
担当弁護士
久保川真
- 相談者
男性・40代後半・会社員 - 事案の概要
依頼者と妻の間には3人の子供がいましたが、かねてから夫婦間の不和があったことから、妻が子供を連れてシェルターに避難し、別居しました。その後、妻から離婚調停と婚姻費用の分担請求調停が申し立てられたのを受け、依頼者からは親子交流調停(面会交流調停)を申し立てました。当方では、子供に一定の判断力が備わる年齢であること、子供と依頼者の関係が良好であったことを主張し、調査官による調査を経た結果、父子の交流を認める審判が下されました。
ご依頼時の状況
依頼者と妻の間には3人の子供がいました。
夫婦間の対立が激化した結果、夫婦喧嘩の翌日、妻が子供を連れてシェルターに避難し、別居しました。妻はその後、裁判所に離婚調停と婚姻費用の分担請求調停を申し立てましたが、子供と会えない状態が続いていたことから、依頼者は当事務所へ相談し、親子交流調停(面会交流調停)を申し立てることとなりました。
なお、妻は依頼者から暴力を振るわれたと主張していました。一方で、依頼者の認識は、妻からスマートフォンを取り上げられたことで口論になった際に手が触れただけというものでした。シェルターに保護された事実はあったものの、具体的な経緯を丁寧に説明し、妻側の主張が子供との交流の制限に不当に結びつけられることは回避できました。
弁護士による対応と解決結果
弁護士による対応
妻が子供を連れてシェルターに避難した経緯、そして妻が依頼者から暴力を振るわれたと主張していたことは、面会交流の実現にとって障壁となり得ました。
当事務所は、暴力の主張について、実際にはスマートフォンを取り上げられた際の偶発的な接触に過ぎず、双方の認識が食い違っている上、確実な証拠も存在しないことを丁寧に整理し、この主張が親子交流の支障にならないよう、調停委員に詳しく説明しました。
また、子供は15歳、12歳、10歳であり、いずれも一定の判断力を備えた年齢に達していました。特に、15歳の長男については、その意思が法的にも重視される年齢に達していたことを踏まえ、3人それぞれと依頼者との関係が良好であったことを、具体的な事情を交えて主張しました。
解決結果
こうした働きかけの結果、家庭裁判所調査官による調査が実施され、3人の子供それぞれの意向が確認されるとともに、依頼者との関係に特段問題がない旨が調査報告書に盛り込まれていました。そして、裁判所は、当方の主張や調査官の報告書の内容を踏まえ、依頼者と子の親子交流(面会交流)を実施すべきという内容の審判が下されました。
担当弁護士(久保川)のコメント

本事案の特徴として、依頼者と子の面会が速やかに認められた点が挙げられます。
経緯からすると、妻が夫から暴力を振るわれたと主張し、子供を連れてシェルターに避難した事情は、父子の交流の妨げになるおそれがありました。
また、本事例では、妻が離婚調停と婚姻費用の分担請求調停を申し立て、強硬に争っていることも、紛争を激化させる要因となりました。こうした紛争の経緯に左右されず、依頼者にとって最優先である子供との面会を実現することを目標として親子交流調停(面会交流調停)を申し立て、まずは子供との面会の実現から始めるよう、調停委員に強く働きかけたことが功を奏しています。
結果的に、家庭裁判所や調停委員も、離婚の合意には相当な期間がかかることを理解し、親子交流(面会交流)を先に判断することとなりました。
本事案のように、離婚に際しては、依頼者やその配偶者だけでなく、子供を含めた家庭全体の将来に大きく影響するデリケートな判断が下されます。そのため、弁護士は、依頼者が本当は何を期待しているか、最優先の目標は何かを丁寧に聴取することを心がけています。
参考となる解説

