刑事事件の被害に遭い、弁護士に相談・依頼する場合には弁護士費用がかかります。
「刑事事件」というと加害者側の弁護をイメージしがちですが、犯罪の被害者側も、加害者との示談交渉、被害届の提出や告訴、刑事裁判への参加、損害賠償請求など、弁護士のサポートを要するケースは少なくありません。事件の内容や進行状況によって必要な手続きも変わるため、まずは法律相談で今後の見通しを整理することが重要です。
当事務所では、ご依頼前に弁護士費用を分かりやすく説明することを心がけています。また、事件の内容や収入・資産などの要件を満たす場合、被害者参加人のための国選弁護制度や民事法律扶助といった公的な援助も利用できます。
まずは法律相談で必要なサポートを確認
犯罪の被害に遭った場合、時期や状況によって必要な対応が異なります。
例えば、被害発生直後は、被害届の提出や告訴、証拠の確保などが重要です。捜査中であれば、警察や検察との連絡や加害者からの示談申入れへの対応、加害者が起訴されて刑事裁判が始まった後は、被害者参加制度の利用や意見陳述などを検討できます。また、刑事事件とは別に、加害者に対する慰謝料などの損害賠償を請求する場合もあります。
そのため、まずは法律相談で、事件の内容や現在の状況、加害者側とのやり取り、希望などを詳しく聴取し、どのような対応が必要かを整理することが大切です。
当事務所の刑事事件の被害者側に関する法律相談料は、以下の通りです。
| 法律相談料 | 初回相談 無料/30分 |
|---|
- 相談前に資料検討を要するときは、別途費用をいただいております。
- 30分経過後も相談を継続される場合、30分ごとに5,500円となります。
- 2回目の相談からは、1時間11,000円となります。ご依頼いただかない場合、3回目以降の相談料については別途のお見積もりとさせていただいております。
- 事案の内容によって、有料相談となる場合があります(予約時に説明させていただいております)。
刑事事件の被害者側の弁護士費用(サポート内容別)
刑事事件の被害者側で、弁護士に依頼できる内容は多岐にわたります。
よく依頼があるのは、加害者との示談交渉、告訴、警察への付添い、刑事裁判への被害者参加、損害賠償請求などのサポートです。犯罪の種類や内容、捜査や裁判の進行状況、被害者の希望によっても異なるため、以下から、希望の手続きに応じた費用をご確認ください。
加害者側との示談交渉
刑事事件の被害に遭うと、加害者や弁護人から、示談の申入れを受けることがあります。
加害者側にとって示談の成立は、刑事処分に関連する重要な情状となります。示談が成立すれば、身柄釈放や不起訴処分、執行猶予を含めた軽い処分などの可能性が高まるため、弁護活動の一環として、早期の示談を求められるケースは少なくありません。
しかし、提示された示談金や条件が、被害内容に照らして妥当なものとは限りません。このとき、被害者側も弁護士に依頼することで、加害者側との連絡を任せて精神的な負担を減らしながら、示談金額や接触禁止などの条件交渉をすべきです。
当事務所の示談交渉に関する弁護士費用は、以下の通りです(なお、「経済的利益」とは、示談金として獲得した金額を指しますが、既に加害者側から提案を受けている場合は、弁護士の介入によって増額した部分とすることがあります)。
| 示談交渉 | 着手金:22万円 報酬金:経済的利益の22% |
|---|---|
| 示談書のチェック | 手数料:11万円 |
- 被害者側にも非があるケースなど、救済の必要性が小さいと判断する場合は別途見積りとなります。
- 示談の状況や相手の提案、被害者側のご希望により、固定の報酬金を設定する場合があります。
被害届・告訴など捜査機関への対応
犯罪の被害に遭った場合、被害者側でも捜査機関への対応が必要となることがあります。
警察や検察といった捜査機関が十分な対応をしないとき、被害届の提出や事情聴取への対応、場合によっては告訴を検討するケースがあります。特に、告訴をする場合、単に告訴状を提出するだけでは捜査機関から事実上受理を拒まれるおそれがあるため、犯罪事実や証拠を整理し、警察・検察に受理するよう強く求める必要があります。
当事務所の被害届・告訴などに関する弁護士費用は、以下の通りです。
| 告訴(簡明な事案) | 着手金:33万円 報酬金:33万円 |
|---|---|
| 告訴(通常の事案) | 着手金:44万円 報酬金:44万円 |
| 告訴(難解な事案) | 着手金:55万円 報酬金:55万円 |
| 検察審査会への申立て | 着手金:44万円 報酬金:44万円 |
- 事案の難易度は、被害の程度や法定刑の重さ、弁護士の業務量や受理される可能性などによって、総合的に判断します。
- 警察署や検察庁などへの同行には、日当が発生します。
- 各段階ごとに、業務量の目安を設定しています。
- 報酬金は、告訴状が捜査機関によって受理された際に発生します。
警察署などへの付き添い
告訴までは希望しないものの、被害届の提出や警察での事情聴取に不安がある場合、弁護士が捜査機関へ付き添うことも可能です。
当事務所の警察署などへの付き添いの弁護士費用は、以下の通りです。
| 初回の付き添い(都内) | 手数料:11万円 |
|---|---|
| 初回の付き添い(都内以外) | 距離に応じて別途見積もり |
- 示談交渉に移行する場合には、前段階の業務量を考慮して、次段階の着手金を半額程度に割引します。
被害者参加のサポート
一定の重大犯罪の被害者やその遺族は、被害者参加制度の利用が可能です。
被害者参加制度の対象となる主な犯罪は、殺人や傷害など、故意に人を死傷させた罪、不同意わいせつ罪、不同意性交等罪などの性犯罪があります。
被害者参加では、刑事裁判の公判期日へ出席したり、一定の事項について証人尋問や被告人質問を行ったり、事実や法律の適用についての意見陳述を行ったりできます。弁護士に依頼すれば、制度利用の申出から公判期日への同行、質問や意見の検討までサポートできます。
当事務所の被害者参加のサポートの弁護士費用は、以下の通りです。
| 被害者参加 | 着手金:33万円 報酬金:なし |
|---|
- 示談交渉から移行する場合には、前段階の業務量を考慮して、次段階の着手金を半額程度に割引します。
- 裁判手続きに同行する場合には、出廷日当が発生します。
- 各段階ごとに、業務量の目安を設定しています。
損害賠償命令のサポート
一定の重大犯罪では、刑事裁判の手続きを利用して損害賠償を求めることが可能です。
損害賠償命令制度の対象となる主な犯罪は、被害者参加制度の対象事件のうち、交通事故などの業務上過失致死傷、自動車運転過失致死傷等を除外した事件です。
当事務所の損害賠償命令のサポートの弁護士費用は、以下の通りです。
| 損害賠償命令 | 着手金:22万円 報酬金:経済的利益の22% |
|---|
- 示談交渉から移行する場合には、前段階の業務量を考慮して、次段階の着手金を半額程度に割引します。
- 裁判手続きに同行する場合には、出廷日当が発生します。
- 各段階ごとに、業務量の目安を設定しています。
損害賠償請求
犯罪によって身体的・精神的・経済的な損害を被った場合、刑事事件の手続きとは別に、加害者に対して民事上の損害賠償を請求できます。請求できる損害は事件によって異なりますが、治療費、休業損害、慰謝料、逸失利益などが争点となります。
弁護士に依頼すれば、損害額や証拠を整理した上で、加害者との交渉や民事訴訟などによる請求を進めることができます。
当事務所の損害賠償請求に関する弁護士費用は、以下の通りです。
| 損害賠償請求 | 着手金:22万円 報酬金:経済的利益の22% |
|---|
刑事事件の被害者側の弁護士費用はいくら?具体例で解説
刑事事件の被害者側の弁護士費用は、どのようなサポートを依頼するかにより異なります。
例えば、加害者側から示談の申入れを受け、弁護士に示談交渉を依頼し、100万円の示談金を受け取ったケースでは、弁護士費用は次のように計算することができます。
- 示談金:100万円
- 着手金:22万円
- 報酬金:22万円(100万円×22%)
- 弁護士費用合計:44万円
- 弁護士費用を差し引いた受取額:56万円
示談交渉では、着手金に加え、実際に得られた示談金などに応じた報酬金が発生します。
これに加え、被害届の提出や告訴、被害者参加、損害賠償命令、民事上の損害賠償請求といったサポートを依頼する場合、それぞれ費用が生じます。ただし、複数の依頼をする場合、業務量を考慮して着手金の割引などの調整をすることがあります。
加害者側に弁護士費用を請求できるケース
刑事事件の被害に遭ったのに、弁護士費用がかかるのは納得いかないでしょう。
しかし、被害者側だからといって、弁護士費用を全て加害者へ請求できるわけではありません。例えば、示談交渉や刑事手続きへの対応を依頼しても、被害者の負担となるのが原則です。
ただし、加害者に不法行為に基づく損害賠償請求を行い、民事訴訟で賠償責任が認められた場合、認容された損害額の1割程度が、弁護士費用相当額として損害と認められるのが裁判実務です。また、早期の示談成立のために、加害者側が弁護士費用の負担を提案してくることは少なくなく、不利益を被らないよう、費用負担も考慮した示談金額や解決条件を交渉すべきです。
弁護士費用を誰が負担するかは、示談、訴訟などの段階に応じて異なりますが、「被害を受けた立場にある」ということを加味し、損のないように対応しなければなりません。
刑事事件の被害者側で弁護士に依頼するメリット
刑事事件の被害者側で弁護士に依頼すると、加害者との交渉を任せられるだけでなく、捜査や刑事裁判への対応、損害賠償請求などについても専門的なサポートが受けられます。
加害者側との示談交渉を任せられる
刑事事件では、加害者やその弁護人から、謝罪や示談の申入れを受けることがありますが、犯罪の被害を受けたのに直接対応することは精神的な負担になります。また、提示された示談金や条件が適切かどうかを判断するにも、法律や裁判例の知識が必要となります。
刑事手続きに適切に関与できる
犯罪の被害者には、捜査機関に意見を伝えたり、一定の事件では被害者参加制度を利用して刑事裁判に参加したりする機会があります。弁護士のサポートを受けることで、警察・検察とのやり取りや被害者参加、意見陳述などの場面でも、適切な対応をすることができます。
民事的な側面で被害回復を検討できる
刑事事件で加害者が処罰されたとしても、それだけでは被害者の治療費や慰謝料などが支払われることはなく、被害回復は十分ではありません。弁護士に依頼すれば、刑事手続きへの対応だけでなく、示談交渉や損害賠償命令、民事上の損害賠償請求なども含め、刑事・民事の両面から被害回復の方法を検討することができます。
弁護士費用が払えない被害者向けの公的な援助制度
犯罪被害者の中には、経済的な事情から弁護士費用の負担が難しい方もいます。事件の内容や収入・資産などの要件に応じて、公的な援助制度を利用できる場合があります。
犯罪被害者等法律援助(犯罪被害者等支援弁護士制度)
犯罪被害者等支援弁護士制度は、殺人や性犯罪などの一定の重大な犯罪の被害者やその家族などを対象として、弁護士による支援を受けられる制度です。一定の要件を満たす場合、法律相談だけでなく、捜査機関への同行、加害者側との示談交渉など、幅広い支援を受けられます。
被害者参加人のための国選弁護制度
被害者参加制度を利用して刑事裁判に参加する場合、資産300万円以下など、一定の資力要件を満たす被害者参加人は、裁判所に国選被害者参加弁護士を選定してもらうことができます。弁護士の報酬・費用は国が負担します。
民事法律扶助
犯罪被害による慰謝料や治療費などについて加害者に損害賠償請求を行う場合、一定の資力要件を満たす場合、法テラスの民事法律扶助を利用できます。この制度では、弁護士費用などを法テラスが立て替えて支払い、利用者が分割で返済することとなります。
なお、民事法律扶助は弁護士費用が当然に無料になる制度ではありません。ただし、生活保護を受給している場合など、一定の要件を満たせば立替金の返済が免除されることがあります。
刑事事件の被害者側の弁護士費用に関するよくある質問
最後に、刑事事件の被害者側の弁護士費用について、よくある質問に回答します。
加害者側から示談を申し入れられる前でも相談できる?
刑事事件の被害者側からの相談は、どの段階でも可能です。
まだ捜査が開始されていなくても、加害者側から示談を申し入れられる前でも、弁護士に相談して全体の見通しを知ることは有益です。示談の申入れを待つ必要はなく、被害届や告訴、捜査機関への対応を進められます。また、被害者と加害者で事実関係の認識に違いがあるケースでは、証拠の収集は、犯罪被害に遭った直後に行うべきです。
まだ犯人が逮捕されていなくても弁護士に相談できる?
犯人が特定・逮捕されていない段階でも、弁護士に相談するメリットがあります。警察への被害申告や告訴、証拠の確保などは、法律の専門知識をもとに対応すべきだからです。むしろ、事件の初期段階だからこそ、相談が必要となる場面もあります。
示談金を受け取ってから弁護士費用を支払える?
弁護士に依頼する際の費用には、着手金と報酬金があります。着手金は、依頼時に支払うのが原則ですが、報酬金は、示談成立後、加害者から受け取った示談金から精算できます。なお、示談金の支払いが確実なケースなどは、着手金の後払いが可能な法律事務所もあるため、事案に応じて弁護士に相談してください。
損害賠償請求にも法テラスを利用できる?
法テラスの民事法律扶助は、刑事手続そのものに対する支援としては利用できませんが、加害者に対して民事上の損害賠償を請求する場合は、資力要件を満たせば利用できます。また、刑事手続に関する支援としては、前述の犯罪被害者等法律援助(犯罪被害者等支援弁護士制度)や被害者参加人のための国選弁護制度を利用できます。
