相続問題や遺言に関するトラブルは、家族の法律問題の中でも特に高額な争いになりやすく、親子や兄弟姉妹などの親しい間柄であっても、トラブルが激化しやすい難しい問題です。当事務所に相続問題や遺言について相談する際の、遺産相続の弁護士費用はいくらかかるか、ご説明します。
誰にとっても身近な問題である相続や遺言について、円満な解決を目指すには、家事事件に精通した弁護士のサポートが欠かせません。感情的な対立が深刻なケースほど、弁護士の客観的なアドバイスと適切なサポートが有効です。
相談料について
相続問題は、親族間での複雑な話し合いが必要となり、感情的な対立が生じやすい分野です。当事務所では、初回の法律相談を通じて、現在の状況やご不安な点をしっかりと伺い、円満な解決に向けた方針をご提案いたします。
初回相談では、相続人や相続財産の確認、遺産分割の流れ、遺言書の基本などについて丁寧に説明し、今後の進め方や注意すべきポイントをアドバイスします。相続トラブルになる前でも、早めに相談した方が、相続対策を講じる時間を確保することができます。
相談料 | 1時間11,000円 |
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- 相談前に資料検討を要するときは、別途費用をいただいております。
- 初回と2回目の相談は、上記費用にて実施しております。ご依頼いただかない場合、3回目以降の相談料については別途のお見積もりとさせていただいております。
遺産分割サポートの弁護士費用
ご家族が亡くなると、残された相続人は相続財産(遺産)を分割する必要があります。争いなくスムーズに分けられるのが理想ですが、遺産の内容や評価額、分け方について意見が分かれると、協議や調停、審判などの手続きが必要となります。
遺産分割の争いについて弁護士にご依頼いただくことで、直接の交渉を避け、親族間の感情的な対立を軽減しながら、円満な解決に導くことができます。
代理交渉
弁護士が代理して交渉する場合の費用は、次の通りです。
サービス内容 | 着手金 | 報酬金 |
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遺産分割協議 | 33万円 | 33万円+経済的利益の11% |
遺産分割調停 | 44万円 | 44万円+経済的利益の11% |
遺産分割審判 | 44万円 | 44万円+経済的利益の11% |
遺産分割の前提問題に関する訴訟 | 44万円 | 44万円+経済的利益の11% |
- 協議から調停、審判というように移行する場合は、前段階の業務量を考慮して、次段階の着手金を半額程度に割引いたします。遺産分割の前提問題に関する訴訟を解決後に遺産分割のその他のサポートをご依頼いただく場合にも、合理的な調整を行います。
- 調停・審判・訴訟の場合には、出廷日当が発生します。
- 各段階ごとに、業務量の目安を設定しています。
遺産分割協議書の作成
相続人間に争いがなくても、遺言がなければ、遺産承継のためには遺産分割協議書を作成する必要があります。遺産分割協議書は、法的な不備のないよう、弁護士に依頼するのがお勧めです。
遺産分割協議書の作成 | 11万円 |
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公正証書化 | 8万8,000円 |
- 既に遺産分割について合意が成立している必要があり、他の相続人との調整を要する場合には対象外となります。
相続放棄の弁護士費用
相続する遺産には、資産だけでなく負債も含まれます。資産に比べて負債が大きいときは、相続放棄を検討してください。相続放棄は、家庭裁判所に申述することで成立しますが、手続きには期限があり、煩雑な準備を要することもあるため、弁護士に依頼するのがお勧めです。
当事務所に、相続放棄をご依頼いただく場合の弁護士費用は、以下の通りです。
相続放棄 | 11万円 |
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- 放棄する相続人が1名追加されるごとに、手数料が5万5,000円追加となります。
遺言書の作成にかかる弁護士費用
生前に行う相続対策の中でも、特に優先度が高いのが遺言書の作成です。遺言を残しておくことで、できるだけ自分の希望に沿った相続を実現できるからです。
遺言書を作成していない方や、自筆証書遺言のみをお持ちの方は、相続対策として不十分であったり、最悪の場合は遺言が無効と判断されたりといったリスクがあります。弁護士のサポートを受けて公正証書遺言を作成することが、リスク回避に効果的です。
遺言書作成(定型) | 11万円 |
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遺言書作成(オーダーメイド) | 55万円 |
公正証書化 | 8万8,000円 |
- 遺言書作成(定型)とは、所定の書式を利用して、相続人の状況、財産の状況をお聞きして修正を加え、2時間程度の業務を目安として作成可能なものをいいます。
遺留分侵害額請求の弁護士費用
民法に定められた法定相続人のうち、兄弟姉妹以外の人は、法定相続分の一定割合が「遺留分」として保証されています。そのため、遺言や生前贈与などによって遺留分を下回る遺産しか得られなかった場合、遺留分侵害額請求権(旧遺留分減殺請求権)を行使することで、遺留分に不足する額を、他の相続人や受贈者に請求することができます。
当事務所に、遺留分侵害額請求の争いをお任せいただく際の弁護士費用は、以下の通りです。
経済的利益 | 着手金 | 報酬金 |
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300万円以下 | 8.8% | 17.6% |
300万円超〜3,000万円以下 | 5.5%+9万9,000円 | 11%+19万8,000円 |
3,000万円超〜3億円以下 | 3.3%+75万9,000円 | 6.6%+151万8,000円 |
3億円超〜 | 2.2%+405万9,000円 | 4.4%+811万8,000円 |
相続トラブルになる前の弁護士費用
相続問題が将来発生しそうなご家族がいるときは、できるだけ早めに、相続問題に精通した弁護士のサポートを受け、相続対策を実施することが重要です。相続の開始まで、可能な限り時間があった方が、有効な対策を多く講じられるからです。
相続調査の弁護士費用
近い将来に相続が発生しそうなとき、早急に相続対策に着手すべきです。どのような対策が適切かを検討するには、相続人や相続財産について調査することが必要です。相続対策に必須となる調査のことを、「相続調査」と呼びます。土地や建物などの不動産が遺産に含まれるとき、思いのほか高額の相続財産が存在するケースもあります。
当事務所に、相続調査をご依頼いただく際にかかる弁護士費用は、以下の通りです。
相続調査(簡明な事案) | 11万円 |
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相続調査(通常の事案) | 22万円 |
相続調査(難解な事案) | 相続財産の1.1% |
- 事案の難易度は、遺産額や想定される業務量などによって総合的に判断します。
- 簡明な事案とは、相続人が少数で、かつ、財産額が少額であり、短期間で調査が終了するケースのこと、難解な事案とは、相続人が多数であったり行方不明者がいたり、隠された財産が存在したりなど、複雑な調査を要するケースを指します。
- 相続調査(難解な事案)は、手数料の下限を55万円とします。
- 必要に応じて、登記取得料などの実費や、税理士、司法書士など専門家に依頼するための報酬を要します。
相続対策コンサルティングの弁護士費用
死後に争いの火種を残さないよう、生前からしっかりと相続対策しておくことが重要です。初回相談だけで解決するケースもありますが、遺産が多額な場合などには、継続的に状況を把握し、必要な対策を随時検討すべきです。
相続対策コンサルティングでは、弁護士を中心として、税理士への相続税の相談、司法書士への相続登記の相談などを含め、提携する専門士業と共に、総合的なサポートをすることができます。
相続対策コンサルティング | 月11万円 |
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- 各段階ごとに、業務量の目安を設定しています。
- 必要に応じて、登記取得料などの実費や、税理士、司法書士など専門家に依頼するための報酬を要します。
遺産整理・承継の弁護士費用
相続人間に争いがない場合でも、相続手続きは必要です。「遺産をどう分配するか」に争いがない場合、弁護士は遺産の承継のみを担当し、相続関係図や財産目録、遺産分割協議書を作成し、財産の名義変更を行います。この場合、相続人全員の依頼により、中立の立場で相続についてアドバイスし公正な分配手続きのみ担当するため、争いがある場合より安価にご依頼いただけます。
遺産整理・承継(簡明な事案) | 55万円 |
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遺産整理・承継(通常の事案) | 77万円 |
遺産整理・承継(難解な事案) | 相続財産の1.1% |
- 事案の難易度は、遺産額や想定される業務量などによって総合的に判断します。
- 簡明な事案とは、相続人が少数で、かつ、財産額が少額であり、短期間で遺産承継が終了するケースのことを指します。なお、難解な事案の中で、相続人間に争いを生じる可能性のあるものについては、遺産整理・承継の対象外であり、遺産分割サポートをご依頼いただく必要があります。
- 相続調査(難解な事案)は、手数料の下限を88万円とします。
- 必要に応じて、登記取得料などの実費や、税理士、司法書士など専門家に依頼するための報酬を要します。