
担当弁護士
窪木稔
- 相談者
男性・50代後半・会社役員 - 事案の概要
離婚調停および婚姻費用の分担請求調停を申し立てられました。妻は、過去の暴力、子への厳しい指導を理由に離婚を求めており、復縁は困難な状況でした。当事務所は、依頼者が自身の問題点を正面から認め、謝罪の手紙の作成、婚姻費用への誠実な対応、息子との親子交流(面会交流)を通じた関係修復を進めるよう助言しました。その結果、妻側は調停を取り下げ、復縁に向けた話し合いを再開できる状況となりました。
ご依頼時の状況
既に妻から離婚調停と婚姻費用分担調停を申し立てられた後で当事務所へ相談しました。
妻は、長年にわたる暴言や暴力、依頼者から子供に対する厳しい対応を理由に夫婦関係の修復は不可能であると考えており、復縁は極めて困難な状況と見込まれました。
依頼者は修復を希望していたものの、過去の行為を踏まえると、単に復縁の意思を伝えるだけでは、状況の改善は期待できませんでした。そのため、当事務所では、調停での対応を助言するとともに、謝罪の手紙の作成、DV加害者更生プログラムへの参加、婚姻費用への誠実な対応、子供との信頼関係の再構築など、総合的に行動の変化を示していく方針を示し、依頼をお受けしました。
弁護士による対応と解決結果
弁護士による対応
当事務所では、復縁を目指す以上、言葉だけで反省を伝えるのではなく、客観的に「変化」が伝わる対応を積み重ねることが重要であると考えています。そのため、依頼者には、DV加害者更生プログラムを継続するだけでなく、その中で得た気づきや再発防止策を具体的に整理し、調停委員を通じて相手方へ伝えるようアドバイスしました。
また、相手への謝罪の手紙には、単なる復縁の要望ではなく、過去の暴力や暴言を真摯に認め、相手が抱えてきた恐怖や苦痛への理解を示し、自身の考え方がどのように変化したのかを丁寧に記載するよう、内容を添削しました。調停の過程では、息子への手紙も作成しました。
婚姻費用についても、必要な資料を速やかに提出し、誠実に対応することを心がけ、長男との親子交流(面会交流)では、従来のような指導的な姿勢ではなく、信頼関係の回復を優先した関わり方を提案しました。
解決結果
一つひとつの対応を継続した結果、相手にも依頼者の変化が徐々に伝わり、離婚を前提とした話し合いではなく、夫婦関係の改善を検討する姿勢が見られるようになりました。最終的に、相手方は調停を取り下げるに至り、関係修復の話し合いを当事者間で進めることとなりました。
本件は、決して短期間で解決した事案ではありません。一度失われた信頼を取り戻すには、それなりの年月が必要です。あきらめず、過去の問題から目を背けることなく、自らの行動を継続的に改め、誠実な対応を積み重ねたことが、調停の取下げという結果につながりました。
担当弁護士(窪木)のコメント

離婚調停に発展した場合、一度失われた信頼を回復することは容易ではありません。
特に、DVが要因となった事案では、「反省しています」「やり直したい」という言葉だけでは、相手方や調停委員の理解を得ることは困難です。本件では、過去に一度復縁しているにもかかわらず同様の問題が繰り返されていたため、相手方の不信感は極めて強いものでした。
そのため、こちらの主張を強く伝えること以上に、依頼者が自身の行為を悔いていることを、継続的な行動で示せるよう助言しました。謝罪の内容、調停での受け答え、婚姻費用への対応、子への関わり方など、一つひとつの対応に一貫性を持たせることで、「反省が行動に表れていること」を調停の場で伝えられた点が、本件の結果につながったと考えています。
離婚調停では、復縁を希望するあまり、自身の思いを強く訴えることに終始する方は少なくありません。しかし、相手が求めるのは将来への約束ではなく、現在の具体的な行動の変化です。本件は、調停の進め方や書面作成はもちろん、依頼者の行動そのものを改善していくサポートに尽力した結果であるといえます。
参考となる解説

