弁護士法人浅野総合法律事務所は、情報技術(IT)、情報通信技術(ICT)など、新しい法律分野にも積極的に取り組んでいます。
インターネットが広く普及し、インターネットや情報システムについての問題が多く起こっているにもかかわらず、法律、裁判例の整備は、十分とは到底言えない状況です。そして、プロバイダ責任制限法、電子契約法、電子署名認証法、不正アクセス禁止法、個人情報保護法など、重要な法律が次々と作られ、規制ルールは刻一刻と変化します。
インターネット問題についての法律トラブルは、複雑で多岐にわたります。ネットビジネストラブル、オークショントラブルなどの取引トラブル、IT企業特有のリーガルリスクから、著作権、プライバシー侵害、誹謗中傷、名誉棄損などの不法行為、インターネット犯罪まで、個人でも法人でも気にしておかなければなりません。
インターネットに関する法律問題を理解し、ネットトラブルに遭ってしまったときの正しい解決策を提供するため、当事務所ではプロバイダへの削除請求、発信者情報開示請求をはじめ、多くの知識、経験を蓄積しています。
誹謗中傷、名誉棄損
インターネットが一般に普及することにより、個人による情報発信が容易になりました。特に、匿名掲示板やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の登場により、名前を明かさずに、匿名での情報発信を行う機会が増加しました。
しかし、特定の人物に対する誹謗中傷を、公開の場で表現することは慎まなければなりません。軽はずみな発言が拡散されると、名誉棄損となります。名誉棄損について、民事上の責任として損害賠償請求の対象となり、かつ、名誉棄損罪という刑法上の犯罪となり、刑事罰を受けるおそれもあるからです。
また、インターネット上には特有の「ネットマナー」「ネチケット」があることがあります。掲示板には一種の「社会」が形成されていることがあり、マナーを守らない書込みが、必ずしも法律違反でなかったとしても炎上の原因となるおそれがあります。
弁護士法人浅野総合法律事務所では、誹謗中傷、名誉棄損の対象となってしまった被害者側の代理人として、次に解説するプロバイダに対する削除請求、発信者情報開示請求といった手続きを活用し、情報の発信者を特定して責任追及をするサポートを取り扱っています。
インターネット上の情報発信は、複製が容易で拡散力が高いため、早急な対応が必要です。そして、情報発信は匿名と思われがちですが、実際にはIPアドレス、タイムスタンプなどを追いかけることにより、相当程度は技術的に特定が可能です。
削除請求
インターネットで誰でも手軽に情報発信を行えるようになった反面、誹謗中傷、名誉棄損をはじめとして、情報の流通による権利侵害も容易となりました。権利侵害の被害にあったとき、プロバイダ責任制限法(プロ責法)に定められたプロバイダに対して、削除請求(送信防止措置依頼)を行います。
削除請求は、まずは各プロバイダの利用規約などで指定された窓口に対して、送信防止措置依頼書を送付する方法によって行います。
任意交渉による削除請求が認められない場合には、裁判所における仮処分という法的手続きによって、速やかな削除請求を求めます。
弁護士法人浅野総合法律事務所では、プロバイダ責任制限法の要件を理解し、権利侵害態様にあわせて、権利侵害を受けた側の被害が最小限となるよう、早急に削除されるよう請求します。また、安易な情報発信により責任追及をされてしまった侵害者側の相談も承っています。
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発信者情報開示請求
削除申請をするとともに、侵害者を特定し、責任追及をすることも重要です。インターネット上の情報発信の多くが匿名でなされているため、発信者の実名や住所などを知ることによって、度重なる嫌がらせ、誹謗中傷を防止する効果があるからです。
プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求は、発信者開示請求書により、自己の権利が侵害されていることを主張、立証し、プロバイダに発信者情報の開示を求めます。ただし、プロバイダは、プライバシー保護の観点から、発信者に対しても意見聴取を行わなければならないことを原則としており、任意に発信者情報が開示されることはそれほど多くはありません。
任意交渉により発信者情報が開示されないときは、裁判所における法的手続きを利用します。
この際、削除請求と異なり、発信者情報開示請求の場合、インターネットへのアクセスの経路を逆順に辿ることによってIPアドレスなどの調査を行い、発信者の氏名、住所などを追いかける方法によって行います。発信者が特定できたら、情報発信によって負った精神的苦痛を理由に、慰謝料請求を行います。
インターネット上の著作権トラブル
インターネット上では、情報の複製、送信が容易であるため、著作権が侵害されやすい状態にあります。
著作権とは、創作的な表現を保護する権利です。インターネット上では、情報の複製、送信が容易にできることから、多くの人が、知らず知らずのうちに他人の著作物である文章、画像、動画、音楽を転載するなどして、違法な著作権侵害行為を行ってしまっていることが少なくありません。
弁護士法人浅野総合法律事務所では、侵害の対象となった著作権者の立場から、著作権侵害に対する差止請求、侵害者に対する損害賠償請求のサポートを取り扱っています。
著作権には財産的な価値があり、特に会社が事業用に作成したものの著作権を侵害されると、会社の売上が激減しかねない大きな損失を負います。そのため、インターネット上の著作権侵害には、早急な対処が重要です。
- 競合他社が、自社の作成した図表、写真、グラフと酷似したものをホームページにアップロードしたことに対する著作権侵害の差止請求、損害賠償請求
インターネット上のプライバシー問題
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の普及により、個人であっても自由に表現活動をすることができるようになりました。Facebook、Twitter、Instagramなど、新しいSNSは次々と出現しています。
しかし、SNSの利用のしかたを誤れば、プライバシー侵害の問題が起こるおそれがあります。SNSは、友人に向けた内容の投稿であっても、閲覧権限の変更を怠っていると、情報が公開されてしまっているおそれがあります。私生活の情報や写真を、勝手にインターネット上に後悔すると、プライバシー侵害となります。
また、多くのアプリサービスでは、氏名、住所、電話番号などの個人情報を収集、保存していることがあります。更には、購入履歴などをビッグデータとして活用することもあります。
事前に承諾のない個人情報の収集は違法行為となるおそれがあるため、利用規約などを確認しておくとよいでしょう。意識しないうちに個人情報を収集され、更には、その情報がインターネット上で流出、漏えいしてしまう事態に備えて、自己防衛が重要です。
インターネット上の取引トラブル
インターネットが普及し、インターネットを利用した取引が普通のこととなりました。通信販売、ネットオークションなどのインターネット上の取引は、ネットのつながる環境であればどこでも取引でき、スマートフォンでも簡単に決済できるという利便性がある反面、トラブルも増加しています。
民法、消費者契約法、景品表示法、クーリングオフ制度など、インターネットを介した取引以外にも適用される法律はもちろんのこと、インターネット取引にあわせて制定された電子契約法、特定商取引法における通信販売規制などの法規制を知っておくことは、利用者だけでなく事業者側にとっても非常に重要です。法律だけでなく、事業者独自の返品ルール、ノークレームノーリターンルールなどにも注意が必要です。
インターネット上の取引では、売り手と買い手の距離が離れていたり、互いの顔が見えなかったりといった理由で、オフラインの取引にはない特有のトラブルが起こりやすくなります。
具体的には、インターネットオークションで金銭を支払ったのに、商品が送られてこなかった、通信販売で購入した商品が写真と印象がまったく違った、といった行き違いによる取引トラブルです。
- 通信販売で購入した商品が、全く使い物にならない状態であったことを理由とした代金返還請求訴訟
- 詐欺サイトによる金銭詐取への対応、クレジットカード情報、ID、パスワードなどの情報漏えいの防止
インターネット犯罪
インターネットの普及に伴い、オンライン上でも犯罪行為が行われるようになりました。これが、インターネット犯罪です。インターネット犯罪は、犯人の特定が容易ではないケースもあることから、被害者側において適切な対処をとることが困難なことがあります。
また、意識しないうちにインターネットを介した違法行為に加担し、自分が犯罪者側となってしまうリスクもあります。例えば、電子メールを利用するにあたり他人のパソコンをウイルスに感染させるメールを送ってしまったり、興味本位で不正アクセス禁止法に違反するID、パスワードの悪用を行ってしまったりするケースがこれにあたります。
オンラインゲームアカウントの乗っ取り行為、SNSアカウントのなりすまし行為、他人のシステムへの不正アクセスなどは、インターネット特有の違法行為です。
このほか、児童ポルノのアップロード、わいせつ無修正動画のアップロード、無修正アダルトチャットの配信、ハメ撮り画像の流出によるリベンジポルノ、ファイル共有ソフトによる著作権侵害など、オフラインでも行われていた犯罪が、インターネット上で行われることにより、より巧妙な手口に進化した犯罪行為もあります。
弁護士法人浅野総合法律事務所では、インターネット犯罪の加害者側の立場においても、刑事弁護の見地から弁護活動を行う豊富な経験があります。