護士法人浅野総合法律事務所