「求人サイトに無料で掲載しませんか?」という営業電話を受けることがあります。人手不足の企業ほど、「無料」に惑わされて契約してしまう人もいます。しかし、「無料」を装って安心させ、後から高額な請求をする「無料求人広告の詐欺トラブル」が急増しています。
以下の「無料求人広告の詐欺のよくある手口」に1つでも当てはまるなら、無料求人広告を装った詐欺や悪徳業者である可能性を疑ってください。
詐欺や悪徳業者の手口は巧妙化しているので、自衛のためにも、よくある手法や対処法を理解する必要があります。今回は、無料求人広告に潜むリスクと具体的な詐欺の手口、被害に遭ったときの対処法について、弁護士が解説します。
無料求人広告の詐欺トラブルとは
少子高齢化による労働力人口の減少を背景にして、人手不足が加速しています。知名度のない中小企業は、大手との求人競争に敗れ、十分な応募を確保できずに困っている経営者も多いでしょう。
この中小企業の弱みに付け込み、「求人広告を無料で掲載できる」などと甘い罠を仕掛け、後から多額の費用をだまし取ろうとするのが、無料求人広告詐欺のトラブルです。
実際の相談例は、次のようなケースです。
突然、求人広告会社を名乗る男性から営業電話が掛かってきました。代表が不在だったので事務が電話を受けたところ、次のような勧誘を受けました。
- 「2週間の掲載が無料になる」
- 「有料になる前に解約すれば費用はかからない」
- 「解約のタイミングは責任をもって知らせる」
優しく説明されたため安心し、担当者の指示に従って申込書にサインし、FAXで送りました。
しかし実際は、申込書の裏に、よく見なければわからない小さな文字で「自動更新条項」「キャンセルに関する厳しいルール」が書かれていました。
多忙で忘れていたところ、突然封書が届き、「更新されたので、掲載料30万円を請求する」と記載されていました。慌てて電話で「解約したい」と伝えても「既に期限を過ぎているので、3ヶ月分の掲載料を支払ってもらう」と強く詰められました。
このような典型的な手口による無料求人広告の勧誘をめぐるトラブルは、行政や弁護士会も注意喚起しているように、悪質な詐欺の一種であることは明らかです。
無料求人広告の詐欺のよくある手口
次に、無料求人広告詐欺のよくある手口について解説します。
手口が巧妙だと、通常の求人広告の営業と見分けるのが難しいものです。以下の特徴に当てはまるときは、「悪徳業者なのではないか」と疑い、慎重に対応してください。
「無料」を強調する勧誘
無料求人広告の詐欺トラブルの根幹は、「無料でサービスを利用できる」「無料期間のみで終了するので費用は生じない」と誤解させる点にあります。
飛び込みの電話やFAXを通じて行われる悪徳業者の勧誘では、「無料」という点が必ず強調されます。例えば、次のような言葉を使って巧みに誘ってきます。
- 「無料サービスだから費用はかからない」
- 「有料になる前に解約すればよい」
- 「解約のタイミングには必ず連絡する」
詐欺をはたらく悪質な業者は、「なぜ無料なのか」という疑問や不安への回答も用意しており、例えば「完成したばかりの求人サイトのモニターだから」「掲載社数を増やしてアクセスを増やしたいから」といった説明がよく使われます。
契約を急がせる
無料求人広告詐欺をはたらく悪徳業者は、必ずといってよいほど契約を急がせます。焦って契約させるのは、契約書や申込書に小さな文字で書かれた「有料プランへの移行」「中途解約の制限」といった文言に着目させないためです。
以下のように急かされたら、無料求人広告を装った詐欺を疑ってください。
- 「◯社限定のサービス」
- 「今月だけの限定キャンペーン」
- 「申し込まないと他社に枠を取られる」
- 「本日中に契約しなければこの話はなかったことに」
当事務所の相談例で、担当者が会社を訪問したり、対面での打ち合わせや説明をしたりするケースはありません。複数社に無差別に営業し、引っかかる「カモ」を狙う手法なので、一社の勧誘に時間をかけられないからです。その代わり、申込書を勝手にFAXしたり、契約を迷っていると何度も電話したりと、しつこく勧誘します。
誤解を生じさせやすい説明
求人広告の詐欺トラブルでは、誤解を生じやすい説明をされます。「本当に完全無料だろうか」と誰しも不安を抱くでしょう。担当者に確認しても「費用はかからない」と断言されますが、実は、申込書や契約書の裏に、重要な説明が、小さな文字でわかりづらく書かれています。
- 解約期限内に申出をしなければ自動更新される
- 自動更新後は有料プランに移行する
- 中途解約のルール(◯日前までに、所定の書式で送らなければならないなど)
- 定めたルールに基づく解約でなければ解約できない
いずれも大切な契約条件なので、契約時にしっかりと説明し、見やすい文字で書いておくのが適切です。「見落として契約させたい」という悪意のある場合、無料求人広告詐欺をはたらく悪徳業者で間違いありません。悪質なケースは、契約書にも記載されず、「別紙の通り」とした上で後からFAXや郵送で送る事例もあります。
解約に応じてくれない
軽い気持ちで悪徳業者と契約すると、その後は解約に応じてくれません。契約をした途端に連絡が取りづらくなるのは、詐欺業者の典型的なやり方です。
「対面で署名する」といった堅苦しい方法でなくても、FAXや郵送で申込書を送付するだけで、法的には契約が成立します。悪質な業者ほど、無料期間終了時のキャンセルを阻止し、有料契約に移行させるため、次のような手口を駆使します。
- 業者指定の方法でしか解約に応じない
- 解約用の電話番号が繋がらない
- 所定の解約書式が期間満了日まで送られてこない
- 解約方法が煩雑で理解しづらい
解約できないからといってそのままにしておくと、期限を過ぎた途端に「自動更新され有料契約になった」と主張し、高額な掲載料を請求してきます。
無断で勝手に更新される
無料求人広告の詐欺では、解約期限を過ぎると契約が自動更新され、有料契約に切り替えられます。契約書や申込書の裏面にも「期限を過ぎると自動的に有料契約になる」「更新後は途中解約できない」といった内容が、細かい文字で記載されており、抗議しても、次のように反論されます。
- 「自動更新は契約書に記載されている」
- 「契約時にきちんと読まない方が悪い」
- 「有料契約に切り替わることは十分に説明した」
- 「サインした時点で全て同意したことになる」
相談例では、営業DMに見せかけたFAXや封書で解約通知書を送る悪質なケースもあります。誤って破棄されることを狙って、あえて派手な広告DMのようなデザインとする巧妙な手口の一つです。
求人広告の効果は全くない
無料求人広告の詐欺トラブルの相談で、「広告の効果があった」という話は全く聞きません。むしろ、無料期間中に一件の問い合わせもない例ばかりです。そして、初回の契約時は過大にアピールしていたのに、掲載料を請求した後には次のような反論をしてきます。
- 新たなサイトのモニター契約と説明したはずだ
- 継続しなければ効果検証ができない
- 目立つ位置に掲載するには有料オプションが必要
- 求人内容に魅力がないのが原因だ
掲載されたサイトをチェックすれば、詐欺のために作った陳腐なサイトであり、アクセスが増えないのも当然だと納得できるでしょう。
良質なサービスなら、無料で満足させ、継続利用してもらおうとするのが通常です。効果のないサービスを継続する人はいないので、無料期間に応募が一件もない時点で、悪質な詐欺か、そうでなくても「受ける価値のないサービス」なのが明らかです。
無料求人広告詐欺のターゲットになりやすい企業や業種
無料求人広告詐欺に遭いやすい企業にも特徴があります。詐欺のターゲットになりやすい理由に該当する場合、特に慎重になるべきです。
無料求人広告詐欺をはたらく違法業者は、ハローワークの求人票、求人媒体の広告などをリストとして、知識のなさそうな中小企業を狙い撃ちします。その理由には、中小企業や個人事業主にありがちな事情が背景となっています。
- 社内リソースが不足している
中小企業は、専門知識やノウハウを有する人がおらず、業者の説明を鵜呑みにしてしまうことが多いです。 - コストを抑えたい意識が強い
中小企業ほど資金力が不足し、「コストを抑えたい」という欲求が強く、契約内容を十分に確認しないまま「無料」に釣られがちです。 - 法律知識が欠如している
契約書に関する法律知識が欠如していることも、中小企業が詐欺の対象になりやすい理由の一つです。法務部もなく顧問弁護士もいないと、契約書を事前にチェックすることもできません。
以上の理由から、中小企業ほど悪徳業者に付け入られる隙が大きいです。一方で、人手不足が深刻化していると、冷静な判断を欠いてしまいます。よく相談のあるのは、「労働集約型」のビジネスである業種、例えば、飲食店、介護事業所、クリニック、美容室、保育園などです。
無料求人広告詐欺の被害に遭ったときの対処法
次に、残念ながら、無料求人広告詐欺の被害に遭ってしまったときの対処法を解説します。悪徳業者の言うなりになって払ってしまうのではなく、トラブルの解決実績が豊富な弁護士に相談してから対処するのが重要です。
請求には絶対に応じない
しつこい請求に屈して広告費や掲載料を払ってはいけません。不当な要求は断固拒否しましょう。支払ってしまうと、たとえ詐欺でも、取り返すのは相当な苦労となります。
無料求人広告詐欺の巧妙なのは、「高額だが払えなくはない」という金額を請求してくる点です。あきらめて渋々払う人がいると、詐欺はなくなりません。「騙される人が悪い」という考えは間違っています。
弁護士に相談する
無料求人広告の詐欺トラブルでは、「契約書に書いてある」「事業者としてサービス提供を受けた」といった法的な主張を武器にします。そのため、対抗するにはこちらも法律知識を活用しなければならず、弁護士に相談するのが適切です。
無料求人広告の問題が難しいのは、警察に相談しても、ビジネス取引上のトラブルに見えるため「民事不介入」として相手にされず、消費者センターなどでも「事業者だから」という理由で取り上げてもらえないおそれがあることです。
詐欺であることの証拠を収集する
次に、無料求人広告の勧誘が詐欺であったことの証拠として、以下の資料を集めておいてください。
- 勧誘時のやり取りの録音
- 最初に連絡を受けた書面(FAXや郵送物など)
- 業者とのやり取りの録音、メールの写しなど
- 契約書、申込書、規約など
- 求人情報が実際に掲載されたサイト
- 掲載料や広告費の請求書
内容証明で支払いを拒絶する
無料求人広告の詐欺トラブルに遭うと、「契約時に説明したかどうか」といった点で業者と意見が食い違うことでしょう。「言った・言わない」の水掛け論になると、証拠がきちんと残っていないとトラブルが拡大してしまいます。
過ぎたことは仕方ないにしても、これからの支払い拒否や解約は、全て証拠に残して進める必要があり、連絡は必ず内容証明で行ってください。内容証明は、到着日や内容について郵便局に記録が残るため、万が一裁判となったときに証拠として活用できます。
内容証明で伝える主張は、「無料求人広告詐欺に対抗するための法的主張」を参照してください。
悪徳業者とのやり取りを記録する
詐欺業者の社名や連絡先がわからない匿名の営業でも、解約はメールやSMSなど、記録に残る形で伝えて証拠化しましょう。電話しか手段がないときは、一部始終を録音することで記録してください。
トラブルの発生から現在に至るまでの時系列をメモにすることは、弁護士に相談する際にも役立ちます。
裁判で争う
請求に応じず、支払いを拒否すれば、次は業者が対応を考える番です。
まっとうなサービスなら、対価の未払いは訴訟で争うのが適切です。一方で、詐欺業者は、裁判で自らの違法行為が明るみに出るのを嫌うため、断固として支払う意思がないと伝えれば、請求をあきらめる可能性は高いです。
なお、勧誘方法に問題はあるが「詐欺」とまでは言い切れない業者は、訴訟を提起してくるケースもあります。このとき、詐欺であると考える理由を法的に整理し、訴えられる前に内容証明で伝えていることが裁判でも有利にはたらきます。
無料求人広告詐欺に対抗するための法的主張
無料求人広告詐欺に遭った場合、悪徳業者と対抗し、適切に交渉するためには、法的な主張を知る必要があります。以下では、無料求人広告の詐欺トラブルにおいて、被害を受けた人が知っておくべき基本的な法律知識を解説します。
なお、消費者契約法や特定商取引法といった、消費者を保護するための法律は、「事業者であるから適用されない」といった反論を受けることがあるので、どのような意思表示にも適用される民法のルールに従って主張するのが適切です。
法律上の解約手段に制限はない
悪質な詐欺業者は、契約書や申込書に解約のルールを定め、「指定の方法でしかキャンセルを受け付けない」「所定の書式でないと解約できない」などと主張します。
しかし、法律上は、どのような方法でも、相手に意思が伝われば解約の効果が生じます。電話やメール、チャットなど、いずれの方法でもよく、一方的に限定することはできません。なお、解約方法に制限はないものの、証拠に残るように内容証明でするのが最善です。
契約の不成立を主張する
無料求人広告詐欺では、焦らされ、説明もされず、書面を読む時間もなくサインしてしまうケースがありますが、契約時の説明が不十分な場合、そもそも契約が成立していないと主張できます。
「契約」は当事者間の合意であるところ、内容を理解せずにした意思表示は無効であり、契約が成立していないと考えることができます。この場合、契約自体が不成立なので、有料契約に移行することもなく、書面に小さく書かれたルールや注意事項も適用されません。
錯誤を理由に契約を取り消す
民法95条は、契約の重要な部分について認識を誤ってした意思表示は、取り消すことができると定めます。これを、法律用語で「錯誤」と呼びます。被害者の誤解を招く不適切な勧誘による無料求人広告詐欺では、錯誤によって広告掲載の契約を取り消すことができます。
民法95条(錯誤)
1. 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
2. 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
3. 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
4. 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
民法(e-Gov法令検索)
詐欺を理由に契約を取り消す
民法96条は、騙されてした意思表示を取り消すことができると定めます。これを、法律用語で「詐欺」と呼びます。無料求人広告の勧誘が実態と異なっているときや、事後的に見て契約時の説明が嘘だったとき、詐欺を理由として広告掲載の契約を取り消すことができます。
民法96条(詐欺又は強迫)
1. 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2. 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3. 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない
民法(e-Gov法令検索)
公序良俗違反で無効だと主張する
民法90条は、公序良俗に反する契約が無効であると定めています。公序良俗とは、「公の秩序又は善良の風俗」のことで、わかりやすくいうと非常識な契約を無効にするルールです。
無料求人広告詐欺において、被害者の誤解を狙ってわざと読みづらい字で書いたり、中身のないサービスを高額で提供したり、責任追及を免れるために会社名や責任者を記載しなかったりといったやり方は、一般的な契約の常識に反することが明らかです。
民法90条(公序良俗)
公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。
民法(e-Gov法令検索)
債務不履行を理由に契約を解除する
無料求人広告詐欺では、「サービスに満足して掲載費を払ってもらおう」という気持ちはなく、被害者を騙して不当に利益を得ようとします。そのため、勧誘時に約束された効果は期待できません。
当初約束した通りの効果が出ていなければ、「契約上の債務を履行していない」と主張して、債務不履行を理由に契約を解除することができます。これにより、今後の求人広告の掲載を中止するよう伝え、将来の費用請求をさせないことも重要です。この場合、あわせて債務不履行によって被った損害の賠償を求めることもできます。
無料求人広告の詐欺を未然に防ぐための対策
次に、無料求人広告の詐欺による被害を未然に防ぐための対策を解説します。
無料求人広告の詐欺トラブルは、人手不足の深刻化によって登場した「新しい詐欺」です。そして、有名な手口に対策が講じられると、新たな手法が考え出されて巧妙化していきます。特に、無料求人広告詐欺は、通常の求人広告を装っており、まともなサービスと区別しづらい難点があります。
業者の評判や口コミを調査する
無料求人広告の勧誘を受けたら、その業者が信頼できるか、事前に評判や口コミを調査して確認することが重要です。詐欺が疑われるなら、業者名やサービス名をインターネットで検索し、口コミサイトや掲示板、SNSの評判をチェックしましょう。「◯◯(業者名) 詐欺」「◯◯ トラブル」「◯◯ 口コミ」などのキーワードで検索すれば、被害者の体験談や低評価の口コミを発見できます。
なお、詐欺を繰り返す業者の中には、社名を変えて営業している例もあります。このとき、社名やサービス名が変わっても、本店所在地やサイトのURLが同じであることが多いです。バーチャルオフィスや私書箱を利用しているケースもあるので、所在地についても検索して調べてください。
契約書の内容を確認する習慣をつける
契約を結ぶ前に、契約書や申込書をしっかりと確認しておけば、詐欺に遭うリスクを減らすことができます。無料求人広告の加入を受けたときは、次の点を確認してください。
- 最初の契約期間
- 無料から有料に切り替わる条件
- 無料プランに含まれる範囲やサービス内容
- 有料プランの金額やサービス内容
- 解約期限、解約手続きの方法
不明点や疑問がある場合、必ず「契約をする前」に確認をし、明確な回答が得られないなら契約を避けるべきです。
無料サービスの範囲を知る
「ただより高いものはない」という教訓の通り、ビジネスである以上、無料にできる範囲には限界があります。良いサービスに相応の費用が生じることは、自社に置き換えてみれば分かることです。
適切な企業のサービスなら、「永久に無料」なわけがなく、「無料で十分な効果を実感できたら、有料契約にしてほしい」と勧誘するはずです。このことを理解せず、必要以上に「無料」を強調する甘い誘いに乗ってしまうと、思わぬ追加費用を請求されるリスクがあります。
不審な勧誘には応じない
そもそも、少しでも不審な点のある勧誘には、応じてはいけません。業者の勧誘や営業トークに惑わされないよう、冷静に判断することが重要です。少しでも聞く素振りを見せてしまうと、強引に契約を進められ、後戻りできない事態に追い込まれる危険もあります。
少なくとも、自社のサービスや求人効果に自信があるなら、契約前に十分な説明を行い、料金体系についても明確に説明するのが当然です。判断に迷うときには、無理に契約を進めず、一旦持ち帰って検討するようにしてください。
無料求人広告詐欺を弁護士に相談する方法と弁護士費用
当事務所には、無料求人広告詐欺の被害について多くの相談が寄せられます。なぜ、悪質な詐欺ビジネスが無くならないのか。それは、騙されて支払ってしまう人が少なくないからです。残念ながら詐欺被害に遭ってしまっても、断固として支払わない姿勢が大切であり、自分で対処するのが難しいときは弁護士に相談するのが賢明です。
当事務所では、無料求人広告の詐欺について、悪徳業者に対して、被害者に代わって内容証明を送付するサービスを提供します。弁護士への相談には、次の通り多くのメリットがあります。
- 法的に正しい主張ができる
無料求人広告の詐欺トラブルに対応した経験を豊富に有する弁護士が、依頼者の状況に応じて、法律知識に基づいた正しい主張を行います。 - 強い覚悟を示すことができる
弁護士に依頼すれば「裁判になっても払わない」という強い姿勢を示せます。万が一訴えられて裁判になっても、継続してサポート可能です。 - 自分で対応する必要がない
弁護士が窓口になって全ての対応を一任することで、その後は自分で対応する必要はありません。
無料求人広告詐欺だと判明しても、拒絶するのには勇気がいります。しつこい連絡や嫌がらせに負け、「払えない額ではない」「高い勉強代だ」などとあきらめて払ってしまう人もいます。しかし、資金を提供すれば、詐欺業者を撲滅することはできず、新たな被害を生んでしまいます。「騙しやすいカモだ」と思われると、リストや名簿に登録され、次の詐欺に活用される危険もあります。
当事務所に、無料求人広告の詐欺被害を依頼する費用は、次の通りです。
相談料(対面) | 1時間11,000円 |
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相談料(電話・ZOOM) | 30分11,000円 |
内容証明の作成・送付 | 1社あたり11万円 |
- 相談前に資料検討を要するときは、別途費用をいただいております。
- 初回と2回目の相談は、上記費用にて実施しております。ご依頼いただかない場合、3回目以降の相談料については別途のお見積もりとさせていただいております。
- 複数の業者に騙された場合、まとめて依頼いただくときは合理的な費用に調整することがあります。
無料求人広告詐欺のよくある質問
最後に、無料求人広告詐欺についてのよくある質問に回答しておきます。
自分のケースは詐欺に当たる?
無料求人広告詐欺の手口は巧妙化しているため、典型的なケースに該当しなくても詐欺である可能性は大いにあります。少なくとも、納得いかない形で広告料や掲載料を請求された場合は、詐欺である可能性を疑ってください。
請求された広告費や掲載料を払う必要がある?
無料求人広告詐欺の場合、契約自体が無効、または、詐欺や錯誤を理由として取り消すことができるため、請求された広告費や掲載料を払う必要はありません。
むしろ、詐欺と判明したのに請求された費用を支払うことは、悪徳業者に資金を提供するに等しく、更なる被害者を生みかねません。したがって、詐欺の疑いがあるなら、徹底して支払いを拒否すべきです。
悪徳業者との対応を弁護士に依頼するとどうなる?
弁護士は、悪徳業者の責任を追及し、支払う必要のないことを法的に主張した内容証明を送付することによって、支払いを拒否します。
弁護士が介入した後は、直接連絡することは許されていません。そのため、その後に業者から連絡が来たとしても、全て拒否して構いません。なお、しつこい連絡が業務妨害に当たる場合には、警察への通報を検討してください。
まとめ
今回は、無料求人広告詐欺について、注意点と対処法を解説しました。
「無料で求人広告を掲載できる」という勧誘は、コストを抑えて求人を進められるように思え、人手不足の中小企業にとっては特に魅力的に映ることでしょう。しかし、悪徳業者による詐欺被害が急増している現状を理解しなければなりません。被害を防ぐには、無料求人広告詐欺のよくある手口を知り、「詐欺ではないか」と疑って慎重に対応する必要があります。
勧誘のときには「無料」と宣伝し、焦って契約をさせ、後から「自動更新」を主張して高額の請求をしてくるのが典型的な手口です。不審な点がある勧誘には乗らず、契約を急がずに冷静に判断してください。万が一被害に遭ってしまったときも、弁護士に相談し、支払いを拒絶するのが大切です。