人事労務

雇用調整助成金の新型コロナウイルスに関する特例措置の拡充まとめ

2020年6月2日

お問い合わせはこちら

法律問題にお悩みのすべての方へ。
弁護士法人浅野総合法律事務所まで、まずはお気軽にご相談くださいませ。
法律相談のご予約は、24時間受付しております。

03-6274-8370

お問い合わせ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大にともない、経済が停滞し、休業に至る会社が多く出てきています。このような緊急事態にともない、雇用調整助成金について特例措置による拡充が行われています。

雇用調整助成金は、休業に至る会社ができる限り雇用を維持し、失業者を出さないための重要な助成金です。

新型コロナウイルスに関する特例措置は、具体的には、緊急事態宣言の出される直前である2020年4月1日から2020年6月30日までを「緊急対応期間」として、要件を緩和したり助成内容を手厚くしたりして、雇用調整助成金の活用を推進する内容です。

今回の解説は、雇用調整助成金の新型コロナウイルスに関する特例措置をまとめて紹介し、これによって新型コロナウイルス禍を乗り越えるための弁護士解説です。

本解説は、新型コロナウイルス禍の影響を受け、「法律面」において企業や個人がどのようなリスクを負うか、また、どのように事前のリスク回避、事後対処をしたらよいかについて、「法律」の専門家である弁護士の立場から解説したものです。

そのため、医療情報を提供するものではなく、新型コロナウイルスに関する医学的な側面の知識を提供するものではありません。

新型コロナウイルスに関する「法律面」以外の情報については、内閣官房ホームページの最新情報などをご参照ください。

浅野総合法律事務所のアドバイス

新型コロナウイルスの感染拡大の非常事態を乗り切るため、雇用調整助成金の見直しは随時おこなわれています。

今後も、状況に応じた制度の変更、申請様式の変更などが予想されますので、申請時の最新情報を確認して進めるようにしてください。

「新型コロナウイルスに関する法律問題」弁護士解説まとめ

雇用調整助成金とは?

会社が、その雇用する労働者を会社側の理由によって休ませた場合には「休業手当」を支払わなければなりません。そして、労働基準法(労基法)によれば、労働者保護のため、休業手当の支払額は、平均賃金の6割以上でなければならないとされています。

休業手当について定める労働基準法(労基法)の次の条文によれば、会社が労働者に休業手当を支払うべきケースは「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合」とされています。

労働基準法26条(休業手当)

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

しかし、休業をして売上があがっていない会社にとって、それでもなお労働者の賃金を一定額支払つづけなければならないという負担に耐えることができない場合が少なくありません。

そこで、このような事態において会社を存続させながら、可能な限り雇用を維持するための制度として「雇用調整助成金」が設けられているわけです。平時においても、雇用調整助成金を活用することで、要件を満たせば休業手当のうち一定割合を助成金によってまかなうことができます。

雇用調整助成金の特例措置の拡充

雇用調整助成金は、決して平時においてよく使われている助成金ではありませんでした。しかし、新型コロナウイルス禍の非常事態において、雇用調整助成金がにわかに注目を集めています。

そのため、手続が簡素化され、記載項目や添付資料が減らされ、審査が迅速化されるなど、利用しやすいような変更がなされています。加えて、新型コロナウイルスにともなう特例措置により、その拡充がなされています。

休業当初は、雇用調整助成金の支給要件を満たさないとしてあきらめていた休業でも、特例措置の拡充によりさかのぼって対象となる可能性があります。

生産指標要件の緩和

雇用調整助成金を受給するためには、事業活動が縮小していることが必要となるところ、この事業活動の縮小について図る指標を「生産指標要件」と呼びます。

具体的には、計画届を提出する月の前月と、対前年同月比で比較して、生産量や売上高などが10%以上減少していることが従来の雇用調整助成金の要件とされていました。

今回の特例措置により、生産指標要件が緩和され、5%以上減少していることで同要件の充足が認められることとなりました。

休業等規模要件の緩和

雇用調整助成金を受給するためには、会社全体の事業活動が縮小していることとともに、休業日数が一定規模を超えていなければならないこととされています。この要件を「休業等規模要件」と呼びます。

従来、休業等規模要件は、中小企業の場合には休業等の延べ日数が対象労働者の所定労働日数の20分の1以上、大企業の場合には15分の1以上とされていました。

これに対して、今回の特例措置では、2020年1月24日以降の休業について、中小企業については40分の1以上、大企業については30分の1以上に緩和され、より小規模な休業であっても、雇用調整助成金を活用できるようになりました。

助成率の引上げ

雇用調整助成金の支給額は、各事業所ごとに算出される基準賃金額に、助成率をかけることによって算出します。この助成率もまた、今回の特例措置の拡充により引き上げがおこなわれています。

具体的には、従来の雇用調整助成金の助成率は、中小企業が3分の2、大企業が2分の1とされていましたが、特例措置の拡充により、中小企業が5分の4、大企業が3分の2へと引上げがなされました。

さらに、解雇を行っていないなどの要件を満たした場合には、助成率が、中小企業で10分の9、大企業で4分の3まで上乗せされ、より一層、雇用を維持しつづける会社への助成を強いものとしています。

支給日数上限の引上げ

雇用調整助成金には、支給日数の上限があります。つまり、休業すればするだけ永遠にもらえるわけではなく、ある一定の日数までしか雇用調整助成金を受給することはできません。

この支給日数の限度について、従来は1年間で100日までとされていましたが、緊急対応期間(2020年4月1日から2020年6月30日まで)におこなわれた休業日数はこの中には含めないこととなりました。

つまり、緊急対応期間の前後で休業を継続した場合には、緊急対応期間以外に、あと100日間雇用調整助成金の支給を受けることができるということです。

教育訓練実施時の加算額の引上げ

雇用調整助成金は、休業した際の休業手当だけでなく、その際に教育訓練を実施した場合にはその費用についても加算して助成がなされることとなっています。この助成について1日1人あたり1200円の上限がありました。

訓練費として支給される助成金についても、新型コロナウイルスの影響による特例措置の拡大がなされています。

具体的には、緊急対応期間(2020年4月1日から2020年6月30日まで)の間に実施された教育訓練などについては、1日1人あたり、中小企業については2400円、大企業については1800円まで引き上げられました。

雇用保険未加入者への対象拡大

雇用調整助成金は、雇用保険を原資としていることから、雇用保険被保険者の休業を支給対象としていました。

そのため、1週間に20時間未満しか労働をしていない社員など、雇用保険に加入していない労働者の休業については、雇用調整助成金を活用することができませんでした。

これに対して、新型コロナウイルスの影響による特例措置の拡大では、雇用保険未加入者について、「緊急雇用安定助成金」という制度を創設し、雇用調整助成金とは別ではあるものの、同様に休業手当の一定割合に相当する助成がなされることとなりました。

短時間休業要件の緩和

雇用調整助成金は、従来から、1日単位の休業だけではなく、1時間単位の休業であっても助成が認められていました。つまり、「半日だけ休業」という場合でも、雇用調整助成金を受給することができました。

ただし、従来は、このような短時間休業が支給対象となるのは、対象労働者全員が一斉に休業する場合に限られていました。

特例措置の拡充によって、この要件が緩和され、労使協定の制定により実施されるものであれば必ずしも対象労働者全員を一斉に休業しなくとも、部署単位、職種単位などの短時間休業も、雇用調整助成金の対象となるものとされました。

残業相殺制度の停止

「残業相殺」とは、雇用調整助成金の金額を算出するにあたって、休業をさせる一方で残業や休日出勤をさせていた場合には、その分を助成金から控除する方法のことです。

そして、新型コロナウイルス禍の影響による特例措置の拡充で、この残業相殺は、2020年1月24日より当面の間は適用されないこととなりました。

つまり、やむを得ず出勤せざるを得ない社員がいたり、残業の必要性に迫られたりする場合であっても、雇用調整助成金の支給額は減らないこととなります。

計画届の事後提出

従来は、雇用調整助成金の支給申請をおこなうときには、休業などを実施するよりも前に計画届を提出する必要があるとされていました。

しかし、新型コロナウイルス禍の影響により、ただちに休業をする必要があり、雇用調整助成金の計画届の提出が間に合わない会社が少なくありませんでした。

そこでこのような感染拡大の急激な影響を考慮して、休業などの実施前ではなく、事後に計画届を提出することが認められることとなりました。そして、事後提出の期限もまた、2020年5月31日とされていたものが、2020年6月30日まで延長されました。

特例措置の遡及適用について

ここまで解説した特例措置には、2020年1月24日にさかのぼって適用されるものと、2020年4月1日から適用されるものとがあります。

2020年1月24日により遡及適用される特例措置の拡充は、次の内容です。

  • 休業等規模要件の緩和
  • 短時間休業要件の緩和
  • 残業相殺制度の停止
  • 計画届の事後提出

2020年4月1日から適用される特例措置の拡充は、次の内容です。

  • 生産指標要件の緩和
  • 助成率の引上げ
  • 支給日数上限の引上げ
  • 教育訓練実施時の加算額の引上げ
  • 雇用保険未加入者への対象拡大

「人事労務」は浅野総合法律事務所にお任せください!

今回は、社会問題となっている新型コロナウイルス禍の影響を受けて実施されている、雇用調整助成金の特例措置の拡大について解説しました。

雇用調整助成金をはじめ、雇用している労働者の人事労務について、新型コロナウイルスの非常事態によって難しい問題が多く発生しています。

会社の労務管理などについてご不安のある会社は、ぜひ一度当事務所へ法律相談ください。

「新型コロナウイルスに関する法律問題」弁護士解説まとめ

お問い合わせはこちら

法律問題にお悩みのすべての方へ。
弁護士法人浅野総合法律事務所まで、まずはお気軽にご相談くださいませ。
法律相談のご予約は、24時間受付しております。

03-6274-8370

お問い合わせ

お問い合わせ

法律問題にお悩みのすべての方へ。

弁護士法人浅野総合法律事務所まで、
まずはお気軽にご相談くださいませ。

法律相談のご予約は、
24時間受付しております。

03-6274-8370

お問い合わせ

-人事労務
-, , ,

法律相談のご予約は、
 24時間お受付しております。 

03-6274-8370

お問い合わせ

© 2020 弁護士法人浅野総合法律事務所